★PSPゲームレビュー★
歴代「テイルズ オブ」のオールスター大集合、再び!
「テイルズ オブ ザ ワールド レディアントマイソロジー2」 |
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- ジャンル:君のためのRPG
- 発売元:株式会社バンダイナムコゲームス
- 価格:5,200円(税込)
- プラットフォーム:プレイステーションポータブル
- 発売日:発売中(1月29日)
- CEROレーティング:A(全年齢対象)
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1月29日に株式会社バンダイナムコゲームスから発売された「テイルズ オブ ザ ワールド レディアントマイソロジー2」。「テイルズ オブ ザ ワールド」シリーズは、「テイルズ オブ」シリーズのなかでも、オールスターが登場するファンディスクのような位置付けだ。ただ、ファンでなくても楽しめるように、遊びやすい作りになっており、PSPでは2作目となる。まずは、どのようなゲームか概要を紹介したい。
■ 「テイルズ オブ」オールスターと冒険の旅に出よう
本作は、「テイルズ オブ」のキャラクター達が数多く登場し、一緒に冒険できる。これは「テイルズ オブ」のファンにはたまらないだろう。ただし、「テイルズ オブ」を全くプレイしていなくても楽しめるように、ストーリーやシステムが構築されている。
基本的なゲームの流れは、「バンエルティア号」、「ワールドマップ」、「ダンジョン」の3つを行き来して進める。
バンエルティア号は、主人公の本拠地となる船で、ショップの利用やクエストを受けたりと便利な施設が用意されている。また、物語の進行に合わせて船は拡張されていく。船内での階層移動は、階段を使ったものに加えて、ショートカットが用意されていて便利だ。
ワールドマップは行き先を選ぶためのマップで、行き先を決定するだけで移動は完了し、目的地に着いてくれる。いちいち広いフィールドを歩き回らなくていいのは嬉しい。ワールドマップの行き先も物語の進行に合わせて増えていく。
戦闘は、「テイルズ オブ」と同様にアクション性のある「リニアモーションバトルシステム(LMBS)」が採用されている。格闘ゲームのように複雑なコマンドは必要なく、1方向+1ボタンなど、簡単な入力だけなので、「テイルズ オブ」をプレイしたことがない人でもすぐにプレイできるだろう。今作では、バトルフィールド内を自由に移動できる「フリーラン」が取り入れられた「FR-LMBS」となっており、オート戦闘キャラクタへの戦闘行動のカスタマイズも綿密に行なえるなど、パワーアップしている。
いずれにしても特筆すべきは、ロード時間の短さだろう。PSPのタイトルはロード時間の長いものが多いが、本作はロード時間が短く、テンポがいい。移動やメニューなども含め、ユーザーがストレスなくプレイできるように配慮して設計されていると感じた。
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余計な移動がいらず、移動先のダンジョンを選ぶだけで移動が完了するワールドマップ。特定の条件で戦闘を行なうミッションが楽しめる闘技場もある
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船内やダンジョンでは、画面左下にスキットタイトルが表示されることがある。このときにセレクトボタンを押すと仲間キャラクターたちの会話を見ることができる |
ここからは本作の特徴を紹介していこう。
■ 世界樹が生み出す勇者「ディセンダー」の物語
「世界樹」がもたらす「マナ」の恵みをうけて人々が幸せに暮らす世界「グラニデ」。そこでは、世界の平和が乱れる時 世界樹が生み出す勇者「ディセンダー」の存在がおとぎ話として語り継がれていました。ここは、そんな「グラニデ」で活動するギルドの拠点、「バンエルティア」号。ギルドに所属する少女「カノンノ」が世界樹の異変に気がつき、ふと空を見上げると、空から主人公が降ってくるではありませんか。落下したショックからか記憶を失ってしまった主人公は目的も、行く当てすらも、思い出すことができません。実は、主人公こそが世界の危機が訪れた時に出現する「ディセンダー」だったのです。
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本作では、「テイルズ オブ」から50ものキャラクターが登場する。最初の時点でいきなり全員がいるわけではないが、物語の進行に合わせて、続々と登場する。好きな仲間を選んで、彼らと一緒に冒険を進められるようなシステムになっている。
前作で登場したカノンノと呼ばれる少女が今回も登場する。ただし、本作と前作では舞台となる世界が異なる。前作のカノンノとの関わりについても気になるところだ。
一部ではあるが、本作に登場する「テイルズ オブ」のキャラクターを紹介したい。公式サイトでは登場キャラクターの情報に加えて、キャラクター毎のムービーもアップされている。気になる方はチェックしてみてはいかがだろうか。
タイトル
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キャラクター |
テイルズ オブ ファンタジア
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クレス・アルベイン ミント・アドネード
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テイルズ オブ デスティニー
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スタン・エルロン ルーティ・カトレット
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テイルズ オブ デスティニー2
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カイル・デュナミス リアラ
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テイルズ オブ エターニア
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リッド・ハーシェル ファラ・エルステッド
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テイルズ オブ シンフォニア
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ロイド・アーヴィング コレット・ブルーネル
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テイルズ オブ リバース
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ヴェイグ・リュングベル クレア・ベネット
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テイルズ オブ レジェンディア
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セネル・クーリッジ クロエ・ヴァレンス
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テイルズ オブ ジ アビス
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ルーク・フォン・ファブレ アニス・タトリン
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テイルズ オブ ザ テンペスト
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カイウス・クオールズ ルビア・ナトウィック
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テイルズ オブ イノセンス
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ルカ・ミルダ イリア・アニーミ
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テイルズ オブ ヴェスペリア
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ユーリ・ローウェル エステル
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■ 個性を出せるキャラクターメイクとバリエーション豊かな職業
ゲームを始めると、まず主人公となるキャラクターを作成することになる。かなり細かく設定できるので、筆者はこのキャラクターメイクで1時間も遊んでしまった。
設定できるのは「名前」「性別」「職業」「髪」「目」「口」「肌」「勝利ポーズ」「ボイスタイプ」の9項目。ランダムで選択することも可能なので、気に入る見た目ができるまで何度もランダムを使ってみるのもいいだろう。
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多くの項目を設定できるキャラクターメイク。髪など、一部の項目は細分化されていて、色や形などを細かく設定できる
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キャラクターメイクの段階での職業は、以下の7種類。いつでも転職が可能なので、気軽に決定してしまってもいいだろう。
初期状態での職業
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戦士
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様々な武器を使いこなすパワークラス(初心者向け)
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剣士
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華麗な剣技を使いこなす(初心者向け)
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格闘家
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己の拳に命をかける素早さと力強さを持つ(中級者向け)
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狩人
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遠距離からの攻撃を得意とするテクニカルクラス(中心者向け)
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盗賊
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短剣から繰り出される素早い攻撃と盗みが得意(初心者向け)
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魔術師
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攻撃魔法による遠隔攻撃を得意とする(中級~上級者向け)
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僧侶
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味方の回復と補助を得意とする援護クラス(中級~上級者向け)
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さらに、職業には「双剣士」、「忍者」などの上級職があり、特定条件を満たすと転職できるようになる。上級職に転職するには、クエストや戦闘の報酬で得られるグレードポイント(以下、GP)が必要になる。
■ 本拠地バンエルティア号の施設
本拠地となる船、バンエルティア号の施設について紹介する。
最も重要なものは、クエストや転職に関係するチャットメニューだ。船長のチャットに話しかけるとチャットメニューが表示され、依頼の受諾・破棄・パーティ編成・転職などができる。クエストをこなしていくと、ギルドの名声が上がり、物語の進行に重要なイベントが起こったり、重要なクエストを受けられるようになる。クエストは説明が親切で簡単にクリアできるものが多い。成功報酬もあるので、どんどんクエストをこなしていくといい。ただし、クエストは1度に1つしか受けることができない。
ショップは、装備品を扱う「武器・防具屋」、消費アイテムなどを扱う「道具屋」、特殊なアイテムをGPと交換する「グレードショップ」の3つ。武器・防具屋では装備アイテムの試着もできる。主人公のみ、装備品により見た目が変化するので、見た目をコーディネートしながら買い物したいなら利用するといい。
装備を預けたり、ネットワークでインポートしたアイテムなどの受け取りができるのが「パニールメニュー」。食堂でパニールに話しかけることで利用できる。
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装備アイテムには要求レベルがあり、要求レベルに満たないと装備できない |
主人公のみ、装備が変わると見た目も変わる。強さだけでなく、見た目でも装備変更が楽しめる |
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クエスト内容は、敵の撃破やアイテムの要求など様々。既に必要アイテムを持っているクエストは、受けてすぐ達成となる |
クリア済みのクエストが、再発クエストとして再登場することもある。報酬や難易度を考えて再発クエストを選択するのもアリだ |
■ 簡単かつ奥深い戦闘システム
「テイルズ オブ」は、コマンド選択式ではなく、アクション性のある戦闘システムを採用している。
最大4人までのパーティーを組んで戦闘を行なう。キャラクターを自分で操作するのはもちろん、オートでの戦闘も可能。
自分でキャラクターを操作する場合、Rボタンで攻撃するターゲットを決め、方向キーで移動し、○ボタンで攻撃するのが基本となる。剣士や戦士などの物理攻撃タイプの職業なら、○ボタンを連打するだけで普通の敵相手の戦闘に勝利できる。他にもジャンプ・ジャンプ攻撃・ガードなど多彩な動きが可能。やればやるほど、奥深さがわかってくる戦闘システムになっている。
攻撃や回復の要となるのが、術・技だ。これらの技は「特技」、強力な効果を持つ「秘技」、さらに強力な「奥義」の3種類に分類できる。これらは「×ボタン」、「+×ボタン」、「+×ボタン」、「/+×ボタン」に自由に設定して使う。術・技はTPと呼ばれるポイントを消費しながら、強力な攻撃・補助・回復ができるのが特徴的だ。
これらの技は連続して使うことで、連続攻撃となる。まず、○ボタンor方向キー+○ボタンで行なう通常攻撃が最大3回まで連続で出せる。この通常攻撃3回~特技~秘技~奥義という流れが連続技になる。成功させれば、1人でかなりのヒット数とダメージを稼げる。パーティーメンバーの攻撃をあわせれば、さらなるヒット数とダメージを出すことができるだろう。通常の戦闘では、通常攻撃3回と通常攻撃3回~特技、などを使っていくだけで、簡単に敵を倒せる。調子に乗って術・技を使いすぎると、TPがなくなってしまい、いざという時に困るので、残りTPと相談しながら使うようにしたい。
キャラクターには、HP・TPの他に、「オーバーリミッツ」というゲージがある。これは、敵に攻撃をヒットさせたり、ダメージを受けたりすると増えていく。ゲージが最大までたまった状態で、Lボタン+Rボタンを押すと、オーバーリミッツを発動できる。オーバーリミッツ中は、通常攻撃や技の威力が上がったり、術の詠唱時間が短くなったり、攻撃を受けてものけぞらないなど、メリットが大きい。
さらに、このオーバーリミッツ中に、Lボタン+Rボタンを押すと「インフィニティジャム」が発動する。オーバーリミッツゲージがなくなるまでの間、操作キャラクターがターゲットしていた敵をパーティーメンバー全員で囲み、一方的に攻撃ができる。Rボタンで操作キャラクターを変更しながら、攻撃をつなげることで大ダメージを狙える。
特定の条件を満たすと覚えられる秘奥義という強力な必殺技もある。オーバーリミッツ中に特定の奥義or術を出し、奥義の発動中or術の詠唱中に○ボタンを一定時間押し続けることで発動する。
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ダンジョン内にいる敵と接触すると戦闘が始まる。背後から敵に接触されると、隊列が乱れた状態で戦闘が始まってしまい、逃げることもできなくなる |
攻撃をつないでヒット数を増やすことはダメージ増加につながるだけでなく、戦闘終了後の獲得経験値の増加にもつながる
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■ アイテムを作ったり、装備を強化できる生産
生産は、「料理」、「鍛冶」、「服飾」、「道具」の4つに分かれていて、材料となるアイテムを加工してアイテムを作り出したり、装備アイテムを強化することができる。
生産を行なうにはレシピと材料が必要。レシピはグレードショップなどで入手でき、材料はダンジョンでの採取や採掘、ショップでの購入、モンスターからのドロップなどで入手できる。
アイテムを作り出す場合は、リストからレシピを選んで作成するアイテムを決定するだけでいい。アイテムを強化する場合は、素材→強化するアイテムの順に選ぶことになる。ただし、熟練度がアイテムの適正スキルより低いと生産に失敗してしまうことがある。逆に、適正スキルより熟練度が高ければ必ず成功する。熟練度は生産を繰り返せば上げられる。
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消費アイテムだけでなく、装備アイテムの作成や強化ができる生産。失敗の可能性があっても、スキルアップを狙って生産してみるのもいい |
多くのレシピが並ぶグレードショップ。スキルを上げていくと、どんなアイテムが作れるようになるのか楽しみだ
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■ ダウンロード専用アイテムの入手や傭兵のダウンロードができるネットワーク
タイトル画面でEXTRAを選び、ネットワークに接続して連動サイトを利用すれば、ダウンロード専用アイテムの入手や傭兵のダウンロードなどができる。
傭兵は、自分が育てたキャラクターをアップロードしたり、他のプレーヤーがアップロードしている傭兵データをダウンロードできる。ユーザー名で直接ダウンロードしたいデータを検索したり、レベルや職業などで絞り込んで検索することもできる。ダウンロードした傭兵データは、仲間に加えられるようになる。
アイテムダウンロードでは、ネットワークに接続しないと入手できないアイテムがダウンロードできる。1度にダウンロードできるアイテムは5個までなので、さらにアイテムをダウンロードしたい場合は、1度ゲームに戻ってパニールメニューからアイテムを引き取り、再度ネットワークに接続して、アイテムをダウンロードするといい。
他にも、EXアタックと呼ばれるイベントや傭兵ダウンロードのダウンロード回数ランキングなども用意されている。
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細かく設定して検索できる傭兵検索。知らない人の傭兵データをダウンロードして、一緒に旅するのもいいだろう |
アイテムダウンロードで入手できるアイテムは、季節やイベントに関するものから、他のゲームのものまで様々
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■ 最後に
かゆい所に手が届く、そんな印象を受けた。ユーザーがストレスなくプレイできるように細かく配慮された完成度の高いゲームと言えるだろう。ファン向けのゲームとしては十分な内容であるし、RPGとしても秀逸である。
「テイルズ オブ」シリーズのファンはもちろんだが、「テイルズ オブ」シリーズをまだ1度もプレイしたことのない方にオススメしたいタイトルだ。
(C)いのまたむつみ (C)藤島康介 (C)2006 2009 NBGI
□株式会社バンダイナムコゲームスのホームページ
http://www.bandainamcogames.co.jp/
□「テイルズ オブ ザ ワールド レディアントマイソロジー2」のページ
http://rm2.namco-ch.net/
□関連情報
【1月5日】バンダイナムコ、登場キャラクタなどの情報を一挙公開
PSP「テイルズ オブ ザ ワールド レディアント マイソロジー2」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20090105/pm2.htm
【2008年12月25日】バンダイナムコ、予約特典は設定資料集やムービーを収めたDVD
PSP「テイルズ オブ ザ ワールド レディアント マイソロジー2」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20081225/rm2.htm
【2008年7月23日】バンダイナムコ、「テイルズ オブ」キャラクタ大幅追加
PSP「テイルズ オブ ザ ワールド レディアント マイソロジー2」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080723/pm2.htm
【2008年7月7日】バンダイナムコ、「2008年度 『テイルズ オブ』シリーズラインナップ発表会」を開催
来年3月までに3タイトル、2009年度に1タイトル開発中
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080707/tol.htm
(2009年2月27日)
[Reported by 木原卓]
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