『EA PLAY 2002』要注目タイトルをピックアップ |
プラットフォームはPC、PS2、PS、GC、Xbox、GBA、GBCの7種類。それぞれ原作をベースにしているが、各プラットフォーム毎にオフィシャル設定のサイドストーリーが盛り込まれる予定。PS2、GC、Xboxはゲームエンジンが一新されており、そのグラフィッククオリティは前作を遙かに凌ぐでき。空飛ぶ車による飛行アクションシーンは、この新エンジンなくしては実現できなかったという。
今作でキャラクタアニメーションのインタラクティブ性に特に力を入れたとしており、危険なエリアに入るとハリーポッターが体を震わせ足取りが重くなったりするといった表現が盛り込まれているという。
■ Shox
オフロードタイプのレーシングゲームだが、シミュレーターではなくアーケードゲーム的なデザインが徹底されている作品。プロデューサーのRichard Leinfellnerによれば「最近のシミュレーター指向の強いレーシングゲームになじめないカジュアルな層にこそ楽しんでもらうために制作した」という。
砂漠や泥地、雪原をはじめとしたコースを3周するのが基本ルールで、ゲーム性は「セガラリー」に近いイメージ。総コース数は未定。
コース毎に用意されたShox Zoneと呼ばれるポイントで派手なドライビングアクションを決めると評価があがり、レース終了後に着順とは別に表彰されるシステムを搭載。トリックポイントを競うスノボーゲームの感覚に似ている。
アーケードゲームを目指しているため、「グランツーリスモ」シリーズのようなキャンペーンモードはないが、ギャンブルモードと名付けられたユニークなレースモードが用意されている。これは、自分の車を担保に敵にレースを挑み、勝利すれば相手の車を手に入れられるというものだ。
登場車種はインプレッサ、ランエボ、セリカGT FOURをはじめとする有名オフロードカー24車種。いずれもメーカーから正式にライセンスを取得しており、ポルシェの最新ラリーカー、ポルシェ・カイエンも登場する。
敵車のアルゴリズム「リアルな人間プレーヤー」をAIで再現しているという本作は、Leinfellnerいわく「人間と対戦しているプレイ感覚を味わえるようにした」という。発売は2002年秋で、プラットフォームはPS2。
Richard Leinfellnerいわく「ジョイパッドで気軽に遊べるレースゲーム。それがShoxだ」 | 会場内に展示されていたポルシェのラリーカー |
■ The Sims for PS2
全世界で1,500万本を出荷し、未だに売れ続け、しかもそのユーザーの半数が女性というお化けソフト「The Sims(邦題:シムピープル)」のPS2版が2002年秋に発売される。
PC版は疑似3Dだったが、PS2版は新ゲームエンジンベースの完全3Dに置き換えられている。ルールも微妙にアレンジされており、ステージ毎に目的をクリアして次に進んでいくというキャンペーンモードのようなゲームシステムを採用。セーブデータをメモリカードに入れて友人のPS2にロードすればふたり同時プレイも可能となっている。
■ シムシティ4
全世界でトータル1,400万本のセールスを記録した「シムシティ」シリーズの最新作「シムシティ4」が今年11月に発売される。プラットフォームはPC。地形はもとより、建物や車両など、登場するすべてのオブジェクトが3Dグラフィックスで描かれている。
今回は街の生成が広範囲で行なえるようになり、ペイントソフトで落書きをするような感覚でプレーヤー独自に街を作ることができる。
キャンペーンモードのようなものはなく、あくまで箱庭遊びに徹したゲームデザインになっており、現時点では明確なゲーム目的は設定されていないという。
「The Sims(シムピープル)」のキャラクタをインポートできるのも特徴のひとつで、お気に入りのシム人を「シムシティ4」で作った街に住まわせて、率直な感想を聞くこともできる。ゲームの進行には影響しないようだが、プレーヤーのオーナーシップをかき立てる遊び心にあふれた面白いシステムだ。
ゲームオーバーはなく、もし出来の悪い街になったとしても、人々はその街に適合した生活を営んでいくという。説明担当者は「観葉植物を育てる感覚で街を作っていってほしい。花が咲いても、枯れてしまっても、どっちにしても楽しめるのが『シムシティ4』なんだ」とコメントしている。
■ The Sims Online
シムピープルのオンライン版「The Sims Online」が2002年末までにリリースされることが明らかになった。まずは英語圏からリリースされ、日本語版を含むインターナショナル版がその後1年以内にリリースされる見込みだという。
今回展示されていたものは、かなり完成版に近いバージョンのように見受けられた。本作では、各プレーヤーが事業を立ち上げて架空の金銭が稼げるシステムを採用しているが、現在はその経済システムの最終調整をしているという。
1アカウントあたり3人のアバター(キャラクタ)を所有でき、その各々が家を所有できることが決定したという。課金システムについては現在検討中だとしている。今のところ発売が決定しているのはPC版のみで、他プラットフォームへの展開は未定。
■ Command&Conquer Generals
プロデューサーのMark Skaggs |
登場勢力は、アメリカ、中国、GLA(Global Liberation Army:世界解放軍)の3つ。時代は近未来で、それぞれが全く異なる文明背景を持っているという設定。アメリカ軍はハイテク兵器主体、中国は人口にものをいわせた物量作戦が得意、GLAはコスト安で多彩な武装を運用できるという特性が与えられている。これにより登場兵器の種類、性格、兵ユニットの運用方法が異なっており、たとえばアメリカ軍の最終兵器は核ミサイルだが、中国の最終兵器は広範囲に毒をまき散らす生物化学ミサイル……といった具合になっている。
全く別のゲームからやってきたような勢力やユニットを戦わせられるのが「コマンド&コンカー」シリーズの魅力だが、この特徴は今作にもちゃんと受け継がれている。シングルプレーヤーモードは各勢力ごとに個別のシナリオが用意されており、総計で27個のミッションがプレイできる。マルチプレーヤーモードでは最大8人同時のプレイが可能。もちろん同盟を組んでの対戦も可能だ。
プロデューサのMark Skaggsは「今回3D化したのは、見た目の派手さを狙っただけではなく、現実世界のライブシミュレーションを実現する手段として3D化が不可欠だったからだ。地形や自然環境のリアルさ、ちりぢりに逃げまどう非戦闘員達の動きなどから醸し出される、これまでのRTSでは表現されていなかった“戦場の臨場感”みたいなものを体感して欲しい」とコメントしている。
ド派手なグラフィックスが満載された本作のゲームエンジンはGeForce 2ベースで開発されているため、GeForce 2MX以上があれば快適にプレイできるという。プラットフォームはPで、発売日は2003年1月22日の予定。
■ NEED FOR SPEED HOT PERSUIT2
会場内にはアストンマーチンV12の実車が展示されていた |
今作では、警察ヘリが爆薬物を放り投げてくるうえに、封鎖バリケードは設置する、超高速パトカーが登場するなど、過激度がさらに増している。ドライビングエンジンは前作から改良が施されており、特にダメージモデルの開発に注力したことで車の壊れ方がよりリアルになったという。
登場車種はフェラーリ550バルケッタやランボルギーニ・ムルシエラゴをはじめとしたスーパースポーツカーばかり。全56車種が正式なライセンスを受けて搭乗する。コースは15種類以上で、そのすべてに秘密の近道が用意されているという。
マルチプレーヤーモードは、PC版が最大8人まで、家庭用ゲーム機版が画面分割によるふたりまでの同時プレイに対応する。発売時期は2002年秋を予定。プラットフォームはPC、PS2、Xbox、GCの4種類。
■ James Bond 007 in NightFire
人気スパイアクション映画「ジェームス・ボンド 007」シリーズをゲーム化した作品。ストーリーは007ゲームとしては珍しい完全オリジナル書き下ろし。
とはいっても、核弾頭を不当に獲得した狂信的な野心家が、世界の人々を人質に取った事件を起こし、007がその解決に乗り出すという“お約束”のストーリー展開。物語はパリから始まるが、活躍の舞台は日本にも移される。ここでの敵は、これまた“お約束”のやくざや忍者が登場するようだ。
ジェームス・ボンドのキャラクタモデルは、映画で007役を演じるピアース・ブロスナン本人を3Dレーザースキャナーで取り込み生成した3Dモデルを採用。これはファンならずとも一見の価値ありだ。
今回は一連の映画作品を意識した展開を心がけて制作しているという。秘密道具やボンドカーがゲームを進める上で重要な役割を果たすのはもちろん、ボンドガールとのラブシーンもある。そう、3Dモデル化されたピアース・ブロスナンとポリゴン娘がラブシーンを演じてしまうのだ。
ゲームは一人称シューティング(FPS)で、敵を撃ち倒しながらストーリーを進めていくアドベンチャータイプ。プレイ感覚的には「None lives forever」に近い。シングルプレーヤーゲームモードがメインだが、おまけとしてマルチプレーヤーモードが追加されるという。ジェームス・ボンド同士が撃ち合うといった支離滅裂な物ではなく、プレイしがいのあるゲームルール、キャラクタを目指して鋭利開発中だという。
発売時期は2002年11月を予定。プラットフォームはPC、PS2、Xbox、GC。
■ FIFA FOOTBALL 2003
シリーズ通算1,000万本のセールスを記録し、数あるサッカーゲームのなかでも高いシェアを誇るのが、EAの「FIFA FOOTBALL」シリーズ。プロデューサーのRORY ARMESは、その最新作となる「FIFA FOOTBALL 2003」について、ゲームエンジンを一新するなど、単なる年番号をひとつ増やしたバージョンアップ版ではないことを強くアピールした。
ゲームエンジンでも特に強化されたのは、選手のAIとボールの物理エンジンだ。選手のAIはEdgar Davids、Ryan Giggs、Roberto Carlosなどの実在選手の監修のもとに開発され、より人間味あふれるプレイが展開するよう作り込まれているという。たとえば、無謀なタックルや意味のないパスやシュートなどは行なわず、他プレーヤーの動きを予測したプレイまで実行するとしている。
ボールの物理エンジンは、これまでゲーム的に処理されていたボールの挙動を現実世界の物理法則に準拠するよう修正したという。前作まではフルキックされたボールを至近距離から胸でトラップできたが、今作では大きく弾んだり跳ね返ったりするようになるとしている。
リリース時期は未定。プラットフォームはPC、PS2、PS、Xbox、GC、GBA。
プロデューサーのRORY ARMES | 選手AIの制作を監修した3選手 |
■ LORD OF THE RINGS THE TWO TOWERS
昨年大ヒットを記録したファンタジーアドベンチャー映画「ロード・オブ・ザ・リング」をゲーム化した作品。基本的なストーリー展開は映画や原作に準拠しているが、オリジナルのサイドストーリーなども盛り込まれる。
ゲームタイトルは劇場第2作目のサブタイトルが付けられているが、ゲーム自体は劇場第1作目のストーリーから始まる。もともとは映画1作目のストーリーラインを再現すべく開発していたところ、映画の公開から時間が経ってしまい、さらに映画2作目の公開が迫ってきたことから、両方をまとめることにしたとしている。
プレーヤーは7人いる登場人物のうちひとりを操作する。それ以外の6人は、CPUが自動操作するNPCとして活躍する。
基本となるゲームシステムは剣術格闘アクションに近く、敵の攻撃を防ぎつつ隙をついて攻撃するというもの。攻撃ボタンを連射しているだけでいいといったアクションRPGと比べると、反射神経と戦略性の両方が要求されるぶんゲーム性、難易度ともに高めになっている。
ただ敵を倒していけば進めるわけではなく、マップに仕掛けられたトラップを暴いたり、クエストをこなすといったアドベンチャーゲーム的な要素も多分に盛り込まれている。この点、プレイ感覚は鬼武者シリーズに近い。
グラフィックスは秀逸のひとことで、PS2版ではフォトリアリスティックに近い映像を実現している。モーションキャプチャーを駆使したアクション表現からは、劇場作品の映像に負けないほどの迫力が感じられた。
発売はPS2が11月5日、XboxとGCが2003年2月末の予定。なお、クォータービューを採用したアクションRPGライクなGBA版が11月5日に発売される。2作目の映画公開が11月後半なので、それよりも約3週間早くストーリーを体験できるのも売りのひとつだ。
【スクリーンショット(PS2)】 | ||
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【スクリーンショット(GBA)】 | ||
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□Electronic Artsのホームページ
http://www.ea.com/
□関連情報
【8月29日】ECTS開幕直前レポート
ヨーロッパの最新ゲームがロンドンに集結
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20020829/ectspre.htm
【8月29日】EA PLAYレポート ついに完成した「Battlefield 1942」
「Medal of Honor: Allied Assault Spearhead」もプレイアブルで出展
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20020829/eaplay03.htm
(2002年8月29日)
[Reported by トライゼット 西川善司]
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