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会場:韓国国際展示場(KINTEX)
入場料:5,000ウォン(前売り3,000ウォン) G-Starでの注目度合いは、さすがに完全新作の「Free Style Football」には一歩譲っていたものの、韓国だけで累計会員数1,000万人を誇る同社の出世作のスピンオフ作品だけに、来場者からは高い注目を集めていた。日本でも「フリスタ」と名前を変えてサービスが行なわれているだけに、注目しているユーザーも多いだろう。 今回は、「Free Style Manager」のプロダクトディレクターを務めるイ・ミンスク氏に、開発経緯から「Free Style」との違いやデータ互換性まで、日本の「フリスタ」ファンが気になるであろう情報を中心に話を伺ってみた。
「Free Style Football」の韓国でのサービススケジュールは、2009年第1四半期にクローズドβテスト、第2四半期にオープンβテスト、正式サービス開始時期は未定となっている。 ■ 「Free Style」をベースに、新たなゲーム性を取り入れた新規タイトル、「Free Style」との連携も検討中
イ・ミンスク氏: 開発のきっかけは「Free Style」の欠点から始まりました。チームを運営することで、1ユーザー1プレーヤーのゲームシステムからくるプレーヤーのストレスをカバーすることができるのではないかと考えました。 編: ユーザーの意見から生まれたゲームということですね。 イ氏: そうです。ユーザーさんからも色々と話をされたのですが、社員からもそうした意見がありました。 編: 「Free Style Manager」が「Free Style」の反省から生まれた作品ということは、「フリスタ 1.5」や「フリスタ 2」に相当するゲームと考えて良いのでしょうか。 イ氏: シリーズの概念ではなくて番外編的なイメージをしていただければ良いと思います。基本的なイラストは同じですが、「Free Style」は4年前のタイトルですので今のトレンド考慮して新しいシステムを取り入れました。キャラクタの中で女性のキャラクタがいるのですが、かわいらしさを向上させたりスキルの充実を図っています。 編: なるほど。ということは「Free Style Manager」と「Free Style」のアップデートは共通ではなくそれぞれ別個に行なうということですか。 イ氏: 基本的に開発チームは別ですが、確かにアップデートで両方に重なる部分があると思います。たとえば、「Free Style」で開発したモーションやアバターを「Free Style Manager」に適用することはできるのですが、別のゲームになりますので、基本的には別々のアップデートになります。 編: 「Free Style」の大型アップデートとせずに、わざわざ別のタイトルにしたのはなぜですか? イ氏: 基本的にユーザーのターゲット層や企画が違います。チーム管理のような企画は、「Free Style」とはターゲットが異なりますので分けることにしました。 編: しかし、そうしてしまうとせっかく1カ所にまとまっているコミュニティが分断されることになりませんか? イ氏: そうですね。ですから、両タイトル間でコミュニティの連動も考えていますが、詳細は決めていないです。 編: データの互換性についてはいかがですか。購入したアバターが両方で使えればいいですよね。 イ氏: 「Free Style」と「Free Style Manager」の連動は現時点では詳しくは申し上げられませんが、何らかの対応は現在検討しています。 編: イさんの理想の形を教えてください。 イ氏: 「Free Style」と「Free Style Manager」が両方とも目立ってほしいなと思います。データの互換も積極的に考えたいです。ターゲットは異なっても「Free Style」のフランチャイズですから。 編: ひとつ不安なのは、1人で3キャラクタ、補欠まで含めると5人のキャラクタを育成するとなると、スキルやアバターなども3倍5倍用意しなければならないのではないでしょうか。 イ氏: スキルには、共通スキルと個人スキルがあるのですが、「Free Style Manager」では、全員で利用できる共通スキルを充実させたいです。 編: アバターについてはいかがですか。 イ氏: 衣装も共通のものにできるか考えています。現在全体のシステムの50%くらいまでしか完成していないので、どこまでシステム的に実現可能なのかわからないです。 編: いずれにせよ「Free Style Manager」がリリースされると、既存の「Free Style」とユーザー層がかぶってしまい、ある程度の互換性をカバーしないとマイナス面ばかりが強調されてあまり良い影響を与えないように思いますが。 イ氏: それは弊社内部でも考えているところです。ターゲットとなるユーザー層が違うので、確かに部分的に重なるところはあると思りますが、それほど心配はしていません。 編: 「Free Style」から「Free Style Manager」へのデータの互換は未定とのことでしたが、逆はいかがでしょうか。 イ氏: 良い企画と良いアイデアがあればいずれもできると思います。 編: 「Free Style」と「Free Style Manager」のターゲット層をそれぞれ教えてください。 イ氏: 既存の「Free Style」は1人が1人のプレーヤーを持って、他のユーザーとともに協力していくプレーヤーたちが多いです。片や「Free Style Manager」は自分で管理をしたいというユーザーがいるわけです。その点でターゲットが違うと思います。目指すターゲットが違いますのでプレイスタイルがターゲットの差になると思います。
■ 選手を鍛えて大会で優勝を目指す「監督モード」がメインコンテンツ
イ氏: 全部で3つのモードがあります。監督モードと選手モードとストーリーモードです。選手モードは既存の「Free Style」の1ユーザー1プレーヤーのコンセプトに基づくものです。AIの学習のために選手モードを入れました。前の「Free Style」と同じ部分があるところですので内容を協議しているところです。 3番目のストーリーモードは、ストーリーが展開されるモードです。他のユーザーと競争したりミッションを達成したりして1つのチームが結成されるまでを辿るモードなのです。韓国バスケットボールリーグKBLのキャラクタが自分の競争相手になったり友達になったりします。1人でストーリーを作るモードで、自分がマネージャーになってチームを作るまでのストーリーを楽しむことができます。 編: ストーリーモードは1人で遊ぶモードですか? イ氏: オンラインに接続してからプレイしますが、自分1人で遊ぶことができます。 編: ストーリーモードの実装理由を教えてください。 イ氏: 世界観とストーリーがあればもっと楽しいのではないかということが1つ、そしてチームの管理ができれば自分のチームに愛着がもてます、チュートリアルの1人用モードとして考えています。 編: 選手モードについて教えてください。 イ氏: プレーヤーのプレイパターンをAIが学習して、ユーザーのプレイスタイルを学習していきます。 編: AIのチームワークが高まっていくわけですね。具体的にプレーヤーのどういった部分を学習するのでしょうか。 イ氏: ユーザーがアグレッシブですとAIもアグレッシブに動きます。学習したAIを監督モードでも使うことができます。そのための選手モードです。 編: 監督モードではAIの強化/学習はできないのですか? イ氏: 現在はできません。選手モードだけで学習が可能です。実はこれについては現在検討しており、選手モードをなくして監督モードにすべて入れるということも視野に入れています。 編: 監督モードという語感からすると、プレーヤーは選手達に指示をするだけで、自分がプレイするということはない印象がありますが。 イ氏: はい、もちろんそういったプレイもできますし、それこそがゲームの核心です。自分の指示で選手を交代させたり、トレードさせたり、チーム全体をマネージメントするわけです。 編: メインとなる監督モードの最終的な目標は何でしょうか? イ氏: 一般的なスポーツと同じで、リーグや大会に出て優勝するための強いチームを作るのが最終目標になります。 編: 「Free Style」ではハーフコートでストリートバスケを行っていましたが、今回はフルコートになりました。その理由を教えてください。 イ氏: 「Free Style Manager」の狙いは戦略と戦術です。ハーフコートではそれらをふんだんにもりこむのが難しいです。チームの戦略を考えた場合、フルコートが適当だと判断しました。ハーフコートは登場しません。 編: コートはいくつくらい準備するのでしょうか。 イ氏: 今は4つしかないのですが、種類はどんどん追加されると思います。会場では南大門のマップがありましたが、アイデアがあればいくつでも追加したいと思います。
■ アップデートはチーム関連の拡充。KBLとの提携でプロ選手も登場
イ氏: まだ企画は固まっていませんが、「Free Style Manager」にも導入したいですね。 編: 「Free Style Football」を先ほど取材しましたが、とても良いゲームでした。今後、「Free Style Football Manager」といった企画は無いのでしょうか。 イ氏: 社内的にはそういった話も出たようです。「Free Style Football」も人気が出れば開発したいと思います。 編: 「Free Style Manager」サービス開始後は、「Free Style」と並行してサービスを行なっていくことになりますが、アップデートに対する取り組み方にはどのような違いがありますか。 イ氏: まだアップデート部分までは考えていませんが、既存の「Free Style」に比較しますとチームに関するアップデートが多くなるのではないかと思います。現在企画してるものに韓国KBLのロスターデータの採用が挙げられます。プロ選手の能力や記録をコンテンツとしてアップデートする企画です。すでに契約も交わしました。KBLのポジション別に有名な選手のキャラクタや能力値をコンテンツ化するというものです。選手のキャラクタとデータが登場し、自分のチームに入れることができます。 編: ロスターのデータは、どのような形で提供されるのでしょうか? やはり有料サービスになるのですか? イ氏: サービスの具体的な形はまだ分かりません。 編: 「Free Style Manager」の魅力を教えてください。 イ氏: 「Free Style Manager」はチームをコントロールするのが1番の魅力だと思います。それは「Free Style」では味わえません。あとは、大きく分けて2つです。KBLのロスターの導入、後はチームの戦略部分です。 編: 日本のサービスについてはいかがですか。 イ氏: 現時点では「Free Style Manager」の日本正式サービスはまだ検討していません。韓国の次は中国と台湾を考えています。 編: ビジネスモデルを教えてください。 イ氏: 詳しくは決めていませんが、アイテム課金を考えています。 編: 「フリスタ 2」は現在どのように進んでいますか。 イ氏: 確定していません。社内でいくつか企画があるのは事実ですが、それが「フリスタ 2」になるかどうかさえわからないです。 編: 「Free Style」を含めて日本のユーザーに一言お願いします。 イ氏: スポーツが好きなユーザーには是非知っていただきたいです。良いゲームを作って日本で正式サービスできるように頑張りますので楽しみにしていてください。
編: ありがとうございました。
(2008年11月17日) [Reported by 中村聖司]
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