大会は司会進行役の「オールナイトニッポン」の吉田尚記アナウンサーと解説役の日本ファルコム広報中原氏のコンビで進められた

準決勝が終わった段階でのトーナメント表

最後に発表された拡張パック。弓を携えた少女のイラストは新しい幻魔使い

左の彼女がメリー・ルー。敵として登場する天衣無縫の金髪少女だ

　日本ファルコムは、7月28日、東京お台場の東京ファッションビルにおいて、「VM JAPAN」のゲーム大会を開催した。
　「100万円争奪! VM JAPAN お台場決戦」と名付けられた全国大会は、主催が日本ファルコムおよび日本工業新聞、後援に産経グループの名前が並んだ、PCゲームでは史上最大規模のゲーム大会。会場には正規の予選を勝ち抜いた10名と、ニッポン放送枠で1名、当日抽選で選ばれた1名の計12名が集まり、優勝賞金100万円を目指して熱い対戦が繰り広げられた。

　「VM JAPAN」は、1枚のヘックスマップ上で1対1で対戦を行なうターンベースのシミュレーションRPG。ネットワークプレイに対応し、互いに制限時間を付け、将棋や囲碁のような感覚で知的に読み合うゲーム展開が醍醐味。大会予選は、以前、ニュースでお伝えしたように、シングルプレイの成績上位10名が選出された。

　決勝大会は、「VM JAPAN」は2Dゲームということもあって対戦にはノートPCを使用し、対戦者を向かい合わせた状態で2試合ずつ消化していった。やはり勝ち残っていったのは、400人以上が参加した予選選出者で、決勝まで残ったのは予選1位と2位という実に手堅い内容となった。

　そのひとりであるクレシェント氏は、予選を1位で通過した優勝候補のひとりで、マップごとに使用幻魔を変える正統派スタイルのプレーヤー。もうひとりのMog氏は2位通過ながら、クレシェント氏をして「1割ぐらいしか勝てない」とまで言わしめる猛者。ユニークなのは全マップをメリー・ルーのみで勝ち抜いているところ。プレーヤーの分身となる幻魔は、その容姿のみならず、基本性能や使用可能な幻術が異なり、ステージによって使い分けるのが常識。ステージによっては幻魔の固定はプレーヤーの首を絞めることもあるだけに、このスタイルは凄まじい実力があって初めて実現可能な話だ。

　司会を担当した「オールナイトニッポン」の吉田尚記アナウンサーによって「正統派系と萌え系の戦い」と称された決勝戦。マップは毎試合ごとに主催者側が指定し、そのあと対戦者が使用幻魔を決めるというルール。いかに多くの幻魔とマップに精通しているかが勝利の鍵を握ることになる。決勝戦の使用マップは「十勝」、使用幻魔使いはクレシェント氏がキリ、Mog氏がやはりメリー・ルーを選択。場内からは「うわ、キリ有利だよー」という声が漏れる中、最後の戦いがスタートした。

　と思ったら、開始後すぐタレントの桃井はるこ氏が観戦に駆けつけ、決勝戦そっちのけで、ゲームよもやま話が始まった。PC、コンソール、PCエンジン、FM TOWNSと、プラットフォームよりどりみどりのとりとめのない話題ばかりで、こんな決勝があっていいのかどうか、そのあいだにも試合はどんどん進められていった。

　その間、ずっと試合を見ていた日本ファルコムの中原氏の「あ、ひょっとするともう少しで終わるかもしれません」の一声で、ふたたびプロジェクタがゲーム画面に切り替えられた。試合はもう終盤にさしかかっており、メリー・ルーがキリの猛攻をしのぎきり、カウンターをかけているところだった。試合はその後まもなくメリー・ルーがそのまま押し切る形で終了した。個人的には序盤の攻防が見られなかったのが残念だった。

　試合後のコメントは「時間切れが2回あって、それがきつかった(クレシェント氏)」、「相手にミスがあったので運が良かった。最後のマップ(十勝)はやめて欲しかった(Mog氏)」。司会の「メリー・ルーに対して何か一言」に対してMog氏は恥ずかしそうに「ありがとうございます(笑)」とコメント。ここに圧倒的強さの日本一が誕生した。

　会はそのまま表彰式に移り、準優勝者のクレシェント氏に盾と日本ファルコム特製手ぬぐい、優勝者のMog氏には盾と副賞100万円が贈られた。これで終わりと思いきや、最後にプロジェクタが切り替わり、「VM JAPAN」拡張パックの発売決定が告知された。発売時期は9月を予定し、内容は新マップ、新モード、新幻魔使い、新幻魔が追加されるようだ。拡張パックについては新しい情報が入り次第、またお伝えしたい。

決勝戦は、桃井はるこ氏の乱入によって試合のほとんどが見られないという珍しい事態になった。拡張パックではリプレイ保存機能がほしいところだ

激戦を勝ち抜いて見事優勝し、100万円を手に入れたMog氏。優勝賞金で新しいPCと拡張パックを購入するようだ

会場には即売所が設置され、あちこちでキクカ姿のお姉さんたちがウチワを配っていた

(C)2002 Nihon Falcom Corporation.

□日本ファルコムのホームページ
http://www.falcom.co.jp/
□「VM JAPAN」の公式ページ
http://www.falcom.co.jp/vmj/index.html
□関連情報
【4月26日】ファルコム最新作は「和国」を舞台としたシミュレーションRPG
「VM JAPAN(ブイエムジャパン)」堂々発表
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20020426/vmjapan.htm
【6月3日】PCゲームファーストインプレッション「VM JAPAN」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20020603/vmjapan.htm

(2002年7月29日)

[Reported by 中村聖司]