★ PS2ゲームレビュー ★
■ どうせ恥ずかしいなら、なりきりプレイをしなきゃ損!?
セリフをしゃべるたびに評価され、1カットが終了するたびに声のトーン、ボリューム、タイミングの得点が表示される。全シーンをうまく演じきれば、最後にこれまでのプレイ内容を編集したリプレイが見られる。このリプレイは、マイクでプレイした場合、録音されていた自分の声がキャラクタの声として流れる。普段あまり聞くような機会がない自分の声は、最初は聞いて思わず顔が赤くなるほど恥ずかしかったが、カラオケで歌うことやお芝居に興味はあるので、声を出しているうちになりきりプレイができたと思う。
リプレイは、プレイした内容が編集されて映画やお芝居などの作品として観ることになる。自分の声がゲーム中のキャラの声となって聞けるのは面白い。これは友達を呼んで、録音機能のことを教えずに友達の声を録音して、メモリに残して弱みをにぎるという遊び方もできるかもしれない(嫌われても責任は持てないが)。欲を言えば、声が編集でカットされてしまうのが残念で、もう少し長時間プレーヤーの声を使って観せてくれればもっと良かったと思う。
■ ノリと勢いの熱血演技で全ステージをクリアだ!
また、うまく演じるためには「ボイスエクササイズ」で練習するのもいいだろう。このモードは細かく区切られたシーンごとに選択することが可能で、セリフの一文ずつがお手本の演技が流れたあと、引き続きしゃべることで練習できる。 マイクデバイスで演技するということ自体、カラオケで歌ったり演技することが好きな人には抵抗が少ないかもしれないが、恥ずかしいと思う人も多いはず。このモードは、そういう「どうしてもはじけてプレイすることができない」という人にオススメ。声優のしゃべり方をマネしているうちに、声で演技することに慣れてきて抵抗感が薄れてくるから不思議だ。 逆に、最初からはじけまくっている人にはメインのプレイモードの最終ステージ「ミュージカルステージ」をオススメしたい。アドリブで歌を作って歌いまくれば、リプレイを観て笑えること間違いなし! 成績が気になるなら、やっぱり「ボイスエクササイズ」で練習して、歌を覚えてトライしよう。 2人プレイでマイクで遊びたいが、マイクが2つ必要だと思って躊躇していないだろうか。マイクは1つあれば共用できるので大丈夫。交互にしゃべりやすいように、頭にセットせずマイク部分を持ってプレイすれば不便は感じない。パフォーマンスパックを1つ購入すれば、すぐにでも友達を呼んで遊ぶことができるのだ。
■ B級ギャグ路線全開!夜明けを目指して走れ、マリコ! おバカに徹したストーリー、アメコミ調のギャグっぽいキャラクタなど、全体的にあえてB級テイストに仕立ててある本作。アメコミ調で統一感はあるものの、それに縛られずに学園ストーリーなどが1つくらいあっても良かった気がしないでもない。画面のデザインはすごくいいと思ったが、キャラクタデザインは多少アクが強く、好みは分かれるところだと思う。 ひと通りプレイした後に思ったのは「もっとたくさんマイクにしゃべりたかった」ということ。シーンごとに細かく区切られるため、プレイ時間のわりにはしゃべり足りないという印象が残った。そこで、1人2役をやってみたのだが(ダブルモードを選択して1人でしゃべる)、2役を演じるという面白みが増して、意外とオススメ。掛け合いの部分なども忙しく、声で演技することがツボに入った人なら楽しめるはずだ。 そういう意味で、個人的に最終ステージ「ミュージカル」が、いちばん自由に声を出せて楽しめた。また、クリアするのにもっとてこずるほど素早く大量にセリフが流れるようなステージがあっても良かったのではないかと思う。
このゲーム、パーティーゲームとして友達と遊んだ方が、1人でプレイするよりも数倍盛り上がると思われる。また、一応コントローラでもプレイできるが、表示されるコマンドを入力するという方式になるので遊び方が違ってくる。それではこのゲームのおもしろいところを存分に楽しめないので、是非マイクでプレイしてもらいたい。 人前でしゃべることが苦手な人も「夜明けのマリコ」をプレイすれば声に表情をつけたり振りを付けたりして、今までの自分をちょっと打ち壊せるかも? マイクで演技するということに重点を置いた本作は、ゲームというよりもそういった自己改革ツールなのかもしれないと思ったが言い過ぎだろうか? すでに第2弾の発売も決定しているので、次はどんな舞台で演技できるのか期待して待ちたい。
(C)2001 Sony Computer Entertainment Inc.
□ソニー・コンピュータエンタテインメントのホームページ (2002年1月10日) [Reported by 河本真寿美] |
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