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G-Star 2008現地レポート

JC Entertainmentブースレポート
「フリスタ」シリーズの新作「Free Style Football」、「Free Style Manager」をプレイアブル出展

11月13日~16日開催(現地時間)

会場:韓国国際展示場(KINTEX)

入場料:4,000ウォン(前売り2,000ウォン)
子供2,000ウォン(前売り1,000ウォン)


 韓国JC Entertainmentは、例年同様に大規模なブースで、4タイトルの新作をプレイアブル出展していた。今年注目を集めたのは、同社の2008年5月のコスダック市場上場の原動力となった出世作「Free Style」シリーズの新作「Free Style Football」、「Free Style Manager」の2タイトルだ。G-Star初日に行なわれた発表会でも大きく取り上げられただけでなく、2本ともプレイアブル出展を実施。「Free Style」の新展開を国内外に向けて大々的にアピールしていた。

 そのほかにも、11月12日に韓国で正式サービスを開始した横スクロール型のオンラインアクション「Ghost X」と、日本でもクローズドβテストが行なわれた「HIS(HEROES IN THE SKY)」をプレイアブル出展していた。初日の発表会では、「Catch Louise」、「5! Family」という新作の発表も行なうなど、昨年にも増して充実した内容だった。

 同社は2007年2月に日本法人JC Globalを設立し、本日11月15日に運営1周年を迎えた「Free Style」(邦題:「フリスタ! -Street Basketball-」)を自社運営するなど日本展開にも力を入れ始めているだけに、その動向は注目されるところだ。本稿では、「Free Style Football」、「Free Style Manager」の2タイトルを中心に紹介していきたい。

 なお、今回紹介するすべてのタイトルは基本プレイ無料のアイテム課金制の採用が予定されており、日本展開は未定となっている。


■ ユニークなアナログ操作がサッカーをプレイしている感覚を呼び覚ます 「Free Style Football」

JCEブースの一番人気だった「Free Style Football」。4対4で前半3分、後半3分の試合を楽しむことができた
実際に列に並んでプレイしてみたが、2得点の活躍だった。現時点ではスキル的な概念は導入されていないが、「Free Style」のように相手を跳ね返したり、自分が吹き飛ばされたりといったギミックもあり、単にタックルを繰り出せばボールが取れるという単純なゲームではない
ビジネスモデルはアイテム課金となる。基本的なシステム周りは多くの「Free Style」から引き継いでおり、同作の経験者なら迷わずプレイできるだろう
 「Free Style Football」(以下、「FSF」)は、韓国では非常に人気の高いスポーツであるサッカーをモチーフにしたオンラインゲーム。自分がサッカーをプレイしてる感覚が味わえることを第一義においている点で、「FIFA」や「ウィニングイレブン」といった既存の人気フランチャイズとは一線を画している。

 サッカーゲームといえば、バードビューが基本だが、「FSF」は自分のキャラクタを中心に据えたサードパーソンビューとなっており、W、A、S、Dキーでキャラクタの移動、マウス操作で視界および視点移動、スペースキーでダッシュというあたかもアクションゲームのような操作体系を採用している。

 視界の中央には、FPSの照準点のようなターゲットカーソルがあり、そのカーソルの位置が味方選手であればパスになり、ゴールポストならシュートになる。ドリブルをしながら視点を変えて、味方の動きにあわせてパスをする感覚や、シュート時に素早くマウスを動かしてゴールの隅を付く感覚など、それっぽい感覚が手軽に味わえるのが良い。

 プレイするまでは、モニタを通して見ると視界が限られてプレイしにくいのではないかと思ったが、実際にはそうした懸念をクリアするために、Shiftキーを押すだけでゴールのほうを向いたり、コーナーキック時は、コーナーとゴール周辺の両方が視界に入るように自動的に視界が調整されるなど、心地よいサポートのおかげでまったく苦にならなかった。

 いわゆるシュートボタンやパスボタンといった便利なボタンはなく、自分で視点を動かしてパスやシュートをする先を決めるというきわめてアナログなゲームとなっている。スローイングやコーナーキック、ゴールキックなども、わざわざ近くの選手がその位置まで走っていく必要があるというこだわりぶりで、このアナログさ加減が、実際にサッカーをプレイしている感覚を幾重にも高めてくれる。

 対戦人数は、さすがに11対11というわけにはいかなかったようで、最小4対4、最大6対6となっている。だからといってゲーム性もフットサルみたいなのかというとそうでもなく、フィールドはキーパーを除いた3人ないし5人でカバーするには広すぎるほどに広く、プレイ感覚はあくまで本格的なサッカーに近い。

 ゲームはアマからスタートし、経験を積むことによりプロへ昇格することができる。アマは河川敷のサッカー場、プロは大きなスタジアムを擁する競技場と、ランクによって使用できるフィールドが異なるのがおもしろい。プロに昇格すると、ポジションが設定され、リーグ戦等への参加が可能になり、さらに年俸ももらえるようになる。獲得した年俸でアバターアイテムを購入できるようだ。

 マッチングについては、プロ、アマといった基本的なランクに加えて、勝率を考慮に入れたレベルマッチングシステムを導入するという。

 サービススケジュールは、2009年第1四半期にクローズドβテスト、第2四半期にオープンβテスト、正式サービス開始時期は未定となっている。今年のG-Starで出展された新作タイトルの中でも指折りの期待作と言えるだろう。

【Free Style Football】
所有権があいまいで、好き勝手に転がるボールを追いかける感覚がとても楽しい。「Free Style」と同様に男女混合の試合となる。性能差は今のところないようだ


■ 1人1キャラから1人1チームに進化した新たな「フリスタ」 「Free Style Manager」

発表会で「Free Style Manager」の紹介を行なう開発チーム長ソ・ジョンウック氏
JC Entertainmentブースの「Free Style Manager」コーナー
試遊台の人気は非常に高かった。個人技を追求するスポーツゲームの宿命として「Free Style」はハイエンドとビギナーの乖離が進行しているが、「FSM」はそうした状況に自ら一石を投じる作品となりそうだ
 「Free Style」シリーズ2本目の新作「Free Style Manager」は、「Free Style」をベースに、ユーザーに新しい楽しみ方を提供する拡張ディスク的な作品である。スクウェア・エニックスにおけるコンピレーション展開に近く、オンラインゲーム市場では今までありそうでなかった展開だ。

 ゲームの中身は、「Free Style」と同じ3on3のストリートバスケだが、操作単位が1人1キャラクタから、1人1チームに変わり、それに付随して新たなゲームモードとAIが追加されている。「Free Style」で育てたキャラクタや購入したアバターの流用などはできない。あくまで別ゲーム、別クライアントとして開発されている。

 「Free Style Manager」開発チーム長のソ・ジョンウック氏によれば、1人1キャラから1人1チームへ変更したことで、うまくチームプレイできないことによるストレスから開放され、マイペースでゲームが楽しめるようになるという。位置づけとしては、個人のスキルを磨いて、それをチーム戦の中で発揮していく「Free Style」に対して、複数のキャラクタを同時に成長させ、AIと共に強いチームの育成を目指す「Free Style Manager」という感じになるだろうか。

 新規のゲームモードは3つ。ひとつ目は、ゲームのチュートリアルとストーリー展開をワンセットにした1人用の「ストーリーモード」。2つ目は、AIと共にプレイして、キャラクタを育てながら、プレーヤーの癖をAIに学ばせていく「選手モード」、そして3つ目は、育てたキャラクタとAIを使って試合に臨む「監督モード」となる。

 メインモードとなるのが監督モードで、このモードではプレーヤーは3人のキャラクタの中から任意で1キャラクタを操作し、状況に応じて操作するキャラクタを切り替えながら試合を進めていく。すべてをAIに任せ監督として振る舞うことも可能なようだ。

 プレーヤーが率いるチームの選手数は最大5人。彼らを育成させながら、アバターアイテムで身なりを装い、スキルを覚えさせ、なおかつ試合を経ることでAIの動きに磨きをかけていく。「Free Style」はあくまで個人技を磨くゲームだったが、「FSM」では、その楽しさに加えて、チームを磨く新たな楽しさが加わっている。

 サービススケジュールは、2009年第1四半期のクローズドβテスト、第2四半期にオープンβテスト、正式サービス開始時期は未定となっている。「Free Style」は日本でも堅調なだけに、日本展開がどうなるのか注目されるところだ。

【Free Style Manager】
ヒップホップ系のグラフィックスやアバターデザインなどは、「Free Style」のテイストをそのまま受け継いでいる。チームベースのゲームとなったことで、チーム管理の画面が新たに加わっている


【HIS(HEROES IN THE SKY)】
日本でも10月にクローズドβテストが行なわれた「HEROES IN THE SKY」が出展されていた。韓国では12月から第3次クローズドβテストが予定されており、場合によっては日本サービスが先になる可能性があるという。昨年のG-Starで発表された「エアロノーツ」は不人気により韓国サービスを断念したというが、同じフライトシューティング系のタイトルである今作はどうなるだろうか

【Ghost X】
韓国で人気の高いジャンルである横スクロール型のオンラインゲーム「Ghost X」は11月12日に正式サービスを開始したばかり。日本のアニメーションの影響が強く感じられる作品だが、昨年見たときよりも、アクション性や演出面で磨きがかかっており、日本展開が楽しみだ。ちなみに、ブースで出展されていたオリジナルグッズは、売り物ではなく、ゲームプレイで貯めたポイントによって引き替えできるものだという

【Catch Louise】
初日の発表会で正式発表された「Catch Louise」は、「スーパーマリオ」や「ソニック」シリーズを意識した横スクロール型のアクションゲーム。日本の伝統である横スクロールアクションに、競走、共同作業的要素を加味し、オンラインならではの楽しさを追求していくという。現時点ではコンセプトのみの披露に留まり、ゲーム画面は公開されなかった。2009年上半期にクローズドβテスト開始予定

【5! Family】
「5!(Oh!) Family」は、オンライン上にバーチャルなファミリーを構築しようという壮大なコミュニティサービス。キーワードは「私の家族になってください」。こちらもまた具体的なゲームの内容は公開されなかったが、もともとJC Entertainmentは、JoyCityと呼ばれるソーシャルネットワークゲームの開発元としてゲームメーカーのキャリアをスタートさせており、いわば原点回帰的なプロジェクトと言えそうだ

□G-Star 2008のホームページ
http://www.gstar.or.kr/
□JC Entertainmentのホームページ
http://www.jceworld.com/
□JC Globalのホームページ
http://www.jcg.co.jp/
□関連情報
【2007年11月8日】韓国最大規模のゲームショウ「G★ 2007」が開催
今年のトレンドは海外タイトル。BtoBコーナーが大盛況
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20071108/gstar_01.htm
G★2007 記事リンク集
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20071111/gslink.htm

(2008年11月15日)

[Reported by 中村聖司]



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