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SCEJ、プレイステーション・ポータブル開発者インタビュー
開発研究本部 ネットワークシステム開発部
川西 泉氏に聞く

    川西 泉氏
      株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント
      開発研究本部 ネットワークシステム開発部 部長

       ソニー・コンピュータエンタテインメントでプレイステーション 2、PSP (プレイステーション・ポータブル)などを開発してきたハードウェア開発のキーマン


 2003年のE3で、久夛良木健ソニー・コンピュータエンタテインメント代表取締役社長兼CEOが壇上に立ち「UMD (Universal Media Disk)」を掲げ、「PSP (プレイステーション・ポータブル)」の開発を発表してからまだ1年半。ソニー・コンピュータエンタテインメントはこれまでの携帯型ゲーム機では考えられないような高性能携帯型ゲーム機を市場に投入しようとしている。

 発売日と価格はいまだ公表されておらず、謎も多いマシンだが、同社は2004年発売を明言している。今回はPSPのハードウェア開発を行なってきた同社開発研究本部 ネットワークシステム開発部 部長の川西 泉氏に仕様面から細かい点までお話を伺った。

 PSPとはどのようなマシンなのか? その素顔に迫ってみた。


■ ハードウェアの仕様は固まった

プレイステーション・ポータブル (PSP) とUMD
Q:開発をスタートされたのはいつごろからですか?

川西氏: 2003年のE3で発表した頃からですかね。携帯型ゲーム機の企画は、もうずっと前からあったんです。すでに何度か議論されていて、構想というのは、かなり前からあったのですが、実際にスタートしたのは去年からです。

Q:ではなぜ、昨年になってGOサインが出たのでしょうか?

川西氏: プレイステーションの技術開発を始めて、リビングで使うゲーム機というのをずっと開発してきて、携帯型ゲーム機をやりたいという気持ちは、前からあったんです。でもやっぱり、なかなかこちらで満足のいくある程度のスペック……ハイスペックなものを携帯型ゲーム機の中に収めるというところまで持っていけてなかったんです。

 それが今回ようやく、ハイクオリティな状態で携帯型ゲーム機の形に押し込められそうだというのが見えてきましたので、チャレンジしたっていうことですね。これまで3Dの機能を実現したゲーム機が携帯型に収まったということはなく、今回初めてだと思うんです。携帯型ゲーム機は過去にもいくつかありましたけど、PSPのクオリティで携帯型になったいうのは今回初めてなので、そこらへんが大きなポイントだなと思います。

 お客様がすでにPS2をかなり遊んでおられるというマーケットの中で、それよりも劣るものは出したくなかったというところです。

Q:PSPは“携帯型ゲーム機”ですが、どのような状況で使用することを主に想定して開発をスタートされたのでしょうか?

川西氏: 据え置き型のゲーム機だとテレビの横に置くというのはある程度前提としてあると思うのですが、自分の手で持ち運べる携帯型ゲーム機で遊ぶというのは、シチュエーションに関していえばユーザーさんが決めることだと思うんです。そのバリエーションというか可能性は無限にあって、自分が持っていれば何処でも遊べるっていうコンセプトだと思うので、それは特にこちらから言うものではなくて、お買い上げいただいたユーザー様一人一人にそれを考えていただきたいと思います。

Q:当初、E3で久夛良木氏が発表された時の感触では、プレイステーションを小型化したかのイメージでしたが、先日の発表会ではより高度な処理が可能となっていたようです。方針を変更されたのはどのような経緯を経たのでしょうか?

川西氏: そうですね。早い段階でプレイステーション 2をイメージした仕様になってましたね。ただ、「プレイステーション 2を携帯機にしましょう!」と言ってもまずできないですよ。

 逆に、「プレイステーションをベースにしたような仕様でいいかな」というと、やはり開発側が満足できないんですよ。ユーザー様はすでにプレイステーション 2の画像に見慣れているのに、もう一回 (PSPで) プレイステーションのような映像を出すということは、プレイステーション 2以前の時代に戻ることになり、それではユーザー様も満足できないと思うんですよ。そこは妥協したくなかったですね。


Q:ソニー・コンピュータエンタテインメントさんらしいスマートなデザインですが、デザインについては何かこだわりはありますか? 今回も後藤禎祐氏によるデザインなのでしょうか?

川西氏: 今回は後藤氏ではなく、同じソニーグループの別のデザイナーが担当しました。こだわりという点では、この大きさに抑えたということがひとつありますね。それと、フラットしたかったというのはあります。あと、薄さでしょうか。薄さにはかなりこだわりましたね。

Q:プレイステーション・プラットフォームではこれまで、“△○×□”のボタンに色分けを行なってきましたが、今回は白一色です。なぜ色分けしなかったのでしょうか?

川西氏: 全体のカラーやデザインのバランスを考えてですね。

Q:まだ発売前ですが、カラーバリエーションについてはどのようにお考えですか?

川西氏: 発売スタート時には、ブラック一色のみとなりますが、今後検討していきます。

Q:PSPを作る上で苦労した点は、どのような点でしょうか?

川西氏: やはり、この小さい筐体に収めるという点ですね。メカ的に言えば、中に液晶と基板があって、UMDのドライブを付けているので、この厚さの中にそれらを押し込めるというところが一番厳しかったですね。面積的にも液晶のサイズギリギリの大きさにコントローラーを配置してますので、これも大変でしたね。

 あとは、中の半導体に関していうと、これが一番大変なんですけど、ひとつのチップの中にいろいろなデバイスの機能を織り込んでいく作業が、この短期間の中で難しかったですね。System On Chip (SOC) といって、ひとつのチップにまとめることを、今回は実現しました。日数的には1年……よりもっと短いですけどね(笑)。

Q:デジタルの方向キー以外にもアナログパッドがついていますが、これはどうしても入れたかったんですよね?

川西氏: PS2にはアナログスティックが付いていますのでので、アナログスティックを最初からあるものとしてゲームを設計しているソフトも沢山あります。そこからスペックダウンしたくなかったというのはありますね。

Q:反応はかなりいい感じですよね。

川西氏: プレイステーション 2のコントローラと同等の感度 (分解能) を実現していますので。

Q:プレイステーション 2にはアナログスティックが2つ付いていますが、さすがに2つは入りませんでしたか?

川西氏: そうですね、すいません(笑)。

Q:さすがに2つは要らないと。

川西氏: 入れようと思えば入らないというわけではないのですが、あまり表面にボタンばかりあってどこ触っていいのかわからない感じになってしまっても困りますしね。

Q:PSPとプレイステーション 2の連動については可能なのでしょうか?

川西氏: USBで接続してデータのやり取りは可能ですし、ワイヤレスLANでもできますし、メモリースティックでも可能です。USBは相互通信が可能ですから、プレイステーション 2が出力する画面とPSPの2画面どちらにも同じような画面を出すこともできますし、違うグラフィックスを出すこともできます。PSPをプレイステーション 2のコントローラとして使用することは技術的には可能です。

PSPの上面。真ん中にUSBの差し込み口があるが、その左右に対称の位置に穴がある。これがガイドとなることが予想される
Q:USBという点で言えば、プレイステーション 2ではUSB接続で「EyeToy USBカメラ」を接続して遊ぶこともできますが、PSP用ソフトにもドライバさえ乗せれば楽しめるようになる可能性はありますか?

川西氏: 同じUSBでもプレイステーション 2とPSPは違って、小型のUSBコネクタですから直接接続できません。変換コネクタなどやろうと思えばできると思いますが、おそらくやるとすれば専用のものを作ると思います。(USBでの接続という点では) カメラとかGPSとか色々な可能性がありますね。ゲーム的には面白いと思います。

Q:PSPでは映像コンテンツも扱うことになりますが、PSPにもリージョンコードやパレンタルロック機能が搭載されています。やはりDVD-Videoに準じたものなのでしょうか?

川西氏: どこまでやったら良いのかという問題はあるのですが、すでに市場に導入されているリージョンの概念を導入していくのがよいかなと考えていますので、UMD-Video規格についてはそれに合わせる形でリージョンを設定していきたいと考えています。

Q:PSPには「HOME」ボタンを押すとXMB (クロスメディアバー) が起動します。ファームウェアやXMBのアップデートは可能なのですか?

川西氏: 技術的にはメモリースティックや通信を使ってアップデートすることができます。そのような手段でファームやソフトウェアをアップデートしていただくことになると思います。

Q:ハードウェアに関してはFIXしていると言うことですが、ファームはギリギリまで開発を続けていると言うことですか?

川西氏: そうですね。


■ 液晶の大きさ、美しさにはこだわった

PSPの左半分をアップにしたところ。メモリースティックとワイヤレスLANのインジケータが用意されている。その右隣がアナログパッド。画面下の「HOME」がXMB (クロスメディアバー) を呼び出すボタン。「音量-/+」で音量調節を行なう。PSPの右隣のボタンは輝度調節
Q:PSPをはじめてさわった時の第一印象が、液晶がすごく大きいなという風に感じたのですが、開発において液晶の優先度というのは高かったのですか?

川西氏: 決め手にはなってます。

Q:液晶の大きさを4.3インチの大きさにしようと決定された経緯を教えてください

川西氏: “携帯型ゲーム機”の中で、なおかつお客様が「これなら綺麗だね」と思える大きさ、スペックというのを最重視しました。携帯電話やPDAとかもありますけど、「小さいからこんな程度の表現だよね」といった具合に妥協したくなかった。小さくても充分満足のいくスペックっていう点ではこの大きさしかないだろうと。これが最低限の小ささで、ソニー・コンピュータエンタテインメントが提案するゲーム、あるいはそれ以外のコンテンツにおいても、それを表現することができるスペックというのは、この大きさだと考えています。

Q:液晶を大きく見せるような工夫というのはされたのですか? 例えばデザイン的に、液晶を筐体のギリギリまで持ってくることで、大きく見えるといった効果を若干感じたのですが。

川西氏: いえ、逆に液晶の大きさは決まっていて、それよりもPSPをなるべく小さくしようということで、各種機能を押し込めているんですよ。枠が大きく付いてしまうと、なんか変かなと思うので。ですから、液晶の大きさが、わりと重要なポイントになってるとは思います。

Q:これだけ大きいと傷などが気になるかと思うのですが、対策は考えておいででしょうか?

川西氏: (東京ゲームショウで出展されたデモ機とは違い) 表面にコーティングがされる予定です。

Q:画面の明るさ調節は可能ですか?

川西氏: 輝度の調整が可能です。

Q:PSPでは16:9のワイドスクリーンTFT液晶となっています。横長の画面を採用した経緯というのは?

川西氏: 最近発売されているテレビがだいたい16:9といった状況の中で、ゲームソフト自体は昔の4:3のままずっときている。ですから、この状況 (4:3) を打破したかったんです。次世代に繋げていく映像は16:9だと思うんです。プレイステーション 2の場合4:3の画面でゲームを楽しんでおられる方も多数いらっしゃるかと思いますが、PSPの場合は1台で完結していて4:3のディスプレイに縛られることはないですから、あえて16:9でやりました。PSPだと独立していますから、先の世代へ進めることができます。

 これだけの大きさを実現したことで、ゲームに結構入り込める大きさだと思うんですよね。ですから、本格的なゲームを作ればその世界に入り込めるし、軽いゲームは、いつでもどこでも遊べるというスタイルになっているので、ゲーム機のコンテンツとしては幅が広がると思いますね。


■ バッテリーの持続時間は最終調整中

本体の下の部分。右側にAC電源があるが、インタビュー内にもあるとおり、クレイドル用の端子があることがわかる
Q:バッテリーについてですが、充電池内蔵ではなく、着脱式にするというのは最初から決めていたのですか?

川西氏: そうですね、はい。 (着脱式だと) 使っていて無くなれば入れ替えられますよね。(充電池内蔵の場合、電池が寿命などでダメになった場合など) 本体が同時に使えなくなってしまうのはちょっと悲しいですよね。

Q:予備のバッテリーも販売するのですね?

川西氏: そうですね。

Q:バッテリーに関して最も気になるところなんですが、バッテリーはどれくらい持つのでしょうか?

川西氏: タイトルによって違うんですよね。いろいろなデバイスがここに集約して入ってますので、例えばムービーをたくさん使うとか、無線をたくさん使うとか、そういった用途によってかなり変動することもありますので、ソフトメーカーさんとソフトの作り方を調整しているところです。

Q:やはりUMDを回せば回すほど、ワイヤレスLANを使えば使うほど、電気は食うものなんですか?

川西氏: それは自然の原理なので(笑)。

Q:例えば、映像系のコンテンツなども取り扱うと言うことですが、映画1本観るくらいは持つと言うことですか?

川西氏: もちろん、それは大前提です。それ以上は十分持ちます。

Q:充電についてですが、PSP本体にバッテリーを入れた状態で充電するというのが基本スタイルでしょうか? また、ゲームをプレイしながらでも充電できますか?

川西氏:PSP本体で充電することになります。(ゲームをしながらAC電源に接続することで) 充電は可能です。別に充電器を販売するといったことは今のところ考えていないですね。クレイドルみたいな形で充電されます。

Q:クレイドルは別売されるのですか?

川西氏:AC電源の口の脇に端子がついていますよね。それで対応しています。

Q:フル充電までどれくらいかかりますか?

川西氏:そうですね、まだ正確なことは申し上げられないですが、すくなくとも何時間も待つということはないですね。かなり急速に充電できます。最近は携帯電話もかなり早く充電できますよね。まぁ、あんな感じです。

Q:バッテリーとUMDという回転系のメディアを搭載したことで、熱に関しても不安な要素があるのですが、いかがでしょうか?

川西氏:きちんと対策を入れていますので。ちょっと暖かく感じるぐらいはあるかもしれませんが、大丈夫です。

Q:例えば電車の中でプレイしていて、止めなければならなくなった時など、レジューム機能はどうなっているのでしょうか

川西氏: 実際、プログラムの作り方でどういう風にもできるんですね。その状態を記録しておいて、またそこから復帰するというのは、ソフトメーカーさんのほうでも作り方でいろいろできますし、PSP本体のソフトウェアとしてもそういった機能を持たせる予定です。


■ UMDからのゲーム起動時間はプレイステーション 2と同程度

Q:UMDについてですが、振動や衝撃にはどれぐらい耐えられるのでしょうか?

川西氏: 内部的には、ある程度読み込みながらキャッシングする機構があるんです。音飛び防止機構といったモノが従来製品でもありますが、そういった機構は入れています。ゲーム中はずっと回転しているのではなく、ソフトウェアによってコントロールすることができ、読んで止めての連続となります。

Q:データの読み取りに失敗するとどうなりますか?

川西氏: 大体のゲームソフトの場合はリトライを行ないデータを読み直すという機能が実装されていますので、ディスクに余程の傷が入っているといったことがない限りは大丈夫ですよ。

Q:例えばゲームの途中にUMDを抜くというようなことはしてはいけないことですよね。

川西氏: もちろん、できればやめていただきたいですが、ユーザー様がそうされた時の対策は行なっています。基本的にふたはいつでも自由に開けられますが、UMDを抜いたときの対処は、ソフトウェアでコントロールできます。それはプレイステーションでも、プレイステーション 2でもそういった機構はソフト側で対応してますので。例えばプレイステーション 2でゲーム中にトレイを開けた状態でも、もう一回閉めればまたそのゲームを再開できるものが多いです。

Q:逆にUMDのディスクですが、裏の読み取り部分はカバーが無く、一部剥き出しの状態になっていますが、製品版でも同じでしょうか? 大丈夫なのでしょうか?

川西氏: 製品版でも同じです。DVDなどもむき出しのまま扱われていますからね。大丈夫です。

Q:UMDはDVDと同じような仕組みで生産できるのですか?

川西氏: そうですね。インフラとしてはできるだけ流用して製造することができます。DVDとそれほど変わらないコストで量産することができます。

Q:UMDを起動するのにどれぐらいかかるのでしょうか?

川西氏: そうですね、プレイステーション 2と同等くらいだと思います。

Q:映像をUMDで観ると考えたとき、UMDに録画できればと考える人もいるかと思いますが、そういった規格の実現や外部ドライブの発売は考えておられますか?

川西氏: それは考えていません。UMDの規格自体は、リードオンリーの規格として進めています。

PSPの背面。持ちやすいように左右が膨らんだデザインとなっている。中央上部に「SONY」のロゴがあるとこらへんにディスクカバーのオープンスイッチが用意されている。ちなみに左側がバッテリーカバーになっていて、空けるとバッテリーが入っている 先日の発表会でPSPにUMDを挿入するところを写真に撮ったところ。PSP上部のOPENスイッチをスライドさせることでカチャっとメカニカルな音をたて、ふたが開く



■ メモリースティックのセーブデータはPCでも管理可能

PSPを真横から見たところ。メモリースティックの差し込み口のカバーを空けてみた。中にはDUOが入っている
Q:UMDがリードオンリーということであれば、ゲームのセーブデータはどこに記録されるのでしょうか?

川西氏: メモリースティックですね。メモリースティックが無ければセーブできなくなります。対応しているのは「メモリースティックDUO」という小さいタイプのもので、ノーマルのタイプと“プロ”というハイスピードのタイプの両方に対応しています。セーブするだけであれば、マジックゲートに対応していなくても大丈夫です。

Q:これまでに、汎用のメモリにセーブデータを保存することができるゲーム機は正規ルートでは多分なかったと思います。そういった場合、データの改造とかやりやすくなるのではないだろうかといった不安があると思います。それに対してソニー・コンピュータエンタテインメントさんで何か対策を講じておられますか?

川西氏: ええ、デフォルトで対策を行なっています。

Q:メモリースティックにセーブデータをセーブして、PCにコピーしてたくさん保存しておくとか可能なのでしょうか?

川西氏: 可能です。そこは二面性があって、ひとつはゲームのデータを守りたい。もうひとつは、汎用のメディアなので、例えばJPEGなどの画像データなどを使いたいとか、PCから落としてきたりしたいと。両方の用途に対応できると考えています。

 例えば特定のキャラクタとかデータとか、そういうのはどこからでも気軽に持ってきたいじゃないですか。そういった用途のためにもメモリースティックは使えるのです。

Q:では、PSPとPCをUSBで接続した場合、どのようになるのでしょう?

川西氏: PSPをUSBでPCに繋ぐとマスストレージモードとしてメモリスティックがPC側のドライブとして認識され、直接メモリースティックに書き込めるようになります。例えばJPEGの画像などをメモリースティックに書き込んで、それをPSPで見ることなどができます。

Q:例えばワイヤレスLANを使いネットワークからダウンロードしてメモリースティックに記憶して、そこから起動させる……デモ版の配布などありえる話かと思いますが、そういったことは可能なのですか?

川西氏: 技術的には可能です。最初はUMDをアピールしたいので、まずはソフトのリリースはUMDで進めていきます。


■ ネットワークへの接続は問題なし

Q:ゲームの開発者の方達と話し合いをもたれたこともあると思うのですが、「こんな仕様が欲しい」といった話はありましたか?

川西氏: そうですね、無線LANはやはり大きいですね。後は、ゲームの作りやすさとか。やっぱり、追い求めると良いゲームを作りたくなるんですよ (笑)。「携帯だからちょっとスペックが落ちてもいいや」というのはないですよね、ゲームメーカーさんは。やはり、どんどん高いものを追い求めていくので、それに答えたかったというのはあります。逆に携帯ゲームならではの軽いゲームもあっていいですし、それでコンテンツが増えていって欲しいと思ってます。

Q:ネットワーク機能についてですが、入れようと思った経緯は?

川西氏: それは、最初から考えていました。コミュニケーションをとれる手段というのは、この機能が必要と思ってます。

Q:いろいろ議論はあったのかと思うのですが、IEEE 802.11bに行き着いたのはどういった経緯からですか?

川西氏: 一番汎用性のある規格だと思ってますので、それを採用させていただきました。

Q:無線ルータなどからアクセスすることは可能なのですか?

川西氏: ご家庭の無線ルータ、アクセスポイントに繋ぐのは、すでに設定されている機器であれば特に問題はないと思ってます。

Q:ゲームの制作に関わってくる話ですが、MMOタイプのゲームを制作することも可能なのですか?

川西氏: 問題ありません。通常のネットワークに接続するネットワークゲームに関してはプレイステーション 2と同様に制作することができます。

ありがとうございました。


 なかなか情報が出てこなかったPSP (プレイステーション・ポータブル) だが、ハードウェアの開発についてはFIXし、ソフトウェア開発も含め、思ったより進行しているようだ。「年内発売」に向けて、今後も目が離せないハードウェアといえるだろう。

□ソニー・コンピュータエンタテインメントのホームページ
http://www.scei.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.scei.co.jp/corporate/release/pdf/040921b.pdf
http://www.scei.co.jp/corporate/release/pdf/040921c.pdf
□関連情報
【5月13日】PlayStationのブースで“PSPを触ってきました”
~ プレイステーション・ポータブル(PSP)続報
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040513/psp.htm
【7月12日】PSP参入メーカーは59社に増加
「TALKMAN(仮称)」、「どこでもいっしょ(仮称)」をプレゼン
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040712/psm_2.htm
【9月21日】SCEJ、「PSビジネスブリーフィング」開催
PSPの実機を公開!! ただし発売日は公開せず
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040921/scej1.htm

(2004年10月15日)

[Reported by 船津稔]


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