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一方、発売が長らく待たれている「FreeLancer 」には全く触れられず少々残念であり、また開発状況が気になるところだ。
■ 一段と完成度を増した「Microsoft FlightSimulator 2002」
世界中の山間を完全再現
ついに人気シミュレータシリーズの最新作が公開された。タイトルこそ「Microsoft FlightSimulator 2002」となっているが、発売は2001年の秋を予定している。対応OSはWindows 95/98/Me/XP/NT 4.0/2000。要求されるマシンスペックは前作と同程度とされている。また、前作同様「Pro」と通常版との2種類のパッケージが用意される。
今回のパワーアップポイントのひとつは地形を自動生成する「auto-generated scenery」。これにより、“アメリカっぽい風景”や“日本家屋が点在する風景”などが自動的に再現される。また、この技術を含め地図データの収録には大きな時間を割いており、アラスカの山並みやグランドキャニオン、ヒマラヤ、アルプス、そして日本の富士山といった有名な山々のデータが収録されており、ダイナミックな風景をバックに飛行を楽しむことができる。これらの山々の地形は等高線などを元にすべて高低差などを現実の通りに正確に再現しており、「現実にいけない人でもこれを遊べば、行った気になれる」というほど自信たっぷり。実際にプレイした感じもなかなか素晴らしく、ここまでダイナミックな風景を楽しめるところまで来たかと感心するほどだった。
もう一つの大きなポイントは管制官とのやりとりがインタラクティブに再現されていること。飛行場では違う飛行機も離着陸しており、管制塔との交信できちんとやりとりしなければ、他の飛行機との接触や最悪の事故も発生することとなる。これらのやりとりは現状では英語だが (現実の管制塔との交信も基本的には英語) 、日本語ローカライズの段階で字幕などで対応する可能性もあるという (字幕での対応は技術的には可能という) 。
このほかでは、世界中にある21,000以上の空港の協力を得て、空港のデータを収録しているという。今回新たに収録される機体はボーイング747型機、Cessna Caravan、Cessna 172S Skyhawkなど5機種。また、水上着陸が可能な機体を今回収録したことで、世界中の湖や海、川などどこででも着陸することが可能となった。水上には波が存在し、もちろん視覚的にも再現されている。また、着陸するときはきちんと水しぶきが上がるほどのリアルさとなっている。
各機種とも機体のディテールアップが図られており、たとえばボーイング747型機ではエンジンや翼はもちろん、ランディングギアやドアといったものまで細かく再現したという。
セスナのモデルもより細かくなっており、精度が向上しているという | バーチャルコクピット。コクピット内は、プレーヤーが本当に操縦席にいるかのごとく見回すことができる |
Cessna Caravanなど今回は5機種が追加されている | 今回新たに追加されたボーイング747型機。ランディングギアなど細かいところまで再現されているのがわかる |
■ 徹底的にリアル! ツール同梱で“電車”も自由自在!! 「Train Simulator」
2000年のE3で名前だけが公開され、約1年。「Train Simulator」はその完成度を徐々に上げてきた。
「Train Simulator」では、とにかく車両のディテールから時刻表まで徹底的にリアリティを追求している。車両に関しては世界各国の鉄道会社に協力してもらい「ネジ1本まで完全に再現した」と自信たっぷり。事実日本の車両も収録されているが、日本語から客車の中の吊り広告まで再現されている。「Train Simulator」では運転手や車両上空などこれまでにもあった視点だけではなく、各客車内の乗客の視点も収録しているため、車両内を見渡すことができる。
現実をそのままシミュレートしたのは何も車両だけではない。地形データもすべて再現されているという。
登場する車両は電車からディーゼル、機関車まで多種多様。運転もリアルに再現されているため、すべてをこなすためにはそれなりの知識が必要なのだが、オートモードも用意されているので、ただ単に運行させることも可能となっている。モードは自由に電車を走らせることが可能な「フリーモード」と各種ミッションをクリアしていく「アクティビティモード」が用意されている。
フリーモードでは時間帯や天候など各種設定を決定して走行することになるが、時刻表がすべて収録されており、たとえば、自分の運転がまずくもたつくと後続列車のダイヤが乱れたりするという。運転が終了すると、採点結果が表示され、エンジニアとしての評価やオペレーションエラー (スピードオーバーや緊急停止をした場合など減点) など細かく欠点などが表示される。これはセーブできるほか、他のユーザーにもE-mailなどで送ることができるという。
また、パッケージには、電車の設計 (モデリングはできないがインポートツールは収録される) やテクスチャの変更、地形の変更、ミッションの作成 (アクティビティエディタ) など、ゲームを作る上で現在Microsoftが使用しているツールが同梱されるため、ユーザーはこれらのツールを使用し、自由にカスタマイズすることができる。ちなみにアクティビティエディタで制作されたファイルは100KB程度と言うことで、E-mailなどで自由に配布することができる容量としている。
■ 新種の動物を作ろう! ちょっぴり背徳的な「Sigma」
これはゲームのイメージ図。なかなか怪しげな雰囲気を持ったゲームで、日本でのヒットは難しいが、個人的にはがんばって欲しいところ |
たとえば、牙に毒を持った動物と鳥を組み合わせることで遠くまで飛んでいって敵に毒をかけることができるなど、戦略性を持った上で動物を配合させ、新種の動物を作り上げる。それらの動物をたくさん作り、集めてチームを組み立てるところはある意味カードゲームでデッキを作成する感覚に近い。
さらにフィールド (島) を舞台にして、エネルギーを集め、動物を作り、配置し、敵とリアルタイムに戦わせるリアルタイムストラテジーの要素も併せ持っている。スタッフによれば、「最近は時間のかかるゲームが多いので、2時間かかるのではなく20分で遊べるゲームにしたい」と語っている。
基本的に動物を組み合わせて人間の手で新種を作ると言うことで、多少倫理的に問題がないとはいえない作品で、これが人々に受け入れられるかどうかは微妙なところ。ただ、こういった毒を持ったゲームが少なくなってきている中、個人的には制作を続けるスタッフにはがんばれと言いたい気分だ。通信対戦に対応しており、他のユーザーと戦うことができるほか、動物の交換も行なうことができる。発売は2001年クリスマスを予定している。
■ このほかにも数々のゲームを出展
このほか出展されていたのは、動物園を作成、運営する「Zoo Tycoon」と昨年も出展されていた「MechCommander 2」。
「Zoo Tycoon」は動物園を作るシミュレーション。動物のストレスをいかにためないかがポイント。動物のストレスが溜まると来場者が減少していき経営が危なくなってしまう。また、仲の悪い動物を同じ檻に入れてしまうとケンカを始めてしまい、最悪の場合、弱い動物は食べられてしまったりする。デモではシロクマとペンギンを同じ檻に入れたところ、すぐにペンギンがいなくなってしまった。
基本的に気軽に楽しめるシステムを目指して作られており、全体的にかわいらしい雰囲気を感じた。これはゲームモードにも表われており、お金を気にせず自由に動物園を作成できる「フリーモード」のほか、15本のミッションを収録した「シナリオモード」も用意されている。
米国では相変わらず人気の高いMechシリーズ。今回の「MechCommander 2」はリアルタイムストラテジーで、ロボット同士の戦闘が楽しめる。今回のポイントはステージが3D化されたことで、高低差が取り入れられた点。基地の後方の高台から地形を把握し、爆弾を投げ込むなどの戦略も必要となるという。また、倒した敵の武器やパーツを自軍に取り込むことも可能となっている。
(2001年3月14日)
[Reported by 船津稔]
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