EA PLAYレポート ついに完成した「Battlefield 1942」
「Medal of Honor: Allied Assault Spearhead」もプレイアブルで出展

会期:8月28日(現地時間)

会場:Electronic Arts UK

 Electronic Artsというと、FIFA Footballシリーズを初めとした公式スポーツゲーム群 (EA Sports) とMaxisやWest Woodといった有力傘下メーカーの個性的なタイトルにばかり目がいきがちだが、昨年の「Medal of Honor」より始まったリアル系アクションシューティングの存在も無視できなくなっている。本稿では、Demoのレベルで世界のアクションファンを魅了してしまった大規模アクションシューティング「Battlefield 1942」と、この夏北米で公開され今回プレイアブル出展されたMOH初の公式アドオン「Medal of Honor: Allied Assault Spearhead」を紹介しよう。


■ 16箇所の激戦区を克明に再現
3年遊べる大作アクションシューティング
~「Battlefield 1942」

ゲーム内で搭乗できる航空機の一部。戦闘機はもちろん、4発の大型爆撃機にもワンキーで気軽に乗り込み操縦できるのが本作の凄いところだ
 すでに開発は終了し、あとは発売を待つのみとなった「Battlefield 1942」。発売日は、北米が9月10日、ヨーロッパが9月20日、日本は9月13日となっている。北米からわずか3日遅れで完全日本語版を発売するところにエレクトロニック・アーツ・スクウェアの同作にかける意気込みが伝わってくる。発売プラットフォームはいまのところPCのみで、2003年にXbox版の発売が予定されている。

 同作のゲーム内容についてはファーストインプレッションをはじめ、Demoの記事などでたびたび紹介してきたので省略するが、今回初めてマスター版を触れてみてわかったのは、シングルプレイとマルチプレイは同じ内容だということ。基本的に仲間や敵がCPUなのかリアルユーザーなのかという違いしかなく、いずれのモードでも大規模マップによる多人数対戦が楽しめる。つまり、本作はマルチプレイを最重視した作品ということになる。

 展示ブースではウェーキ島や硫黄島といった島嶼戦の人気が高く、各プレーヤーとも自由気ままな戦法で戦線に参加していた。ちなみに製品版に収録されるマップは、ミッドウェイ、バルジの戦い(アルデンヌ)、ベルリン、ボカージュ、エル・アラメイン、ガザーラ、ガダルカナル、硫黄島、ハリコフ、クルスク、オマハビーチ(ノルマンディ)、バトルアックス作戦(北アフリカ)、マーケット・ガーデン作戦、スターリングラード、トブルク、ウェーキ島の16枚。

 実際にベルリンやハリコフなどいくつかのマップをプレイしてみたが、どちらでも勝てるようなバランス調整になっていて、史実どおりの激戦を仮想体験するというよりは、史実の戦場を舞台に集団戦闘の雰囲気を味わうといった感じに近い。史実といっても、マルチプレイゲームとして成立するように明快な内容に組み替えられており、たとえば、ミッドウェイであれば、日米両軍のタスクフォース(空母機動部隊)が用意されているわけではなく、日本の機動部隊(空母1隻、駆逐艦1隻)と、ミッドウェイ島があるといった具合。これが硫黄島などでは逆の立場になる。

 このような歴史のIFをいくらでも可能にする懐の深さ(というより良い意味でのいい加減さ)が同作の最大の魅力といえそうだ。近いうちに日本語版のレビューをお届けできる予定なのでお楽しみに。

ヨーロッパ戦線は戦車戦が熱い。うまいプレーヤーにぶつかると、空からの爆撃により一瞬でやられてしまうが、逆もまたしかり。そうした荒っぽさがプレーヤーを夢中にさせる秘訣だろう


■ 第101空挺師団のベルリンまでの道のりを描いた公式アドオン
~「Medal of Honor: Allied Assault Spearhead」

バルジの戦いでは戦車を撃破できるバズーカ砲が重要な兵器になりそうだ
 今回、個人的に大収穫だったのが「Medal of Honor: Allied Assault Spearhead」。昨年発売され、大ヒットを記録した「Medal of Honor: Allied Assault」初の公式アドオンだ。

 アドオンといっても単にマップやシナリオを追加するだけでなく、キャンペーンが丸ごと1本追加されている。本編をプレイした人ならご存じのように、広大なフィールドで繰り広げられるキャンペーンシナリオが本シリーズの最大の特徴。それがまた1本追加されるというのだから楽しみだ。

 アドオンでは主人公が代わり、第101空挺師団所属のJack Barnes軍曹となる。時代設定は'44年から'45年までで、ノルマンディ上陸作戦からベルリン侵攻までを戦い抜く。どちからといえば本編は米軍の侵攻を裏で支えた格好だったが、今回は常に主戦場の最前線で戦っていくことになる。

 ちょっと感動したのはキャンペーン最初のシナリオ「ノルマンディ」のオープニングシーン。まだ演出面は最終版ではないということだが、輸送機から飛び降り、パラシュートを開いて降下中の状況からスタートする。プレーヤーからは米軍の輸送機が中空にぐんぐん上がっていくように見え、周囲には同じように降下中の空挺部隊が確認でき、その間を縫うように対空砲火が幾筋も煌めいている。真下を覗くと、降下先であるコタンタン半島の全景が望め、始めて自分が空中にいることを知り、その高度に思わずびくついてしまった。

 やがて民家の屋根をぶち抜いて降下に成功するが、そこにはドイツ兵が潜んでおり、いきなり乱戦になる。周囲には仲間はおらず、まずは単身で仲間と合流すべく行動を開始していくことになる、といった展開になる。その映像美とシチュエーションのうまさに、「Battlefield 1942」にはない大きな魅力を感じてしまった次第だ。

 ふたつ目の大きな山場であるバルジの戦いでは、バストーニュ救出を軸に強行軍シナリオが展開される。こちらも重火器を携行しているとはいえ、ドイツ軍は装甲車やロケット砲など機甲師団が展開しており、うかうか進んでいると一瞬でやられてしまう。加えて、寒冷地仕様の軍服を身にまとったドイツ兵は銃撃を受けた後でも発見しにくく、総じて高難易度の印象だった。

 そしてラストを飾るベルリン侵攻がまた凄まじい出来映えだった。すでに敵の首都は爆撃でがれきの山と化しており、倒れた石壁やむき出しの鉄筋などが自然のバリケードになっている。プレーヤーは終戦日となる4月30日深夜に歩哨として当直に付くシーンからスタートする。仲間たちは安心しきった様子で会話を始めるが、しばらくするとトラックが砲撃を受けて破壊され、同時に四方から激しい銃撃を浴びせられる。

 驚いて周囲を見るとドイツ兵がわらわらとこちらに迫ってきており、激しい銃撃戦が展開される。深夜なので増援も呼べず、航空支援も受けられないという、まさに「Medal of Honor」にふさわしい状況だ。さっそくティーガー IIを撃破しにいこうと思ったら前に進めなかった。残念ながらベルリンマップはまだ開発途上のようだった。

 ちなみにキャンペーンは全部で9ステージから構成され、これとは別にマルチプレイ用のマップが12本、ソ連製のものを含む15種類の新しい武器が登場するということだ。発売時期は2002年秋を予定。日本語版の発売も確実と見ていいだろう。楽しみに正式発表を待ちたいところだ。

開発中のゲーム画面。雪上戦はとにかく敵が見えにくいのがつらい。ちなみに今回出展されていたのはプレアルファ版で、安定性がいまいちだった

左から順にPC版「Medal of Honor: Allied Assault Spearhead」、Xbox版「Medal of Honor: Frontlone」、ゲームキューブ版「Medal of Honor: Frontlone」。Xbox版は最大4分割によるマルチプレイがウリ。日本での発売は未定となっている

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□Electronic Artsのホームページ
http://www.ea.com/
□「Battlefield 1942」のホームページ
http://www.ea.com/eagames/official/battlefield1942/home.jsp
□「Medal of Honor: Allied Assault」のホームページ
http://www.ea.com/eagames/official/moh_alliedassault/home.jsp

(2002年8月29日)

[Reported by 中村聖司]

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