|
PCコーナーで古川享、向谷実「Train Simulator」対談 |
マイクロソフト株式会社は31日の午後、東京ゲームショウ2001春のPCコーナーのメインステージにおいて、米Microsoft副社長の古川享氏と、実写映像を使用した電車運転シミュレータ「トレインシミュレータ」のプロデューサー向谷実氏の対談が行なわれた。
向谷氏はフュージョンバンド「カシオペア」のキーボード奏者として知られているが、同時にかなりの鉄道マニアとしても知られている。その鉄道好きが高じ、実写を使用した運転シミュレータ「トレインシミュレータ」を音楽館で制作。これまでに20作品を発売してきた。
一方、古川氏も業界筋では有名な鉄道マニア。'97年12月に開催された向谷氏の「トレインシミュレータ」25万本突破記念パーティ会場においてアップルコンピュータの原田永幸社長に対し「なぜ原田さんは鉄道の素晴らしさがわからないのか?」と言ってのけたことは、記者の耳に今も生々しく残っている。
そんな2人が揃って対談するのだから、期待しないわけにはいかないだろう。対談は、マイクロソフトがこの夏の発売を予定している「Train Simulator」の各機能を古川氏が説明しながら向谷氏の意見を聞くというスタイル。開始早々、画面に登場したのは小田急電鉄のロマンスカー。ここでいきなり向谷氏「画面の車両を見ると5両しかない。実際には11両で運行するものなので、11両固定でお願いしたい」とすかさず濃いツッコッミが入った。
向谷氏は「CGの良さは天候や光の具合から新しい鉄橋を架けるなど、自由が利くところ。私が作っている『トレインシミュレータ』について言えば、実写を使っている都合上、例えば雪が降っている日に撮影したデータを使ったとき、電車を止めると雪も止まってしまう。逆に電車の隣を歩いているだけのおばあさんが、時速200キロで歩いていることになったりして、素材の撮影が大変だ」と制作の苦労話を披露した。
また、マイクロソフトの「Train Simulator」に収録されている路線を知り、「肥薩線なんて渋いところを選びますね」と感心する一幕もあった。
最後に感想を聞かれた向谷氏は、「我々は実写映像を使いリアリティを追求しているし、マイクロソフトはシミュレーション色が強い。どちらも違う魅力があり、多くの人が多くのソフトをさわることで、いろいろな魅力を知り鉄道の楽しさを知って欲しい」とコメント。
また、同氏は「我々は微妙なところで住み分けている。例えば小田急電鉄でも、マイクロソフトが今回収録しているのは2000形と7000形。我々が収録したのは5000形や1000形、30000形EXEというふうにね」と細かく指摘した上で、「この夏、我々もプレイステーション 2で『山手線205系』を発売する予定。一度古川さんには我々のところに遊びに来てもらって、お互い切磋琢磨することで“Train Simulator”花盛りとなって欲しい」と語り対談は終了した。
早口で鉄道の素晴らしさをまくし立てる古川享氏。あいかわらずエネルギッシュな人…… | 名前は同じだが両方のソフトの違いについて語った音楽館の向谷実氏 |
(2001年3月31日)
[Reported by 船津稔]
|
GAME Watchホームページ |