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この説明会には、「マビノギ」の開発元である韓国Nexonの開発チームdevCATから、マビノギチーム チーム長のハン・ジェホ氏と、海外ライブチーム ローカライゼーションユニットのファン・チャンヒ氏、そしてネクソンジャパンのマビノギ担当を務める佐々木浩明氏の3名が来場。まずは韓国Nexonからアップデートの概要と、先行している韓国版の紹介が行なわれ、続いてネクソンジャパンから、システム面の変更やコラボレーション企画について発表された。
■ 戦闘や召喚も可能な新スキル群「錬金術」
アップデートの最大の目玉は、サブタイトルに「アルケミスト」とあるとおり、「錬金術」の実装である。錬金術は、「マビノギ」がモチーフにしているケルト神話において、「ドルイド」と「吟遊詩人」に並ぶ3つの職業の1つ。「マビノギ」における錬金術は、科学を操るというイメージでデザインされる。ドルイドが魔術師のような位置づけであることから、差別化を図るという狙いもあるようだ。 ゲームシステム的には、生活、戦闘、魔法に次ぐ新たなスキル群として実装される。具体的には、「かまど」と「シリンダー」を使う2つの仕組みが用意されている。かまどには、湿式かまどと乾式かまどの2種類があり、湿式かまどは「結晶」の生産に、乾式かまどはアイテムを調合して新たなアイテムを生産したり、逆に分解したりするために使用する。 結晶は、もう1つの「シリンダー」で使用する。シリンダーは携帯用練成装備とでも呼ぶべきもので、これに結晶を入れて練成することで、戦闘時に武器として使用したり、アイテムを作り出したりできるという。会場で公開されたシリンダーは腕に取り付けるタイプのもので、そこから魔法のようなものを撃ち出すシーンも見られた。錬金術は「火、土、風、水の4つの属性をコントロールするもの」だそうで、これらの属性による攻撃ができるというイメージだ。またシリンダーをつけたままでシールドも装備でき、接近戦もできる仕様だという。
錬金術スキルには、合成や分解のための生産スキル、シリンダーを使うなどの戦闘スキル、ゴーレムなどを呼び出せる召喚スキルと、多様なスキルが追加される予定。いずれも既存キャラクタのステータスに影響されないため、初心者でも楽しめるのが魅力だという。
■ 新たなマップや物語、プライベートダンジョンが登場
錬金術の他のアップデート内容としては、まず「ウルラ大陸」が拡張され、「タルティーン」が実装される。タルティーンは第二次モイトゥラ戦争の激戦地で、戦争後は錬金術の土地となった都市で、錬金術スキルはここで学べる。また王国首都「タラ」も「チャプター3」の中で実装予定としている。
ストーリー展開としては、「影の世界」が開いたために危機に陥ったソウルストリームを救うため、錬金術師とプレーヤーが協力して立ち向かうというもの。ウルラ大陸とイリア大陸の世界観を繋ぐ物語が展開されるそうで、バイヴ・カハの最後の女神「ネヴァン」も姿を現わすという。なお当初のものは人間だけしかプレイできなかったメインストリームだが、今回はエルフやジャイアントでもプレイできる。 最後の要素となるのが、新エリア「影の世界」である。メインストーリーとゲームプレイの両面で重要になるというこのエリアは、従来のダンジョンに続く新たなパーティ向けのインスタンス空間となる。ここには入る際にミッションを受け、それをクリアするのが目的となるが、ミッションは単にボスモンスターを倒すだけでなく、暗殺、救出、基地防衛など多様な形を用意する予定だという。 ハン氏はまとめとして「チャプター3」の3つの方向性を示した。1つ目は物語を柱にコンテンツを作っていく「物語中心のアップデート」、2つ目は初心者ユーザーとベテランユーザーがともに楽しめる「誰でも楽しめるコンテンツ」、そして3つ目が「多様な素材と空間の提供」としている。3つ目については、「今後はユーザーが自ら作れるコンテンツを提供していく」と語っており、そういった自由度の高いコンテンツを提供するための準備を進めるという意味のようだ。 続いて、韓国でのアップデート内容の紹介が行なわれた。韓国では「ジェネレーション9」のシーズン3までが実装済みとなっている。大きな要素としては、錬金術スキルの追加、フィールドボスの追加、シリンダーの属性タイプの追加といった拡張のほか、タルティーンに「農場システム」を組み込んでいる。ここではプレーヤーが農場を借り、好きな作物を生産できるという。
開発では現在、次の「ジェネレーション10」を準備しているそうで、タラの実装もここで行なわれる。タラには新たなNPCが追加されるとともに、メインストリームも進行していく。女神ネヴァンはまだデザイン中だが、「モリアン同様、魅力的な女神にしたい」と語っていた。このほか、「ジェネレーション9」で実装できなかった新システムを導入予定としている。
■ 転生を制限付きで無料化。料金の値下げも実施
まず、現在は有料で提供されている転生が、6週間に1回という制限付きながら、無料で提供される。同時に経験値テーブルを変更して、従来よりも早くレベルアップできるようにする。これによって初心者が参加しやすい環境を用意するとしている。 次に既存ユーザーに対しての施策として、転生周期を現在の3週間から2週間に短縮する。これによってスキル上げの際にアビリティポイントが枯渇する問題を改善するのが狙いという。ただこの場合、転生に必要な「キャラクターカード」の購入回数が増えてしまうので、合わせて値下げも行なわれる。ベーシックは500円、プレミアムは800円で、それぞれ現在よりも200円ずつ安くなる。 続いて「チャプター3」を記念したイベントの実施について発表された。まずは季節に合わせた「クリスマスイベント」。こちらは例年、各国からイベントのアイデアが提出されて実装という流れになっているそうだが、今年はネクソンジャパンからのアイデアが採用され、より日本のユーザーに楽しんでもらえる仕掛けを用意しているという。ゲーム内ではイベントのほか、期間限定アイテムの販売や、昨年のイベントで限定販売されたキャラクターカードの再販などが行なわれる。 さらに「チャプター3」の記念ペットとして、「スプライト」が販売される。妖精のような外見をしたもので、呼び出した状態でRキーを押すとプレーヤーキャラクタと一体化し、背中に羽根が生えたような姿になれる。能力的には、最大生命力とマナ、クリティカルといったペットボーナスに加えて、防御や保護にも効果がある特別なものになっている。 このほか他のコンテンツとのタイアップ企画として、「灼眼のシャナ」とのタイアップを行なうことが発表された。3月の実装を目指しているとしており、髪型や衣服を始め、いくつかのタイアップアイテムを用意しているという。同社は今後も、「マビノギ」の世界観をモチーフにしたコミックの制作や、今回のようなゲーム外とのタイアップなども積極的に続けていきたいとしている。
佐々木氏は最後に、「今後も日本オリジナルイベントとして、スキーや花見などを企画する。またエモーションの追加やラットマンのペット化に続いて、ユーザーの要望を実現する。4周年記念イベントで発表したい」と述べている。
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□ネクソンジャパンのホームページ (2008年12月1日) [Reported by 石田賀津男]
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