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陸、海、空、すべてのフィールドが戦場となる! 集団戦闘の醍醐味が味わえるMMOアクション
「Battlefield 1942」

  • ジャンル:アクションシューティング
  • 開発元:Digital Illusions
  • 発売元:Electronic Arts
  • 価格:7,980円
  • 対応OS:Windows 98/Me/XP
  • 公開日:今秋発売予定


 先週末ついにシングルプレイ版のデモがリリースされた大規模アクションシューティング「Battlefield 1942」。現在、米国では一部のプレス向けにクローズドβテストが行なわれており、開発もいよいよ最終段階に近づいてきたようだ。今回は、シングル版のデモでは見ることのできないウェーキ島上陸作戦のステージなどを大量のスクリーンショットとともに公開しよう。


■ 陸海空の乗り物を操り、戦場を縦横無尽に駆け回れ!

 「Battlefield 1942(以下BF1942)」は今まで発表された第2次世界大戦が舞台となったFPSとは大きく異なり、陸海空すべてのフィールドが戦場とした点が最大の特徴だ。そのためプレーヤーは自分の体ひとつでフィールドを移動するのではなく、陸上なら戦車やハーフトラック、ジープなど、海上なら戦艦や駆逐艦、空母、潜水艦、空中なら戦闘機、攻撃機、爆撃機など、マップの各所に配置された兵器を利用して戦場を縦横無尽に駆け回ることになる。

 登場兵器は大戦期に活躍した有名どころばかりが選ばれ、大型艦艇については大戦史上最高の武運艦として知られる正規空母エンタープライズなど、各クラスを象徴する艦名が付けられている。日本だと空母は翔鶴級、戦艦は大和級、駆逐艦は秋月級といった具合。たとえばアメリカ軍は以下の兵器を使用することができるようだ。

M10 Wolverine M4 Sherman M7 Priest

M3 Half-Track Willys Overland Jeep MB B-17 Flying Fortress

SBD-6 Dauntless P-51 Mustang F4U Corsair

USS Enterprise HMS Prince of Wales USN Fletcher Class

USN Gato Class LCVP Higgins Boat


■ BF1942の基本であるゲームモードと5つのクラス

双眼鏡を使って敵を探索中に遠方から進撃する敵独逸のIV号戦車を発見。ラジオメッセージを使って直ちに味方に敵の発見を報告、ただちに迎撃準備に取りかかる
 クローズドβで確認できたゲームモードは3つ。Team Death Match、Capture the Flag(CTF)、そしてConquestだ。先の2つに関しては改めて説明するまでもないので省略して、BF1942のメインである陣取り合戦モード、Conquestについて解説しよう。

 Conquestモードではプレーヤーはマップ上に設置された拠点を互いに制圧していく。拠点に近づくと画面に旗マークが表示され、その状態を一定時間保持すれば、拠点を制圧したことになる。制圧に必要な時間は戦況によって若干変わるようで、勢力が均衡している場合は5秒ほど制圧すればOKだが、5つある拠点を全部とられて残るは本陣だけという状況だと制圧まで1分少々必要なこともあった。全拠点を制圧した後、敵本陣を攻めて拠点と同じように制圧してしまえば自軍の勝利という寸法だ。

 プレーヤーは、BF1942の基本となる5つのクラス、Scout、Assault、Anti-tank、Medic、Engineerから好きなクラスを選択して戦闘に参加する。Respawnポイントは自軍の本部(スタート地点)か制圧した拠点からとなるが、敵が制圧可能範囲まで接近している拠点は選択することができない。では、各クラスの能力を簡単に解説しよう。

・Scout
スナイパーライフルと双眼鏡を装備しており、いち早く敵を発見して味方へ報告するのが主な役割。スコープを覗いて射撃をする場合は照準がぶれるので、伏せて撃つのが基本

・Assault
BARやStg44といったアサルトライフルを装備。戦車に随伴して行動し、戦車に一撃を加えようとするAnti-tankの排除や拠点の防御が主任務。もっとも一般的なFPSスタイルで遊べるクラスであり、あらゆる状況に対応できるバランスの良さを持つ。初心者はこのクラスから始めよう

・Anti-tank
乗り物が重視されるBF1942ではかなり重要視されるクラス。戦車の装甲を正面から撃ち破れるのはこのクラスだけで、物陰に隠れながら戦車に近づき、対戦車砲の一撃をお見舞いするのが主任務。小回りのきかない戦車などに対してはめっぽう強いが機銃を装備した装甲車やAssaultに接近されると弱いことこの上ない

・Medic
サブマシンガンを装備して戦場を駆け回り、傷を負った歩兵のライフ回復を行う。拠点などの回復ポイントがあまり無いマップなどでは重要なクラスだが、縦に戦線が伸びるような状況以外は絶対的に必要ではないクラス

・Engineer
対戦車地雷とTNT爆薬を持ち、戦車の侵攻を受動的に食い止めるのが主任務。特にTNTの威力は絶大でほとんどの乗り物を一撃で沈めることができる。また傷ついた乗り物のライフを回復できるのもこのクラス。テクニックが必要だが楽しいクラスだ

拠点に接近してきた敵ティーガーIにAnti-tankクラスで肉薄! 背後に回りこみ対戦車砲の一撃をお見舞い。見事敵戦車は一撃で昇天と相成りました。ちなみに背後のエンジン付近にはどんな武器でも一撃で仕留められる急所がありそうな雰囲気だ

敵が戦車で攻めてくるならこちらもということで、接近してくる敵戦車に対しM4シャーマンの主砲をお見舞い。M4シャーマンの場合装甲は薄いが、機動性の高さと砲撃サイクルの短さで何とか砲撃戦に打ち勝った!!

度重なる排除にもかかわらず津波のように塹壕や鉄条網を難なく乗り越えて侵攻してくる敵IV号戦車。EngineerのTNT爆薬を使って排除すべく素早く背後に回りこみ、距離をとって起爆! と思ったら近接していた味方も巻き込みました……。ちなみにTNT爆薬は複数仕掛けて一気に起爆させることも可能だ

据え付けのマシンガンと弾薬箱、そして救急棚。拠点にはたいていこの3つが設置されているので、これをうまく使えば相当長い間、敵の侵攻を食い止めることができる


■ 戦力を絶対的数値で表現したチケット制というシステム

画面右上の国旗横に記されているのがチケット。これが0になった陣営の負けだ
最大で32対32で戦うことができる。チケットは多くても400ポイントが限界なので、突っ込んで暴れて死んで、というのを繰り返していると、味方が生き返るためのチケットが気づいたらありませんでした、ということにもなりかねないので慎重な行動を!
 BF1942では各軍の戦力を「チケット」という単位で表現しており、各モードの勝利条件以外にこのチケットを“0”にすることも勝利条件のひとつにしている。

 このチケットはスタート時に画面右上に一定値が割り振られ、プレーヤーが死亡して戦場にRespawnする際はこの値を1消費する。乗り物なども破壊されると一定時間経過後初期配置位置にRespawnするが、この際にチケットを消費するかははっきりとわからなかった。

 また、マップによっては一定時間に一定場所まで戦線を押し上げられないと攻め手の陣営のチケットが時間経過に伴って減少していくものもあって、突破戦や上陸戦など“実際の作戦でも制限時間が設定されそうな戦闘において、攻め手側の焦りをあおるシステムになっているのが興味深いところだ。

 ちなみに歩兵で移動している場合、流れ弾などでかなりあっけなく死んでしまう。「どうせ生き返られるから」と、むやみやたらに戦死上等スタイルで死んでいるとあっという間にチケットが消費されてしまい、味方に迷惑を掛けることになるので要注意だ。

 このチケット制が製品版でどのような意味合いが持ってくるかはまだはっきりとはわからないが、BF1942特有の注目すべきシステムであることは間違いないだろう。


■ 陸海空の連携でウェーキ島上陸作戦を成功させろ!!

ウェーキ島上陸作戦のマップ。攻手の日本軍はマップ左上の洋上に配置された空母と駆逐艦、どちらかからスタートすることになる
 それでは、シングルデモ版では収録されなかったウェーキ島上陸作戦のマップを使ってBF1942がどのように遊ばれるのか紹介していこう。

 このマップでは、陸海空すべてが舞台となり、BF1942の魅力を存分に味わうことができる。ウェーキ島上陸作戦は、1941年(昭和16年)年12月21日~23日に井上成美中将麾下の第4艦隊と、真珠湾攻撃を終え帰投途上の山口多聞少将麾下の第2航空戦隊とが合同で実施した上陸作戦だ。

 ゲームでも、ウェーキ島へ上陸しようとする日本軍(Axis)と、上陸を阻止しようとする米軍(Allies)という構図で展開される。が、投入されている空母が2航戦所属の蒼龍級ではなく5航戦の翔鶴級だったり、一次攻撃に失敗したはずの日本軍の上陸部隊がすでに橋頭堡を築いていたりと、必ずしも史実とピッタリ適合するわけではない。ともあれ日本軍は、秋月級駆逐艦もしくは翔鶴級空母からスタートする。

ゲームが始まるとはやくも味方が飛行甲板上の艦上機に搭乗して空母から次々に発艦していく。思わず帽子を振りたくなってくるシーンだが、当然そういう演出は盛り込まれていない

筆者も負けじとゼロ戦に乗って離陸! 初めての割にはすんなりと離陸に成功し、上空の僚機と編隊を組んでウェーキ島上空へ向かう

ちなみに離陸に失敗すると当然空母から落ちて着水する。速度が上がっていなければ、飛行機と運命をともにせず、海上に投げ出されるだけで済む。しばらくすると駆逐艦が網を垂らしてくれているので、乗り移って揚陸艇による上陸に切り替えよう

スタート地点に駆逐艦を選択すると、艦砲射撃を行なうことができる。岸には沿岸砲台が設置してあるので、それを除去するのが目的

大発(揚陸艇)で敵海岸への上陸を試みる。護衛としてゼロ戦が上空についてくれたようだ。巡航速度が速いため、揚陸艇両端から波頭が高く上がるのがらしくていい

上陸後は先に陸揚げされていたチハ式戦車やドイツ軍から供与されたハノマーク兵員輸送車とともに、アメリカ軍の拠点を一つ一つつぶしていく。途中飛行場をつぶしていると、敵航空機が飛来してきたので、そばにあった高射砲を使って叩き落そうと試みるが逃げられてしまった

やられてしまったので空母に戻ったらなんと敵航空機の雷撃を受けてしまっている! とりあえず空母を島北東に移動させ、急いで空母下部甲板に装備された高射砲などで追い払おうと試みるものの失敗。それどころか、僚艦である駆逐艦が沈んでしまった。総員退艦!! 総員退艦!!

今度は九九式艦上爆撃機の後部座席に座って敵陣を攻めることに。ゼロ戦も同時に飛び立ち、護衛として編隊を組んで島中央の敵航空基地を目指して飛ぶ。ちなみに背後では味方機が敵拠点に対して爆撃を敢行している模様


■ 厳密な第二次大戦シミュレーターではないものの、ゲームとしての爽快感は抜群!

 ここまで掲載した多数のスクリーンショットをみて、ミリタリーに詳しい読者は「えー、兵器考察がリアルじゃない」とか「なんで日本軍がドイツ軍の車両をウェーキ島に使ってんねん!?」と突っ込まれると思うが、そういった「リアル」という意味での作りこみはBF1942に期待しないほうが良いだろう。

 各陣営の武器配置や戦場の形状、飛行機の挙動などは首をかしげる点も多い。しかし、BF1942はそういったリアル感ではなくゲーム、アクションゲームとしてのノリを最大限に追及したゲームだとβ版を遊んで強く感じた。たとえば上陸ミッションなら、戦闘機が攻撃機を護衛して上陸地点まで進行し、攻撃機が爆弾を投下して敵の守備隊のなかの機械化部隊を排除、戦艦の艦砲射撃で沿岸の守備隊を排除したのち、戦車やハーフトラックを搭載した揚陸艇をつかって上陸する。という連携を楽しむのが主目的なのだ。

 軍隊というのは各部隊が有機的に連携して動かないとまったくといって良いほどその力を発揮できない。BF1942を遊ぶユーザーは「俺様、めちゃめちゃ強くてヒーローみたいじゃん!」という思考ではなく「自軍を勝利に導くためには、自分は陸海空のどの部署で何をすべきなのか?」ということを念頭においてプレイしたほうがいいだろう。

 似たような、というかまったく同じコンセプトで作られた「WW II Online」は、各兵器の描写や挙動にあまりにこだわった結果「初心者やミリタリー一見さん完全排除!」といった雰囲気を持ってしまった。その一方でBF1942はFPS初心者や、ミリタリーをあまりよく知らない人でも十分に第2次世界大戦における集団戦を楽しめる1本となっている。

 現在まで、陸海空すべての兵器を網羅したアクションゲームは数少なく、このすべてをユーザーが使えるのだからそれだけでも注目すべきタイトルといえる。BF1942は今秋エレクトロニック・アーツ・スクウェアから発売される予定となっている。それまで自分は戦場でなにができるのか? と考えながら待っていよう!

空を飛び回るだけでも楽しさが味わえる本作。敵部隊を見つけたらすぐ全軍に報告しよう

(C) 2002 Electronic Arts Inc. Alrights Reserved.


□エレクトロニック・アーツ・スクウェアのホームページ
http://www.japan.ea.com/
□「Battlefield 1942」の公式ページ(英文)
http://www.ea.com/eagames/official/battlefield1942/home.jsp
□関連情報
【2002年6月21日】EA、「Battlefield 1942」を完全日本語版で今秋発売
第二次大戦全域を扱った大規模アクションシューティング
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20020621/1942.htm
【2002年7月22日】「Battlefield 1942」SinglePlay Demo
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20020722/demo0722.htm

(2002年7月26日)

[Reported by TYQ]

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ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

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