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G-Star 2008現地レポート

SK Telecomブースレポート
オリジナル要素満載のPSP版「パンヤ」は日本語版も開発済み

11月13日~16日 開催(現地時間)

会場:韓国国際展示場(KINTEX)

入場料:4,000ウォン(前売2,000ウォン)
    子供2,000ウォン(前売1,000ウォン)


 SK Telecomは、韓国で最大の携帯キャリアである。出展タイトルもモバイルゲームが多いものの、Ntreevを始めとしたゲームデベロッパーを子会社に持っており、PCやコンシューマ向けのタイトルも出展されている。

 今回の出展の中で一番の見所は、Ntreevが発売を予定しているPSP用ゴルフゲーム「ファンタジーゴルフ パンヤ ポータブル」だ。韓国では昨今、PSPの人気が急激に伸びており、会場では数少ないPSPソフト、しかも新作タイトルとあって、試遊コーナーには常に人が集まっていた。

 実はWindows版の「スカッとゴルフ パンヤ」は、日本ではメガヒットタイトルとなっているが、韓国ではそれほどでもない。Ntreevとしても、PSP人気に乗じて「パンヤ」ブランドを再度展開し、Windows版へのてこ入れ効果を狙いたいところもあるのだろう。

 モバイルゲームでは、NEXON MOBILEの「メイプルストーリー ハンディワールド」や、先日開催された「東京ゲームショウ2008」でも出展されたタイトーの「対戦パズルボブル ~日×韓MIX~」などを出展。PCゲームは、「デジタルモンスター」を題材にしたMMORPGの新作「DIGIMON MASTERS」や、日本でも展開が始まった「LUNA ONLINE」(邦題: Legend of LUNA)など3タイトルが出展された。



■ PSP「ファンタジーゴルフ パンヤ ポータブル」

ゲームがシンプルなこともあり、試遊台に手が届くかどうかの子供から年配の方まで、幅広い層の人が集まっていた
発売日はまだ決まっていないが、パッケージが置かれていた
ディレクターのキム・ペホン氏。「外国のメディアの取材を受けたのは初めて」だそうで、さまざまな要素を饒舌に語ってくれた
 Windows用ゴルフゲーム「スカッとゴルフ パンヤ」の開発元であるNtreevが自ら開発する、PSP用のゴルフゲーム。ファンタジックな世界の中で、タイミングよくボタンを押してスイングするといった基本的な部分は、Windows版と共通している。インターフェイスこそ異なるが、マニュアル不要ですぐにでも遊べる手軽さは健在である。

 会場で実際にゲームを触れた時間はわずかだったが、Ntreevで本作のディレクターを務めるキム・ペホン氏に詳しい話を聞けたので、その内容をお伝えする。

 まず本作は、Windows版の「Season3」ベースに制作されたもので、Wii版とは完全に別のラインで開発されているという。ゲームモードは、シングルプレイ用に「ストーリーモード」、「ライセンスモード」、「トーナメントモード」、「フリートライアル」の4つと「チュートリアルモード」。そしてマルチプレイ用の「ネットワークモード」が用意されている。

 まず「ストーリーモード」は、Windows版の「Season3」までに登場する8人のキャラクタごとに異なるストーリーが展開される。それぞれプロローグ、エピソード1、エピソード2、エピローグという4部構成で、その中に複数のステージが用意されている。各ステージではストーリーに沿った対戦相手となるキャラクタが登場し、勝利すれば次のストーリーに進んでいく。

 8人のキャラクタのストーリーをクリアすると、隠しキャラクタが登場する。キャラクタの表示枠はなんと18個も用意されており、他に10キャラクタが登場するようだ。既存キャラクタのアレンジなども含まれるのかもしれないが、少なくとも1人は「CIEN」というオリジナルキャラクタを用意しているという。

 「ライセンスモード」は、与えられたミッションをクリアしていくモード。ミッションには「アルバトロスを取れ」や「300PP(ゲーム内ポイント)集めろ」などさまざまなものがあり、好きなものを選んでプレイできる。クリアすると「ミッションポイント」を獲得でき、これを一定量貯めるごとに1つ上のライセンスが与えられ、最初は選べない状態の「トーナメントモード」や「フリーラウンド」といったゲームモードがアンロックされる。

 「トーナメントモード」は、Windows版の「大会モード」をベースにした、30人同時にプレイするモード。自分以外のプレーヤーはNPCとなるが、多くのプレーヤーと競いながら遊ぶ感覚をシングルプレイに持ち込んでいる。「フリーラウンド」は文字通り好きなコースとホールを選んで遊べるもの。練習モードではあるが、PPは入手できる。

 マルチプレイの「ネットワークモード」では、アドホックモードで最大8人同時プレイが可能。ゲームは全員同時にプレイする「大会モード」の形式になるが、個人戦だけでなくチーム戦も選べる。またシングルプレイよりもPPが多くもらえるという特典も用意される。

 獲得したPPは、クラブやキャラクタの衣装などのアイテム購入に使える。アイテムの総数は1,300種類以上にもおよび、PSP版のオリジナルコスチュームも収録しているという。

 システム面のオリジナル要素としては、「初心者設定」がある。設定でこれをONにすると、インパクトゾーンが広がったり、カップが大きくなったりして、ゲームの難易度がいくぶん下げられる。他にPSP版の開発においては、PCやWiiに比べて性能が低いため、グラフィックスなどのクオリティを落とさないよう、最適化には力を入れているという。

 発売日は、韓国では2008年内の予定で、価格は未定。詳細は来週にも発表できる予定だという。そして気になる日本での発売については、現時点ではまだ未定だが、既に日本の企業からオファーは来ているという。そして驚くことに、既に日本語版のローカライズ作業は終了しているそうだ。ゲーム自体はこれからまだ詰める部分はあるとしているが、日本のパブリッシャーさえ決まれば、韓国版から間を空けずに発売できる準備は済ませているわけだ。

 キム氏は日本のユーザーに向けて、「世界でも最も『パンヤ』の人気が高い日本で、なるべく早くゲームをお見せできるように頑張りたい」と語ってくれた。決定事項はないとはいえ、これは期待して待っていてもよさそうだ。

【スクリーンショット】
Windows版より解像度は低いのは致し方ないが、キャラクタやマップのクオリティは違いがわからないレベルで、フレームレートも高く快適に遊べる




■ モバイル「メイプルストーリー ハンディワールド」

配信中ということもあってかプレイする人は少なめ。ただ完成度は非常に高い
 Windows用2DMMORPG「メイプルストーリー」をベースに作られたモバイルゲーム。SK Telecomが6月からサービスしている配信中のタイトルで、利用料金は月額2,000ウォン。SK Telecomのデータ定額制に加入していない場合は月額4,000ウォンとなる。

 ゲームは驚くほど「メイプルストーリー」を忠実に再現している。グラフィックスはもちろんだが、計15種類の職業があり、2次転職までできる。またオンラインプレイにも対応しており、最大4人で同時プレイが可能。MMOではなくMOだが、他のユーザーとクエストに挑めるという、完全なオンラインゲームになっている。

 操作は方向キーとテンキーの両方に対応しており、横方向は移動、上でジャンプできる。方向キーだと端末によっては斜めが押しにくい場合があるが、テンキーで1や3を押せば斜め上にジャンプできる。攻撃はセンターキーないし5ボタンを連打でいいので、どちらでも不自由なく操作できる。

 PC向けMMORPGの中では、かなりカジュアルな部類に入る「メイプルストーリー」だが、モバイルゲームでとなると話は別。グラフィックスはとても良質で、非常にやりごたえのあるオンラインゲームだと感じた。少し空き時間ができたときには1人で簡単に遊べるクエストを選び、じっくり遊びたいときは他のプレーヤーを誘って難しいクエストにチャレンジするといった具合に、状況に応じた遊び方を選べそうなのもモバイルゲーム向きだと感じる。

 日本の端末への移植は予定されておらず、技術的にも難しいとは思うが、ぜひともじっくり遊んでみたいタイトルである。

【スクリーンショット】
PC版のイメージがほぼそのままといった感じだが、これがモバイルでサクサクと動き、しかも通信プレイまで可能というのは賞賛に値する




【その他のタイトル】
モバイルパズルゲーム「対戦パズルボブル ~日×韓MIX~」は、韓国から東京のスタッフと通信対戦できるという、「東京ゲームショウ2008」の逆パターンで出展 モバイル音楽ゲーム「RHYTHM STAR」。シンプルな画面構成で、9つのキーを使うのが特徴
「デジタルモンスター」を題材にしたWindows用MMORPG「DIGIMON MASTERS」。モンスターを召喚して戦わせるゲームで、昨年出展された「DIGIMON RPG」とは別の作品
昨年も出展された、じゃんけんで進むWindows用恐竜対戦ゲーム「DINOMACHIA」 日本でも展開が始まっているWindows用MMORPG「LUNA ONLINE」


□G-Star 2008のホームページ
http://www.gstar.or.kr/
□SK Telecomのホームページ
http://www.sktelecom.com/
□関連情報
【11月13日】韓国最大規模のゲームショウ「G-Star 2008」が開催
業界再編後初のショウ、自社開発からパブリッシングへの流れが顕著
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20081113/gstar08_01.htm
【2007年11月11日】SK Telecomブースレポート
韓国の伝統的スポーツをカジュアルゲーム化した「GONGBAK」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20071111/skt.htm
G★2007 記事リンク集
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20071111/gslink.htm

(2008年11月15日)

[Reported by 石田賀津男]



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