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「Dark Age of Camelot」クリエイター Matt Firor氏インタビュー |
Matt Firor氏 |
場所:Necca秋葉原店
イベントに参加したMythicのスタッフ。左からAaron Peterson氏、Ayaka Hahnさん、Matt Firor氏、Eugene Evans氏 |
そのイベント終了後に、インタビューに応じてくれたMatt氏は、'95年から同社でゲームの開発を担当している人物で、当然「DAoC」の開発にももっとも深く関わっている。MMORPGにおいては、開発者が運営半ばにして別会社を設立したりして離れていくケースが多い中で、一貫して開発を継続しているというのは珍しいといえるだろう。
今回は急遽時間をとっていただいたこともあって、あまり深く突っ込むことまではできなかったが、日本語版へ向けて気になっている点を中心に伺ってみた。
■ サーバーは1つでも3レルムでプレイ可能に
編集部: まずは、サーバーについてですが、現在「Akatuki」のみの1サーバーで稼動していますが、サーバー増設や、また英語版にあるようなロールプレイサーバー、コーポレートサーバー、PvPサーバーなどの日本語版での提供は考えておられるのでしょうか?
Matt氏: 接続者の人数によって増やすかどうかを考えます。
編集部: 現在稼動中の日本語版のオープンβでは、1つのレルムでキャラクタを持っていても、3つのレルムすべてでプレイできるようになっていますが、正式サービス開始時には、英語版と同様に1つに制限されるのでしょうか?
Matt氏: 今は3レルム、どこにでもキャラクタが作れる状態で、戦争(RvR)ではスパイ行為がしやすいですが、正式サービスが開始されてからは、1回ログオフしてから、一定期間をおいてから別レルムにログオンできるようにするということを考えています。例えばアルビオンにログオンして、ちょっとヒベルニアの様子を見てこようとログオフして再ログオンして、またアルビオンに戻るというようなことはできなくなります。
編集部: なるほど。それで最初は1つのサーバーしかないが、3つのレルムすべてでキャラクタを作成してプレイすることができるということですね?
Matt氏: そういうことです。
編集部: では、その“一定期間”というのは具体的にはどれくらいの時間でしょうか?
Matt氏: それはまだ決まっていません。現在検討しているところです。
編集部: 1月31日から正式サービス開始ということですが、その時点でどのくらいのユーザー数を予想していますか?
Matt氏: 現時点では予想はできませんが、現在もプレイしている方がすごくたくさんいらっしゃるので、皆さんが残ってくださればいいですね。日本語版のオープンβでは2万人以上の人がプレイしてくれています。
編集部: 日本のローカルサーバーということで、日本人のゴールデンタイム (日本時間の夜から深夜帯の、もっとも多くの日本人プレーヤーがプレイする時間帯) 以外には、オンラインのプレーヤー数が少なすぎて、その間に攻め込まれると、防衛しようにも人数が集められませんが、何か対策は考えておられるのでしょうか?
Matt氏: とにかくもっとプレーヤーを増やすことです。戦力の均衡という点もやっぱり大切なので、劣勢なレルムにはキャンプボーナスを増やすなどの対策をしています。
■ 英語版と言語以外は変わらない日本語版
編集部: 日本語版独自の仕様を盛り込むことは考えていますか?
Matt氏: 現時点ではベースのサーバーがきちんと動いていることを確認しているところなので、それが無事に確認できてから、その先の追加や修正していくべきところを考えたいです。Mythicでは、日本語以外にも、いろいろな国にローカライズされているので、もし日本に独自仕様を出したら、他のところからもそういう要望が、おそらく出てくると思うので、実現するのは難しいですね。
編集部: すでに英語版で導入されている最新の拡張パック「Catacombs」で追加された新クラスは、今までにないタイプの能力を持っており、それが強すぎて、キャラクタ間のバランスが崩れているという意見をよく聞くのですが、日本語版でもそのまま導入されるのですか?
Matt氏: アメリカでもキャラクタの性能は変えてきています。アメリカで変えていることはそのまま日本語版にも適用されます。仕様上では、英語版と日本語版では全く同じものになります。
編集部: 英語版からのキャラクタコピーや、アカウントの流用など、なんらかの措置は考えておられますか?
Matt氏: いいえ、英語版と日本語版とではデータベースが全く別のものになっていますのでできません。ごめんなさい。
編集部: 現在の日本語版の完成度はどれくらいだと思っていますか?
Matt氏: 私は翻訳したときに出てきたキーワードの問題がやっぱり最大の問題で、これを直せば、だいたいは製品版と同じレベルだと思っています。
(編集部注:キーワード問題とは、「DAoC」のクエスト中、キーワードを特定のNPCに言うことで会話が進行するシステムにおいて、そのキーワードを指示通りに入力してもクエストが進めなくなってしまう不具合。翻訳時にキーワード部分の整合性がとれなくなったことが原因と思われる)
編集部: そのキーワードの問題についてのアップデートは正式サービス開始の1月31日までに実施されますか?
Matt氏:今のところ2日に1度くらいの頻度でパッチを当てており、Mythic内でも24時間体制で取り組んでいるので、31日までにはほとんど直していきます。
編集部: 現在のシステムでは初心者には非常にとっつきにくいのですが、ゲーム中にチュートリアルを盛り込むなどの初心者向けの対策は何か考えておられますか?
Matt氏: 4~5カ月後くらいに、チュートリアルのシステムを設けたり、インターフェイスをもっと使いやすくすることなどを計画しています。また、ゲームをもっとカジュアルプレーヤー向けにもしていきます。
■ 日本のプレーヤーはゲームにおいても勉強熱心
編集部: 現在の日本では「EverQuest2」や「ファイナルファンタジー XI」などが人気ですが、それら他のMMORPGと比べて「Dark Age of Camelot」の最大のセールスポイントは何でしょうか?
Matt氏: RvR。簡単な答えです(笑)
編集部: 今回のファン・イベントと、日本のファンの印象、またアメリカで開催したイベントとの違いなど、どのような感想を持たれましたか?
Matt氏: 今回のイベントはベータテスターの方をターゲットに開催したので、ゲームにすごく詳しい方たちが集まってくれたが、アメリカをはじめ他の国ではもうちょっと違う層の人たちが集まる。今回、日本に来て、今日が初めて日本のプレーヤーと会ったのですが、日本人プレーヤーというのは非常に勉強熱心で、ゲームをするにしても、ほんとによく勉強してプレイするという印象を受けました。
編集部: では、最後に日本のプレーヤーにコメントをお願いします。
Matt氏: 「Dark Age of Camelot」へようこそ、楽しんでください。
編集部: ありがとうございました。
□Mythic Entertainmentのページ
http://www.mythicentertainment.com/
□「Dark Age of Camelot 日本語版」のページ
http://www.darkageofcamelot.com/japan/
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(2005年1月18日)
[Reported by 滝沢修]
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