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★ピックアップ アーケード★
SIDE-B連載2回目となる今回は、フォーメーションについて、より具体的に説明しよう。フォーメーションには「これで完璧」といった絶対的な形はなく、相手の陣形によって有利、不利が変わってくる。重要なのは、自分の使っているフォーメーションの特徴を理解しておくことだ。そうすれば試合ごとに対策も立てられるし、臨機応変なカード移動もやりやすくなる。自分自身のフォーメーションや戦術を理解し、それに適した人材を選んでいくようにしよう。 ※注 …… 本記事の内容は、あくまでも筆者自身がプレイして感じたことに基づいて記述しているものです。状況やカードなどさまざまな要因により、記事どおりにすべてが機能するわけではないことを、あらかじめお断りしておきます。
■ 3TOP戦術におけるディフェンスの課題とは カード配置やフォーメーションについては、前バージョン連載時にも簡単に紹介したことがあるが、今バージョンにおいても基本は同じで、フォーメーションの相性や特性はさほど変わっていないよう思える。しかし同じ切り口では意味がないので、少し違った角度から解説してみたい。ここでは、以前紹介した1TOP戦術と対照的な戦術であり、実戦的でもある3TOP戦術をベースに取り扱っていく。今回は特に、その守備面について説明する。
3TOPを考えるとき、中盤の守備が大きな意味を持ってくる。前線に3人を割くため、中盤の人数がどうしても少なくなってしまうのだ。うまく機能していればいいが、守勢に回るとそのぶん辛くなってくる。これは3TOP戦術の宿命ともいえるが、いかに中盤を工夫するか、その特徴を理解しているかが、勝率に直結してくるのだ。
■ 守備の理論を考える ~縦の理論と横の理論 まずはフォーメーションの理論的側面から追及していこう。WCCFにおいては、中央突破とサイド攻撃が攻撃の2大バリエーションとなっている。縦の理論は中央突破に、横の理論は主にサイド攻撃に対応している。 【縦の理論 ~GK正面の、味方の人数がポイント】 フィールドにカードを並べ、フォーメーションをじっくり見てみよう。このとき、GKを中心とした縦のラインに、何人の選手が配置されているだろうか。 ここでは、4バックの場合でも、横一列に並んでいた場合は2人ではなく「1人」と数える。中央に寄ったダブルボランチも同様だ。たとえば、トップ下を置いた4-2-3-1の場合、最終ライン、中盤の底、トップ下、センターFWと「4人」の選手が配置されている。このようにGKをのぞき、中央のラインに4人以上の選手が配置されていると中央突破に強い形になる。 いっぽう、横に開いた4-3-3を見てみよう。この場合はトップ下不在で、最終ライン、中盤の底、センターFWとなる。この場合は縦に「3人」しかおらず、中央突破にやや不安を抱える陣形といえる。
トップ下がいないだけで、なぜ中央突破に対して弱くなるのか。それは、中央のスペースを埋めるため、ボランチが前に突出してくるからだ。突出されると、その裏が開くのでパスを通されやすくなる。また、ボランチのスペースを埋めようと、さらに4バックのセンターDFのどちらかが前に出てくる。これが中央突破を許す要因となりやすいのだ。
サイド攻撃をどのようにして防ぐか。それは、サイドに置いた選手をどう活用するかで大きく変わってくる。 攻撃的なフォーメーションを組むなら、サイドの守備を無視するという戦法もある。この典型が、3-2-3-2というフォーメーションだ。これはサイド攻撃に対して非常に弱いが、攻撃に特化しているのでそのぶん攻撃やキープ力は強力無比である。 「さすがにそれでは守備がきつい」と思うなら、4バックにしてサイドバックにサイドのケアをさせる、という考え方もある。中央に寄った4-2-1-3などのフォーメーションが典型的な形で、この場合はサイドバックにテュラムやレグロッターリエなどの足が速く守備が計算できる選手を配置するのが定番。それでもサイドをえぐられたり、アーリークロスを上げられる危険があるため、背の高いDF選手を多く使ったり、キーパーの飛び出しもポイントになってくる。
サイド攻撃をしっかり止めようとするなら、中盤で抑えていくことが必要だ。サイドハーフを2人置き、横に開いた陣形で迎え撃つ。この場合はサイドハーフをセンターライン付近の高い位置に置くか、それとも最終ラインの手前の低い位置に置くかで、戦術が微妙に変化してくる。
サイドハーフを高い位置に置くと、高い位置からのパスカットがしやすくなる。ボールポゼッションを高めるには優れた配置だ。 この場合は、運動量が多くパワーに優れた中盤の選手を使うとよい。ダヴィッツなどがその典型といえるだろう。高い位置でボールを奪えると、3TOPが下がらない状態で攻撃が組み立てられるため、サイド攻撃が展開しやすい。ボールがスムーズにつながり、攻撃力が格段に増す。 さらに、高い位置なら守備だけでなく“攻撃参加”も可能だ。3TOPの攻撃にくわえ、サイドハーフが駆け上がってアーリークロスなどという戦法も可能になってくる。サイドから走り込んでミドルシュート、という状況もときおり生まれるのだ。 いっぽう、欠点はサイドハーフ裏のスペースを使われやすいことである。足の速いサイドプレーヤーに、簡単に背後へ抜けられる可能性がどうしても高くなる。カウンターへの対応に対して、不安はぬぐいきれない。 では、サイドハーフを低い位置に置くと、どうなるか。この場合は、相手のサイド突破をがっちりと受け止める布陣となり、守備に関しては非常に強固になる。守備が優先されるため、当然ながら守備力に優れた選手を使うといい。ジャンニケッダなど守備力のある中盤の選手でもいいし、テュラムやビリカなどDFを置くのも有力な手段だ。相手のドリブル突破を迎え撃つ形になるので、パスカットよりもDFとしての能力が問われる。
ただし、ボールを奪ったあとの展開は、ちょっと問題がある。自陣の深い位置でボール奪取するため、前線の選手が下がってきてサイドに展開するのが難しい場合があるからだ。サイドハーフの位置が低いときは、サイド攻撃よりも「カウンターで中央突破」という戦術のほうが組み立てやすい場合が多い。この陣形で3TOPを活かすには、ひと工夫が必要である。
■ 3TOP戦術の具体的フォーメーション~それぞれの陣形の特徴を探る
それでは実際に、よく使われる3TOP陣形についてコメントしていこう。ここでは守備を中心に、攻撃の組み立てる直前までをフォローしていく。
ちまたでよく見かける3TOP型フォーメーション。この形は、4バックで中央をケアしつつスムーズに3TOPにボールが供給できる。ひとりはトップ下に近い位置に配置されており、前線の3TOPへボールが渡りやすい。2ボランチがトップ下をカバーしつつ、中央を固めているのでパスカットされにくく、中央の守備が固いのが特徴だ。
また、足の速さと奪取力を兼ね備えたアッピアなどの選手をトップ下に置いた場合、カードの上下移動もポイントとなる。前線で守備に失敗しても、そのままカードを下げて移動すれば再び守備に加わることができる。このことを知っていれば、多少は奪取力が上がるはずだ。
このフォーメーションに対しては「サイド攻撃」を活用したい。2ボランチが離れすぎていれば1TOPで突破も可能だ。しかし、強力な最終ラインを持ち、足が速いボランチを2人置かれるとロースコアの戦いになることは必至。むしろサイドのスペースでボールをキープしながら攻めていくのが有力。ただし、敵サイドバックに簡単にボールを奪われないように、選手配置や人選が重要になってくる。また、こちらのキックオフ時は狙い目。ある程度の確率でサイドへのパス回しをパターン化することが可能だ。
中盤をフラットに3人並べた形。3人をやや低めに配置して中盤を守備的に構成する。サイド攻撃をケアするのが目的で、見ようによっては7バックにも見える。この布陣に対してサイドを突破するには、サイドハーフとサイドバックの2人を突破しなければならない。サイドを突破しても、逆サイドに人数がかけられているのでなかなかこぼれ球を拾えない。サイドハーフが抜かれた時点で、逆サイドのハーフを最終ラインに移動させて5バックにすれば、さらに粘り強いディフェンスが可能だ。
このフォーメーションの難点は、中盤と3TOPの距離が離れやすく、ボールが前線に渡るまでにカットされやすいところだ。中盤の人数を増やせば、相手の前線へのパスをシャットアウトできる。また中盤の中央付近から持ち込めば、中央のボランチを前に引きだすことができる。ここでパスを送ればその裏をつくことができ、4バックと直接勝負できる。4バックのラインも、スペースを埋めようと中央が突出してくるので崩れやすい(縦の理論)。中盤に人数をかけてパスを回しながら、中央の1点突破が狙い目といえるだろう。
4-3-3では、どう工夫しても中盤の人数が足りない。そのために3バックにして人数を増やし、縦に4人並べるとともにサイドハーフも2人置こうという布陣である。中盤の奪取力、3TOPの破壊力が両立しており、ツボにはまると驚異的な強さを発揮する。
中盤の奪取力はかなりのものだが、最終ラインは3人なのでサイド攻撃が有効。サイドハーフに引っ掛からないように選手を配置し、サイドチェンジしながら突破していくといいだろう。サイドハーフさえ抜けば、高確率でクロスを上げることができる。また今バージョンでは、スルーパスも狙い目だ。最終ラインの人数が少ないと、スルーパス一本でチャンスを生みだせる。しかし完全な1TOPだと守備の網にかかりやすいので、2TOP気味にしたり、斜めにパスを送るなど工夫するといいだろう。
■ 新規選手カード ~選手紹介その2~
ここでは、新たに追加された選手カードの中から、ピックアップしてその選手の使用感について紹介していこう。今回は、R・ソサ、ミヒャエル・コンセル、イヴァン・エルゲラの3人の選手を紹介していく。
【ルーベン・ソサ】
WCCFにおいては、典型的なテクニカル系のFWである。スピードとテクニックは申し分ないが、パワーにおいてはかなり厳しい。当たりが弱いので、単独でのドリブル突破はあまり成功しないだろう。テクニックは高いものの、それだけで抜いていけるほどではない。センターに配置すると厳しいので、左サイドにおいてクロスを上げつつ、シュートも狙わせていくといい。 シュートは最初のうちこそ弱い気がするが、経験値が溜まってくれば決定力が上がってくる。ペナルティエリアのぎりぎり外からも、ミドルシュートを狙うことは可能だ。 また独特なのが、インサイドキックで流し込むゴールだ。インサイドキックのシュートは別名“コロコロシュート”などと呼ばれ、プレーヤーから嫌がられることが多い。しかしソサの場合、ゴールキーパーに近づき、ほぼ決まるときしかインサイドキックを出さない。結果的にインサイドキックの決定力が高くなっているため、必要以上に気にしなくてもいい。むしろインサイドキックが決まると高確率で“ゴールの詩人”という固有の実況ボイスが入るので、対戦相手に精神的ダメージ(?)を与えられる。
ソサの場合、エリア内の中途半端な位置からシュートを撃つと決定力が低くなりがち。ミドルシュートか、キーパーに近づいてインサイドキックを狙うといいだろう。
【ミヒャエル・コンセル】
WCCFでは、比較的バランスの取れた能力を持つGKである。ベテランGKということで、飛び出しの遅さを気にする人もいるかもしれない。しかし飛び出しに関しては平均以上の速さがあり、さほど問題にはならないだろう。 ブッフォンなどWCCFにおける超一流のGKと比べると、ミドルシュートのセービングがやや落ちる印象がある。しかしそれは比べる相手が特別なだけであって、他の一流GKと比べれば遜色はない。ポジショニングがいいせいか、ときおり至近距離からのシュートも防いでくれるケースも見受けられる。
特筆すべきは、PK戦における強さ。筆者が100試合使用したおりにも、PK戦で相手のシュートを何本も止め、タイトル奪取に貢献してくれた記憶がある。総合的にブッフォンを超えたとは言い難いが、WCCFに登場するGKのなかでは間違いなく上位に食い込む選手であろう。
【イヴァン・エルゲラ】
WCCFにおいても、とてもバランスのとれた選手と評価できる。高いディフェンス能力、運動能力、攻撃センスを兼ね備えている希有な選手だ。ただし、各分野のスペシャリストたちと比較すると、どのポジションでもやや分が悪い。すべてに高いレベルではあるが、器用貧乏といえなくもない。 もっとも一般的なのが、守備的MFとして使う場合だろう。ディフェンス力が高く、パス回しも正確だ。ディフェンダーとしては、センター、サイドともに無難にこなすことができる。背の高さがあるので、ハイボールにもそこそこ強い。ただしパワーがやや弱く、重量級FWの突進には分が悪いので注意しよう。 サイドのFWとして使うのも有力。前線からボールを奪い、サイド攻撃を仕掛けてくれる。シュートはときおりはずすこともあるが、高確率で威力のあるシュートを放つ。本職の有名FWに比べると決定力はやや落ちるが、十分得点が計算できる。
また経験値の溜まりが速いので、非常に使いやすい。ふらふらと動き回ることなく、戦術ボタンに忠実に、ロボットのごとく監督の狙いを体現してくれる選手だ。
【参考書籍】
(C)SEGA,2002,2004
□セガのホームページ (2005年1月28日) [Reported by 石井ぜんじ]
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