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Wii版 12月11日発売予定 価格:PS3・Wii版 6,090円、DS版 5,040円 CEROレーティング:A (全年齢対象)
【映画「ウォーリー」】
映画「ウォーリー」は「レミーのおいしいレストラン」に続くPIXARスタジオによる最新作。監督は日本でも大ヒットを記録した「ファインディング・ニモ」を手がけたアンドリュー・スタントン氏。米国ではすでに6月27日に公開されており、オープニング3日間で6,309万ドルの興収を記録する全米NO.1ヒットとなっている。 ゴミが増えすぎてしまった29世紀の未来。人間は宇宙を旅している間にゴミ処理ロボットに地球を掃除させるという案を考え出す。巨大企業「Buy n Large (BnL)」は地球型廃棄物処理ロボット「ウォーリー / WALL・E (Waste Allocation Load Lifter, Earth class -ゴミ配置搭載運搬機:地球型)」を開発。人間達が銀河を旅している間にウォーリーに地球を掃除させておくこととなった。そして700年の月日が経過した……。 ウォーリーはひとりで地球の清掃を続けていた。ゴミをかき集めては圧縮し、キューブ状にして積み重ねていった。誰ひとりいない地球は荒廃し、生き物はまったく見あたらない。ひとりぼっちで作業を続けるウォーリーは、ゴミの中から“お気に入り”を見つけてはコレクションしていった。そんなコレクションの中でも一番好きなのが、大昔の映画「ハロー・ドーリー!」のビデオ。人々が歌を歌い、踊り、恋する様を見ては、誰かと手を繋ぐことを夢見ていた。 そんなある日、ウォーリーがいつものように掃除していると空から轟音を立てて宇宙船が降りてきた。その宇宙船から出てきたのは真っ白いピカピカのロボット。ウォーリーはそのロボットに夢中になった。このロボットの名前はイヴ。ウォーリーは一生懸命イヴの気を引こうとする。なかなか心を開かないイヴだが、不器用ながらも前向きなウォーリーに次第に癒されていく。しかし、そんなある日、ウォーリーが見つけた“あるもの”をきっかけに事態は急変。再び宇宙船が地球に舞い戻りイヴを回収してしまう。ウォーリーは決死の覚悟で宇宙船にしがみつき、ともに宇宙への大冒険の旅に出ることとなる……。 廃墟しか残っていない絶望的な地球の風景をバックに孤独でありながら常に前向きなウォーリーが幸せを手に入れる直前までを描く映画の前半から、一転、宇宙空間へと冒険譚は広がりを見せる。しかし、常にストーリーの軸となっているのはウォーリーとイヴの“繋がり”だ。2体のロボットの恋愛ドラマとして感動のラストを迎えることになる。シンプルなテーマの提示が全編を貫いているからこそ、誰もが楽しめる作品へと仕上がったと言うことだろう。 これらを支えているのが非常に細かく描き込まれた背景、そして何よりウォーリーを始めとした登場するロボット達だ。ロボットでありながら人間っぽい動きをする仕草が何より愛らしく、また彼らキャラクタを身近に感じることができる。さらにこれらの効果音を作り出したのは「スター・ウォーズ」のR2-D2やC3POのサウンドデザインを担当したベン・バート氏。絶妙の効果を生み出している。
日本での映画の公開は12月5日を予定しているが、前述のとおり公開に合わせる形で各プラットフォーム用のゲームが発売される。今回、映画「ウォーリー」のプロデュースを担当するジム・モリス氏にゲームを中心とした共同インタビューを行なったので、その模様をお伝えする。 ■ 映画「ウォーリー」プロデューサー、ジム・モリス氏インタビュー
ジム・モリス氏(以下:モリス氏) けっこう早い段階から、ゲームを制作するTHQさんとお話をさせていただきました。やはり私達としては、ゲームで得られる体験をできるだけ映画に近い形に持っていきたいと思っていましたので、その意味では早い時期からゲーム制作者とお会いして「こういったストーリーです」といったことをお伝えし、また実際の映画に関しましてもいくつかの所をお見せしながらお話しを進めていきました。 ―― ゲームをプレイしてみてジム・モリス氏ご自身が気に入っているところを教えてもらえますか? モリス氏 私自身はゲームがすごく上手いプレーヤーというわけではありませんので、たいていのゲームが自分にとっては大変なのですが (笑)、私の子供は非常に楽しんでプレイしていました。ウォーリーを実際に操作できるという点、そして様々なタスクをさせることができるという点が非常に気に入っています。 「ウォーリー」という映画に非常に長く関わってきましたので、私にとってはウォーリーは実在するかのようなキャラクタなんですね。そこまで深い付き合いのあったキャラクタを自分が実際に動かせるという体験が楽しかったですね。 ―― ウォーリーは非常にユニークな動きをしますが、その動きをゲームに落とし込むのは非常に難しいと思うのですが、いかがでしょうか? モリス氏 やはりそういったことをするときは常に大変なことがつきもので、やりやすいこともあればやりにくいこともあります。今回も (ゲームで描かれている物語は) ゲームのために修正しゲーム用の物語を採用しているのです。ゲームのことを考えてみたときに、お客さんがゲームをプレイし楽しいとか、よりゲームに引き込まれる事を考えなければなりません。ウォーリー自身はゴミを集めてそれをキューブ型にするわけですが、 「ゴミをキューブ型に固める」という点ではもちろん映画の設定と同じなわけです。しかしキューブにしたゴミを色々なターゲットに投げてそれでポイントが貯まっていくといった所ではゲーム的な修正が必要だったと言えます。 映画からゲームになるですとか、逆に最近よくある、ゲームから映画になるとか、いずれの場合でもある程度の修正が必要になると思います。実はこのゲームはすでに米国では発売され非常に人気を博しています。我々としては「ウォーリー」は作り上げたばかりで特に続編については考えてはいないのですが、ゲームについてはすでに続編の制作が決定しているのです。 ―― 映画はフルCGアニメで、ゲームもフルデジタルです。映画とゲームでデータの共有など行なわれましたか? モリス氏 制作の本当にはじめの段階で、映画で使用するために作ったウォーリーなどの形状のデータをTHQにお渡ししました。ただ、わたしたち映画をつくる方としては細かいニュアンスなどを盛り込まなければならないので、データが重くなり複雑になりがちです。それをそのままゲームに持ち込むとゲームは遅くなってしまいます。当然、そんなに重いものをたくさん動かすわけにはいかないということで、テクスチャやカラーなどをゲーム機で動かすために、より軽いデータに変換するという作業をTHQで行なっていると思います。 その結果、非常によいゲーム向けのレプリカができあがったと思います。ですから、けっこう最初の頃からデザインですとかモデルとか、セットやらロケーションデータは共有し、THQはそれらのデータを非常に上手くゲームに取り込んでゲームの制作を行なってくれました。 ―― ウォーリーは非常に愛らしい造形だと思うのですが、そもそもこういったデザインを思いついたきっかけはどういったところにあったのでしょうか? モリス氏 アンドリュー・スタントン監督はこの映画について様々なアイディアを、非常に長い間温めていたのですが、いくつかの点につては彼だけではどうにもならない部分がありました。その1つがウォーリーのデザインだったのです。 ある時、彼が友人とメジャーリーグのサンフランシスコ・ジャイアンツの試合をホームのAT&Tパークに見に行ったときのことです。そこで友人は双眼鏡を取り出して試合を見ていたそうなんです。スタントン監督は、友人が双眼鏡で見ている姿をよく観察していると「双眼鏡って悲しいとか怒っているとか感情を表現しているな」と気付いたそうです。それに気付いてから試合はまったく見ずに、どういう風にこれをキャラクタ化できるかと考えていたそうなんです。これで、「ウォーリーの目の部分は双眼鏡を使おう」ということに決まりました。 それ以外の所は、(ウォーリーが) 1日中働いているという設定は決まっていたので、“仕事ができる”という見た目を入れなければなりませんでした。そうやって、映画を観ていただいたときに自分と関連づけることができる……身近に感じることができるキャラクタに作り上げていきました。 ウォーリーはロボットですが、色々な意味で私達の一般的な人間と同じ所を持っているんです。決して彼も完璧な人間 (ロボット) ではないし、時にはキャタピラで床を汚したりしますが、内面的にはとても善人のキャラクタを持っています。たとえばイヴのことを好きになってしまったらその点では譲れないとか、決して諦めないといった人間的な要素を加えていきました。 ―― ウォーリーのキャラクタ造形がちょっと懐かしい、マニアックな若者の性格を想像させられたのですが、そういったアメリカの……日本で言えばオタクに近い文化との接点というのは意識されていたのでしょうか? モリス氏 まず最初に申し上げなければならないのは、「ウォーリー」を作り上げたのは世界において最高レベルのオタク達だったということだと思うのです。やはりPIXARにいるアーティスト達はある程度オタクの側面を持っているというのがあります。みんながそこで情熱を傾けて作ったということで、どんなSFの世界でもここまでオタクの心を持っているグループの人間はいないなという風に思っています。 言ってみれば監督のアンドリュー・スタントンもそうですし、末端の人間に至るまでオタクで、映画の中にその心を注ぎ込むんだと言う情熱をもって作り上げた作品だと思っています。 ちなみに、アメリカで「ミステリーサイエンスシアター」という番組があります。SF映画に出てくるロボットのキャラクタがその番組に出てきてそれに対してオタクがたくさんコメントするという内容なんです。今後米国で発売される「ウォーリー」のDVDの中にも“ギークトラック”というものを設けていて、その中に最高のオタクに登場してもらって「このシーンはあの映画が元ネタだよね」といったウォーリーについてコメントしてもらうモードを用意しています。 ―― ウォーリーというキャラクタは息の長いキャラクタになるという気がしますが、今後ゲームも含め、どういうふうにウォーリーというキャラクタを育てていきたいと思いますか? モリス氏 そうですね、この先まずゲーム、そして子供向けのおもちゃなどコンシューマ向け製品を通してある程度はウォーリーは育っていくと思うんです。もうひとつアイディアとしてあるのは、ディズニーのテーマパークの中でウォーリーの何らかのアトラクションをつくり、そこに行けば (映画に登場した) たくさんのキャラクタに逢えるようにするというのもあります。 ゲームに関してはヒットを記録していてすでに続編が計画されています。THQさんからこのあとリリースされるゲームでは、彼らは映画から着想を得て色々と展開していきたいと考えているようで、彼らの方で色々なストーリーを加えてお話しを膨らましている所もあると思います。 また別に、これはできるかなと思っているのは、ウォーリーではなく、映画に出てくる他のロボットを主人公にした短編を収めたDVDを作ろうかなというアイディアはあります。もしかしたらその短編の中にはウォーリーが登場人物のひとりとして登場してくるかもしれませんが、ウォーリーが主人公になる事はないかなと思っています。 続編に関しては、現段階では計画はありません。アンドリュー・スタントンがこの先もしかしたら「ウォーリー」をやりたいと言うかもしれませんが、通常やはり監督というのはずっとひとつのキャラクタに関わるのではなく、むしろ色々なところで仕事をしてまただいぶ経ってからもう1度このキャラクタをやってみようかとなるパターンが多いので、この先こういったことが全くないと言うことはないかもしれません。 ―― 今回初めてPIXARとしてSF作品を作られたわけですが、今後もSFを題材にした作品を作られる予定はあるのでしょうか? モリス氏 今現段階で計画されている作品の中にSF映画は入っていませんが、もちろん可能性としては (制作されることも) あると思います。これまでにSFといわれると「Mr.インクレディブル」がSFっぽいところがあるので、もしかしたらSFの分野にはいるかもしれません。ただ、あの映画は「彼がヒーローで……」という話なので純粋なSFではないかもしれませんが。とにかく可能性としてはないとは言えませんね。 ―― 最後にこれから「ウォーリー」を観る人、ゲームをプレイするプレーヤーに向けて一言お願いします。 モリス氏 私がこの映画で非常に気に入っているのは、この映画は愛についての映画であるということと、実際に生きているものとプログラムで動いているものの対決を描いていると思うんです。我々はプログラムで色々と作っていかなければならないのに、映画の中ではプログラムされているものではなくて、やはり人間が頑張っていこうということが描かれているというのは非常に皮肉なことです。
今回の映画については我々にとって最初のSF作品と言うだけでなく、PIXARとして初めてラブストーリーをテーマにした映画でもあるんです。そういった意味では、アニメそしてゲーム両方の世界に非常にフレッシュなアイディアが盛り込まれている作品だと思いますので、ぜひそういった意味合いからも楽しんでいただきたいなと思います。
(C)Disney/Pixar
■ プレイステーション 3 / Wii版 プレイステーション 3版とWii版は映画「ウォーリー」のストーリーに沿った展開でウォーリーやイヴといった主要キャラクタを操作してゲームを進めていく。プレイステーション 3版とWii版の違いはグラフィックスの効果の違いやWiiリモコンを使用した操作方法の違いなどで、ゲームのプレイ内容に関しては違いはない。 基本的なゲームの流れは、ステージ上にある謎や仕掛けを解き明かしながら進めていくアクションアドベンチャー形式。ステージによってはウォーリーだけでは行くことができない場所などもあり、イヴと協力してステージを進めるといった演出が用意されている面もある。
このほかにもミニゲームを収録。こちらは画面を分割しての対戦プレイや協力プレイが楽しめる。収録されているのは、1対1で対戦する「ウォーリー・ロボットバトル」、「ウォーリー・ロボットバトルシミュレータ」、映画冒頭でウォーリーが“お気に入り”を探すシーンをベースに人より早く“お気に入り”を探し出す「スーパー・コレクター」、イヴとなり他プレーヤーより早く標的となるものを撃つ「レーザートレーニング」、宇宙にあるリングをより上手くたくさんくぐれるかを競う「空中アリーナ」、協力して時計を止めていく「時計を止めろ」の6種類。ネットワークプレイには対応していない。
■ ニンテンドーDS版
ステージをクリアすると、収録されている映画の映像やグラフィックス、ボーナスステージなどがアンロックされ観ることができるなど、映画とのコンテンツ的な繋がりも用意されている。
ワイヤレス通信による2人での対戦モードも用意されており、どちらが早く目的地に到着できるかといったレースゲームなどのミニゲームが収録されている。
WALL・E (C) Disney/Pixar. Licensed by THQ Inc. THQ, PlayTHQ.com and their respective logos are trademarks and/or registered trademarks of THQ Inc. All rights reserved. All other trademarks, logos and copyrights are property of their respective owners.
■ 来日記者会見
アンドリュー監督は、「ウォーリー」のストーリーを思いついたきっかけについて「人類が全て地球を去るときに、ロボットの最後のスイッチを切り忘れたら?」というたった1行の文章を思いつき、「ゴミを片付け続ける管理人というのを考えたときにロマンチックだと感じました」と説明。また、映画の冒頭でゴミだらけの地球が登場するためエコロジーについて聞かれた監督はテーマについて「『ファインディング・ニモ』の時は海を舞台としたし今回は地球を舞台としたが、社会性を持たせようとしたわけではない。もっと大きなメッセージとして、失ってはならない一番大切な“愛”を描きました」と語った。 今回、ロボットの性格付けに大きく寄与しているベン・バート氏はサウンドデザインについては「理解を深めるため監督と話をしてキャラクタに何を求めているのかを知るようにしました。また、視覚的な情報も重要ですから絵コンテやストーリーボード、世界観を見せてもらいそういったところから考えたり、未使用の音を探したり、スタジオで色々な音を聴いていくうちに固まっていきました。言葉を喋らないということでフィーリングが伝わるようにと心がけました」と振り返った。 アンドリュー監督はベン・バート氏を高く評価しており、「ベン・バート氏が引き受けてくれた段階で主役をキャスティングできたと言えた」とコメント。とはいえすんなりとサウンドデザインができあがるわけではなかったが、アンドリュー監督は「ベン・バート氏の邪魔にならないようにしていた」と全幅の信頼の元、作業は進められた。 制作の段階ではかなりの試行錯誤があったようで、ベン・バート氏に話が来た段階ではアニメーションは何もできていなかったため、ロボットの音声を作ってはアニメーターに渡し、テスト用に1分ほどのアニメを作ってもらい、フィルムを戻してもらい再度確認しまた音声の作成を行なうというやり取りが何度も行なわれたのだという。こういったやり取りを通じて音声に磨きをかけることができたとベン・バート氏は語っている。 映画ではロボット達が様々な演技をし、時に人間くさい動きで我々を驚かせ、笑わせ、泣かせてくれるわけだが、アンドリュー監督は「目の演技には気をつけた。目があれば気持ちが伝わる」と目の演技に力を入れたようだ。たしかにウォーリーの目がクルクルとよく動くのだが、目が斜めに下がっただけで何となく悲しそうに見えるから不思議だ。イヴについても同様で物語の始まりと最後では目の雰囲気が変わっており、イヴの心情が伝わってくる。まさに「目は口ほどに物を言う」と言うことだ。
記者会見には本物 (?) のウォーリーも登場。本当によく動きまわり、手で目を覆って恥ずかしがる仕草を見せたり可愛らしい動作に会場から「カワイイ!」と声が上がったほど。日本でのウォーリーの友達第1号として山口智充さんがビデオで挨拶し、「Mr.インクレディブル」でジェイソン・リーの吹き替えを担当した宮迫博之さんが友達第2号となることが明かされた。3番目の友達としてタカアンドトシが登場。「ドント、ウォーリー」、「欧米か!」のおなじみのツッコミで会場を沸かせた。 (C)Disney/Pixar
□ディズニー・オフィシャル・ホームページ (2008年12月1日) [Reported by 船津稔] また、弊誌に掲載された写真、文章の転載、使用に関しましては一切お断わりいたします ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp Copyright (c) 2008 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved. |
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