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ついに騎士団トーナメントを導入!
真の姿を現しつつある「A3」緊急レポート

6月26日開催


 4月20日のリミテッドサービス開始から、2カ月が経過したMMORPG「A3」。6月14日に大規模アップデート、18日よりリミテッドサービスの3次募集を実施、さらに26日には騎士団トーナメントが開催された。今回は、これらのアップデートやイベントで世界がどう変わったかと、さらに、「騎士団」を結成しているプレーヤー達が行なっている「騎士団戦」の感触をお伝えしたい。

■ドッグレース、新ダンジョン…… 追加された新たな要素

6月18日の第3次募集により、各サーバーにはより多くのプレーヤーが参加するようになった。倉庫前はかってない盛況に
 6月14日の大型アップデートでは、新ダンジョン、新ボスモンスター、モンスターレース場、新装備などが追加された。このうち新装備は、使用するキャラクタのレベル下限が現行のプレーヤーよりも高く、まだ装備できるようなプレーヤーはまだいないようだ。

 中でも新ダンジョン、新モンスターは高レベルのプレーヤーの心に火をつけた。特に、「騎士団」を結成したプレーヤー達にはダンジョン攻略は格好のイベントになっているようだ。高いレベルのキャラクタでもまだ戦いきれないような、歯ごたえのある場所になっていて、今後もまだ人気を集めるだろう。

 追加された場所は、「ニブルガル」「グリータヒース」「セルバブ3階、4階」。このうち、セルバブ3階、4階は、街から直接テレポートで飛ぶことができない。2階から1フロアずつじっくり攻略していくことになる。グリータヒースは暗い迷宮になっていて、さらにワープポイントが多く、一筋縄には行かないダンジョンだ。パーティーが分断されるリスクもあるだろう。

 ニブルガルは、溶岩地帯のオープンフィールド。キャラクタの何倍もの大きさの恐ろしいモンスターがうろうろしている。中途半端なキャラクタで単独で探検できるような場所ではないのだが、後述する騎士団「ゆりえす」と「FORCE」のみなさんのおかげで、今回無事最奧部を見ることができた。

 レベル100を超えるキャラクタ数人が連続で攻撃してもなかなか倒れないようなボスがいるフィールドを、屈強なキャラクタにガードしてもらいながら進むという感覚は、非常に新鮮であった。上級キャラクタのみが体験できる非常に危険な世界であることも改めて実感させられた。

 モンスターレースはお金さえあれば初心者でも体験できる賭博場。いかにも「A3」らしい要素といえるが、最低掛け金が1,000ウンズということで、簡単に手が出せる遊びではないが、ちょっと努力すれば貯められる金額である。レースには「プルチェル」という専用の賭博場が用意されている。妖しげな踊り子とバーテンがいる酒場を抜けると、地下にある専用トラックがあらわれる。この場所に行くにはレベル20程度のモンスターがいる場所を抜ける必要があるが、お金を払って直接プルチェルにテレポートすることも可能だ。

 レースは水曜と土曜、日曜に終日開催されている。数分に一回という非常に速いペースで行われており、開催に待たされるということはない。5頭の犬のようなモンスターの順位を当てるレースで、単勝と連勝のチケットが買える。

 レースの内容は、ゲーム内ゲームとしてはかなり凝っていて、モンスターは固有の名前だけではなく、スピードやスタミナなど細かいステータスを持っている。しかも勝敗は数値だけではなく、妙に勝負強いモンスターもいるのである。一生懸命に走るモンスターはちょっと可愛らしく、レースが終わるたびにまわりのプレーヤー達が声を上げる。中には、モンスターのファンになってしまって、好きなのモンスターが登場するレースには、勝敗に関係なくチケットを買うようなプレーヤーもいるという。

 ただ、モンスターレースは、レース展開が速いこともあり、短時間で多額の資金をすってしまうことも難しいことではない。熱くなりすぎてしまう危険な魅力を持っている。しかし、運と努力次第では大金を手にすることも可能だし、それをもたらしたモンスターには特別な愛情を持ってしまうだろう。ゲーム内とはいえ、仮想世界での資産が増えるのは、ゲーム内でも有利になる。賭博場・プルチェルは独特の「ドラマ」が展開する場所になりそうだ。

 第3次のプレーヤー募集で、クライアントがダウンロード可能になり、人数の上限は設けられながらも、実質的なオープンβサービスとなった。これにより、A3の世界も人口が飛躍的に増え、売買などもより活気が出てきた。しかし、旧プレーヤー達にとっては不満もある。

 本作はR18ということで、プレーヤーに年齢制限を行っているのだが、第3次のプレーヤーの中には、年齢を詐称して入っているプレーヤーもいるとのこと。そのため、18歳以上のプレーヤー達がつくっていた本作ならではの独特の雰囲気が失われる、という声も挙がっている。今後この世界がどんな「雰囲気」を持つようになるかは、興味があるところだ。

【スクリーンショット】
新フィールドの多くも、街からのテレポートで直接行くことができる 地下迷宮、グリーターヒース。ワープポイントが多く設置してあり、恐ろしいモンスターが徘徊している。奧にはボスモンスターが待ち受けているという
騎士団ゆりえすと、FORCEのみなさんに連れて行っていただいた、溶岩の世界ニブルガル。ボスモンスター討伐の後、記念撮影を行った
賭博場、プルチェル。モンスター達のステータスを細かくチェックして、チケットを買う。レース風景はカメラアングルがダイナミックに変化、迫力のレースが楽しめる



■上級プレーヤーが体験している騎士団戦とは?

 レベル80以上のキャラクタがリーダーとなり、レベル50以上のキャラクタをメンバーに加えることができる「騎士団」。騎士団は、トーナメントを勝ち残ることにより、ひとつのサーバーに2人しか現れない「トール(君主)」となり、直属の騎士団を率いるだけではなく、城の獲得、税金の収集といった数々の特典を得ることができる。

 騎士団システムが最も注目されるのは、2週間に1回のサイクルで行なわれる「トーナメント」の存在ゆえ。多くの騎士団は「闘技場」で戦いを行っており、さまざまな戦術を研究している。上級プレーヤー達の、戦術、作戦を尽くした戦いは、一般プレーヤーにとっては憧れの存在といえる。

 しかし、この戦いを実際に目撃することは結構難しい。基本的に「観戦」を目的としない各騎士団同士のパーソナルなイベントのため、一般の人には予定がわからないし、騎士団の人達に不躾に声をかけることも難しい。さらに、運良く戦いが行われていても観戦が申し込めるのは、実際の試合が始まるまでのほんの少しの時間。戦いが始まってしまえば、途中観戦は不可なのだ。

 また、コミニケーションシステムにも不備がある。闘技場のロビーには、一体どのくらいのプレーヤーが参加しているかまったく分からないし、それは観戦に関しても同様だ。発言スペースは観戦者、参加者が同一なため、不用意な発言は試合の邪魔をしかねない。システム上の不備と、自分たちのために騎士団戦を行っている参加者にとって、不確定な要素の強い「観客」は、迷惑になりかねない存在だろう。

 今回、筆者は特別に「ゆりえす」と、「FORCE」というギルドの方のご厚意を得て、模擬戦を観戦させていただくことができた。ゲーム内でいきなり声をかけてお願いをするという行動に、丁寧に応対をしてくださったみなさんには、この場を借りてお礼を申し上げたい。特にゆりえすの騎士団長、スサノオ氏と、メンバーのゆういち氏、キムネオ氏、そしてFORCEのルクシオン氏には大変お手数をかけてしまった。

 ゆりえすは、結成したばかりのギルド。対してFORCEはA3で最初に結成された歴史あるギルド。ゆりえすの方々が、取材ということで、わざわざFORCEを紹介をしてくださったのである。

 専用の闘技場で、スタート地点から、スポーツの試合のように走り寄り、ぶつかっていくキャラクタ達。上級キャラクタのスキルは視覚的エフェクトもたっぷりで、戦いは派手で、見応えのあるものだった。

 話を聞いてみると、対人戦はモンスター戦よりも与えるダメージが大きく、駆け引きはよりシビアになると言うこと。使える呪文、使えない呪文もいつもとは違うほか、相手の呪文をかき消したり、行動を止める技なども重要になるという。また、魔法使いの範囲攻撃呪文は味方にもダメージを与えてしまうので、使いどころが難しいとのことだ。

 さらに、いくつかの「特別」な決まり事があるようで、プレーヤー間である程度、把握はしているが、やはり公式ページでのきちんとしたアナウンスが欲しいというのが対戦をしているプレーヤーの切実な要望のようだ。試合が終わらなくなってしまうなどのバグもあるという。

 試合そのものは「レベル差」が大きな意味を持つそうだ。レベルが高いキャラクタなら、少数で多数のキャラクタを撃破することも可能とのこと。作戦や戦術よりも、レベル差の方が勝負に与える影響が大きいとのことだ。ハンディキャップとして、初期装備の武器を使ったり、装備を外した「裸」で戦うこともあるという。真剣な戦い以外にも、さまざまな工夫を凝らして、「イベント」として楽しんでいるという印象を受けた。

【スクリーンショット】
ニブルガルの空中に浮かんだ舞台で記念撮影。今回、ふたつの騎士団には大変お世話になった 闘技場のチャット画面。試合前の興奮がある
試合風景。各チームがそれぞれのスタート地点に出現。能力値をアップさせる魔法をかけたり、それをうち消したり、とにかく殴るために相手に肉薄したりと、作戦はさまざま。青い光は相手を足止めする魔法とのこと。上級者同士の戦いは、初心者にとって驚異の連続だ



■ついに実施! 騎士団トーナメント

2つのサーバーの2つの街に出現した、トーナメントの覇者トールとその直属の騎士団ネトラン。専用グラフィックが用意されており、地位を得ることで姿が変わる。栄冠を手にしたFORCEのみなさんに、アジトである城を背に、写真を撮らせてもらった
 取材をしているときには開催が未定だった騎士団トーナメントだが、急遽6月26日に開催されることが、22日に発表された。トーナメントはREDIANサーバー、KWAONサーバー、それぞれのクアナト、テモズ両都市で行われる。筆者は前述の親交もあり、2つの騎士団が参加する特にREDIANサーバーの山の街、テモズのトーナメントに注目をした。

 トーナメントは20:00より開催された。1サーバーで最大64の騎士団チームが参加可能だ。さすがに最初のトール決定戦のトーナメントだけに、参加騎士団は人の多いREDIANサーバーでも16チームだった。この数は今後増えていくことになるだろう。

 観戦者がどのくらい出ていたのかはわからないが、多くの観戦者が見つめるなかトーナメントは始まった。それだけの人が見守っているにもかかわらず、比較的「軽く」感じたのは、プログラムと開発スタッフの尽力によるものだろう。多くの人が観戦を行ない、その中で最大26人が入り乱れる戦いにも関わらず、ラグによる試合の不満は出ていないように感じた。

 結果から言えば、圧倒的な戦力差が如実に出てしまった戦いだった。筆者が注目していたルクシオン氏率いるFORCEは、REDIANサーバーで最初に生まれた騎士団ということで全員のレベル帯が高く、かつ多くのギルドが規程人数をそろえられない状況で、12人という最大人数にわずかひとり足りないだけの人数で出撃。圧倒的な戦いぶりで連勝し、見事テモズ側のトールとなった。

 ゆりえすは、ちょっと違った戦い方で会場にアピール。なんと事前に打ち合わせをしていた「寸劇」を戦いながら行ったのである。戦闘しながら、ユニークな台詞を連発、観戦者には大いに受けており、初戦敗退ながら、観戦者の喝采を浴びた。特に、テレポートを使いまくって逃げ回る騎士団長スサノオ氏の印象は強烈だった。

 ゆりえすと対戦した騎士団「PRIDE」の対応もまた見事で、ほとんど言葉を交わさずにに各キャラクタがテレポートして来るであろうポイントに分散、スサノオ氏を捕まえて試合終了。戦い慣れた騎士団であることを証明した。ゆりえすの作戦は「結成したばかりの騎士団で、いかに印象を残る戦いができるか」、という問いかけに対するユニークな答えだった。

 試合に出ている人達はみな、何らかの形でゲーム内での「有名人」であるところも面白い。騎士団を結成するようなプレーヤー達は、街で多く見かけたり、パーティーを組んだことがあったりと、他プレーヤーにとって、より親しみやすい存在なのだ。試合終了後の挨拶や、観戦者の声援なども、“知り合い”ならではの空気があり、この独特の雰囲気は、変化をしながらも継承されていくのだろう。この世界ならではの「空気」を強く感じることのできるイベントだった。

 このトーナメントで、RADEONサーバーではFORCEとAROP、KWAONサーバーでは、Heaven&Hellと-DarknesS-が、それぞれ頂点に立ち、騎士団長がトールとなった。トールはこれから、実際的な統治を行なっていくことになる。それがどのようなものになっていくか、統治されるプレーヤー達も、トール自身も、初めての経験である。世界がどのように変化していくかは、まさに「これから」である。

 個人的な意見を言わせてもらえれば、これだけの規模のトーナメントイベントをきちんと実施できる本作は、システム的にも大きな魅力と可能性を持っていると改めて実感させられた。観戦には初心者プレーヤーも参加していて、騎士団の戦いを目にした彼らの興奮が伝わってきた。「未来の自分たちの姿を提示する」といった意味でも、有意義なイベントであったと思う。また、出場者には、「観戦者がいる楽しさ」を認識させてくれたのではないだろうか?

 今後、各騎士団のホームページなどが充実してくると共に、プレーヤーが主催する「騎士団戦イベント」なども期待したいところだ。

【スクリーンショット】
ロビー画面。多くの観戦者が、興奮した会話をかわしながら見守っていた騎士団トーナメント。時間になると、開催されるルームが表示されると、観戦者達は一斉にそちらへ移動する。残念だったのは、他のルームでの試合が見れないこと。できれば全部の試合を観戦したかった
筆者は、ゆりえすとFORCEを中心に観戦したため、スクリーンショットが偏ってしまったが、数の不利を覆す勝負をしたり、有名ギルドが噂通りの強さを見せつけたりと、名勝負揃いだったようだ。初心者も惹きつける魅力を持つが、ゲームに詳しいプレーヤーにとっては、「次の戦い」のための、貴重なデータとなっただろう。これを機に、さまざまな作戦が考案され、より激しい戦いが繰り広げられるに違いない



■上級プレーヤー達の視点、今後の要望

インタビューをさせていただいた、スサノオ氏、ルクシオン氏、ゆういち氏
 最後に、騎士団戦イベントの打ち合わせの際に、スサノオ氏と、ゆういち氏、ルクシオン氏に行ったインタビューを掲載したい。上級プレーヤーならではの要望や目標などはどのようなものだろうか?

編:最初に、騎士団の人数とレベル帯をお知らせください。

スサノオ:ゆりえすは6月12日に結成したギルドで、現在11人。レベルは50~80ですね。うちはまだ、戦士がいなくて、メンバーは聖騎士と魔術師だけです。

ルクシオン:FORCEは、5月8日です。日本での「A3」最初のギルドで、騎士団の上限である13人目がこの前入団しました。戦士5人、聖騎士4人、魔術師4人で、レベル帯は110~90です。

編:騎士団戦は行なっていますか?

スサノオ:今のところはイベントのひとつ、という感じですか。まだ始めたばかりのギルドということもあって積極的には行なっていません。

ゆういち:ゆりえすの騎士団戦はお祭りっぽい要素も強くて、新スキルの試し打ちとか、披露とか、そういう要素も強いです。

ルクシオン:友好関係の騎士団とよくおこなっていますね。うちでも新スキルをどう使うかなど、戦術の研究はしていますよ。ただ、対戦のルールなどでちょっと特殊な印象を受けるし、確認していることもあるのですが、公式ページでのフォローがないと、確証が取れないことがある。早めに仕様を明らかにしてもらいたいですね。

編:他にも要望はありますか?

ゆういち:パーティーシステムでしょうか。レベルが10以上離れてしまうと組めなくなってしまうのは、ものすごくつらいです。「A3」はレベルが上がりやすいこともあって、仲間が休んでしまうと、すぐレベル差が開いてしまう。せっかく仲良くなった人と遊べなくなってしまうのは、問題だと思います。

スサノオ:友達リストへの登録可能人数が少ないのも不満ですね。アイテムの売買も今のところ、倉庫の前で叫ぶだけ、というのはちょっと。かといって、売り子ばかりになってしまうのも問題はあるでしょうし、スマートな解決策を期待したいですね。

ルクシオン:細かいところを上げればきりがないですが、プレーヤーの意見を反映しているというレスポンスが欲しい気がします。もちろん、公式ページも積極的に更新をしていますが、まだまだ開示されない情報が多いですし、たとえば、騎士団長とGMを交えた会議を開くとか、「僕らの声が届いているんだ」という感触が欲しいですね。

編:最後に、今後の目標などを。


ゆういち:彼に任せておけば大丈夫、といったような、パーティーメンバーに安心感を与えるような聖騎士になりたいですね。

スサノオ:団としては、いつまでも仲良しパーティー拡大版、といった雰囲気を持ち続けたいです。

ルクシオン:まずはトール、そしてトールならではの特権である、国民に届く“叫び”で、「時報のご挨拶」でしょうか。(笑)

編:ありがとうございました。



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□ガンホーのホームページ
http://www.gungho.jp/
□「A3」のページ
http://www.a3online.jp/
□関連情報
【5月24日】ガンホー、ファンイベント「A3マスククラブ」を開催
クローズドサービス2次募集を実施、製品パッケージは7月21日発売
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040524/a3sea.htm
【4月28日】PCゲームファーストインプレッション「A3」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040428/a3f.htm
【3月29日】ガンホー、「A3」秋葉原ジャックイベントを開催
リミテッドサービスは4月20日午前0時スタート
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040329/a3akiba.htm

(2004年6月28日)

[Reported by 勝田哲也]


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