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★ PCゲームレビュー ★
「超時空要塞マクロス」といえば、家庭用も含めてかなりのゲーム化が行なわれたアニメ作品だが、今回の「超時空要塞マクロス VO」は、地球/統合軍、ゼントラーディ、メルトランディ、イルミナシオン軍の機体を使用できる3Dシューティングとなっている。
■ 「マクロス」といえば「バルキリー」でしょう 主役となるのは可変戦闘メカ「バルキリー」。戦闘機形態の「ファイター」、ロボット形態の「バトロイド」、そして中間形態となる「ガウォーク」の3形態をうまく運用しつつ、チームメイトとのコンビネーションをはかりつつ、ミッションをこなしていくという3Dシューティング。ホーミングミサイルとガンポッド(いわゆるバルカン)による攻撃がメインだが、バトロイド形態では格闘も可能。 各形態へはボタンひとつでチェンジし、中間モーションも手を抜くことなく再現してある。また、アニメさながらの兵器運用がゲーム設計に活かされており、それぞれの形態の利点を活かしつつ、敵を撃破していくのがポイントであり、このゲームを楽しむコツといえるだろう。
かといって、別に兵器運用に関して各機体の利点以上に厳密になる必要はなく、アニメ体験者としては雰囲気を重視して遊びたい、という程度のものだ。実際には、ファイターからバトロイドへの変形、そしてまたファイターへという一連の流れが急制動ボタンにより実現されており、バトロイド形態からアフターバーナーボタンを押すと、ファイターへと自動で変形してくれるようになっている。
■ 「見失ったらオートパイロット」を基本に さて、ゲームモードだが、まずは1人プレイ専用の「キャンペーンモード」から解説しよう。シナリオにそって勝利条件、敗北条件が決定され、任務を遂行すると次のステージへという流れのモードだ。 実際始めてみると、画面にはかなりの情報が表示されることがわかるだろう。チームを組んでいる僚機は黄色、それ以外は水色。敵機は白の矢印で、サイトを合わせると赤に変化し、ミサイルで攻撃が可能。ガンポッドによる攻撃も、ロックオン中はある程度ホーミングしてくれるようになっている。 まず戦場に移動するまでは「オートパイロット」ボタンを押せば楽に移動が可能。敵機と遭遇しても、対象となる敵に合わせて動いてくれるので、ファイター形態で戦う場合はこれがもっとも楽だろう。ただし、敵にロックオンされてミサイルを撃たれることもあるので、その場合はアフターバーナーやチャフ/フレアで回避するしかない。敵機に追われてマニュアルで移動した場合はオートパイロットは外れてしまうので、撃墜して安全を確保したら、またオートパイロットボタンで敵をさがそう。 ただし、ミッション内容によっては、味方機を失うとゲームオーバーになってしまうものも多いので、レーダー画面などで各機体の状況を適度に把握する必要がある。また、オートパイロットでは対戦艦戦ではまっすぐ突っ込んで対空砲火の餌食になってしまうため、その場合はミサイルを撃ったらアフターバーナーなどによる即回避というヒット&アウェイ戦法に切り替える。
対戦艦戦はアニメのようにはなかなかいかず、バトロイドやガウォークでは集中放火をあびてしまいがちで難易度もやや高い。戦艦と戦う前に、一般の敵をせん滅することも忘れないようにしたい。敵機を叩くときは、味方機体の援護をするように戦っていくと先に進めやすいだろう。なにしろ、戦艦に対して一人で戦うのは無謀。1機でも多く戦艦に取りついてもらえば、対空砲火も分散してくれるので、多少はリスクも減るのだ。
■ 統合軍VS統合軍も可能な「ミッションモード」 ミッションモードは、プレーヤーがある程度自由に設定して遊ぶモードで、通信にも対応する。「スタンドアローン」ではCPUとの対戦、「ネットワーク」では最大8人までの通信対戦をサポートしている。自機1に対し、部下を2機までつけることができ、スタンドアローンでは自軍を最大6機まで増やすことが可能。それぞれが地球/統合軍、ゼントラーディ、メルトランディ、イルミナシオン軍の機体を選択可。ステージも13の中から選択できるほか、ランダム設定も可能だ。敵軍の完全撃破か、一定スコア獲得でOKという勝利条件の選択もできる。兵装制限も可能なので、実力差がある場合などのハンデも設定可能。 ネットワークでの対戦は、専用サーバーに接続しての対戦と、直接アドレスを設定しての対戦、LANによる対戦をサポート。対戦専用サーバーによる接続を選択すれば、このゲームをプレイしているユーザーを探すのも楽だろう。ランキングページでは対戦結果のランキングも閲覧できるようだ。
■ モデリングなどグラフィックに力が入った作品 このゲームの売りはなんといってもグラフィック。1,024×768ドット(32bit)まで対応した解像度での細かな各機体のモデリングはとてもキレイで、十分「マクロス」の世界を堪能できるきっかけを作ってくれている。あとはプレーヤーがどうやって「マクロス」らしく遊ぶか、にかかっているような気がする。 このレビューを書く前にDVD版「愛・覚えていますか」を見てからプレイしてみたが、ひとつゼイタクをいわせてもらえば、ファンとしてはやはりオリジナルの楽曲を採用してもらえたらなおのめり込めたのではないか、という気がする。効果音に関してはかなりがんばっているなという印象だが、せっかく機体や背景など、原作を活かしたものになっているので、BGMもぜひ……といったところ。一条輝やロイ・フォッカー気分を味わいたい人にぜひプレイしてもらいたい作品といえるだろう。
(C)1984,2001 ビックウエスト (C)2001 BOTHTEC
□ボーステックのホームページ http://www.bothtec.co.jp/ □「超時空要塞マクロス VO」の公式ページ http://www.bothtec.co.jp/enter/macross/index.htm □関連情報 【6月11日】ボーステック、「超時空要塞マクロス VO」の予約受付を開始 初回特典はマクロスプラモ+カラーポスター http://game.watch.impress.co.jp/docs/20010611/macross.htm 【4月25日】PCゲームファーストインプレッション 「超時空要塞マクロス VO」 http://game.watch.impress.co.jp/docs/20010425/macvo.htm 【4月21日】ボーステック、インターネット対戦が可能な3Dシューティング「超時空要塞マクロス VO」を6月22日に発売 http://game.watch.impress.co.jp/docs/20010421/macross.htm (2001年6月21日)
[Reported by 佐伯憲司] |
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