★PS3/Xbox 360/PSPゲームレビュー★
ドリブル、パス、シュート、ゴラッソ!!
リアル系サッカーゲームの真打がついに登場
「FIFA09 ワールドクラスサッカー」 |
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PS3/Xbox 360版「FIFA09」 |
サッカーは全世界で2億4,000万人がプレイしていると言われるメジャースポーツだ。同様にコンピューターゲームの世界でも人気のあるジャンルで、プレイステーション 3、Xbox 360といった最新ゲーム機におけるソフト売り上げを見ても、サッカーゲームの主要タイトルは毎年数百万本の売り上げを記録している。
そういったサッカーゲームの中で、EA SPORTSブランドの「FIFA」シリーズが世界市場の一角を支配している。このシリーズはFIFA(国際サッカー連盟)のオフィシャルライセンスを受けており、世界各国のクラブチーム、ナショナルチームが完全実名で登場するというリアルさが強みのひとつだ。
その「FIFA」シリーズの最新作が、今回ご紹介する「FIFA09 ワールドクラスサッカー」だ。シリーズの開発を継続的に担当しているEA Canadaスタジオの経験と開発力により、本作は、リアルなグラフィックスを実現しただけでなく、ゲーム中の試合内容もリアル感溢れるものに仕上がっている。
本作はマルチプラットフォーム展開も特徴的で、最新作となる「FIFA09」の名を冠するタイトルは、国外向けも含めると、プレイステーション3/Xbox 360/Wii/プレイステーション 2/PSP/ニンテンドーDS/Windows PCといった機種に供給されている (国内ではPS3/Xbox 360/PSP。Wiiはタイトルが「FIFA 09 ALL-PLAY」。Windows版は「英語版 日本語マニュアル付」となる)。その全てはご紹介しきれないので、本レビューでは、最もリッチなバージョンであるプレイステーション 3/Xbox 360版と、携帯に便利なPSP版の内容についてご紹介したい。
■ よりダイナミックなサッカー体験の実現へ、大きく様変わりしたPS3/Xbox 360版
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「FIFA09」は様々な面で進化し、前作とは完全に別のゲームになった |
まずPS3版およびXbox 360版について触れたい。この2機種用の「FIFA09」は、シリーズにおける最上位版として進化の最前線に位置づけられているバージョンで、両機種にほぼ同じ内容が提供されている。
「FIFA」シリーズにおける最も大きな改革は、2008年にリリースされた前作「FIFA08」で行なわれた。それは、コントローラの右スティックを使用して様々なテクニックを繰り出す“スキルムーブ”の導入、ひとりの選手だけをプレイする“BE A PRO”モードの導入、そしてオンラインで5対5の対戦を行なう“BE A PROチームプレイ”である。
「FIFA 09」では、それらの要素を受け継ぎつつ、さらに多方面の改善やスケールアップを施して進化を遂げた。その中でも特に大きな変化は、コンピュータAI、選手アニメーションをはじめとするゲーム的な部分が別物と言っていいほど変わったことと、“BE A PROシーズン”やオンライン対戦の10vs10対応といったゲームモードの拡張である。
・よりプレイしやすくなった、基本操作の変化
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「FIFA08」からおなじみのアリーナ画面。ロード画面で選手を操作して練習できる |
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フリーキックでは2人目のキッカーを使えるようになった |
まず基本の操作性は、前作「FIFA08」に比べ、かなりクイックな感触になっている。全体的に、ドリブル、パス、シュートといったボールを扱う動作がワンテンポ速くなった印象だ。
これはキャラクタアニメーションの大幅な変更による影響も相当程度あって、前作では見られなかった動きでボールを扱うシーンが多く見られる。結果的には、よく「もっさり感がある」といわれた前作に比べ、動きの現実性を残しつつ操作性が向上した。
この点については実は調整が可能で、ゲームスピードを“速い”、“普通”、“遅い”から選択できる。“速い”ではさらにすべてがクイックに動くし、“遅い”では前作「FIFA08」に近いバランスで遊べる。こういった調整可能なゲーム性は本作における大きな進化のひとつだ。
新しい操作も追加されている。例えばパスが足下に来たとき発動する“スルー”。受けると見せたボールをトラップせず、そのまま進行方向に居る選手へ渡すというフェイントテクニックだ。またフリーキック時に2人目のキッカーを呼べるようになった(いわゆるレイオフマン)。2人目のキッカーに蹴らせるもよし、パスを出してシュートさせるもよし、蹴るふりをさせて自分で蹴るもよし、サッカーで想定されるほとんどの動きが可能だ。
ボールと選手の動きの面では、前作ではかなり使い辛かったスルーパスの挙動が変化し、かなり使いやすくなった。パスの出し手、受け手、それを妨害するディフェンス、三者の動きが異なるものになったことが原因だが、理想的な状況では、かなり迫力のあるキラーパスを演出できる。このあたりは前作以上にスピーディにゲームが展開するよう練られているような印象だ。
また、操作方法のカスタマイズ性が格段に高められており、あらゆるボタン設定を変更可能になったほか、十字ボタンでの選手操作も可能となった。このため他機種版の「FIFA」シリーズや、他のサッカーゲームからの移行において障害が少なくなっている。
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グラフィックスはご覧の通りのクオリティ。最新世代機のパワーを十二分に使い切っている |
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現実のサッカーの結果をゲーム内選手の調子に反映する“ADIDAS ライブシーズン”は、一種の体験型サッカーニュースとして面白い試みだ。筆者取材時点ではバルセロナが絶好調だった |
・よりダイナミックなサッカーを演出するAIの改善と“チーム戦術”システム
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コンピュータAIは、前作に比べ、チーム毎の特色が強く出るようになった |
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“チーム戦術”の設定画面。複数の設定を記録しておき、状況に応じて呼び出すこともできる |
主にソロプレイでお世話になるコンピュータAIについては、非常に好ましい変化が加えられている。前作「FIFA 08」では、AIプレーヤーの傾向がチームによらず「とにかく引いて守る」、「とにかくボールをキープする」といった方向に傾倒しすぎていたのが弱点だったが、これがガラリと変わった。
今作では、ディフェンダーは積極的にボールを取りに出てくるし、機を見るやワンタッチツータッチのパスを繋いだ速攻もある。おかげで、ゲームのテンポが非常に良くなっているし、前線でパスを回して相手を崩す楽しみも増した。したがって、前作で「何か違う」と思ったユーザーも、今作で再チャレンジしてみる価値は大いにある。
そして、AIの傾向がチーム毎に大きく異なるようになったのも素晴らしい改善点だ。それを支えているのが、今作で導入された“チーム戦術”というシステムの存在だ。これはチームのフォーメーションを決める事と同じくらい重要な概念で、チームの各局面におけるプレイスタイルを決定するものだ。
“チーム戦術”の設定項目は、“ビルドアップ”、“チャンスメイク”、“ディフェンス”の3カテゴリに分かれている。例えば“チャンスメイク”のカテゴリには、“パス”、“クロス”、“シュート”の3項目があり、それぞれパスを出す確率、クロスを上げる確率、シュートする確率を細かく調整できる。
一例としては、プレイ中に「どうもパスコースが切られがちだな」と思ったときに、“ビルドアップ”カテゴリの“パス”項目を上昇させると、周りの選手がパスを受けるために寄ってくる頻度が高まり、ボールを繋ぎやすくなる。また、ディフェンス時に「中盤で自由にボールを回されすぎている」と感じたら、“ディフェンス”カテゴリの“プレッシャー”や“積極性”を調整して、ディフェンダーが前に出てボールを取りに行く頻度を上げよう。
“チーム戦術”はこのような形でチーム全体の動きを強く定義する存在であり、デフォルトでは各チームの個性を反映した設定になっている。このため対戦する相手毎に違ったサッカーが展開するわけである。オリジナルの戦術を作り上げてその効果を確かめる、という遊び方も非常に面白い。
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チーム戦術の内容にもよるが、一般的にAIのディフェンスは、前作に比べてずっとアグレッシブにボールを取りに来るようになった印象がある。攻撃面ではスピードのあるパスワークを見せてくるので、ゲーム展開が全体的にスピーディだ |
・西岡明彦氏と岡田武史氏の実況解説コンビもパワーアップ
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ゴールが決まれば「ゴール、ゴール、ゴール!!」と西岡氏の実況が盛り上げてくれる |
プレイを盛り上げてくれる実況・解説にも触れておきたい。今作では、前作から続けて、実況に西岡明彦氏、解説に岡田武史氏が起用されている。様々な局面に合わせた膨大な音声データが新規録音となり、例えばゴールシーンでは「ゴール、ゴール、ゴール!! 決まりました!!」と西岡氏が盛り上げてくれる。前作のプレーヤーも新鮮な気持ちでプレイできることだろう。
また、この実況解説コンビで前作から好評だったという“試合に関係ない雑談”もパワーアップ。西岡氏が自身のサッカー経験を披露したり、岡田氏がサッカーのゴールの構造について熱く語ったりと、どうでもいい(笑)話題が多数収録されていてとても楽しい。
そのほかにも好ましい変更点は数多あるのだが、とてもすべてを紹介しきれない。ひとまずグラフィックス面の内容を示すため、以下に有名選手のスクリーンショットを掲載しておきたい。どの選手も、激似と言って差し支えないほどよく作られていると思うが、いかがだだろうか?
【スクリーンショット】
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ロナウジーニョ |
ピルロ |
カカー |
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C.ロナウド |
ルーニー |
ファン・ペルシ |
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ジュニーニョ |
カリム・ベンゼマ |
中村俊輔 |
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シュヴァインシュタイガー |
リベリー |
イブラヒモビッチ |
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ドログバ |
アシュリー・コール |
ベッカム |
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メッシ |
アンリ |
ファン・ニステルロイ |
■ ひとりの選手としてキャリアアップを目指す“BE A PROシーズン”
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一選手として4シーズンのキャリアを過ごす“BE A PROシーズン” |
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自分の分身となる選手を操作し続ける。ポジション意識を高めよう |
本作のシングルプレーヤーモードには、任意のチームで対戦する通常マッチのほか、各国リーグのカップ戦を模した“トーナメントモード”、監督として1チームを率いリーグ戦を戦う“マネージャーモード”など、各種のゲームモードが搭載されている。
その中から、今作で新たに搭載された“BE A PROシーズン”モードをご紹介しよう。このモードでは、ひとりの選手として任意のチームに所属し、4シーズンを戦う。エディット機能で作成したオリジナル選手を使用することも可能で、その場合は経験値10,000を自由に振り分けて初期の選手能力を決定する。
“BE A PROシーズン”モードでオリジナル選手を使う場合、全く無名の状態からスタートだ。残念ながらベンチウォーマーになるといった状況は無く必ず試合に出場できるのだが、充分な実績を上げるまではリザーブチーム(いわゆる二軍)の試合で結果を出す必要がある。
選手のポジションは、エディット時点で自由に選択できるのだが、チーム内で同じポジションにもっと優れた選手が居る場合、異なるポジションでの起用になることが多い。そのため思うような活躍ができず悶々としてしまうこともある。それでもがんばって評価を高めていけば、理想のポジションを奪取し、やがてはトップチームへの起用を受けることになる。
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優秀な成績を残してシーズンを終えれば、高ランクのチームから誘いがかかる。キャリアアップを目指そう |
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好成績で試合を終えると大量の経験値がもらえる。おかげで選手の成長が極端すぎる気もするが…… |
“BE A PRO”シーズンモードにおける最終目標は、4年目のシーズンを終える段階で、最高の評価である“レジェンドプレーヤー”になることだ。これを達成するためには最低でも平均レーティング9.0以上という結果を残す必要があるが、毎試合活躍するごとに与えられる経験値を使ってキャラクタ能力を向上させることがその助けになるだろう。
ちなみにプレーヤーの評価は“リザーブ”、“リザーブキャプテン”、“トップチーム帯同”、“チームメンバー”、“キープレーヤー”、“キャプテン”、“レジェンド”の6段階。キャプテンになればチームのフォーメーションや戦術を、監督なみの職権で操作できるようになるので、チームを自分好みのシステムに変えて活躍の場をさらに広げることができる。
この“BE A PRO”モードで少々残念だった点は、キャラクタの成長に使う経験値の獲得量が、あまりに多すぎることだ。
特にフォワードで点取り屋としてプレイしていると、ハットトリック以上の結果を出した際に1試合で2,000~3,000の経験値を獲得できることがある。これというのは、選手の能力1種類を一気に凡人並みからワールドクラスに向上させられるほどの数値だ。
そうするとさらに活躍できるようになり、続けて大量の経験値を獲得するという流れで、選手能力のインフレが進行しがちになる。筆者の場合、2シーズン目で全能力MAXのモンスターストライカーが生まれ、32試合出場で153得点という非現実的な結果を残してしまった。
この点、単なる足し算ではなく「何かを得るためには、何かを失う必要がある」といったトレードオフの要素が成長要素に組み込まれていれば、より味わい深いゲームになったかとも思う。次善の策としては、次に“BE A PROシーズン”をプレイする際に、ある程度ゲームの難度を上げて(例えば“ワールドクラス”以上)望みたいと思ったところである。あるいは、なかなか評価されにくいディフェンダーのポジションをプレイするのもいいだろう。
【BE A PROシーズン】
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エディットで自分の分身を作り、好みのチームに入団 |
まずはリザーブチームから出発し、実績を積んでいく |
トップチームで結果を残せば代表戦への招集も。レジェンドを目指そう |
■ サッカーゲーム界の新たなスタンダード、10vs10対戦を実現する“BE A PROチームプレイ”
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20人が集まるゲームロビーはなかなか壮観 |
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ポジションを選択。前線のポジションの人気が高いのは確かだが、しかしディフェンスも楽しいのが“BE A PRO”の良いところだ |
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いざ試合。お互いのポジションを確認しながらプレイを続ける。この感覚は今までのサッカーゲームに無かったものだ |
対戦派のプレーヤーのために、本作のオンラインプレイモードをご紹介したい。まずチーム全体を操作して他のプレーヤーと対戦する形式のゲームモードとしては、通常のマッチモードと、複数プレーヤー・チームでリーグを組み勝ち点を競う“オンラインリーグ”などが搭載されている。
そして各人がひとりの選手としてプレイできる“BE A PRO チームプレイ”モードの存在が本作の最大の面白い点だ。前作では5vs5までであったこのモードは、今作においては10vs10に拡張され、ゴールキーパーを除く全ての選手をプレーヤーが操作して対戦できるようになった。
多人数対戦となれば気になるラグの問題だが、筆者のプレイしたほとんどのセッションで驚くほど快適にプレイできた。前作の5vs5より軽く感じるほどだ。筆者取材時点では海外プレーヤーとのマッチングが主だったが、日本版の発売後は国内同士のマッチングが多くなるはずであり、さらに快適なプレイが期待できそうだ。
さて、この“BE A PROチームプレイ”では、従来的な、チーム全員をカーソルを切り替えながら操作するスタイルとは全く別のゲームになる。なにしろ全員が人間なので、ありとあらゆる事が起こるのだ。
不慣れなプレーヤーが多い場合にありがちなのは“全員がボールに群るドタバタ小学生サッカー”といった状況だが、それもまた面白い。サイドからのクロスに5人も6人もつっこんで行くシーンなど、腹を抱えて笑いながら楽めばいい。
ある程度スキルの高いプレーヤーが集まると、一転して気の抜けないシリアスな展開となる。各人が各人のポジションが果たすべき役割を理解し、他のプレーヤーにもそれを求めたときに、自分がどのポジションに居るにしても、ボールの無いところの動きを含めて全ての時間帯で緊張を強いられることになるのだ。
特に点を取らなければならないフォワードや、多くボールに触れる中盤を担当するプレーヤーは忙しい。さらにフィールドプレーヤーを全員人間がプレイできることで、ディフェンスをプレイすることも多くある。これがまた貴重な体験なのだ。
はじめは、「攻撃にほとんど絡まないセンターバックをプレイして面白いだろうか?」と考えるものだが、実際やってみると、前に後ろに動き回りつつ、スペースを消し、相手FWとマッチアップし、オフサイドラインをコントロールし、中盤や前線にボールを供給しと、休む暇など全くない。それに、ボールを失うリスクが前線に比べて格段に高いため、押し込まれている時間帯は高度の緊張が続く。
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ゴール! チーム全員で思い思いのセレブレーションコマンドを入力し喜びを表現 |
各ポジションがそれぞれの責任を果たそうとするほど、チームがゴールを決めた時の喜びは大きい。シュートして点を取った本人はもちろんだが、ラストパスを供給したプレーヤー、相手ディフェンスをおびき寄せてスペースを作ったプレーヤー、相手のフォワードを封じてポゼッションキープに貢献したディフェンス、どのポジションであっても少なからず得点の原動力になっているのであって、リアルサッカーの得点時に全員が抱擁しあう気持ちがよくわかる。
この体験は、従来的なサッカーゲームに慣れている身には大きな驚きだ。まるで自分が実際にピッチに立ち、サッカーをプレイしているような感覚は、それだけで心地良いし、どのポジションでも想像以上に面白い。10vs10オンライン対戦はサッカーゲーム界の新たなスタンダードとして人気のある遊び方になっていくことだろう。
また本作では、“BE A PROチームプレイ”で対戦するための固定メンバーのチーム“クラブ”を結成することが可能になっている。最低3人、最大50人という設定で、“クラブ”同士の対決では戦績も記録されていくので、FPSにおける“クラン戦”のように、ハイレベルで気の抜けない戦いが楽しめそうだ。
また、10vs10における最大のストレスになっている、“ロビーに人数が揃うまで時間がかかりすぎる”という問題については、この“クラブ”がその解決のひとつとなっている。また、Xbox 360版では11月18日に予定されているシステムアップデートで“パーティ”システムがサポートされ、複数のフレンドを一度に招待できるようになるので、これも助けになることだろう。
【BE A PROオンラインプレイ】
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このモードでは、どのポジションをプレイするにしても重要なのは“仲間を信じること”だと気づかされた。チームへの信頼がなければ、果敢な飛び出しも、前を向いてパスを出すこともできないまま、意図の感じられないプレイに終始するばかりだ。失敗しても何度もトライできるのがゲームの良いところなので、チームプレイの感覚を次第に養っていきたい |
■ 独特の内容があり、別腹で楽しめるPSP版
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PSP版の画面。操作性は色々とシンプルになっているが、ゲーム内容はしっかり「FIFA09」だ |
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マネージャーモードは他機種版以上に豪華。途中介入も可能なシミュレーションモードは実に秀逸 |
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“BE A PRO”はレベルアップ制で、選手の成長要素がうまくまとめられている |
ここまでPS3/Xbox 360版の「FIFA09」についてご紹介してきたが、ここでPSP版について触れておきたい。シリーズの開発元であるEA Canadaは、各機種向けに別の開発チームを擁しており、それぞれのプラットフォームに合わせたゲーム内容を開発しているのだが、PSP版をプレイすると、そのことがよくわかる。
PSP版はグラフィックスこそPS1レベルの素朴さを感じさせる水準であり、ボタン数の少なさから操作も単純化されているが、決して単なるダウングレード版ではない。その他の面では独自色のある拡張が施されていて、PS3/Xbox 360版と平行して楽しめる作りになっている。
例えば、監督としてチームを率いる“マネージャーモード”では、PS3/Xbox 360版にはない“ユースアカデミーからの新人登用”があったり、試合を自動進行させつつ状況に応じて途中からプレーヤーの介入ができる“ビジュアルシミュレーションモード”など、ありそうでなかった面白い機能が搭載されている。
また“BE A PROシーズン”モードもしっかり搭載されている。ここではPS3/Xbox 360版と違った経験値システムを実装しているのがポイントだ。基本的な仕組みは、各試合で個人、チームに達成すべき条件が与えられ、それを達成すると多くの経験値がもらえるというものだが、経験値を直接能力値に割り振るのではなく、レベルベースで成長していく点が大きく異なる。
経験値を溜め、レベルが上がると一定ポイントを選手能力の一部向上に割り振ることができるという形で、PS3/Xbox 360版の成長システムに比べ、かなり説得力がある。試合毎の達成目標についても、PS3/Xbox 360版で良くある“3ゴールして、5点差で勝って、マッチレート10.0を獲得”といった大味なものでなく、“パス成功率○○%以上”や、“枠内シュート率○○%以上”、“オフサイドを○回以下に抑える”といった、プレイ内容を重視したものがバリエーション豊かに用意されている。このような形で、PSP版は各ゲームモードの完成度が高い。
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“サッカーIQモード”。あなたのサッカー知識は大丈夫? |
さらにPSP版には、携帯機ならではのゲームモードとして“サッカーIQモード”というのがある。これはクイズゲーム形式でプレーヤーのサッカー知識を問う、というものだ。出題テーマには、お気に入りのチームとリーグに関する“地元の試合”、世界中のチームについての“インターナショナルタイトル”といったカテゴリがあり、「次の中からディフェンダーでない選手は?」、「反則になるのは次のどれ?」といった色々な問題を4択形式で解いていく。
この“サッカーIQモード”は、正答率・回答スピードからなる総合スコアがプレイ毎にグラフ化される機能がついており、いわばサッカーをテーマとする知育ゲーム的な内容になっている。出先や移動中のちょっとした空き時間に遊んでみるのがちょうどいい感じである。
当然、サッカーの部分はWifi対戦にも対応しているので、「FIFA09」仲間と直に対戦するのもいい。何かとPS3/Xbox 360版のスキマを埋めてくれるPSP版は、携帯機のツボを抑えた作りになっており、コストパフォーマンスが良さそうな印象だ。
【PSP版「FIFA09 ワールドクラスサッカー」】
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PSP版は携帯機向けらしく、独自の拡張が施されている点が高く評価できる。マネージャーモードやBE A PROモードの作り込みに関してはPS3/Xbox 360版以上では?というほどの良さで、楽しくプレイできた。唯一の難点は、ことある毎に長時間のロードが入る事くらいだ |
(c) 2008 Electronic Arts Inc. EA, EA SPORTS, and the EA SPORTS logo are trademarks or registered trademarks of Electronic Arts Inc. in the U.S. and/or other countries. All Rights Reserved. Official FIFA licensed product. "c The FIFA Brand OLP Logo is a copyright and trademark of FIFA. All rights reserved." Manufactured under license by Electronic Arts Inc. The Premier League Logo c The Football Association Premier League Limited 1996. The Premier League Logo is a trade mark of the Football Association Premier League Limited and the Premier League Club logos are copyright works and registered trade marks of the respective Clubs. All are used with the kind permission of their respective owners. Manufactured under licence from the Football Association Premier League Limited. No association with nor endorsement of this product by any player is intended or implied by the licence granted by the Football Association Premier League Limited to Electronic Arts. All other trademarks are the property of their respective owners.
□エレクトロニック・アーツのホームページ
http://www.eajapan.co.jp/
□「FIFA 09 ワールドクラスサッカー」日本語公式サイトのホームページ
http://www.fifasoccer.jp/09/
□「FIFA09 ワールドクラスサッカー」の製品情報(Xbox 360)
http://www.eajapan.co.jp/ja-jp/games/Xbox360/fifa/fifa09/
□「FIFA09 ワールドクラスサッカー」の製品情報(プレイステーション 3)
http://www.eajapan.co.jp/ja-jp/games/ps3/fifa/fifa09/
□「FIFA09 ワールドクラスサッカー」の製品情報(PSP)
http://www.eajapan.co.jp/ja-jp/games/psp/fifa/fifa09/
□関連情報
【2008年10月13日】リアルサッカーゲーム「FIFA 09 World Class Soccer」
日本語版はどうなる?実況解説は? 開発者インタビュー
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20081013/fifa.htm
(2008年11月13日)
[Reported by 佐藤カフジ]
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