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【白騎士物語 -古の鼓動-】 価格:6,980円
CEROレーティング:B (12歳以上推奨)
会場となったAKIBA_SQUAREは通常は半分オープンとなっているスペースだが、今回は締め切ったクローズドな会場となった。ゲームにも登場するバランドール城を模した凝った作りで、ゲームのディスプレイは樽の上に置かれ、会場内は甲冑を着込んだ“騎士”が闊歩するという雰囲気満点のイベントとなった。 イベントの大まかな流れとしては、制作を担当した株式会社レベルファイブの日野晃博代表取締役社長によるシングルプレイモード (ヒーローモード) とオンラインによる「仲間モード」の解説と新規要素の発表、そしてゲストを招いてのマルチモードのデモプレイ。最後に試遊台による試遊会という流れとなった。 イベントの始まりと終わりにはゲームのオープニングとエンディングで歌を披露しているKAZCOさんの迫力あるライブも披露され、会場はどっぷりと「白騎士物語 -古の鼓動-」の世界に染まりきった。 「白騎士物語 -古の鼓動-」はプレイステーション 3が発表された当初から長らく発売が予告されてきたタイトルで、数多くのRPGタイトルを制作してきたレベルファイブがプレイステーション 3というハードでどのようなゲームを作るのかが注目を集めてきていた。 しかし、長らく発表される内容はシングルプレイのオーソドックスな内容のRPGで、もちろんそれでも良いのだが、新規要素が不明なだけにユーザーは期待と同じくらいの不安も抱いていたのではないだろうか。しかし、ゲームの発売が近づき東京ゲームショウ2008の頃から、シングルプレイと同じくらいオンラインプレイモードが充実していることが明らかにされると、俄然期待度は上がってきたように思う。
しかし、発売まであと2週間程度に迫った今に及んでも、その全貌が明らかにされたと言えない程謎に包まれている。今回の発表会ではそんな中、ゲーム内に包括されるSNS機能など新規要素が明らかにされ、ほぼ完成バージョンでじっくりプレイできるなどファンに向けてその完成度を自信を持って披露する場となった。
■ “ヒーローとして生き抜くRPG”=オフライン「ヒーローモード」 イベントの冒頭に登壇した日野氏は「構想段階から約3年かかっている。最初は漠然とプレイステーション 3で新しいRPGをどうやって作ろうかというところからスタートした。そうして3年間SCEJと一緒に作り上げた。壮大な世界をお披露目できて非常に嬉しく思う」と挨拶。「今は早くプレイして欲しいと思っている」と語った。 そこでまず紹介されたのがオフラインでシングルで遊ぶ「ヒーローモード」。日野氏は「ファンタジー世界で王道的なゲームを作ろうと思った」とそのきっかけを明かした。というのも「『ドラゴンクエスト』など (ほかにも) RPGを作っているので、同じものを作っても仕方がない (日野氏)」ということだからだ。ファンタジーの世界を舞台にどのような内容の作品を作るのかと考え、結果至ったのが「ヒーローもの」だった。氏はヒーローものが好きだといい、「誰でもヒーローに憧れるところがあると思う」とした。 そしてストーリー的には王道を目指し、その理由としては「新しいハードが発売されたら早くスケールの大きなRPGが出て欲しいと思う。そのみんなが欲しがっているタイトルをリリースしたい」と日野氏は語り、「白騎士物語」がその役目を負うのに相応しいタイトルとするべく、王道にこだわったのだと説明。ファンタジー世界といえば王様やお姫様を助ける騎士がヒーローであるということから、強いものの象徴として騎士を設定。そこからお姫様を助けるというストーリーを「ベタだけど格好良く描いた」のだという。 さらにこだわったところとして、変身シーンを挙げた。日野氏はヒーローものの影響から「『変身』と主役に言わせて変身して欲しい」と考えたが、スタッフとのミーティングで「今どきないですよ」と反対されたという。しかし紆余曲折の末、日野氏の想いが勝り強いヒーローに変身するシーンが用意されるようになったという。 このほか、バトルシーンもポイントのひとつだとアピール。同作ではプレーヤーが攻撃を繋げるコンボを作り登録することができる。プレーヤー自らが華麗な技の連携を作り上げ、極めることができる点は魅力だろう。 バトルシーンでは大きな騎士に変身して戦うことができるが、ここで制作秘話が披露された。最初は際限なく大きな騎士を画面に描き戦っていたのだが、足元だけが移っていても迫力が感じられなかったのだという。そこで、姿がフレーム内に収まりどれくらいの大きさに描けば迫力ある戦闘シーンになるのか検討を重ねた結果、騎士を7メートルに設定することになったのだという。戦闘シーンひとつとっても、様々なこだわりが隠されていることが明かされた。
最後に日野氏は「『白騎士物語』の世界には大きなバックグラウンドがある。PS3で発売されるこの作品以外にも多くの物語が用意されている」とし、その1つとして「白騎士物語 -古の鼓動-」の1万年前の物語を描いた「白騎士物語 -episode.0- ドグマ戦記」をWEB上で配信すると発表した。ストーリーや登場人物的にも繋がりがあるということで、プレイ前にこちらも呼んでおくとより作品への理解が深まるようだ。
■ “仲間と生きていくRPG”=オンライン「仲間モード」
日野氏は「ストーリーパートとはまったく違う。制作の最初の段階から戦略的に『1人用RPGでプレイして操作感に馴れて、知らず知らずのうちにオンラインで仲間と一緒に遊んでもらうオンライン導入RPG』と考えていた」と、開発当初からシングルプレイモード以上にオンラインプレイモードを重要視していたことを明かした。 そんなオンラインモードの1つめのこだわりとして紹介されたのが、キャラクタメイキングの自由度の高さ。RPGでキャラクタメイキングできるものは多いが、日野氏は「頑張れば自分そっくりの顔をしっかり作ることができる。ここまで近づけることができるのはほかにはないのでは」と自信たっぷりに語った。顔の輪郭や目、鼻、耳、肌の色はもちろん、髭、シワ、ほくろまで指定できるのだという。日野氏曰く「ゲームを始めてアバター作りだけで初めて2時間くらい経ってしまう」程に熱中できるとアピールした。 また、MMORPGなどでロビーに相当する「広場」も紹介された。グラフィカルなロビーといえば想像しやすいかもしれない。広場においてゲームを始めるまで待ち合わせることができ、そこには自分や待っているアバター達の姿を見ることができる。もちろんここで冒険に出る準備をしたり、まったり話したり、キャラクタのカスタマイズも可能となっている。さらに、広場にはお店が現われることもあるという。 広場で準備が整えば仲間達と冒険に出ることになる。ここでは通常のRPGのようにクエストを受けその目的を達成することとなる。詳しい説明はなかったが、日野氏によれば「『白騎士物語』ならではのクエストもあるが、それはプレイして確かめて欲しい」としている。ちなみにクエストはネットワークで順次追加されていくということで、遊び尽くすことはなさそうだ。日野氏は「オンラインをやらなくても満足してもらえると思う。ただネットに繋げばより遊ぶことができる。ネットで『白騎士物語』の世界は進化していく」とネットでプレイする楽しさを強調した。
そして、今回の発表会一番の新規要素として「ジオネット」の存在が明らかにされた。いわゆるSNSをゲーム内に包括したようなシステムで、他のプレーヤーとのコミュニケーションを強化できる機能が用意されている。例えば冒険日誌を書くことができそれを公開し、それを見て意気投合すればフレンド登録して共に冒険に出ることもできる。自分のページに誰が来たかを確認できる「訪問機能」なども搭載されている。説明ではなかったが、スクリーン上に公開された画面によればメールなどの機能もあるようだ。素材集めの募集をかけたり、冒険日誌にコメントをつけることができたり、オンラインプレイだけでなくシングルプレイにも利用できそうだ。
ということでゲストはタレントの東原亜希さんと格闘家の桜庭和志選手。もちろんお2人とも「白騎士物語」のプレイは初めてということだが、いきなりクエストに突入。ロバート隊長を助けながらモンスターを倒していくという内容で、初めは弱いモンスターしか登場しないが、後半に大きなギガースと呼ばれるモンスターが登場。これを倒さなければクエストクリアとはならない。 プレイ開始後、順調に進んでいたがギガースが登場し一同パニックに。桜庭選手が逃げまどうシーンが大きなスクリーンに映し出されたところで、ロバート隊長がやられてしまいクエスト失敗に。この予想外の展開に会場は笑いに包まれた。 このクエストにおいてロバート隊長は弱いのに敵に突進していく癖があり、ロバート隊長を上手く回復させて助けながら敵を倒さなければならない。1回目の挑戦は役割分担がうまくいってなかったということで、2回目は事前に日野氏が「SCEJの方はロバートをきちんと回復させてください」と指示が入った。ギガースは大きな体で弱点であるボディを攻撃しなければ倒すことができないが、その前段階として膝を攻撃しひざまずかせて前屈みになったところで全員で攻撃するという方法が有効。2回目ということで各人馴れてきたこともあってか、比較的余裕を持って倒すことができ、会場から大きな拍手で称えられた。 東原さんはゲームの感想について「3人兄妹なので、お兄ちゃんとかと一緒になってRPGとかプレイしていたのですが、動きもリアルですし、あまりの映像の綺麗さにすごくビックリしまして、ゲームを久し振りにプレイしたので感動しました」と切り出し、アバターについても「実物より綺麗に作っていただき大満足 (笑)」とコメント。さらに「倒したときの快感があるのでストレス発散になりました。楽しかったです」と続けた。 一方、最後にギガースを倒した桜庭選手は「楽しかったです」と一言で現わし会場の笑いを誘った。「初めてなので難しかったですが、たぶん馴れてくると面白いと思いますね。他の技とか試してみたかったのですが、まだ始めなので出せませんでした」と少し残念そう。しかしアバターの出来については「もうちょっと髭を生やして欲しい。あと弓矢にして欲しいですね。遠くからバンバン攻撃できて。(それは桜庭選手のキャラじゃないじゃないですか? の問いに) いや、僕のキャラです (笑)」と注文をつける一幕も。
日野氏は「こういったプレイは性格が出ますから、馴れてくれば突撃する人とか回復ばかりして絶対に死なないようにプレイする人とか人間味がキャラクタに乗り移って出てくるので本当に面白いので、『白騎士物語』本編が発売されたらぜひプレイしてもらえれば」とアピールして締めくくった。
Created by LEVEL-5 Inc. (C)Sony Computer Entertainment Inc.
□プレイステーションのホームページ (2008年12月10日) [Reported by 船津稔]
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