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会場:韓国国際展示場(KINTEX)
入場料:5,000ウォン(前売り3,000ウォン) 従来の韓国オンラインゲームにはなかったアクション性、アニメーション、スピード感、爽快感など、コンシューマのハイデフクオリティを韓国PCオンラインゲーム界に持ち込んだという点で非常に画期的な作品と言える。
今回は、開発元EYEDENTITYの「ドラゴンネスト」プロダクションディレクターのキム・ウンヒョン氏と、ゼネラルマネージャーのチョン・ジェギュン氏に話を伺った。
■ 韓国コンシューマ開発スタッフが手がけたコンシューマライクなオンラインゲーム「ドラゴンネスト」
キム・ウンヒョン氏: 開発チームの主要メンバーに元々コンシューマゲームを制作していたメンバーが複数います。アクションゲームの最適なモデルはコンシューマゲームだと思っていますが、コンシューマゲームの長所とオンラインゲームの長所を組み合わせたゲームを作りましょうというのがそもそもの開発経緯になります。 編: 主要メンバーは、以前所属していたゲームメーカーで、どのようなタイトルを手がけてきたのですか? キム氏: 「Kingdum Under Fire :Crusader」、「Ninety Nine Nights(N3)」など主にXboxプラットフォームでの開発を行なってきたクリエーターたちが集まっています。 編: EYEDENTITYはこれまでどういった作品を開発してきましたか? チョン・ジェギュン氏: EYEDENTITYは2007年に生まれたばかりの会社で、本作がはじめての作品になります。 編: 発表会でゲームの説明を行なった代表取締役社長のイ・ウンサンさんはSCEK出身です。スタッフも開発経験がある。それなのにコンシューマではなく、PCオンラインゲームを作ることになったのですか? チョン氏: イはSCEKではコンソールの流通マーケティングを行なっていました。SCEK退職後にWebzenでオンラインゲームのことを学びました。その影響が大きいのだと思います。 編: 「ドラゴンネスト」のタイトルの由来を教えてください。 キム氏: タイトルの意味はドラゴンの家という意味です。世界観はドラゴンが世界を支配しているのですが、隠されているのでユーザーはわからないのです。最終的にはユーザーはドラゴンと戦うことになります。後半のチャプターでドラゴンと戦う場面が出てきます。途中のイベント等でドラゴンが出てくることもあります。 編: ゲームの作りは非常にコンシューマライクですが、オンラインゲームとしてのデザインはどのようになっているのでしょうか。 キム氏: コンシューマゲームは1人でプレイすることが多いですが、「ドラゴンネスト」はオンラインゲームですので、オンラインゲームの長所である他の人と協力しながらプレイをするという部分を活かしたデザインになっています。コンシューマならではのアクション性のテイストを十分に活かして作られています。 編: ということはゲームの作りとしては、単純なオンラインゲームではなく、CO-OPプレイに対応したコンシューマゲームに近いと考えて良いのですか? キム氏: 色々と混ざっています。街では、一般的なMMORPGと同じように大勢のユーザーがいて、そこでパーティーをつくってステージのエントランスに向かいます。各ステージではパーティーメンバーと一緒にアクションゲームがプレイできます。 編: 最大何人まで同時にプレイできますか? キム氏: ステージでプレイできる人は4人です。コンテンツの追加に合わせて多くの人が一緒にプレイできるようにしたいです。 編: グラフィックスの美しさ、動きの早さ、アニメーションの丁寧さが非常に印象的ですが、ゲームエンジンはどういったものを使っているのですか? キム氏: 自社開発エンジンです。テクニカルディレクターが以前から開発してきたものを取り入れました。グラフィックスも物理エンジンも自社開発です。 編: 発表会でイさんは、グラフィックスを鮮やかに見せるためにエンジンを最適化していると話していましたが、具体的に何を行なっているのですか? キム氏: アートディレクターやグラフィッカーが、そうしたゲームエンジンの上にキャラクタやオブジェクトを乗せても色あせないようなノウハウを持っています。うまくいっていると思います。
■ MMO空間の街を基点に、仲間達とインスタンスに繰り出していくMOアクションのスタイルを採用
キム氏: 基本的には後者になります。街はMMO空間ですが、各ステージはインスタンスになっています。 編: ストーリーはエピソード単位になるのでしょうか。 キム氏: そうです。正確には複数のエピソードで1つのチャプターを構成していますので、チャプター単位ということになります。現在、5つくらいまでのチャプターを企画しており、オープンサービス時には3つ、正式サービス時には4つを実装できるようにしたいです。 編: エピソードは1人でもクリアできるのでしょうか。 キム氏: 基本的に1人でも進められます。空間によっては複数人で一緒にやらなくてはいけない部分もありますし、色々なシステムがあります。 編: 今回印象的だったのは巨大なボスとのバトルです。どのような戦い方が可能ですか? キム氏: 1つ例をあげますと、トカゲの形をしたバジリスクというモンスターがいます。背中を硬い甲羅でカメのように覆われていて、その上を攻撃してもあまり効果がありません。時々ひっくりかえって弱点が露出するので、そのときに攻撃すると効率的にダメージを与えられるといったギミックがあります。 編: このゲームを作る時に影響を受けたタイトルはありますか。 キム氏: これまでたくさん楽しんだゲームからは色々と影響を受けていると思います。「BIOHAZARD 4」が印象的でしたが、そのほかにも色々影響を受けています。 編: かなり重そうなゲームに見えますが、PCのスペックはどの程度のものが必要なると考えられますか? チョン氏: 想像されているよりも低スペックで動作します。数年前のGeForce6000シリーズでも問題ありませんし、それ以下でも動作するようにしています。 編: それから非常にスピーディーなゲームですので、ネットワークの遅延によるラグについては大丈夫なのですか? キム氏: あることはあると思いますが、テストした限りでは一般的なタイトルが起動できる環境であるなら問題ないと思います。 編: コミュニティ機能について教えてください。 キム氏: オンラインゲームで必要となる基本的な機能は揃えています。追加として、パーティープレイを円滑にするために巨大モンスターなど特定のステージを遂行するためのパーティーの募集の仕方に工夫を盛り込んでいます。企画段階で名前はまだないのですが、一般的なRaidのような一過性のパーティーをもう少し結束力を持って継続させられるような仕組みを作ろうとしています。 編: それはギルドとは違うのでしょうか。 キム氏: ギルドはどちらかといえば親睦を深めるためのコミュニティですが、我々が作ろうとしているものはもう少し脱退や加入が簡単にできて、目標意識をより高めた仕組みです。 編: チャット以外のコミュニケーション機能はありませんか。たとえば、コンシューマゲームではボイスチャットが標準搭載されていますよね。 キム氏: いまのところテキストチャット以外のコミュニケーション機能を実装する予定はありません。ボイスチャットの企画はしていますが、テストが進んでおらず、実装できるかどうかわからないので、まだ申し上げられないです。 編: ゲームパッドには対応しないのでしょうか。 キム氏: ゲームパッドについては、大きな問題として現在検討しています。「ドラゴンネスト」ではカメラの操作をマウスで行なっているため、その操作をパッドで行なうのは難しいのではないかと考えています。これが解決できれば問題ないのではないと思います。 編: 日本展開についてはいかがですか。 キム氏: 機会がくればお話できると思います。実はパブリッシャーも決まっています。 編: それはやはりネクソンジャパンですか? キム氏: いずれお話できると思います(笑)。 編: 日本のユーザーさんに一言お願いします。 キム氏: 「ドラゴンネスト」はスピーディーなアクションが簡単な操作で楽しめます。楽しく面白いアクションゲームを周りの友達と楽しめるように作っていますので、日本の皆さんと早くお会いできることを楽しみにしています。
編: ありがとうございました。
(2008年11月16日) [Reported by 中村聖司]
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