ガンホー「ラグナロクオンライン」2005年上半期計画を発表
転生システムを含むアップデートを2月15日に実施
2005年1月25日 開催
開催場:青山ダイヤモンドホール
株式会社ガンホー・オンライン・エンターテイメントは東京・青山ダイヤモンドホールにて「ラグナロクオンライン」2005年上半期計画発表会が開催した。
今年で有料サービス3年目にはいるという「ラグナロクオンライン」。今回アップデート計画など、情報の公開はすべて代表取締役社長である森下一嘉氏が行なった。森下氏が「ラグナロクオンライン」に関して、こういったスタンスで情報を開示するのは「ラグナロクオンライン」正式サービス開始時から、実に2年ぶりとなる。
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代表取締役社長、森下一嘉氏 |
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森下氏自ら、事業計画、アップデート情報を説明 |
正式サービス発表後、本作に関する情報は、技術担当取締役の堀誠一氏や、プロデューサーの廣瀬高志氏から発表されていた。今回、森下氏が自ら発表を行なうというのは、改めて、本年度の「ラグナロクオンライン」に対するガンホーの意気込みを感じさせられ、興味深いものがある。
冒頭の挨拶で森下氏は「『ラグナロクオンライン』が有料化を開始して3年目に突入しました。昨今、オンラインゲームは非常に多く日本市場に投入されてくるようになりまして市場が大きくなるとともに、競争も厳しくなってきました。当社はこの『ラグナロクオンライン』によって日本の市場を形成してきたという自負もあります。『ラグナロクオンライン』のさらなる展開と、みなさんの期待に添うべく社員一丸となって努力をしていきたいと思います」と語った。
「ラグナロクオンライン」の計画に先立って、ガンホー自身の2005年の上半期計画が発表された。「A3」、「タントラ」などのネットコンテンツの運営だけでなく、キャラクタ商品やエンターテイメントコンテンツの企画開発、ネットカフェや量販店と連動したサービスなどを行なっているガンホーであるが、2005年には新プロジェクトとして短編ドラマ番組「mahora☆ -まほらのほし-」を制作するという。この作品はインターネットでの提供の他、地方局ながら地上波放送も行なわれるテレビドラマで、「ラグナロクオンライン」のアニメ化に続く、ユニークなコンテンツ開発になりそうだ。
この発表会では、学園オンラインRPG「ヨーグルティング」と、ゲームアーツとの共同開発によるオリジナルタイトル「Cordename;"GO"」のふたつのコンテンツがともに2005年内にサービス開始予定であることが改めて告知された。
ガンホーの今後の市場戦略としては、「ラグナロクオンライン」による今後のさらなる市場の拡大。「A3」といった複数のタイトルによる幅広いユーザー層の獲得。「Cordename;"GO"」等オリジナルタイトルによる海外市場への展開。さらにオンラインコミュニティーの拡大という4つの大きな柱による展開を行なっていくとのこと。
オンラインコミュニティーに関しては弊誌による森下氏の前回のインタビューでも触れた部分だが、インタビュー同様詳細はあかされなかった。「ラグナロクオンライン」など各タイトルごとのコミュニティーは現在存在しているが、ガンホーのサポートにより、これらコミュニティーのさらなる強化を図り、様々なオンラインコンテンツの拡充を行なっていくとのことだ。
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「ラグナロクオンライン」プロデューサー、廣瀬高志氏 |
「ラグナロクオンライン」広報担当、飯野平氏 |
「ヨーグルティング」「Cordename;"GO"」の2タイトルは2005年内にサービス予定とのこと |
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ガンホーの新プロジェクト短編ドラマ番組「mahora☆ -まほらのほし-」。加藤ローサと劇団ひとりをメインキャストに、二人の恋の行方が描かれる。物語には「ラグナロクオンライン」も登場するという。地方局の他、ガンホー公式サイトと提携サイトによるストリーミング配信が予定されている |
■「ラグナロクオンライン」待望の2次転職を含む1stアップデートは2月15日に実施
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アップデート計画。2005年上半期までに3つのアップデートが予定されていることが明らかになった |
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最初のアップデートで盛り込まれる内容。多くのファンが待ち望んだ転生システムが実装される |
アニメ放映やラジオ番組などのメディアミックス展開、ゲームショウや花火大会などのオフラインイベント、ネットカフェなどと連動したチャネル展開と2004年、ガンホーは様々な展開を行なってきた。これらの活動はユーザーに高く評価された一方で、11月に韓国や台湾ではすでに実装されている「転生システム」を含むアップデートを延期、そのことで多くの批判の声を集めてしまった。
今回の発表会で、延期されていたアップデートが2月15日に実施されることになった。転生システムが導入される他、アイテムを保管する「カプラ倉庫」の保管最大数が100種から300種に、ギルドメンバーの上限数が拡張されることになった。今回のアップデートは、延期されていた内容だけではなく、職業バランスなどを再調整した韓国での最新バージョンと同じものが適用されることとなる。
転生システムとは弊誌でも何度か取り上げているが、ベースレベル99、ジョブレベルが50に到達した「上級キャラクタ」を対象としたシステムである。「ユミルの書」に関するクエストをクリアすることで、キャラクタはレベル1に転生する、そこから再び育成を開始することとなる。ラグナロクオンラインのキャラクタは一次転職、2次転職を行なってより強力で個性的なキャラクタに成長していくのだが、転生したキャラクタは2次転職の際にさらに強力な「上位2次職」になることができる。
今回上位2次職に関しては3つの新しいスキルが紹介されている。新グラフィックも公開されているが、実装されているのは2-1次職までとのこと。日本の高レベルプレーヤー待望のアップデートがいよいよ実装されるのである。
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転生システムへの条件と、各上位2次転職のキャラクタ。2-2職のグラフィックは3rdアップデートで、実装される |
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実装される新スキル。他のキャラクタのスキルの導入が待ち望まれる |
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ハイブリースト |
ロードナイト |
バルキリー |
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各スキルのスクリーンショット |
■上半期のアップデートは3rdまでを予定。2ndアップデートは4月に
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2ndアップデートで導入される新地域 |
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3rdアップデートで導入される「アユタヤ」。タイの雰囲気を取り入れたマップとなる |
グローバルプロジェクトとして中国の要素を取り入れた新しい街「龍之城」、結婚したカップルしか行けない南国の島「ジャワイ」という二つの街の追加、そして「フェイヨン」のリニューアル。4月に予定されているアップデートは昨年のゲームショウで紹介されていた要素が中心となる。
2ndアップデートではこれらの他に、「初心者修練所」のリニューアル、初心者クエスト、案内板の設置が行なわれるとのことだ。こういったことの導入でゲームに不慣れなユーザーのためのサービスを充実していく。また、進化を続ける「ラグナロクオンライン」にあわせた情報提供の見直しも行なわれるという。案内板は初心者用クエストをとばしたユーザーが内容の再確認などを行なえるようにしたものだという。このほかに「離婚機能」が追加される。こちらの詳細は今後明らかになるだろう。
3rdアップデートでは、グローバルプロジェクト第4弾となるタイの要素を取り入れたマップである「アユタヤ」が追加される。日本を意識したアマツや中国風の龍之城同様、国際色豊かな街になる。このアップデートでは上位2-2職のグラフィックも導入される。
3rdアップデートでユーザーの注目を集めそうなものが「神器アイテム」の追加である。今まで以上に強力な装備品で、攻城戦で入手できる宝箱から出てくるアイテムを素材として作成するとのことだ。このほかにもスーパーノービスの最大ジョブレベルを99に拡張、ギルドシスキルも拡張される。また、養子縁組システムの追加やマリッジシステムの仕様変更が予定されている。
2005年下半期はいよいよ新世界がユーザーの前に姿を現す。シュバルツバルド共和国の都市が徐々に公開。現在明らかになっているのは仮の名前のみで、鋼鉄都市アインブロック(仮称)。他にはレースを楽しめるというアルデバランターボトラックと呼ばれる新マップのスクリーンショットが公開された。また、職業別のクエストの実装も予定されているという。
下半期の今後のアップデートではミッドガルド大陸の全貌が明らかになっていく。冒険の目的も多彩なものが用意される他、「冒険以外の楽しみ方」も提示されるという。今後の新情報に期待したい。
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アルデバランターボトラックのマップ。新しい遊びを提示してくれそうだ |
「アユタヤ」の公開されたスクリーンショット。ライオンの彫像などが確認できる |
■全年齢ユーザーを対象にしたギルド対抗日本大会を開催、さらに多彩な展開も
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ガンホーが開催する「RJC」。頂点に立つギルドは!? |
全世界の「ラグナロクオンライン」プレーヤーたちが腕を競うというRWC(Ragnarok World Championship)が開催された2004年。しかし、RWCでは決勝戦が韓国で行なわれるため、日本予選の時点で未成年ユーザーを対象として除外。さらに、世界とルールをあわせるため、2-1次職までのキャラクタによって行なわれた。日本国内で日頃行なわれている戦いとはルールや条件が異なる競技となったため、「現行ルールによる日本の頂上決戦」とは言い難いイベントになった。
今回開催が発表されたRJC(Ragnarok Japan Championship:仮称)では、ガンホーが主催、日本国内の「ラグナロクオンライン」全ギルド員たちが対象になる。ルールや予選方法などはまだ未定だが、年齢制限の撤廃や、より現在のプレイに近い要素など、さらなる熱戦が予想される。現在2005年夏に開催が予定されている。
東京ゲームショウではグラビティーのブースで公開されていた「ラグナロクモバイル」。「ラグナロクオンライン」に連動したこの携帯ゲームの国内サービスが正式に決定した。「ラグナロクモバイル」はクエストを進行させながらキャラクタを育成していくアクションRPG。本作の最大の特徴は「ラグナロクオンライン」にゲーム内の通過「ZENY」を転送できる点である。携帯電話で屋外でも気軽に冒険を楽しみ、得たお金で「ラグナロクオンライン」のキャラクタを強化できるのである。
韓国と日本の携帯電話では規格から仕様までまるで違うため、韓国のコンテンツをそのまま日本の携帯電話用のコンテンツに使用することはできない。どういったふうに移植されるのかに注目したい。
インターネットTV番組として提供されている「らぐジェネ」のリニューアルも発表された。新パーソナリティーに声優の植田佳奈さんと、森永理科さんを起用。彼女たち二人は熱狂的な「ラグナロクオンライン」ユーザーとのこと。番組連動イベントや初心者に向けたゲーム紹介などを行なっていく。
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屋外でも冒険が楽しめる「ラグナロクモバイル」国内でのサービスが決定した |
新パーソナリティーを迎える「らぐジェネ」 |
■不正ユーザーの対応に社内開発のシステムを開発中
「ラグナロクオンライン」をはじめ、現在多くのオンラインゲームで問題となっているユーザーの不正行為。ガンホーでは現在行なっている登録情報詐称問題などさまざまな問題を継続して対策を行なっていくという。さらに不正ツールへの対策にはシステムを作成する計画で、現在社内での研究を行なっているという。
サポートに関しては月間サポーティングデータを公開、さらに上記「らぐジェネ」において出張WEBヘルプデスクを設置する。コミュニケーション面では昨年東京で行なわれたオフラインミーティングを大阪で開催する予定。イベント要素よりも、ユーザーの質問にガンホースタッフが直接答えていくという、座談会的催しにしたいとのことだ。
□ガンホー・オンライン・エンターテインメントのホームページ
http://www.gungho.jp/
□「ラグナロクオンライン」のホームページ
http://www.ragnarokonline.jp/
□関連情報
【1月20日】ガンホー代表取締役社長森下一喜氏特別インタビュー
2005年以降の新しい事業戦略を語る
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050120/gungho.htm
【2004年11月27日】「ラグナロクオンライン」クリエイターインタビュー
今後はボリュームの充実とストーリー性の高さで勝負
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20041127/ro2005.htm
【2004年11月2日】ガンホー、「ラグナロクオンライン」転生システム実装を延期
実装時期は来年、延期の理由は「バランス調整のため」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20041102/ragnarok.htm
【2004年11月27日】「ラグナロクオンライン」プロデューサー廣瀬高志氏ロングインタビュー
「来年は対人戦やパーティープレイの促進に努める」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040929/ragna.htm
(2005年1月25日)
[Reported by 勝田哲也]
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