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★ピックアップ アーケード★
正式稼動から、約1ヵ月が経過。そろそろ落ち着いてきた感もある「WCCF 2002-2003 Ver.2.1」だが、読者のみなさんは元気にプレイされているだろうか。趣味チームで戦う監督さんには受難のバージョンだが、愚痴ったところで状況が改善されるはずもなく、プレイを続けていくうえでの最善作は“本バージョンと正面から向き合うのが一番”ではないかと筆者は考える。 強烈なアゲインストに対して、レアもしくはそれに匹敵する選手カードを盾にするのもひとつの解決策だが、それでは監督自身のスキル向上が見込めない。ボールに対する寄せや運動量の変化で全体の流れがつかみにくくなっているかもしれないが、気付いたこと、気になったことをスルーせずにひとつずつチェックしていけば、監督自身のやりたいことが少しずつ再現できるようになるはずだ。 ※注 ……本記事の内容は、あくまでも筆者自身がプレイして感じたことに基づいて記述しているものです。状況やカードなどさまざまな要因により、記事どおりにすべてが機能するわけではないことを、あらかじめお断りしておきます。
■ 激減したフレンドリーマッチの対人戦 ~立ち上げ直後は必須?~
ただし、マッチングの改善にあわせるように、プレーヤーチームにも若干の変化が生じている。それは、チームの戦力グラフおよび各選手のチーム経験値が少ないときの選手パフォーマンスが、前バージョンよりも鈍くなっていることだ。特に新チーム立ち上げ直後は、運動量はもとより、シュートやパスの精度、到達距離、スタミナの減り方にいたるまで、ほぼすべての要素があからさまに頼りない。トップクラスの選手カードでプレイしている人は実感が乏しいだろうが、平均的な選手カードでチームを構成している監督にとって、これは結構厳しい。 伸びしろを意識せずに起用できた選手はもちろん、タイプによっては前バージョンと同レベルのパフォーマンスを発揮するまでにさらなる場数を踏む必要がある。安定したパフォーマンスを望むなら、最低15~20試合くらいはフレンドリーマッチをこなしておきたいところ。プレイ料金に換算すると結構な金額になるが、それくらいしないとチームの土台ができないのだから仕方がない。さもないと「GK手前で打ったシュートが余裕でキャッチされる」など、さんざんな光景を目の当たりにすることになる。
こうした下準備は「怪我をしにくいチーム作り」にも役立つ。本バージョンは接触プレイ時の判定処理が再調整された結果、前バージョン以上に怪我が頻発するようになった。平均以上のフィジカルを持った選手でも、チーム経験値が少ないときは殊のほか怪我をしやすいように感じられる。怪我から復帰したときはコンディションが落ちていることが多いため、怪我のファウルが得点につながっても素直に喜べない。チーム運営を安定させるためにも、立ち上げ直後はフレンドリーマッチで地力をつけておくことをおすすめしたい。
■ ロングパスの成功率が低下
その一方で、“SIDE-B”でも考察が述べられていたように、状況に応じて変化する選手の動きが活性化されたことで、中盤におけるボールの争奪戦が激化。全体的に移動量が増えたため、オープンスペースを突くボール回しの有効性が飛躍的に高まっている。
奪ったボールを、速攻で前線に送る。文字だけ見ると実に効率的なのだが、本バージョンではタイミングを間違えると敵にパスをするも同然。さりとて、適当に選手を配置しただけでは、サイコロを振って出た目の数だけ進んでいるようで、サッカーゲームの遊び方としては虚しい。ここは「なくてもなんとかなる」、「なんとかする」のが監督の役目ということで、レアカードに頼らない打開策の一例を提示してみたい。
■ 「WCCF」的ポゼッションサッカーで対抗(その1) ~守備に割く人数を効率化~
本来、守備陣形は相手FWの人数や配置に合わせて構築すべきものだが、「WCCF」はプレイ時間の都合上ゲーム展開がディフォルメされていることから“必ずひとり余らせる”といった現実のセオリーに縛られる必要はない。本当ならこだわりたいところなのだが、選手カードのパワーレンジが目を覆わんばかりに広がった現状を鑑み、あえてドラスティックに行かせていただく。 さて、前回ご紹介したスイーパーを用いた守備陣形だが、これはペナルティエリア中央にスイーパーを配置することで“オープンスペースを消す”のが主目的。これを突き詰めていくと「最低何人いれば相手の攻撃スペースを制限できるか」につながっていく。守備に人数をかけたところで、適当に放り込まれたクロスをトップクラスのストライカーが強引にねじこむという図式は簡単にくつがえるものではなく、それならば「最低限の人数で守ったほうが効率的」ということになる。 守備には、人数をかけるなどの堅い守りで相手の攻撃を跳ね返す以外にも“相手にボールを持たせない=こちらが常にキープする”という考え方がある。少ない攻撃人数であっさりボールを奪われるよりは、遅くてもボールをキープしながらジックリ攻めたほうがリスクを軽減できるというわけだ。「ちんたらボールを回していたら、あっさり奪われて反撃されるじゃん」と思われるかもしれないが、これは攻撃と守備、どちらにウェイトを置くかといった違いでしかない。 カウンターは、人数をかけた硬い守備でボールを奪い、相手の守備が整わないうちに少ない人数で素早くゴールを陥れるのが目的。ボールをキープしながら少しずつ相手の守備陣を切り崩していく「ポゼッションサッカー」は、前作でバツグンの安定感を示していた「カウンターサッカー」の対極に位置するスタイルといえる。
そんなポゼッションサッカーを実現するために必要な「最低限の守備」だが、現状ではストッパーふたり、スイーパーひとりの3バックがもっとも安定しているように思える。中盤は、MFゾーンの底にDH(ボールを散らすならレジスタ)が最低ひとりは欲しい。スイーパーがペナルティエリア内に位置するため、バイタルエリアの攻撃スペースを消す役目はDHが担うことになる。ストッパーふたりは、ペナルティエリア左右の境目もしくは角を目安に、背後にボールが出されない程度に前方を意識して配置。高すぎると、センターライン付近からボールを放り込まれてしまうことも珍しくない。
■ 「WCCF」的ポゼッションサッカーで対抗(その2) ~要所で戦術ボタンを点灯~
選手の配置間隔は、近すぎず、遠すぎずが基本。ただし、あまり均一に配置すると、パスを出す、あるいは受け取る瞬間にボールを奪われるケースが目立つため、どこかでメリハリをつけておくのがポイント。ピンとこない人は、N-BOXをベースに各ポジションを調整してみるといい。筆者の場合、攻撃面でイニシアティヴを握りたいときは1トップの下にOMFをフラット気味に3人配置。FWを縦にふたり並べて、その下にOMFをふたり配置してもいい。センターサークル付近が手薄になるものの、フォアチェックに秀でたDHがひとりいれば、かなりふんばれる。 冒頭で述べたとおり、本バージョンはパスの距離が長くなるにつれて成功率が低くなる。ボール回しは安全が最優先されるため、チェックされる前にフリーの味方にパスを出すよう“戦術ボタンはすべて無点灯”が基本。カウンター点灯時には見られない“DFにいったん下げる”パスが頻発するため、ラヴァネッリなどボール奪取が得意なFWが相手チームにいるときは、油断は禁物。常に注意していれば問題ないが、危ないと思ったときは素直にカウンターもしくは左右にはたかせてしまったほうがいい。
敵の寄せは熾烈を極めるが、常にボールを動かし続ければ、やがて相手フォーメーションの随所にほころびが生じる。ゲーム画面全体を見渡していれば必ず「ココ!」という攻撃スペースが見えてくるので、パスの前後、一歩先を読んで戦術ボタンで指示を出せば、プレミアやリーガ並の華麗なパスワークを披露してくれる。
パス回しで守備陣形を切り崩していくことから「黄金連携が必須」と考える人がたくさんいそうだが、相性が最悪の組み合わせでも、フレンドリーマッチで連携を鍛えてやれば「ラインで結ばれていなくても問題なく戦える」というのが実感。
連携が良ければ有利になるのは間違いないが、それよりも戦術ボタンを押すタイミング、ポジションの微調整といった要素のほうが試合展開に大きく影響してくる。もし本記事を参考にしていただけるなら、そのあたりを強く意識するほど「WCCF」がより一層楽しめるはずだ。
(C)SEGA,2002,2004
□セガのホームページ (2005年1月21日) [Reported by 北村孝和]
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