東京ゲームショウ2002レポート |
会場:幕張メッセ
■ 本サービスは2003年1月16日スタート、ベータテストでもPSOがプレイできる!
東京ゲームショウ2002初日にあたる10月20日、Xboxブースに併設されている特設ステージにおいて、Xboxのオンラインサービス「Xbox Live」に関するプレス発表イベントが行なわれた。
イベントの冒頭、マイクロソフト株式会社常務取締役Xbox事業本部長である大浦博久氏によって、今回のXboxブースのコンセプトである「Xboxイズム」についての説明と、今年の冬にかけて発売が予定されている期待作の紹介が行なわれた後、Xboxの今後の軸となっていくサービスである「Xbox Live」についての発表が行なわれた。
既に9月9日より、「Xbox Live 限定ベータプログラム」の募集が開始されているが、今回のプレスイベントでは、ベータテストの具体的な開始時期を飛ばし、日本でのXbox Liveの本サービスが、2003年1月16日より開始されると発表された。加えて、Xbox Live開始と同時に発売となる「Xbox Liveスタータキット」に含まれるタイトルについても詳細が発表された。
Xbox Liveスタータキットに同梱されるタイトルは、既に発表済みとなっていたセガの「ファンタシースターオンライン(仮称)」は正式に「ファンタシースターオンライン エピソード1&2」(以下「PSO 1&2」)となり、従来「パックインゲーム」と紹介されていたタイトルは「頭脳対戦ライブ」と発表された。
「PSO 1&2」は、基本的にPC版の「ファンタシースターオンライン」がベースとなっており、Xbox Live版ではボイスコミュニケータを利用したボイスチャット機能が新フィーチャーとして盛り込まれている。また、従来同様キーボードを利用したチャットにも対応し、XboxにUSBキーボードを接続して利用するためのアダプタが同梱(「PSO 1&2」に同梱)されることも合わせて発表された。「PSO 1&2」をプレイする場合、Xbox Liveの利用料(初年度の利用料はXbox Liveスタータキットに含まれる)に加え、1カ月あたり600円のハンターライセンス(サーバー利用料)が必要となる。
頭脳対戦ライブは、麻雀、囲碁、将棋、リバーシの4種類のテーブルゲームが楽しめる、オンライン対戦型テーブルゲームコレクションだ。もちろんボイスコミュニケータを利用したボイスチャットにも対応しており、ボイスチャット共にこれらテーブルゲームが楽しめることになる。また、対戦結果に応じたランキングも表示されるそうなので、単に対戦プレイに徹するだけでなく、ランキング上位を目指す楽しみもある。こちらはXbox Live利用料のみで無制限に楽しめるそうだ。
ちなみに、Xbox Liveスタータキットの同梱物と価格だが、こちらは既に発表済みの通り、上記2タイトルに加えて、ボイスコミュニケータとXbox Liveの1年間の利用料が含まれて6,800円となる。
さらに、Xbox Live本サービスが開始となる2003年1月16日に同時発売されるXbox Live対応タイトルについても発表された。フロム・ソフトウェアの「サウザンドランド」、カプコンの「Capcom vs SNK 2 EO」、ビクターインタラクティブソフトウエアの「Muzzle Flash」、そしてマイクロソフトの「Whacked! ギリヤバ!乱闘パーティーテレビ!」の4タイトルである。つまり、Xbox Live本サービス開始時には、Xbox Liveスタータキット同梱のタイトルも含め、6タイトルが楽しめることになるわけだ。
また、合わせてXbox Live限定ベータプログラムで提供されるタイトルに付いても発表が行なわれた。こちらは、本サービス用のXbox Liveスタータキットに同梱される「ファンタシースターオンライン エピソード1&2」と、「頭脳対戦ライブ」のベータ版、そしてベータプログラム期間中にのみ楽しめるアクレイムの「ReVolt」の3タイトルとなっている。また、ベータプログラム期間中は、PSO 1&2を楽しむ場合でもハンターライセンスの徴収はないそうだ。つまり、ベータプログラム期間中は「PSO 1&2」も実質無料で楽しめるというわけだ。
マイクロソフトの大浦博久氏によって、日本でのXbox Live本サービスの開始が2003年1月16日になると発表された | Xbox Liveスタータキットの同梱物も正式に発表された。ソフトは「ファンタシースターオンライン エピソード1&2」と「頭脳対戦ライブ」の2本が同梱される | Xbox Live本サービス開始に合わせて同時発売されるXbox Live対応タイトルも4本発表された |
■ Xbox Liveへの接続は3ステップで完了
次に壇上に、マイクロソフトのXbox事業部オンラインサービス統括部統括部長である小出雅弘氏が登場し、Xbox Liveへの接続方法の説明が行なわれた。とはいっても、接続に関して難しい作業はほとんどと言っていいほど存在しない。Xbox Liveに接続する場合には、まず店頭で「Xbox Liveスタータキット」を購入し、Xboxをブロードバンド回線に接続し、Xbox Liveスタータキットに記載されている情報などを利用してサインアップを行なう……という3ステップで完了になる。
まず、Xbox Liveスタータキットを購入するという部分にはテクニカルな作業は存在しない。次にXboxをブロードバンド回線に接続するという作業だが、これもXboxのイーサネットポートに、ブロードバンド回線からのびるLANケーブルを接続するだけだ(LANケーブルは、ブロードバンドモデムから直結でも、ブロードバンドルータ経由でもよい)。最後のサインアップの作業には、いくつかの入力作業があるためやや面倒に感じる部分もあると思われるが、それも単にXbox Liveスタータキットに用意されている識別ナンバーを入力したり、名前、住所、クレジットカード番号などの個人情報を入力するだけなので、こちらも基本的にはテクニカルな設定項目はない。ちなみに、Xboxにはネットワーク関連の設定項目も用意されているものの、ADSLなどのブロードバンド回線を導入し、ブロードバンドルータを利用して家庭内LANを構築しているようなDHCPが利用できるLAN環境に接続する場合には、Xbox側のネットワーク設定を変更する必要はない。つまり、基本的には、ネットワークまわりの設定は標準設定のままでよく、Xbox Liveスタータキットを購入し、Xboxをブロードバンド回線に接続し、サインアップを行なえばXbox Liveへ接続するための作業は完了となるわけだ。
実際にステージでも小出氏がXboxにLANケーブルを接続し、サインアップを行なうまでの流れを実演して見せたが、それを見てもこの一連の作業で戸惑うような部分はまずないと言っていいだろう。
ちなみに、サインアップが完了すると、Xboxのハードディスク内にゲーマータグ(ユーザーID)とパスワードが保存される(ゲーマータグとパスワードはメモリユニットにコピーして持ち歩くことが可能)。
そして、オンラインゲームをプレイする場合には、Xbox Live対応ゲームを起動し、ゲーマータグを選択してXbox Liveにログインし、「Play Live」というメニューを選択するだけでよい。ここで、Xbox Liveにログインする場合、ゲーマータグとパスワードの入力が必要なように思うかもしれないが、実際にはゲーマータグとパスワードはXbox内蔵のハードディスクに保存されているデータ(またはメモリユニットにコピーされたデータ)が自動的に読み込まれて利用されるため、ユーザーがわざわざゲーマータグやパスワードを入力する必要はない。とにかく、誰でも簡単にXbox Liveに接続して遊べるように工夫されているというわけだ。
■ ファンタシースターオンライン エピソード1&2について中裕司氏自ら解説
プレス発表イベントに引き続いて行われた「ファンタシースターオンライン エピソード1&2 スペシャルステージ」では、ソニックチームの代表取締役である中裕司氏によって、Xbox Liveスタータキットに同梱される「ファンタシースターオンライン エピソード1&2」に関する詳細が解説された。
中氏の説明によると、ソニックチーム内では、既にXbox版「PSO 1&2」の開発は完了しているそうで、Xbox Live限定ベータプログラムに提供される「PSO 1&2」は、製品版と同等のものになることが明らかにされた。もちろん、ベータプログラム期間中に何らかのトラブルが発生すれば修正も行なわれるようだが、既に調整もかなりの段階まで進んでいるそうで、おそらくほとんどトラブルなくプレイできるだろうという中氏のコメントがあった。つまり、Xbox Live限定ベータプログラムに参加できるユーザーは、もうその時点で製品版の「PSO 1&2」をプレイできると考えていいだろう。
また、このステージで新たな発表も行なわれた。既に何度も書いているが、タイトルの正式名が「ファンタシースターオンライン エピソード1&2」になったということに加え、「PSO 1&2」にUSBキーボードをXboxに接続できるアダプタが同梱される、ということが発表されたのだ。もちろんXbox版「PSO 1&2」は、ボイスコミュニケータを利用したボイスチャットが可能という点が大きな特徴だが、ソニックチーム内部では従来のプラットフォーム向けのPSOシリーズで提供されてきたキーボードによるコミュニケーションもある程度重要視していることによる措置と思われる。
音声を使ったコミュニケーションは、意思の疎通が行ないやすいという意味でも、プレイに専念できるという意味でも非常に有利な手段ではあるが、同じ言語を利用するユーザー同士でしかコミュニケーションが取れないという欠点もある。従来の「PSO」では、あらかじめ登録されているメッセージを利用すれば、プレイしているユーザーが設定している言葉に自動的に翻訳されて表示されるという機能が用意されており、これによって利用する言語の異なるユーザー同士でも簡単にコミュニケーションが取れ、マルチプレイが可能になるという仕組みが用意されていた。おそらくXbox版でも、ワールドワイドの展開を考慮してキーボードによってプレイできる仕組みが必要と判断されたのだろう。
ただ、中氏自身は、Xbox Liveで提供されるボイスコミュニケーションに対して、「会話を楽しみながらオンラインゲームをプレイするというのはこれまでになかったもので、これによってどのようにゲームが広がっていくのかわからないので非常に期待しているし、とても楽しいので皆さんも体験してみてください」とコメントしており、やはりXbox版「PSO 1&2」をプレイする場合には、ボイスチャットによるプレイが基本と考えていいだろう。これは、中氏がXbox版「PSO 1&2」において、キーボードを利用したコミュニケーションに関する詳細を一切語らなかったことからも明らかだ。また、「PSO 1&2」は、当分は日本のみでのサービス提供になると思われるので、USBキーボード接続用アダプタを利用する機会はほとんどないと考えていいだろう。
ちなみに、Xbox Live本サービス開始以降は、「PSO 1&2」を楽しむ場合に、Xbox Live利用料(Xbox Liveスタータキットに1年分が含まれる)に加え、1カ月あたり600円のハンターライセンス(サーバー利用料)がかかるが、Xbox Live限定ベータプログラム期間中はハンターライセンスがかからずプレイできる。運良くベータプログラムに当選したら、とことん「PSO 1&2」をプレイして、ボイスチャットによる新しいゲームの世界を体験してもらいたい。
(2002年9月21日)
[Reported by 平澤寿康]
|
GAME Watchホームページ |