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Korea Amuse World Game Expo現地レポート
「ラグナロクオンライン」2005年度アップデート計画を発表 |
会場:韓国総合展示場(COEX)
Gravityは毎年KAMEX会場において、次年度のアップデート計画を発表することが恒例となっている。その発表内容は、必ずも予定通りとはいかないことが多いのだが、そもそもMMORPGにおいて、1年先までびっしり予定を立て、さらにそれを公表するということそのものが前例のない行為で、ユーザーの方でも多少の延期は織り込み済みといった黙契すら交わされているようなそんな印象を受ける。
それはともかく、ユーザーからすれば、メーカーが近い将来だけでなく、1年先の未来まで、何らかの新要素を必ず追加すると発表してくれるのは、純粋にゲームプレイの励みになり、夢を持たせてくれるという点で非常にありがたい行為だ。時には公約を破りつつも、ユーザーの期待に応えてきっちり毎年告知し続けるという同社の姿勢は、大きく評価できるところである。
というわけで、今年も発表された2005年度アップデート計画。今年は「ラグナロクオンライン」に加えて、新規タイトル「ローズオンライン」のアップデート計画も発表された。2本続けて紹介していこう。
■ 2005年の「ラグナロク」は、新ストーリー、新要素、新職業など
MMORPGとしてのボリュームアップに注力
まず最初に発表されたのは、韓国で12月28日に導入が予定されているアップデートの内容。一部はすでにサクライサーバー(テストサーバー)に試験導入されており、ボリュームの関係から数次に分けてアップデートが実施されるという。具体的な内容は以下の通り。
・初心者練習場の拡張
・職業別のクエストの導入
・既存のスキルバランスの調整
・上位2次職に対して新スキルの導入
第1次対象職業:ストーカー(日本名:チェイサー)、クリエイター、ホワイトスミス
・新しいアイテムの導入(エドガーカード、マヤカード、ガイアソード、etc)
上記2つは、いずれも初心者サポートの一環で、現行の初心者訓練場をもっと充実させ、より多くのことを学べるようにするという。一方の職業別クエストは、転職後に有効な戦い方がわからないという初心者ユーザーのために、各ジョブごとのセオリーを教えてくれるというもの。まずは1次職から導入され、今後、2次職、上位2次職と随時補完されていく模様だ。
スキルに関しては、“転生システム導入後”の再調整が中心となっている。上位2次職の新スキルについては、ストーカー(チェイサー)は、「プリザーブ」、「フルストリーム」が新規スキルで、既存スキル「チェイスウォーク」にバランス調整が加えられる。
クリエイターは、「フルケミカルプロテクション」、「スリムポーションピッチャー」が追加される。そしてホワイトスミスには、ついに「武器製錬」スキルが追加される。スキルレベルによってより高次のアイテムの製錬が可能で、ジョブレベルによって成長率が上がるという。最終的にはホルグレンより製錬の成功率が高くなるようだ。
以上までが2004年度内(2005年3月末)にアップデートが予定されている内容となる。続いて2005年度のアップデート予定を紹介していきたい。
まず最初に公開されたのはアルデバランに新しく設置されるという新施設「アルデバランターボトラック(仮称)」。正式名称はまだ決まっていないようだが、友人たちとトラックレースが楽しめるエリアということだ。途中にはトラップが仕掛けられ、カードゲームなどのミニゲームをクリアしながら進んでいくことになる。1位になったキャラクタには特典が与えられるという娯楽施設だ。
具体的な仕様については明らかにされなかったが、トラックレースの舞台となるステージが公開された。レース場っぽいものから、迷路状、螺旋状などなど、ユニークな7つのステージが公開された。騎乗動物に乗れる職業が有利じゃないかとか、スキルを使ってライバルを邪魔できるのかとか、勝ったら何が貰えるのかとか気になることだらけだが、久々に「ラグナロクオンライン」らしい新規コンテンツの登場である。
新要素としてもうひとつ明らかにされたのが「ホムンクルス」システムの導入。「ホムンクルス」は、ご存じアルケミストのスキルとして、システムが複雑なため、実装が延び延びになっていた要素だが、現在2005年度導入に向けて開発を進めているという。
また、ホムンクルスと同時並行して、「傭兵システム」を開発しているという。これはホムンクルスのシステムを流用したもので、ホムンクルスのペットのように傭兵と一緒に戦うことができるという。これにより今後は、モンスター対モンスターといった演出も可能になるようだ。
続いて発表されたのが、「シュバルツバルト共和国」の導入。シュバルツバルト共和国は、「ラグナロクオンライン」の舞台であるミッドガルド大陸の北方に位置する中立国として、構想段階から存在する国家のひとつだ。昨年、シュバルツバルト共和国の首都であるジュノが実装されたが、その周辺は空白地帯のままだった。2005年に、その空白地帯が埋められ、シュバルツバルト共和国を主軸とした新たなストーリー展開をスタートさせるという大がかりな構想である。
これに応じて昨年から今年を通じて実施されたグローバルマップは正式に終了となり、来年度からいよいよメインストーリーが再スタートすることになる。残念ながら「シュバルツバルト共和国」関連の素材は、イメージスケッチ1点のみに留まった。「屋根は鉄製」とコメントし、既存のルーンミッドガッツ王国とは異なる文化圏、テクノロジーによる、新しい雰囲気の世界が提示されるということだ。
最後に公開されたのが、5つの新一次職。テコン少女/少年(テコンドー使いの男女)、ソウルリンカー、フィストマスター(拳聖)、忍者、ガンナーの5種類となる。今回唯一概要が紹介されたテコンドー使いは、跳び蹴り、回し蹴り、足技を主体とした攻撃を得意とし、複数の型を使って多彩な戦闘が楽しめるということだ。これらはすべて転職が不可能な特殊職で、扱いとしてはスーパーノービスと同じになるという。
2005年度向け新要素のアップデートの順番については、アルデバランターボトラック、シュバルツバルト共和国、ホムンクルス/傭兵システム、最後に新1次職という順番になるようだ。次期については明確な回答を貰えなかった。なお、今回発表会の司会を担当した両名にインタビューを行なうことができたので、別途ご紹介することにしたい。
【アルデバランターボトラック(仮称)】 | ||
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アルデバランターボトラックの残る6つのステージ。ステージはこれ以外にも用意されるという。仕様が確定する日が楽しみだ |
■ 「ローズオンライン」では、第3の惑星や惑星戦の情報が公開
発表会にはGravityのプロデューサーに加え、開発元TriggersoftのCEOも出席 |
初公開された第3の惑星「エルダン」。大木の上にフィールドがあるという伝説の惑星だ |
今回新情報として一般公開された第2の惑星ルナ、クランシステムの導入は、いずれも韓国でも新しい情報なのだが、すでに日本でも実装されている。こういったケースはこれまで日本展開する韓国産MMORPGではなかっただけに、ちょっとした驚きがある。今回は、日本で実装済みの情報はカットし、今後のアップデート情報を紹介していこう。
まず惑星ルナの実装に関連したアップデート情報としては、“惑星戦”の情報が公開された。惑星戦といっても惑星間の宇宙戦ではなく、惑星の所有権をかけて争われるクラン戦のことを差す。今回ルナが追加されたことにより、2つの惑星がその争奪の対象になるようだ。
惑星戦の参加条件は、等級が4以上のクランの所属メンバーであること。今回惑星戦についての具体的なプロセスは明かされなかったが、勝利したクランは、惑星の所有権を獲得し、そのクランとクランメンバーは、惑星間の移動が無料で行なえ、さらに他のクランから税金を徴収できるようになるという。
最後に第3の惑星「エルダン」の存在が明らかにされた。伝説の惑星という位置づけで、星の中心部に巨大な木が生え、木の上にフィールドが展開されるという。今回公開されたのは、イメージスケッチのみだが、モンスターは巨大な昆虫のデザインで、ジュノン、ルナにも増して個性的な新世界になるようだ。
【新アイテム、新パーツ】 | ||
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新しいアイテムも30種類導入予定。いずれもユニークな外見を持ち、性能も高いという。また、キャッスルギアも「チューニングシステム」と呼ばれる新要素の導入により、より豪華で強力なキャッスルギアの製造が可能になるという |
□KAMEXのホームページ
http://www.kamex.or.kr/
□Gravityのホームページ
http://www.gravity.co.kr/
□「ラグナロクオンライン」のホームページ
http://www.ragnarok.co.kr/
□「ローズオンライン」のホームページ
http://www.roseon.jp/
□関連情報
【2004年11月26日】Gravityブースレポート
フル3Dを採用した「ラグナロク II」は2005年リリース予定
「Requiem」、「ラグナロクバトル」など新作も盛りだくさん
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20041126/ka04_gr.htm
【2004年7月20日】RO開発マネージャーアン・ジェファン氏特別インタビュー
2005年はメインストーリーの充実に注力、新1次職「忍者」、「ガンマン」など魅力の新要素も明らかに
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040720/gravity.htm
(2004年11日26日)
[Reported by 中村聖司]
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