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Blizzard副社長ビル・ローパー氏インタビュー |
昨日のBlizzardの発表会終了後、引き続き同社副社長ビル・ローパー氏との個別インタビューが行なわれた。同氏はBlizzardの宣伝塔としてすっかりお馴染みの存在だが、今回も例にもれず、「Warcraft III: The Frozen」のプロモーションツアーのため、数日刻みでアジア方面を飛び回っており、ごく限られた時間でのインタビューとなった。
■ エイプリルフールジョークキャラ「Pandaren」大抜擢の理由とは?
常にご機嫌なBlizzard副社長ビル・ローパー氏 |
「The Frozen Throne」のイメージカット。この氷の塔のてっぺんが玉座なのか |
ニュートラルヒーロー「Pandaren」。左手に薙刀、右手に酒樽。アビリティは酔拳など酒がないと始まらない。実力は未知数だ(笑) |
ヒューマンのアイテムショップ「Arcane Vault」。怪しげな浮遊箱がそれだ |
ビル・ローパー氏(以下、ビル) 基本的には各種族のヒーローたちが「The Frozen Throne」の獲得を目指して戦っていくという新しいストーリーラインを充実させるために、いろいろな新しい試みを行なっている。マルチプレイに関しては、内部だけでなく、外部の人間ともディスカッションを行ない、各種族間のバランスを考えながら、新しく追加するヒーローやユニットの能力をじっくり決めていった。
編 今回、開発にもっとも力を入れているのはどこでしょうか?
ビル 「Warcraft III: Reign of Chaos」をプレイしてくれたユーザーにもっと新しい経験をしてもらうということをもっとも重要視している。これもまた内部で出たアイデアだけでなく、コミュニティから寄せられたアイデアも吸い上げ、実現に移している。中には「Starcraft」で用いていた要素も復活させている。希望としては、アドオンをプレイしたユーザーがまた新しいゲームを楽しめたと満足できるような内容にしたい
編 新しいヒーローが発表されましたが、容姿とか能力というのはどのようにして決められたのでしょうか?
ビル アドオンの開発に着手したときにまずは大きな要素から考えていこうということになって、それが新ヒーローだった。彼らの能力は基本的に各種族のアビリティを補うことを基本に設定した。たとえばオークは、直接攻撃が得意で回復は不得意な種族だが、新ヒーローShadow Hunterは、複数のユニットに有効な回復魔法を使うことができる。
容姿に関しては、「Warcraft III」のプレーヤーにとって親しみやすい内容にすることを心がけた。たとえばアンデッドのCrypt Lordは、本編で人気の高かったCryptがベースになっている。
編 アドオンで新しく登場するヒーローは、マルチプレイでどのようにして使われることを想定していますか?
ビル それはこれまでと変わることはない。4人の新ヒーローは、既存のヒーローに比べて圧倒的に強いというわけではなく、プレーヤーは自分の好みで使用するヒーローを選択することになるだろう。あくまで我々はプレーヤーに新たな選択肢を用意するだけだ。アドオンではさらに5人のニュートラルヒーローも追加されるので、プレーヤーの選択肢はさらに広がるはずだ。
編 新ヒーローはいずれも強力なアビリティを備えているが、バランス面は大丈夫なのでしょうか?
ビル 確かにバランスは重要だ。私も新ヒーローを初めて見たときに、「こんなに強くて大丈夫なのか」と思ったぐらいだ。βテストで実際にプレーヤーに対戦してもらって、その結果、特定の新ヒーローが強すぎるということが判明したらその能力に修正を加えて、全体のバランスを取っていくことになるだろう。
編 新ヒーローの中でお気に入りはいますか?
ビル 私はオークを愛しているのだが(笑)、今回気に入ったヒーローもオークのShadow Hunterだ。彼のアビリティ「Hex」を使って、戦闘中に対象のユニットを別の姿形に変えたり、おもしろい戦い方ができる
編 ニュートラルヒーローのひとりとして公開されたPandaren Brewmasterですが、この侍パンダは昨年のエイプリルフールに、公式サイトで公開したジョークキャラですよね(笑)。私も一瞬だまされそうになったのでよく記憶してますが、彼をアドオンで大抜擢するというのは、実はすでに決められていたのですか?
ビル いや、我々はあくまでジョークとして作成したつもりだったが、予想以上にいい反応が返ってきて、さらに「ぜひアドオンで実装して欲しい」というコミュニティからの強い要望もあったため、あまりの反響の大きさに実現化せざるを得なくなったというのが正直なところだ(笑)
編 Pandarenはかなりインパクトのあるヒーローですが、残り4人のニュートラルヒーローにはどんなキャラクタがいるのでしょうか?
ビル ほかの4人はPandarenに比べるとシリアスな設定だ(笑)。たとえば、ナイトエルフのニュートラルヒーローDark Rangerは、黒い矢を放つことができ、この矢で相手にとどめをさすと、アンデッドとして使えるようになる。基本的にニュートラルヒーローは各種族の基本能力を補うオプションとして考えている。
編 今回新しい建物にショップがあるようですが、このお店では何を購入できるのでしょうか?
ビル ショップは各種族ごとに異なる見た目の建物が建てられる。そこで売られているアイテムは、各種族共通のものや特定の種族に効果をもたらすものまでさまざまだ。ショップはスタート直後にすぐ建てることができ、購入アイテムはタウンホールのレベルに依存してどんどんパワーアップしていく。たとえばタウンホールのレベルが1なら、1のグレードのアイテムといった感じだ。3になると非常にパワフルな効果のアイテムが購入できるだろう
編 新しいタイルセット(マップタイプ)について教えてください
ビル アドオンでは3つの新しいタイルセットを追加する。水のマップ「Sunken Ruins」は、コミュニティの中でそうした要望が多かったため追加したタイルセットだ。大きな川や湖などを設置し、水の特性を活かしたマップになっている。「Ice Crown」は、主に「Frozen Throne」キャンペーンのために開発したタイルセットで、雪原とダンジョンが同一マップ内に同居し、RPG要素の高いマップになっている。3つ目は、実はまだ決まっていない。βテストの時期に、キャンペーンとの兼ね合いも考えつつ開発に取り組む予定だ。
■ Battle.netの新たなムーブメントはクラン対クラン戦
Playable Demoに登場した怪しげな両生類軍団はアドオンで再登場するようだ |
ビル Playable Demoで、スロール(オークの首領)の前に立ちふさがった両生類のようなモンスターたちはアドオンにも登場させるつもりだ。タイルセットはやや似ているが、これは直接の繋がりはない。Ice Crownのダンジョンは全面氷で包まれているし、Sunken Ruinsでは橋やボートといった要素も追加している。
編 Battle.netでの対戦機能が新しくなるようですが、これについてもう少し詳しく教えてください
ビル 一番大きな新機能はクラン戦をサポートするところだ。まず基本機能として、アドオン発売後のBattle.netでは、クランの設立が可能になり、クランの名前、オフィサー(リーダー)を定めることができる。クランに入ると、名前の隣にタグのようなものが表示され、ひとめでユーザーがどのクランに所属しているのかがわかる。クランメンバーの対戦結果はクランそのものの成績にも換算され、クランごとのランキングに反映される。クランチャットといった機能も備えるつもりだ。
編 トーナメントモードはどのようなシステムになっているのでしょうか?
ビル まだ細かい仕様は決まっていない。βテストで実装してみて、ユーザーの意見を吸収してから最終的な仕様が決められることになるだろう
編 βテストの状況を教えていただきたいのですが
ビル 3月初旬にCDキーを配ったばかりで、実際のテストは3月8日頃からスタートさせるつもりだ。今回は、これまでのようにCD-ROMの配布を行なわず、メールでCDキーだけ配布して、クライアントはダウンロードさせる方式を採用しているから、今回のテストについてはいろいろ期待している
編 「Warcraft III」が、World Cyber Gamesの正式種目に選ばれましたが、このことについてどのように考えていますか?
ビル 大変興奮している。素晴らしいことだと思っている。実際にエキスパートのプレーヤーがどういうプレイをするのかいまから楽しみでたまらない
編 というと、大会当日は実際に韓国に行って観戦する?
ビル いや、それは私が決められることではない(笑)。一度行ったことがあり、試合の興奮はよく知っているが、なにぶん私は忙しいため、スケジュール次第ということになるだろう
編 ありがとうございました。
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□Blizzard Entertainmentのホームページ(英文)
http://www.blizzard.com/
□「Warcraft III: The Frozen Throne」のホームページ(英文)
http://www.blizzard.com/war3x/
□関連情報
【2003年2月17日】Blizzard、「Warcraft III: The Frozen Throne」のβ募集を開始
全世界1万人規模で実施されるBattle.net Beta Test
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20030217/bli.htm
【2003年1月23日】Blizzard、「Warcraft III: The Frozen Throne」を発表
最終章の追加、中立のヒーローなど新要素満載
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20030123/war3tft.htm
【2002年7月22日】PCゲームレビュー「Warcraft III: Reign of Chaos」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20020712/war3.htm
【2002年12月3日】「Warcraft III: Reign of Chaos」Playable Demo
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20021203/demo1203.htm
(2003年3月7日)
[Reported by 中村聖司]
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