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会場:幕張メッセ1~8ホール
入場料:1,000円(一般/前売り)、1,200円(一般/当日) シリーズ最新作「FIFA 09」は日本国内で11月13日に発売が予定されている。最もハイエンド仕様となるプレイステーション 3及びXbox 360バージョンは、メジャーなサッカーゲームとしては初めて10対10のオンライン対戦を実現したほか、ソロプレイ向けの各種改善も充実し、サッカーゲームファンには見逃せないタイトルに仕上がっている。 今回、東京ゲームショウ2008の会場にて、本作のローカライズプロデューサーと開発プロデューサーに話を聞く事ができた。気になるローカライズの出来や、本作のサッカーゲームとしての進化ぶりについてなど、様々な情報を得ることができたので、ここにご報告したい。
■ 「FIFA 09 ワールドクラスサッカー」、欧州発売3日で120万本!
─── 次世代機向けの「FIFA 09 ワールドクラスサッカー」が、世界に先駆けて10月3日に欧州で発売されました。反応はいかがだったのでしょうか? エレクトロニック・アーツ 豊嶋隆仁氏: 海外ゲームメディアの評価点を平均する“メタスコア”という評価サイトがあるのですけれども、今週の真ん中くらいに見たときに、だいたい80~90くらいの高い評価を頂いております。 実際評判はかなり良いようで、サーバーに入ってみますと、まだ欧州でしか発売されていないのにも関わらず、かなりの人がいますね。もちろん対戦相手にも困らない状況です。今朝EAカナダのマキタに聞いたことですけども、発売3日くらいで、既に120万本ほど出しているとのことです。 ─── 欧州だけでそれとは、かなりの初速ですね。 豊嶋氏: そうですね。去年の「FIFA 08」に比べると、既に20~30%を上回るペースで出荷していると言うことです。それに是非、日本も乗っかって行ければと思うんですが……。日本の状況については、まあご存じかとは思いますが、なかなか、まだ厳しい感触ではあります。 ─── 日本の状況について言うと、「FIFA 08」で5対5のオンライン対戦に対応してから、一気に評価を上げてきたような所があると思います。そのあたりはどう捉えていますか。 豊嶋氏: そうですね、「FIFA」シリーズは結構濃いと言われているので、コアなサッカーゲームユーザーの方々からの評価を頂けていると思います。去年の「FIFA 08」で5対5ができるということと、FIFAのことはよくわからないけど、とても変わった、という印象を持っていただけたと思います。広いユーザー層に対しては、まだそのあたりがイマイチ伝え切れてない部分もあり、その辺が日本の課題です。 ─── ヨーロッパ方面では、プロモーションに非常に力を入れてますよね。私が見たCM映像では、マンチェスター・ユナイテッドとレアル・マドリードの実際の選手が、サポーターに囲まれて、「FIFA 09」の10対10をイングランドとスペインで実際に対戦するというものが有りました。かなり凄い映像だと思うのですが、これを日本で見られるチャンスはありますか? 豊嶋氏: イグアインとルーニーが行進してきて、というやつですよね。それについては色々と権利の関係がありまして、まだ確認中というところです。正直分からない所も多いので、結論が出るにはもうちょっとかかるかなと。しかしあの映像は非常にインパクトが有るので、是非出したいなあとは思っています。
■ 気になるローカライズ。実況解説に西岡・岡田コンビが続投、内容も大充実!
豊嶋氏: はい。ローカライズという点ですと、私どもの作業としては2つあります。ひとつはテキストでもうひとつが音声ということになるんですけれども、今回はテキストの分量がものすごい量になってしまって、大変でした。 ─── サッカーゲームなのにテキストが膨大とは、意外な感じを受けますね。 豊嶋氏: マネージャーモードというゲームモードがありまして、そこで、監督になって色々とイベントが起きる仕組みがあります。これがもう膨大な量になりました。また新しいゲームモードの「BE A PRO シーズン」では、ひとりの選手として4年間のキャリアをプレイするのですが、そこでもイベント関連で大量のテキストが発生しています。なかなか大変でしたけど、やるだけの価値はもちろんありますから、しっかりと対応しました。 ─── 「FIFA 08」の時に、いくつか微妙な翻訳が見受けられたんですけれども、そのあたりもブラッシュアップされたのでしょうか? 豊嶋氏: もちろんです。去年は膨大なテキストをゼロから一気にローカライズした所がありましたので、当然細かい部分のクオリティについて見ていたつもりなんですが、ご指摘を受けるような物も残ってしまったのが事実です。 今年はそういう部分もきちんとブラッシュアップして読みやすく、解りやすくしています。英語をそのまま翻訳すると意味不明になることもあるので、そういう部分はオリジナルを無視して日本語独自の表現を導入するといった対応をしました。 あとは、ユーザーの方の利便性を考慮したテキストを追加しています。例えば、ゲーム開始時にコントローラーの操作方法が選べるのですが、今作では、日本版だけ海外と異なるデフォルト設定を採用しました。その説明のところで、「前作の日本版はこれがデフォルトでした」という文章を加えています。
豊嶋氏: 今回も昨年と同じ布陣です。 ─── 岡田さんが現日本代表監督ということになって、色々大変だったのではないですか? 豊嶋氏: そうですね、今年も引き受けてもらえるとは思っても見なかったというのが、正直なところです。ダメモトでお願いをしてみたら、なんとかスケジュールを調整してくださいまして、引き受けてくださいました。忙しいのでゴメンナサイと言われても皆が納得する状況だったので、本当にありがたかったです。 それで、実況に西岡さん、解説に岡田さんという昨年と同じ布陣が組めるということで、音声データのほうも、昨年に比べてグレードアップすることができました。注意するポイントは2つ設定しまして、去年の音声でユーザーさんから頂いた意見をもとに改善するといった形で、取りなおしを行いました。 ─── 改善点は、具体的にはどのような点でしょうか? 豊嶋氏: ゴールを決めたのに、西岡さんが凄く淡々としているというご意見が結構ありまして。今年はその点を盛り上がる方向にしました。と言っても絶叫系ではなく、ユーザーの方が「ヨシッ!」と思うようなテンションです。 岡田さんの音声に関しては、結構辛口だという指摘がありました。実際には辛口コメントと同じくらい、誉めている音声もあるのですが、辛口のほうが印象に残ってしまうみたいですね。そのあたり、辛口に受け止められる部分をいくつかマイルドな表現にしました。昨年のユーザーさんの意見を聞いて、その辺は上手く出来たのではないかと思います。 ─── 音声データ全体としては前作の何割くらいが取り直されたのでしょうか。 豊嶋氏: 昨年の「FIFA 08」を100とすると、入れ替えになったのはだいたい30%ぐらいですかね。この数字だと少ないと感じるかもしれませんが、新規に取っている音声については、50~60%ぐらい有るんですよ。 新規というのは、前作に比べ、今回は固有の音声に力を入れておりまして、ユーザーの方がプレイしたらすぐに気づくと思います。 ─── それは選手毎の固有音声ということでしょうか? 豊嶋氏: 選手毎、もしくはチームですね。例えば選手がボールを取ったときに選手の名前が流れるんですが、それがロナウジーニョやルーニーだったら、ボールを持った時の音声だけで3~4パターンがあります。他にも、シュートを外した際にも有名選手には固有の音声を用意しています。 この点は西岡さんにがんばっていただきまして、「ロナウジーニョ」、「シュートを外しました」という組み合わせの音声ではなく、1つの連続した音声ファイルになっています。海外版でもそういう機能はあるのですが、各国版の平均で固有音声は50~60人くらいなんですね。日本語版の場合、実は500人くらい持っていまして(笑) ─── 凄い人数ですね(笑)。音声全体の規模としては相当大きなサイズになるのではと思うのですが。 豊嶋氏: 選手のファイルだけでだいたい30,000くらいで、普通の台詞が15,000くらいになりました。もちろん容量の問題が全てでは無いですけれども、内部の処理的な限界のギリギリまでデータを載せています。もう、多すぎて削っちゃったというくらいです。他国語版と比べても、群を抜いて多いくらいです。 ─── シリーズのファンにとっては、西岡さんと岡田さんの雑談に新しいものがあるか気になります。 豊嶋氏: はい、今年も録っております。全部で12パターンほどですね。ちなみに、今年は先ほど申し上げたように音声データを大量に用意して、ギリギリのところまで入ってますので、雑談についてはあまり話題を引っ張らないようになっています。 雑談って、試合中に喋ることがない状態が長く続いた場合に引っ張ってくるタイプの音声でして、今回は沢山の音声を録ったので、あまり雑談を引っ張る状況がないんですよ。でも、私どものチェックでは、きちんと全部の雑談がゲーム中に聞けますので、ご心配なく(笑)。 ─── 少し話が前後しますが、テキストについて、今回も選手名が英語のままになっていますが、このあたりは何か理由があるのでしょうか。 豊嶋氏: カタカナ表記にしない理由、ということですよね。この表記については賛否両論あるのですが、カタカナにすることは技術的に可能なのですけれども、それによって発生する作業や問題が結構多いんです。 まず選手数が15,000も居るということと、カタカナ化することによって発生するテキスト幅の問題などですね。それをひとりひとり見なければならないという時間が発生しますので、オリジナルに対して1ヶ月遅れのリリースがさらに遅れてしまうおそれが出てきます。またオンラインでの選手リスト更新にも日本語対応しなければならない、という追加のリソースが発生しますので……。 ─── なるほど、次の質問ですが、プロモーション面はどのように進めていくのでしょうか。 豊嶋氏: プロモーションというと他の部署も関わってくるのですが、やはり推したいのは10対10のオンラインプレイですね。シングルプレイも良いですよと言いつつ、10対10はまだ他がやっていない機能ですし、本作のユニークな部分をアピールしていきたいと思っています。とにかくシリーズの現状として、色々な人にプレイしていただきたいという所にありますから、その当たりはマーケティング部門が考えてくれてると思います。 ─── テレビCMなども考えていらっしゃいますか? 豊嶋氏: 恐らく今回は無いと思いますね。その前にまず、普段からサッカーゲームをやっている方々と、自分から情報を収集する層の方にまず広まるような期待をして、そのためのイベント的な方向を考えています。そこで積極的な方々にプレイしてもらって認知してもらおうと思います。 既にシリーズの名前を知っている方ですと、「FIFA 08」より古い作品の時点で若干マイナスのイメージを持っちゃっている方も少なくはないと思います。その方たちに「FIFA 09」は凄いよ、10対10は楽しいよと、知って頂けるように出来ればなと思いますね。
■ EAカナダのプロデューサーに聞く、ゲーム内容についてのあれこれ
─── オンラインプレイについては割とクリティカルな問題がひとつあると思います。「FIFA 08」のときもそうでしたが、「BE A PRO」の5対5、10対10をやるときに、入力から反応まで、0.5~1秒くらいのラグを感じるというものです。このあたりはユーザーから不満の声が大きいところだと思いますが、これについてはどうお考えですか。 豊嶋氏: 10対10で操作が若干重くなるという声はもちろん聞いていまして、こう言うと悪いのですが、ある程度しょうがない部分もあります。いわゆるワープ現象の対策的意味合いで、若干余裕を持たせることで全員がゲームにならない状況を防ぐという方式です。ラグの問題についてはもちろん認識しておりまして、このままで良い訳がないとは思っています。 ─── 回線距離の問題というのもあると思うのですが、例えば北米でプレイすると軽い、というようなことはあるのでしょうか? EAカナダ マキタ カズヤ氏: 私、今回日本に初めて来てプレイしたのですけれども、あまり変わりませんでしたね。PS3とXbox360の差と一緒だと思うのですよ。 ─── ほう、プラットフォーム毎に違いがあるのでしょうか。 マキタ氏: はい。ネットコードの違いが有ります。あとはコントローラーの違いが大きいと思いますね。まぁ、オフラインでもオンラインでも一緒ですけど。コントローラーはソニーさんのほうが軽い感じはしますね。アナログスティックの軽い感じとかもありますね。なので、その辺の感覚的違いは有りますけど、実際北米だからとかそういうのは無いと思います。 ─── 例えば日本国内に中継用のサーバーを置いて改善するとか、そういう事はないのでしょうか? マキタ氏: 距離的に近くなれば基本的には良くなるんですけども、我々はワールドワイドでプロダクトを考えていますので、そうなった時に日本のユーザーさんだけなら良いのですが、結局アメリカなりヨーロッパの方と一緒にプレイすることになれば、同じことになりますから。 どこかで通信しなければならないので、一番距離が有るところに合わせておかないとゲームとして同期しなくなるじゃないですか。20台を合わせるためにはやっぱり、どうしても起こり得る現実ですね。 サーバー自体はアメリカにしか無いので、実際の所ヨーロッパの方も日本の方も、アメリカを経由して対戦することになります。EAの会社的なセットアップとしてそういうことになっているのが現状です。 ─── そうすると、ラグの問題はユーザーの皆さんに納得していただくしかないと。 マキタ氏: そうですね。後は技術的に改善出来る事はやっておきたいですね。今回20人なので去年のの5対5と比べてラグが増えたという感じはないので、うまくいっているとは思います。今後の改善としては、いろいろな角度からレスポンスを上げるなど、少しづつ良くすることは可能だと思っています。
マキタ氏: あくまでもゲームとして何が面白いかが第一なので、オンラインの10対10だから改善したということでは無いです。全てを速くすれば良いという物ではないので、ゲーム全体の面白さにフォーカスして細かく作りこんでいます。この1年でそのための時間をたっぷり使いましたので、非常に改善できたと思って頂けたら良いと思います。 ─── 具体的には、選手の動きにどのような変化が加えられたのでしょうか。 マキタ氏: 前作で問題が大きい所から重点的に手を加えてきました。特にトラッピングの動きや、空中でのボールの取り方ですとか、シュートのスピードですとか、いろいろです。その辺はユーザーさんの意見を聞いて改善をしています。 さらに大きな所はフィジカルプレーですね。1対1の時のボールの取り方とか、体の入れ方などです。あとは、サイドタックルなどで、前作では選手に足が引っかかったときに転ぶ事がほとんどだったのですけど、今作では転ばずにつまずいて、スローダウンしたままボールを持っていけるというような事が出来るようになっています。 ボールと選手の体重移動を、ボールがどこから来たかによってそれぞれのリアクションが全部変わります。そのあたりはかなり作り込んでいます。 ─── 選手のアニメーションは幾つぐらい追加されてますか? マキタ氏: 入れた物もありますし、抜いた物もあります。実際の所、今の「FIFA」は、単純にアニメーションの数では語れないんですよ。新しいアニメーションのエンジンは、いろいろな所でアニメーションをブレンドしてブレンドアウトできるので、体のボディパーツの部分によって異なる動きになるんですね。なので、アニメーションの数が幾つですと言っても、実際にはそれ以上の効果が出ているんですよ。 ─── なるほど、複数の動きが組み合わさることで無数の表現ができるというわけですね。 マキタ氏: はい。アニメーションでブレンドしている所と物理演算で動かしている部分もあるので、そのコンビネーションで考えると凄い数ですね。 例えば選手が手を振るときに、物理演算をブレンドして現実的な動きを作っています。今のエンジンでは、アニメーションデータがなくてもそういう事が出来るんですね。なので、無数の動きが作れるし、調整できるんですよ。 ─── 選手ひとりひとりに必要な、CPUのコストは相当高いものになったんじゃないでしょうか? マキタ氏: ゲームを走らせるためだけでも、PS3やXbox 360のCPUをほぼフルで使ってます。そこは出来る限り使い込んでやってます。AIもアニメーションも物理計算も全部、フルパワーで回している感じです。 よくPCで同じ物を出してくださいというお客様も居るんですけども、そういう意味では、なかなか簡単にはいきません。PC版はボリュームゾーンのスペックを対象に開発していますので、まだ内容的には次世代水準になっていないです。ただ、アセット、絵については同じ物を使って動かしています。 ─── ちなみに、今回新しいカスタム戦術という機能が追加されましたが、これに対して色々とAIに変更が生じたと思います。その辺りを具体的にお聞かせください。 マキタ氏:そうですね。ポジショニングをかなり大胆に取らないと細かい調整が出来ないので、その部分はかなり書き直してます。 ─── AIのプログラマーの方というのは、やはりフットボールの経験者の方なのでしょうか? マキタ氏: えっとですね、経験者と経験者じゃない人間が居ます。チーム自体は21カ国からスタッフが来ています。そのうちイギリス人が多いんですね。彼らは生まれ育った環境が違うのでそういう意味では凄く詳しいですよね。そういう人が中心になっていますが、実際にコードを書いたのは韓国人です。彼はサッカーを凄く勉強をしていて色々な本を読んだりして作っていますね。
─── 例えば、「FIFA 08」で見られなかったような動きは今作で見られますか? マキタ氏: かなり入ってますよね豊嶋さん。 豊嶋氏氏: もう、やればすぐに解っちゃうってぐらいの量は入ってますね。前の「FIFA 08」をやって頂いている方が「FIFA 09」をやったときに、1試合目で「お?」と気付いてもらえるんじゃないかと思います。 マキタ氏: 一度、ボールをエアーに上げたらすぐ解るくらいの変化がありますよ。選手の動きが違うので、ボールに対する動き方とか、ボールを触ったあとの動き方とか、いろいろな面で変化が出ています。 どういう状況でスルーパスが通るかどうかといった問題についても、カスタム戦術、チーム戦略などと交えて使っていただいたら、工夫次第でディフェンスの穴が作れるずなので、いろいろな展開が楽しめるようになっています。
■ マルチプラットフォームで展開する「FIFA 09」
マキタ氏: 「オールプレイ」では異なるエンジンを使っていますので、かなり違う内容になっています。WiiではPS3、Xbox 360のエンジンは動かせないので、基本的にはフォーカスが違いますね。Wii版は新ゲームといってもPS3、Xbox 360の目指す所とはちょっと違うと思っています。もちろん、同じ事が出来たら良いんですけどハードのスペックの問題が一番大きいですね。 ─── 日本市場でWiiの普及台数が多いことや、また、サッカーゲーム自体がそんなに人気の無いジャンルではないので、意外と「オールプレイ」は人気のタイトルになるのではないか、とも思います。エレクトロニック・アーツさんとしてはどれくらい期待されているのでしょうか? エレクトロニック・アーツ PR氏: 「大期待」ですね(一同笑)。そもそも「オールプレイ」は操作も簡単ですし新規ユーザーのお客様でも入り込みやすいですから、皆さんに楽しんでもらえる作品ですしね。まあ、市場での認知度など、全体的にステップアップしていかなければならないという考えはもちろんあります。今後どんどん広めていければなと思います。 ─── 「オールプレイ」の日本語版ローカライズは、どちらの方が担当されてるのですか? 豊嶋氏氏: あ、私です。 ─── PC版は英語版で提供されるので、残りの日本語版5プラットフォーム、PS3、Xbox 360、Wii、PS2、PSPと、全部のローカライズ担当されてるのでしょうか。 マキタ氏:はい。 ─── 相当大変な作業になっているんでしょうね。5プラットフォームの同時ローカライズを経験してみて、いかがでしたか? 豊嶋氏: いや、もう、大変ですとしか(笑)。 マキタ氏: 余裕ですよね!(一同笑)。 豊嶋氏: いやいやいや……。あのー、「FIFA」のシリーズは、機種を問わず年々ボリュームが物凄い事になって来まして、どれか1つにして頂けないかと弱音を吐いているのですが、なかなか許して頂けないので。 ─── 全部ひとりでやられているとは凄いですね。そのなかでメインとなってくるタイトルはどれでしょうか? 豊嶋氏: もちろん全部、一所懸命で!そうとしか言いようがありません!(一同笑)。 ─── ちなみに、EAカナダではどういった開発体制で「FIFA」を進めているのでしょうか? マキタ氏: 人数的には公表してないので言えない所もあるのですが、100人はゆうに越えてますね。あとは日本のようにローカライズを担当してくださる各国各地のスタッフも含めますと、かなりの規模になりますね。 ─── 「FIFA」シリーズ全体の、共通の開発基盤のようなものは有るのでしょうか? マキタ氏: 全プラットフォーム共通のコードベースのようなものは無いですね。全体で共通して使っているのはデータベースくらいです。 というのは、やはりハードのスペックがそれぞれ全く異なるからです。もちろんシェア出来る部分も有りますが、それはプラットフォームごとや、リリースするタイミングによっても違ってきますので、いちがいには言えない感じです。 ただ、PSPとPS2は近いです。PCはちょうど中間くらいで、一番ハイエンドなXbox 360とPS3は共通性が高いですね。また、それ以外にもサッカーとしてのロジックがありまして、ワールドカップやチャンピオンズリーグといったイベント用タイトルも別に動いていますので、全体の開発体制としてはかなり複雑になっています。 ─── 最後に、「FIFA 09」を心待ちにしている日本のゲームファンの方々にメッセージをお願いします。 豊嶋氏: とにかくやって頂ければ、伝わる物があるんじゃないかと思います。そしたら是非、友達にも勧めてみて欲しいです。日本の現状としては、とにかくまずはプレイしていただくことからだと思っています。 製品自体のデキには自信もありますので、是非皆様にやっていただいて、結果的にシェアが上がってくれば、僕らの方も色々なことが打ち出せるようになっていくと思います。隣のマキタさんとかにも強く言えるかなということにもなりますので(笑)。 ─── そのマキタさんからも、ひとことメッセージをお願いします。 マキタ氏: そうですね、2お伝えしたいと思います。まず、今回「FIFA」を沢山のハードで出しますが、サッカーさえ好きであれば、楽しんで頂けるプラットフォームが必ずありますので、それを楽しんで貰いたいと思います。 もう1つは豊嶋君が言っていたのですが、シリーズをご存じで無い方にも、騙されたと思って是非触ってみて欲しいと思いますし、そうすれば面白さを理解していただけると思います。そして一番重要なのはご意見を頂くことです。我々がゲームを作っているのは、皆様に楽しんで頂くためなので、いろいろな日本のご意見を聞かせて頂きたいと思います。 日本のユーザーさんがどういいう部分を楽しみにしているのか、何に対してフラストレーションが溜まるのかということを言って頂けたらありがたいです。そのためにも触って頂かなければならないので、そういう意味でも、「FIFA 09」を遊んで、楽しんでいただきたいと思います。 ─── ありがとうございました。 (c)2008 Electronic Arts Inc. All rights reserved.
(2008年10月13日) [Reported by 佐藤カフジ]
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