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会場:韓国国際展示場(KINTEX)
入場料:5,000ウォン(前売り3,000ウォン) この上で、さらにオンラインゲームならではの成長要素やアバター、そしてコミュニティサービスが受けられるのであれば、絶対におもしろいと確信した。そこで今回は、「Free Style Football」のプロダクトディレクターを務めるパク・サンフン氏に、ゲームの魅力と今後の開発内容について詳しく話を伺った。
「Free Style Football」の韓国でのサービススケジュールは、2009年第1四半期にクローズドβテスト、第2四半期にオープンβテスト、正式サービス開始時期は未定となっている。
■ 「FIFA 09」や「ウィニングイレブン」に対する「Free Style Football」のアドバンテージとは?
パク・サンフン氏: バスケットボールにあった楽しさの限界をフットボールに盛り込みました。カメラワークが自由に動くため、あたかもサッカー場にいるような臨場感を楽しむことができます。これはバスケットボールにはない楽しみです。1人でプレイする楽しさをつきつめた結果こうなりました。 編: 2006年のワールドカップに合わせてオンラインサッカーゲームが各社からリリースされましたが、すべて失敗しましたよね。それらが失敗した理由と、それらと「Free Style Football」との違いを教えてください。 パク氏: 従来のサッカーゲームは、リアルなサッカーの雰囲気や楽しさをそのままゲームに入れた結果、イメージとしてはダイナミックには見えるのだけど本当のサッカーのゲームの楽しさから外れてしまっていました。本作は本当のサッカーの楽しさを感じられるようにスキルやグラウンドのイメージを開発に取り入れました。それが差だと思います。 編: パクさんが考えるサッカーの面白さとは何でしょうか。 パク氏: 攻撃するだけでなく、同じチームの人とディフェンスをする守りの楽しさがあると思います。「Free Style Football」は丸いボールを自由な方角に蹴ることができるため、ボールがどこに飛ぶかわかりません。その感覚をゲームに取り入れました。パスをする際にコミュニケーションも必要ですのでそれがサッカーの面白さだと思います。 編: 「FIFA 09」や「ウィニングイレブン」と比較すると、ボールを自由に蹴ることができるというのがアドバンテージといえそうですね。 パク氏: そうですね。それらのタイトルはパスのルートが限られているのですが、「Free Style Football」はアナログ操作ですのであらゆる角度でボールが飛んでいきます。微妙な状況が発生する余地が生まれる楽しさがあります。 編: ただ、「FIFA 09」や「ウィニングイレブン」は、サッカーが不得手でも一流選手を操作して、プロっぽくプレイできる。そこが楽しいわけです。それに対して「Free Style Football」を楽しむためには、かなりゲームの操作に習熟する必要がありそうですよね。 パク氏: 不得手なユーザーが慣れるのは難しいです。ですから最初にチュートリアルをプレイしてもらいます。自分がリアルなプレーヤーになったつもりで訓練を積むモードを用意しています。 編: そこまでリアルフットボールを志向しているにもかかわらず、最大の対戦人数が6対6になったのはなぜですか。 パク氏: 良い質問ですね(笑)。理由はコミュニケーションや技術的な問題から、オンラインゲームとしての限界が6対6という形になるからだと思います。11対11ではコミュニケーションに難があると思います。 編: 確かに「FIFA 09」で10対10のプレイをサポートしていますが、ボイスチャットが雑談のようになって誰が誰だかわからなくなってしまうという欠点がありますね。 パク氏: その通りです。人数が多くなるとボールとユーザーの関係が難しいです。ユーザーが何をしたらいいのかわからなくなってしまいます。「FSF」ではその問題を解決したいと考えました。 編: コミュニティシステムは現在はどういったものがありますか。 パク氏: 現在はゲーム内のコミュニケーションの伝達方法ではチャットだけが利用可能です。他の方法は模索中です。「Free Style Football」の中では会場の臨場感を増すためにBGMがありません。 ボタンを押すと同じチームのメンバーが叫んでいるのが聞こえたり、ボイスチャットをして同じチームの人と話すような仕組みを設ければ楽しいなと考えています。コミュニティでは本物のサッカーのチームのように地域でコミュニティが形成されます。ユーザー自身がクラブを作ったり自分と気の合うユーザーとクラブを作るような方法を用意します。 編: ゲームの操作方法を教えてください。 パク・サンフン氏: キックは、左クリックで地面を蹴るキック、右クリックでロビングキックとなっています。クリックにシュートやパスの概念を入れるのではなく、すべてアナログで、ゴールにマウスのポインタを向けて蹴るとシュート性のキックが出ることになります。FPSゲームのようにアイコンをターゲットして、そこにボールを蹴ることになります。マウスの位置によってポインタの位置も変化します。 編: 横を見ながら走っていくことも可能なのでしょうか。 パク氏: 可能です。後ろを見ながら走ることもできます。 編: ということは、向いている方向にパスが飛ぶわけですか。 パク氏: いいえ、パスする位置がわかるわけではありません。まだ完璧ではないですが、たとえば、キャラクタが向いている方向と逆に方向転換して、ボールを前方に蹴ることでフェイントをかけることもできます。 編: ファンクションキーに割り当てられているセレモニー機能は面白いなと思いました。現在は5種類のキーがありますが、今後どのように拡張していくのでしょうか。 パク氏: 現在は5つだけですけれども、アイデアが出次第追加したいです。
■ プロアマ制を採用し、ポジションはプロリーグから設定
パク氏: 「Free Style Football」の理想としては1人のユーザーが1人のキャラクタを育てるワンユーザーワンプレイという概念を強く打ち出しました。ですから、キャラクタの扱いは変わりません。ポジションの変化もありますが、それを基本にしてもう少し違いを入れたら面白いのではないかと考えています。 編: といいますと、ポジションはキャラクタメイキング時に設定するのではなく、試合ごとに変えられるのでしょうか。 パク氏: 「Free Style Football」はレベルがアマチュアとプロにわかれています。アマチュアのうちは自分のポジションを選ぶことができません。ユーザーは元々自分のキャラクタを選ぶ時に攻撃的や守備的という性格があります。最初は攻撃的なポジションに集中しがちなので、ポジションの偏りを防ぐために、「Free Style Football」ではプロになって初めて自分でポジションを選ぶことができます。ポジションによって能力値が多少違います。「フリスタ」はレベル15になったら、自分のポジションに転職することができます。「Free Style Football」もプロになった段階で、自分のポジションを選ぶことができるのです。 編: プロに昇格した後に、それまでのアマチュアでの経験をもとに、向き不向きを判断して自分のポジションを決めるという形ですか。 パク氏: そうですね。ポジションの選択をするときはトレーナーのところにいってトレーニングします。自分の欲しい能力を訓練すると自分の持っている能力が落ちてしまうのでユーザーの能力が全部バラバラになります。 編: 「フリスタ」にあったような多彩なスキルは、今回どうなりますか? パク氏: 現在は、サッカーの基本である、走る、蹴るといったアクションをいかにサッカーに近づけるかということを考えて開発しています。今後色々なスキルを考えてシステムとして盛り込みたいのですが、今はまだその段階ではないと考えています。最初に根幹を固めたあと追加要素として考えたいです。 編: フェイントやオーバーヘッドキックといったスキルも当然覚えられるわけですね。 パク氏: はい。現在フェイントはキーボードの操作で似たようなことはできますが、どのように実装していくか調整しているところです。 編: 男女のキャラクタ間で性能差はあるのでしょうか。 パク氏: バランス的な部分は難しいことではないのですが、先ほども申し上げたように現在は、サッカーの基本部分の開発に力を入れたいです。今後追加したいです。 編: 日本の「フリスタ」は、スペシャルキャラクタの存在が大きいです。「Free Style Football」にもスペシャルキャラクタは登場しますか? パク氏: まだそこまでは計画していません。 編: 「フリスタ」では独特のセンスで描かれた奇抜なアバターが良い雰囲気をもたらしていますよね。「Free Style Football」ではどのようなアバターアイテムを用意していますか。 パク氏: 「フリスタ」はバスケットボールに加えてヒップホップのイメージがあります。そのためアバターの人気が高かったのですが、「Free Style Football」ではあえてリアルなサッカーを入れたいです。ユニフォームやソックスなどの部分に工夫を厚くしたいです。ライセンスの問題がクリアできればナショナルチームのデザインも考えたいです。 編: アイテム課金となるとアバターアイテムの充実は必要不可欠だと思いますが、リアルなサッカーのポリシーとどのように両立させていくつもりですか。 パク氏: もちろん、アイテムの課金システムではアバターは不可欠です。有名なブランドとタイアップしたり、特定の国のユニフォームなどもライセンス問題を乗り越えて導入したいです。弊社だけではなくて他の企業さんとの話し合いの中で考えたいです。
■ 目標は「フリスタ」超え。日本を含む海外展開も視野に
パク氏: アマのランクには1と2があり、あまり意味が大きくなく、プロになること自体はそれほど難しいことではありません。プロの中にも1と2があり、本当のアマとプロのリーグと同じくその差は非常に厳しいです。リーグのスケジュールをちゃんとやって成績がよければ昇格するというシステムになっています。 編: 世界戦は? パク氏: まだありません。国内に限定したチャンピオンシップリーグがあります。 編: ランクを上げるためにはどうすればいいのですか? パク氏: スケジュールに沿って試合をこなし、良い成績を収めるとランクがあがります。クラブの実力ではなく個人のレベルで上がっていきます。 編: アマの1と2というのはいわば初心者部屋のようなものなのでしょうか。 パク氏: チュートリアル機能は、アマの前段階で用意されています。アマの特徴としては、ユーザー同士だけではなくNPCとも対戦することができるところです。プロは対人戦のみになります。 編: プロになると年俸がもらえるとのことでしたが、獲得したお金は何に使うのですか? パク氏: ゲーム内で使えるキャッシュなのですが、キャラクタやアイテムや能力アップアイテムなどを購入することができます。 編: 「フリスタ」の時は、試合を行なうたびに、経験値に加えてゲーム内通貨を獲得できましたが、そのシステムはなくなるわけですね。 パク氏: はい。シーズンが終了すると自動的にシステムとユーザーが年俸の協議をします。 編: プロサッカー選手は高額の年俸をもらうことで知られていますが、トップランクの年俸で、何が買えるようになるのでしょうか? パク氏: そこまではまだ考えていないです。 編: 実在のチームや選手は登場するのでしょうか。 パク氏: 現在は検討中です。国内サービスをする予定なので、韓国のチームと契約するなど検討しています。 編: 目標とする売り上げや人気はいかがですか。 パク氏: まずは「フリスタ」を超えることを目指したいです。韓国ではサッカーの人気が高いので十分狙えると考えています。 編: 日本を含む海外展開はいかがですか。 パク氏: 詳しくはわかりませんが、国内の正式サービスを行なった後、アジアに展開したいです。最終的にはサッカーの本場のヨーロッパにいきたいです。その国のもつサッカースタイルを研究していきたいです。 編: 「Free Style Football」の中で今後やってみたいことはありますか。 パク氏: サッカーの実際の面白さはどの国にいっても同じなので、基本的な部分をしっかり作り込んで、キャラクタとボールの関係やボールの動きを研究して本当にサッカーをしている感じを表現したいです。 編: 正式サービスの開始時期はいつぐらいを考えていますか。 パク氏: 2009年の半ば頃を目標に開発を進めています。 編: 日本のサッカーファン、ゲームファンに向けて一言お願いします。 パク氏: 「FIFA 09」や「ウィニングイレブン」といったサッカーゲームがあったからこそ「Free Style Football」の企画も持ち上がったと思いますので、オンラインゲームを代表する作品として頑張りたいです。日本の皆様にたくさんの関心を頂きますようよろしくお願いします。 編: ありがとうございました。
(2008年11月17日) [Reported by 中村聖司]
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