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10月25日 開催
場所:Differ 有明
ファン感謝祭ではさらにプレゼンテーションにより本作の魅力が語られた。イベントではメディア対抗戦も行なわれ、筆者も弊誌代表として参加した。本稿では筆者がメディア対抗戦でゲームを触った感触、さらに当日行なわれたインタビューも含めた形で、「ラグナロクオンラインDS」を紹介していきたい。
「ラグナロクオンラインDS」はMMORPG「ラグナロクオンライン」をモチーフとしたRPGで、プレーヤーは駆け出し冒険者アレスとしてミッドガルド大陸を旅することになる。謎の少女シェラとの出会いや、旅の仲間など、しっかりとしたストーリーラインが魅力の作品となる。さらに蜃気楼の塔では通信によるオンライン協力プレイを楽しむことができる。ガンホー・ワークスの開発スタッフは、どのように「ラグナロクオンライン」をコンシューマゲームにアレンジしたのだろうか?
■ オリジナルストーリーが展開し、タッチペンで楽しめる「ラグナロクオンラインDS」
グラフィックスは「ラグナロクオンライン」の雰囲気を再現していて、ファンならばすんなりと世界に入って行けそうだ。マップに関しては原作と同じミッドガルド大陸を舞台にしており、プロンテラやモロク、ゲフェンといった街も登場するという。モンスターも共通のものが多く登場するようだ。 「ラグナロクオンラインDS」ではプレーヤーは主人公・アレスとなってミッドガルド大陸を旅することになる。アレスはルーンミッドガッツ王国の首都・プロンテラの郊外で暮らす少年で、心労で世を去った母の死をきっかけに故郷を出ることを決心する。アレスの父は家族を残して冒険に出たまま行方不明となっていた。父とは違う立派な冒険者が、アレスの目指す道だ。 アレスはまずプロンテラに向かう。ここで仕事を探し冒険者としてスタートするのだ。旅立つアレスは道に倒れている少女、シェラを助ける。シェラは記憶を失っており、アレスは彼女と行動を共にすることにする。シェラは感情表現に乏しい口数の少ない少女だが、徐々にアレスに心を開いていく。彼女の秘密はアレスの運命を大きく変えていくことになるという。 この他にも、アレスの仲間としてソードマンのルシフィや、おてんばなマジシャンの少女リーシル、モロクを拠点とするキャラバンのリーダーであるシーフのヴィセルクなどたくさんの仲間が登場する。ルーンミッドガッツ王国だけでなく、シュバルツバルド共和国やアルベルツ教国なども冒険の舞台として登場するという。 ゲームの操作は基本的にタッチペンで行なう。タッチペンで画面に触るとその方向にキャラクタが進み、敵をタッチすれば攻撃する。スキルはショートカットに登録可能で、ショートカットを押してから特定の動作をすることで発動する。このスキルの発動の操作は「ラグナロクオンラインDS」オリジナルのものになっていて、本作独特の感触をもたらしている。 円を描くようにして敵を囲むと発動し、敵を巻き込む範囲攻撃スキルや、直線を描くことで攻撃できるスキル、強力な魔法などは発動地点をタッチし、そのまま押し続ける“チャージ”によって威力が変わる。 本作はフレンドNPCを仲間に入れることでパーティープレイが楽しめる。フレンドNPCをパーティーに入れるとタッチペンで「後衛を守れ」、「強敵を狙え」といった指示ができるようになる。パーティーメンバーと自身の選んだ職業によって戦い方は全く変わってくる。どのように戦うかを学んでいくことになりそうである。 アレスはノービスからスタートし、一次職、二次職に転職できる。一次職はソードマンやアコライトなど7種類、二次職もそれに応じた上級職となっている。また、シャーマン、ダークナイトとDSオリジナルの新職業も追加されている。カードによる装備強化や、「限界突破」、「究極スキル」といったやりこみによって獲得できる要素も用意されているという。メインクエストの他、サブクエストも用意されており、全部をプレイすると50時間以上楽しめるという。ただし、アコライトなどの支援職では職業の特性上、多少難しくなる。 協力プレイ要素として「蜃気楼の塔」が用意されている。最大3人で挑戦でき、Wi-Fi、赤外線通信で仲間を募ることができる。ちなみにこの塔ではフレンドNPCと協力することはできない。「ラグナロクオンラインDS」ではプレーヤーキャラクタはアレスで固定されているが、蜃気楼の塔に限って、オリジナルキャラクタを作ることが可能だ。職業などは通常プレイのデータを元にしているが、蜃気楼の塔向けのキャラクタとして、性別や外見、髪の色などを変えることができる。 蜃気楼の塔は全50階となっている。フロアの構成はランダムになっていて、入る度に構造が異なる。フロアには「特定のモンスターを倒せ」、「スイッチを押せ」、「光る玉を探せ」などクリア条件が提示される。クリアしていくことで、通常のプレイでは手に入らない貴重なアイテムを入手できるという。
このため、ゴール直前で制限時間いっぱい来場者の前でスキルを披露することにした。筆者が担当したのはウィザードだったため、最も派手なスキル「ロードオブヴァーミリオン」や、対戦でおなじみのスキル「ストームガスト」を披露してみた。どちらもチャージ型のスキルで、溜め続けるとアイコンの色が変わり、派手なスキルが発動する。ショートカットを押すだけで発動する「ラグナロクオンライン」と感触の違う、独特の爽快感があった。 「ラグナロクオンラインDS」は操作感やグラフィックスで「ラグナロクオンライン」をうまくアレンジしていると感じた。また、赤外線通信での声を掛け合いプレイできるのが楽しかった。「ちょっとここでスキル見せましょうかね」、「そろそろゴールしましょうか」と会話に合わせてゲームが進められるのも、この通信方法ならではだ。
本作は「ラグナロクオンライン」と連携しているコンテンツも多く、初回特典としてPC版のアイテムチケットや、新アカウント用の30日チケットが同梱されるほか、「ラグナロクオンラインDS」で入手したアイテムを使うことで「ラグナロクオンライン」内で“何か”が起こるという。こちらも楽しみだ。
■ 開発者インタビュー、原作のエッセンスを再現しつつ、RPG都市の面白さを追求
最初に「ラグナロクオンラインDS」を作ることになった経緯を質問したところ、森下氏は「『ラグナロクオンライン』のサービスを始めるころからマルチプラットフォームで展開したいと思っていた。マルチプラットフォームでのオンラインゲームの展開はガンホー・グループの今後の目標としても掲げている」と答えた。DSをプラットフォームに選んだのはマウス操作とタッチペンの操作感の近さに注目したからだという。 さらに森下氏は「『ラグナロクオンライン』という素材を使って、王道的なストーリーが体験できるRPGを作りたかった」と、語る。このため、コンシューマゲーム開発の実績のあるスタッフを集めて、ガンホー・ワークスという会社を立ち上げたときに、「ラグナロクオンラインDS」の開発を開始したという。実際の開発期間はおよそ1年ほどとのことだ。 大場氏は「ラグナロクオンライン」について、「僕の周りにはプレイしている人は多かったが、僕自身はプレイしていなかった。開発を担当するに当たってじっくり取り組むことになった」と語った。コンシューマゲームと、MMORPGの違いに関しては、「バランスの取り方だと思う。例えばボス戦の場合、1vs3、1vs5ではバランスが全く異なる。さらに『ラグナロクオンライン』は職業の構成でも全く違ってくる。さらにパーティープレイが前提になっている。この自由度、パーティー編成の面白さをソロプレイのRPGでどう表現するかに注意した」と語った。 プレーヤーが協力する要素を再現したのが“フレンドNPC”というシステムだ。仲間を2人パーティーに入れ、指示を出すことで協力プレイの楽しさを再現する。主人公の職業は自由に選べるため、主人公の特性に合わせたメンバーを編成することができる。シナリオによって強制的なメンバーもいるが、アコライトのような回復系の職業でもクリアできるバランスになっているという。 アシスタントプロデューサーの畠山氏は、「NPCへの指示は“すぐ回復してくれ”といって対応してくれるような完全なものにしていません。命令すればどう反応してくれるのか、パーティーメンバーの行動のタイミングも考え、いかに状況を乗り切っていくかがこのゲームでは重要になります」と語る。オンラインプレイの場合は、メッセージ登録機能があり、あらかじめ登録した12個のメッセージを送ることができるという。Wi-Fi通信では特に重要になりそうだ。 さらにDS版の細かい部分を質問してみた。マップのサイズなどは「ラグナロクオンライン」そのままではなく、アレンジされている。一番違うのは街で、入るとカプラ職員が出迎えてくれ、メニューが表示される。そこから店などに移動するという。街並みなど街全体のマップは用意されていないとのことだ。モンスターもすべてが出るわけではなく、チョイスされていると言うこと。 クエストは「ラグナロクオンラインDS」の世界に基づいたものになり、街では店や酒場などからクエストを受けられるという。メインのストーリー以外にも、サブクエスト、蜃気楼の塔などやりこみ要素があり、さらにある条件で可能になる「限界突破」をすることでさらにキャラクタを育てていけるとのことだ。 「ラグナロクオンライン」の世界の中で、オリジナルのストーリーを語ることに関して大場氏は「『ラグナロクオンライン』はバックグラウンドのストーリーはあるが、キャラクタ個人の話はプレーヤー1人1人が組み立てていくものです。コンシューマゲームとしては、きちんとストーリー、アレスの進む道を楽しんでもらいたい。そのためにキャラクタ設定等にはこだわりました」と語った。 Gravityの「ラグナロクオンライン」開発チームは本作には監修という形で関わり、開発はすべてガンホー・ワークスで行なっているという。筆者は「それならばアバター要素は頭装備だけでなく、全身の衣装などのカスタマイズも可能だったのでは?」という質問をぶつけたところ、大場氏は「職業によって衣装が替わるなど原作をリスペクトし、アバター要素は頭装備、という感じになっています」と答えた。 さらに「メインとなるソロプレイではすべてのプレーヤーがアレスとしてプレイしますが、蜃気楼の塔ではキャラクタの外見をカスタマイズできるようにしました。これは自分が作ったキャラクタでプレイできる『ラグナロクオンライン』のエッセンスを少しでも再現しようとして考えたところです」と語った。 蜃気楼の塔は「ラグナロクオンラインDS」の通信コンテンツとして注目の要素だ。畠山氏は「『ラグナロクオンライン』のプレーヤー達が協力する楽しさをこのコンテンツで再現したかった」と語る。蜃気楼の塔は一次職に転職できるくらいから、とのことだが、ゲームの進行に合わせて出てくるので適性レベルは自ずと見えてくる、とのこと。 塔は全部で50階で、3人プレーヤーそれぞれが2次転職後でなければクリアは難しいという。1人、2人でプレイしてもバランスが調整される要素はない。安定して上を目指すためには3人のバランスの良いパーティー構成が必要なようだ。蜃気楼の塔では通常のマップよりもレアアイテムの入手の可能性が高い。より多くのカードスロットのついた武器や、カードも入手できるとのこと。 「ラグナロクオンラインDS」のキャラクタのレベルキャップは99レベル、サブクエストを含めた形でのプレイ時間は50時間以上とのこと。ちなみに、オンラインでのアップデートは想定していないという。 畠山氏は、「普段『ラグナロクオンライン』を遊んでいるプレーヤーにDS版でどうなっているのだろう、というのを見て欲しい」と語る。シャーマン、ダークナイトという新職業だけでなく、各職業にもオリジナルスキルが入っているとのことで、コアなラグナロクファンは細かい部分をチェックする楽しさがあるとのこと。 「ラグナロクオンライン」を知らないユーザーにも、キャラクタやシナリオなど、RPGとして楽しいものを目指して作っているという。「『ラグナロクオンライン』という名前を知っていても、やったことのないユーザーも実際にはかなりいると思います。DS版に触れてみてそこから『ラグナロクオンライン』にということもあると思います。『ラグナロクオンラインDS』はシナリオ、ストーリー、バランス、コンシューマのRPGとして遊びごたえのあるものを目指しました」と大場氏は語った。 カードの種類は「ラグナロクオンライン」に比べると少ないが、登場するモンスターに応じたカードが登場するという。大場氏は「DS版はPC版に比べるとカードのドロップ率が良いんですよ」と笑みを浮かべながら語った。森下氏も「かなり出るよね」とコメント。初心者には「ラグナロクオンライン」ならではのシステムに触れることができるし、PC版プレーヤーにとっては新鮮なバランスとして楽しめるとのこと。カードが出やすいため、積極的に新しい組み合わせを試す“実験”も楽しめるようになっているという。 ユーザーへのメッセージとして畠山氏は、「『ラグナロクオンライン』ユーザーの期待を裏切らない作品になりました。ぜひ、DS版に触ってみてください。初心者の方もこれをきっかけに『ラグナロクオンライン』の世界に触れてみてください」と語った。
大場氏は「サブクエスト、カード集めなどやり込み要素満載なので、隅から隅まで楽しんでください」、森下氏は「すべてのユーザーのみなさんに是非触って、楽しんでもらいたいです。ご堪能下さい」とそれぞれ語った。
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□ガンホー・ワークスのホームページ (2008年10月29日) [Reported by 勝田哲也]
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