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会場:品川インターシティホール
入場:無料
当日のメインイベントとなるのは、AC版「SFIV」の全国予選大会「『SFIV』全国大会予選in格闘祭 決勝ステージ」。こちらは、午前中の予選を勝ち抜いたイチ選手、とよ選手、ゴツー選手、つんにゃお選手の4名によって行なわれた。 こちらの詳細は後述するとして、まずはステージで実施されたほかのイベントから順にレポートしたい。
■ PS3/Xbox 360「SFIV」スーパーステージ
追加要素に関しては、先日開催されたTGSで発表された内容とほぼ同様のものなので、詳しくはそちらを参照していただきたい。 また今回出展されたバージョンでは、「ゴウケン」と「セス」がプレイアブルな状態であること、既に発表されている追加キャラクタ「ダン」と「フェイロン」についても、次の機会ではプレイアブルで収録したいという報告も付け加えられた。 ゲームについての説明が一通り終わったあと、ゲストとして声優の高橋広樹氏(リュウ役)、岸祐二氏(ケン役)、福圓美里さん(さくら役)が登壇。 高橋氏は本作のオーディションについて、「初めは、某格闘ゲームの収録にとキャラクタ名を伏せられたまま現場に行ったら、台本に『波動拳、昇竜拳、竜巻旋風脚』って……バレバレやん!(笑)」と語り、会場の笑いを誘った。 岸氏は長編アニメーションのケンの役どころについて、「リュウは拳の道一筋だが、ケンはただただ色々な人たちを心配している」という。長編アニメで、ケンがどのような役どころなのか興味をそそられた。 福圓さんは締めの言葉として、「この仕事を始めて、(さくらを担当したことで)初めて人から尊敬された。認知度も高く、愛されている作品なので嬉しく思っている」と語った。本シリーズの幅広いプレーヤー層を感じさせるエピソードだった。 さらにトークショーでは、PS3/Xbox 360版の発売日が2009年2月に決定したことと、前述した長編アニメのDVDが先着特典として配布されることなどが発表された。長編アニメがどこで発表されるのかは明らかになっていなかったため、ファンにとっては重要な情報だ。
他にも収録時の裏話なども展開され、会場は多いに盛り上がっていた。ここでしか聞けない話もあり、充実した内容だったのではないだろうか。
■ Wii「タツノコ VS. CAPCOM CROSS GENERATION OF HEROES」スペシャルステージ
喜多村さんが起用されたのは、初代のヤッターマンのイメージを重視し、女性が演じる少年声にしたかったためという。そのコンセプトを受けて収録に臨んだ喜多村さんは「非常に緊張したが、楽しかった」と語る。新妻氏も「いつもと違った喜多村さんが見られるのでは」と、期待感で胸をいっぱいにしながら収録していたという。 高橋氏は同じリュウでありながら、「SFIV」と「タツカプ」では世界観が異なるため、それを再現するのが難しかったと語る。「SFIV」ではリュウが喋らないであろうセリフ、例えばゲーム中で色々なキャラが「ヤッターマン参上!」と喋るシーンがあるらしいのだが、そのようなセリフをキャラクタを壊さずに演じるのが難しかったとのこと。 喜多村さんの演じるヤッターマンと高橋氏の演じる「タツカプ」のリュウが、実際にどのような仕上がりになっているのか気になるところだ。 続けてWii版追加要素の新情報として、3人の新キャラクタが公開された。 1人目の新キャラクタは、カプコンサイドのキャラクタとして「QUIZ なないろ DREAMS」の「想鐘サキ」。虹色町に頻出する怪獣に立ち向かう地球防衛軍隊員と言う設定で、身の丈以上もある大きな機関銃を使って戦う。本作の追加キャラクタは少し強めの設定になっているらしく、このキャラも例に漏れず多少強化されているという。TGSの発表会でも「本作は女性キャラが少ない」と語られていたが、想鐘サキは非常にかわいらしい女性キャラクタで、人気が出そうだと感じた。 2人目もカプコンサイドのキャラクタ「ビューティフル ジョー」。認知度の高いシリーズであるゲーム「ビューティフル ジョー」の主人公ということもあり、発表された瞬間には会場からどよめきの声があがった。 ビューティフル ジョーは少しクセのあるキャラクタだが、体が小さいこともあり、使いこなせるようになると強いとのこと。ハイパーコンボは、おどけた調子で相手の攻撃を誘い、それをよけつつ裏に回りこんで蹴りを決めるといったものが存在。これらの技を相手にうまく使いこなされると、非常に嫌らしいキャラクタになりそうだ。 ビューティフル ジョーの紹介が終わると突然会場が暗転。「逆転! イッパツマン!」のボイスと共に、3人目のゲスト加藤将之氏(イッパツマン役)が登場。3人目の新キャラクタがタツノコプロサイドの「逆転! イッパツマン!」の「イッパツマン」であることが発表された。 イッパツマンは野球をモチーフにしたヒーローで、攻撃モーションにも、野球をイメージしたものが多く使われているという。加藤氏はイッパツマンを演じるにあたり「富山さん(原作のイッパツマン役)という偉大な方がいるので、恐怖しかなかった」と、相当なプレッシャーを感じていたことを明かしてくれた。
その後はジャンケン大会も行なわれ、勝利者にはゲストのサイン入り色紙が送られるなど、こちらも大いに盛り上がったステージとなった。
■ AC「SFIV」全国大会予選in格闘祭 決勝ステージ
予選参加者の使用キャラクタ内訳は、リュウ14人、ケン11人、ザンギエフ8人、ブランカ6人、バイソン6人、エル・フォルテ4人、春麗4人、ダルシム3人、サガット2人、アベル2人、ゴウキ1人、C.ヴァイパー1人、ルーファス1人、バルログ1人となっていた。 やはりアーケードでのキャラクタ人気と比例するような内容で、リュウ、ケン、ザンギエフが多いが、ダルシムや春麗など、巷ではあまり見られないキャラクタでのエントリもあった。これらのキャラクタも、徐々に戦術が高まりつつあるということだろうか。 予選の何試合かは浦沢賀奈さんの実況で、ステージ上のモニタに映し出された。今回はTGSでの予選と異なり、AC版での大会ということもあって、基本的には全員がカードを挿入してプレイ。バトルポイント(BP)や試合数も表示されるので、開始前にある程度やり込み度や力量が予想でき、見ている側としても面白かった。 個人的に印象に残ったのは、Aブロックで行なわれた1回戦の試合。バイソン使いの青汁ガイル選手とサガット使いの大麻ラリ太選手の対戦で、青汁ガイル選手はBP60,000超えの強豪。筆者は優勝候補の1人と目していたのだが、試合は青汁ガイル選手が1ラウンド(R)を取ったところで、筐体の不具合により再試合に。再試合後も1R目を青汁ガイル選手が先取するものの、その後大麻ラリ太選手が盛り返し、結果は1-2で大麻ラリ太選手が勝利した。
大麻ラリ太選手も上手いプレーヤーだったが、青汁ガイル選手は筐体不具合というハプニングにペースを乱されてしまったのだろうか。再試合前の試合で勝ち取った1ラウンドが、再試合に持ち越されなかったのは少し可哀想だと感じたが、そこは何が起こるかわからないのが大会。青汁ガイル選手にはぜひ他の予選で頑張っていただき、来年開催される本戦に出場してきて欲しいと願う。
波乱含みの展開となった予選も無事終了。激戦を制し決勝ステージへと駒を進めたのは、ケン使いのイチ選手、ブランカ使いのとよ選手、ゴウキ使いのゴツー選手、ダルシム使いのつんにゃお選手の4名。巷ではどちらかと言えば弱いキャラと言われている印象のあるダルシムが勝ち上がってくるなど、かなり意外な顔合わせとなった。 準決勝と決勝が続けて実施される決勝ステージでは、3試合制の2試合先取というルールで対戦が行なわれた。実況は、前回TGS会場でも実況を務めたかげっち氏。
2試合目もイチ選手が移動投げやローリングアタックに昇龍拳を決めるなどして強気に攻め、最後は波動拳でジャンプを誘い、それをEXセービングでキャンセルしてのジャンプ中Kで迎撃し、2試合連取で勝利した。
続く2試合目も追い詰められたつんにゃお選手が、対空技として繰り出したウルトラコンボのヨガカタストロフィーがヒットすると、そこからスーパーコンボのヨガインフェルノへ繋げるなど粘り強いところを見せ、こちらも2試合連取で決勝進出を決めた。
実際に試合が始まると、1R目はつんにゃお選手が先手を取る。体力をリードした状態でつんにゃお選手が優勢かと思われたが、ここでイチ選手が怒涛のラッシュ。連続技を決めてダルシムを気絶状態に追い込むと、そこへ直接神龍拳を決めて一気に逆転。そのまま空中竜巻旋風脚からしゃがみ中K~強昇龍拳とつなぎ、1R目はイチ選手が取る。まさにイチ選手のコメント通りの試合展開となった。 2R目も両者一歩も譲らず互角の展開になったが、最後はつんにゃお選手が投げを決めた後、ヨガカタストロフィーで削りきって勝利。続く3R目は、イチ選手が優勢に試合を運ぶものの、つんにゃお選手の対空ヨガカタストロフィーがヒットし、一気に逆転。追い詰められたイチ選手が起き上がりに神龍拳を狙うもむなしく空振りに終わり、きっちり反撃を決めたつんにゃお選手が3R目も勝利し1試合目を先取した。 続く第2試合は1R目をつんにゃお選手が取り、先手を打つ。ここまでは奇しくも、つんにゃお選手が試合前に語った通りの展開に。それを阻止すべく、2R目はイチ選手が優勢に試合を運ぶが、つんにゃお選手が驚異的な粘りを見せる。残り体力が1割を切った状況から、じわじわと体力差を縮め、残り時間3カウントの時点でついに逆転。誰の目にもつんにゃお選手の逆転勝利に見えたが、さらに残り1カウントでイチ選手の投げが決まり逆転KO。会場にいる誰もが手に汗を握った瞬間ではないだろうか。
最終ラウンドも、序盤からつんにゃお選手が優勢に試合を運ぶ。近付きたいケンがジャンプなどを駆使して距離を詰めようとするも、離れたいダルシムはしゃがみ強Pなどのリーチの長い技で迎撃・牽制して巧みにさばく。最後はイチ選手が移動投げを狙うも、これが届かず、そこに反撃を決めたつんにゃお選手が勝利。これでつんにゃお選手の優勝が決定した。
試合後、「この結果を見て、ちょっとダルシムを使ってみようかなと思ってくれたら嬉しいです」と語ったつんにゃお選手。実際、普段「SFIV」をプレイしていないプレーヤーが、当日会場でつんにゃお選手のプレイを見ていたら、ダルシムがどちらかと言えば弱いキャラであると言われていることも、にわかには信じられないだろう。 惜しくも決勝で敗れてしまったイチ選手も、試合後「(つんにゃお選手は)自分よりも強かったので、悔いはないです」と、正々堂々とした試合に満足していることをうかがわせるコメントを残した。 優勝者のつんにゃお選手には優勝賞品の記念盾に加え、全国大会の出場権やアーケード版で使用できる「2008要注意人物」の称号、さらにストリートファイターグッズ詰め合わせや家庭用「SFIV」のソフトが発売後に贈られる権利が贈られた。 同じく準優勝のイチ選手には記念盾とグッズ詰め合わせ、ベスト4のとよ選手とゴツー選手にはグッズの詰め合わせが贈られた。
7月に稼動を開始した本作も、4カ月が経過しだいぶ戦術が固まってきた感がある。しかし今回の大会では、ケンやダルシム、ゴウキなど、今まであまり見られなかったキャラの台頭が目立つ結果となった。全国大会予選も始まったばかり。まだまだ本作の可能性を感じさせる、面白い大会だった。
(2008年11月4日) [Reported by 米澤大祐]
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