|
★ピックアップ アーケード★
「WCCF Ver.2.0」について語るなら、やはり“新カード”は避けて通れない。そこで今回は、レギュラーカードにスポットをあてていく。Ver.2で追加されたレギュラーカードは、全部で19枚。監督の腕次第では、スペシャルまたはレアカード以上の力を発揮するカードも少なくない。数値だけでは測れない“カード(選手)の真価”を引き出してこそ、真の名監督といえよう。
※注 …… 本記事の内容は、あくまでも筆者自身がプレイして感じたことに基づいて記述しているものです。状況やカードなどさまざまな要因により、記事どおりにすべてが機能するわけではないことを、あらかじめお断りしておきます。
■ 注目選手 ~フォワード~
「ヴェントラ」は、ほかの新カードFWに比べるとパラメータが低いせいか、ゲームセンターでほとんど見かけない選手のひとり。だが、スキルが示すとおりシュートの威力は強烈で、前述の「アドリアーノ」にもひけを取らない。ダイレクトプレイが上手く、ペナルティエリア内でも勝負強い。スタミナは13だが、3トップの中央に配置するなど、あまり走らないで済むようフォーメーションを工夫すれば前後半を通して活躍してくれる。 「フランコ」のスキル「柔らかなトラップ」は、他の誰よりも秀でているわけではないので過信しないほうがいい。特にBEクラスのDFと競り合うときは、トラップした直後にクリアされることが多い。よって、フランコを活かしたいなら、なるべく相手DFと競り合わないようこまめにカード位置を調整してクロスに備えておくといいだろう。 「ソサ」は、新カードのレギュラーFW4人のなかで、もっとも起用法が難しい選手ではないだろうか。パワーはあるが、ミドルシュートはイマイチ威力がない。「ハイタワー」というスキルが空中戦の強さを連想させるが、その豪快なヘディングの成功率は決して高くはない。
では、使えないFWなのか? といえば、そうではない。セットプレイ時にはパワー19を活かしたポジショニングはトップ~1.5列目でも有効だし、ダイレクトでさばくのも上手い。スタミナに不安を抱えるなど、とにかく癖のある選手だけに、チャレンジャブルなプレーヤーは、是非とも「ソサ」をカンピオーネとして大成させてほしい。
■ 注目選手 ~ミッドフィルダー~
強いておすすめの選手を挙げるなら、やはり「エムレ」だろうか。ドリブルが上手くボールをキープする力があり、オープンスペースに向かってガンガン攻めあがってくれる。クロスの精度、シュート力ともに高水準。中盤ならどこでもこなせる、優れたユーティリティプレーヤーだ。 「バキーニ」は「エムレ」とポジションがかぶるが、「バキーニ」のほうが攻撃的といった印象。ただし、パワーがないため、ペナルティエリアに斬り込もうとした直後、敵DFに吹っ飛ばされている姿をよく見かける。タッチライン際、もしくはスピードで一気に勝負をかけられるペナルティエリア付近など、大胆な配置でその資質を活かしてあげたいところだ。 同じくポジションがかぶる「フランチェスキーニ」だが、スキルのとおりボールを持った選手に対して積極的にプレスをかけてくれる。オフ・ザ・ボールの動きもなかなか良い。この選手も、能力値だけでは計れない優れたプレーヤーのひとりといえる。 右サイドは甲乙つけがたいが、バランスの良さで「ウミト」をおすすめしたい。基本的には、ボールを持ったら前方の空スペースにそのまま突っ込んでいくタイプ。筆者は、攻撃力の高さを評価して1.5列目に配置しているが、守備的なポジションもこなせるので下がり目に配置してもいいだろう。 ボランチ(ディフェンシブハーフ)が本職の新レギュラーカードでは、「ミクー」が注目株。テクニックに長けた選手で、攻撃の起点となるパスを前線に供給してくれる。特にカウンター攻撃を重視する人は、チームに組み入れると必ず役に立ってくれるはずだ。ただし、守備にまわるとフィジカルの弱さが目立ってしまう。思い切ってトップ下やサイドに配する手もあるが、スタミナに不安があるためサブの選手とセットで考えたほうがいい。
「ドナーティ」は、アグレッシヴな動きで中盤を支えるMF。同タイプの選手が多いため起用する人は少なそうだが、FW「フランコ」も加えて2002-2003のトリノを再現したい人には不可欠の選手だろう。
■ 注目選手 ~ディフェンダー、キーパー~
「ビリンデッリ」は、右サイドから鋭いアーリークロスで得点チャンスを演出してくれる有能なサイドバック。ただし、クロスを受けるFWとセットで考えないと、せっかくのアーリークロスも威力が半減する。フォーメーションにもよるが、ボールを持って自ら切り込むことが少ないのも特徴のひとつ。 「カリーニ」は、他のキーパーならファンブルしそうなところでも、ボールをしっかりとキャッチしてくれる。驚異的なセービングを見せることはあまりないが、そのぶん安定感を重視する人にはピッタリのキーパーだ。 「タファレル」の使い勝手は、かなり好き嫌いがわかれそうだ。“PK Keeper”のスキル名には胸躍るものがあるが、現実的にはかなりムラがあるように感じられる。BSのキャノンショットを3連続でセーブしたかと思えば、CPUの「オリンピック磐田」や「イールFC」に4タテを喰らうことも珍しくない。PKの勝敗それ自体が水物とはいえ、スキルの“圧倒的”が本当なら、せめて平均1本以上は止めて欲しいと思うのだが……。 その一方で、他のキーパーならキャッチしてくれそうなボールをファンブルしたりと、試合中のセービングには不安が残る。耳触りのいいスキル名称に惹かれてやまない人や、往年の活躍を知る真のファン以外には、正直あまりおすすめできない。
なお、これは余談になるが、PK戦でBSのシュートを3連続で止めたキーパーは、筆者の知る範疇では「タファレル」だけ。熱心なサッカーファンからは顰蹙を買いそうな起用法だが、正キーパーとは別に、控え枠のひとつを「タファレル」に与えておくのも十分アリかと思われる。
■ Ver.1.2 → Ver.2.0における戦術の変化(Part.1) 正式稼動から約1カ月が経過。そろそろ、各監督(プレーヤー)ごとに「ああすれば、こうなる」といったセオリーが確立されてきた頃合かと思われる。ただし、今だヒントすらつかめずに、旧バージョンの戦術をひきずっている人もいるかもしれない。
そんな人のために、Ver.2.0でありがちなシチュエーションを例に、まずは戦術の変化について考察していこう。
《 プレスを押していないのに、DFがボールを持った選手のほうに集まってしまう 》 Ver.2.0のDFは、プレスを押さなくてもボールを持った選手を積極的にチェックするようになった。この結果、敵チームにサイドを大きくえぐられた際、プレスを押していないのにフォーメーション全体がボールを持った選手側に大きく偏ってしまうケースが多々ある。 この状態がしばらく続くと、たとえ4~5バックでも逆サイドにオープンスペースができてしまう。4~5バックなら突破される前に潰せばいいが、スピードが17以上あるウィングが相手だとそうもいかない。 そこで、サイドを突破されそうになったら、すぐさま反対側のDF選手カードをタッチライン際まで移動させることをおすすめする。これで完全とはいかないまでも、フリーでシュートを打たれることは少なくなるはずだ。 4バックの場合は、サイドバックをタッチライン際に寄せたら、その内側のCBもやや外目に配置するといい。3バックは、サイドバックをタッチライン側に寄せると同時に、空いたスペースにボランチを入れてカバー。ダブルボランチの場合は、近いほうだけを下げておく。両方下げると、前に蹴り出したボールをカバーする選手がいなくなる。
《 3~4トップのチーム相手に苦戦する 》 これは、Ver.2になってフォワードの得点力が全体的に低下したこと、全国大会の出場チームが軒並み3トップ以上だったことが、各種媒体や口コミなどで全国のプレーヤーに広まったことが要因ではないかと推察される。現実のサッカーでも、フォワードの数を増やせば得点力が増す。だが、一方で中盤や守備に割ける人数が減るというリスクも負う。このあたりが「WCCF」では問題になってくる。 「WCCF」は、試合が終了するまでに約7分程度を要する。現実のサッカーは、前後半で約90分間。つまり、90分の試合内容を7分に凝縮し、なおかつ“違和感をなるべく感じさせないよう”まとめなければならない。 試合ごとにバラつきはあるものの、プロリーグにおける1試合の平均シュート数は、だいたい10~20本の範囲内に収まる。1試合あたりの平均得点は、国際試合なら平均3点以下。「WCCF」における1試合あたりの総シュート数は多くて4~6本程度で、少なければゼロも珍しくない。その一方で、平均得点はおおむね現実を反映している。 ここまでいえば、もうおわかりいただけるだろう。つまり、シュート数は少ないのに1試合あたりの平均得点が同レベルということは、ゲーム中のストライカーは“現実の選手よりも総じて決定力が高い”ことになる。 サッカーは点を取らなければ勝てない。そして、攻めている間は守る必要はない。さらには、どれだけ守備を完璧にしたつもりでも、トップクラスのフォワードに爆発されたら止める術はない。攻撃と守備のどちらを重視したほうが効率的なのか。これを突き詰めていくと、現時点では「攻撃重視のチーム編成は有効」だと筆者は考える。 実は、前バージョンでも3~4トップは強烈な攻撃力を誇っていた。レアカード級の選手ばかり集めてこれをやられると、ただでさえキツい攻撃がさらに熾烈を極める。特に4トップの場合、シュートのこぼれ球を中盤ではネドヴェド、ダヴィッツ、メンディエタらが拾いまくり、サイドに流れたボールはシェフチェンコやロナウドが猛烈なスピードで追いかける、といった具合だ。
よって、完全といえる対策はないが、現時点では相手チームの攻撃の基点となる選手をマークして、そこからプレッシャーの薄いところを積極的についていくのが最も有効かと思われる。3~4TOPのフォワードを相手にする場合、相手チームのフォーメーションを良く見ていれば、どちらのサイドに展開してくるか予想が立てられるはずだ。パスが渡ったところを確実に潰し、積極的にカウンターを仕掛けていきたいところだ。
なお、筆者はヘソ曲がりな性分につき、こうした風潮に何とか抗う術はないかと日々試行錯誤を繰り返している。現時点でそれなりに成果を収めているのは、フィジカル重視の守備陣、フィジカル弱めのフォワードとトップ下、さらにはフリーキックの名手を必ず入れておくというものだ。 これに、チームコンセプトの象徴ともいうべき「オリーヴェ」を加えるとできあがり。ミラクルシュートに涙を飲むときも多いが、敵陣でファールを誘い、フリーキックの名手による芸術点で逃げ切れたときは、なかなか感慨深いものがある。
こうした戦い方を見て「父ちゃん情けなくて涙が出らぁ」という人もいるかもしれないが、ただレアカードを並べて特殊フォーメーションを組むだけが、このゲームの楽しみ方ではないと思う。カードが増えたということは、それだけチームのバリエーションも広がったということ。この機会に、色々な選手を起用してみてほしい。
(C)Hitmaker/SEGA,2002,2003
□セガのホームページ (2003年4月25日) [Reported by 北村孝和]
また、弊誌に掲載された写真、文章の無許諾での転載、使用に関しましては一切お断わりいたします ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp Copyright (c) 2003 Impress Corporation All rights reserved. |
|