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会場:幕張メッセ1~8ホール
入場料:1,000円(一般/前売り)、1,200円(一般/当日) 「バンジョーとカズーイの大冒険 : ガレージ大作戦」は英Rareが制作する楽しいアクションゲームで、今回の最大の特徴は“乗り物”である。プレーヤーは目的に合わせブロックを組み合わせて乗り物を作っていく。アプローチのアイデアによって使う乗り物は全く異なってくる。例えば「ボールを運んでゴールに入れる」という問題に対して、ヘリでつり下げたり、ブルドーザーで押し込めたり、様々な方法が可能なのだ。 「New Xbox Experience」はダッシュボードと呼ばれるXbox 360の基本メニューを一新させるシステムで、アバターによるプレーヤーのキャラクタ化と、より簡易で詳細なコンテンツへのアクセス、オンラインコミュニティの広がりと新しい可能性を提示する。 2つのインタビューからはXbox 360の新しい可能性が見えてくる。年末に向けたマイクロソフトの活動を注目したいところだ。
■ 目的に合わせてメカを作る試行錯誤こそが楽しい「バンジョーとカズーイの大冒険 : ガレージ大作戦」
今回は本作のスタジオマネージャーを務めるMark Betteridge氏と、デモプレイを担当するリード アーティストNeill Harrison氏にインタビューを行なった。非常に楽しく、想像力を刺激するゲームである。 最新作「バンジョーとカズーイの大冒険 : ガレージ大作戦」(以下、「ガレージ大作戦」)は、これまでの作品以上の自由度と、視界の広いゲームを目指して作られた。Xbox 360のパワーで初めて実現する広大な空間を舞台に、ゲームが進行するという。 「ガレージ大作戦」はハブとなる世界から様々な世界に旅立ち、その世界のチャレンジに挑戦する。バンジョーはアクションゲームとして様々なアクションを見せる。走り、ジャンプし、カズーイと協力して重いものも持ち上げる。さらに今作では“乗り物”を作り、これを使って様々なチャレンジをこなしていくことになる。 ゲームを進めることで、プレーヤーは様々なパーツを入手できる。このパーツを手に入れ、組み合わせることで乗り物を作ることができる。チャレンジでは、指定されたものを押したり、引いたり、持ち上げて特定の場所に運ばなくてはならない。プレーヤーはその目的に合わせた乗り物を作り出していくことになる。チャレンジの順番はプレーヤー自身が選択できる。1つのチャレンジに合わせてどんな乗り物を作るかが、「ガレージ大作戦」の楽しさだ。 デモプレイの最初はハブとなるフィールドで、レベルと呼ばれるポイントを中に蓄えた光の球を運び、これを決められたポイントに置くというものだった。この玉を運ぶことで新しい世界へ通じるドアが開き、チャレンジに挑戦することができるようになる。玉を運ぶのはスーパーで使うカートのような大きなかごのついた乗り物だ。 ドアを開ける条件としては「ジギー」というポイントが必要だ。これはチャレンジを成功させることで稼ぐことができる。ジギーを稼ぎ、光の球を決められた場所に運ぶことでゲームは進行していくのである。 次に場面はガレージ場面に「ガレージ大作戦」ではこの画面で乗り物の設定、セッティングを行なう。パーツはゲームを進めることで量が増えていく。次第に大きく、強力な乗り物も造れるようになる。今回は、壁に空いた穴に向かって、ボウリングのピンのように立っている数本の柱状の物体を押し込む、というチャレンジだ。 柱を穴に押し込むためにHarrison氏が選択したのがクワガタのように2本の棒をつきだしたメカ。バンジョーが乗るコクピットはとても小さく、そのメカがどれだけ巨大かを物語っている。この大きくパワフルな車で複数の柱を押し出すのだ。Betteridge氏は「正解は1つではない、どんな乗り物を作れば効率が良いか、アプローチはプレーヤーの手にゆだねられている」と語る。 早速穴に柱を押し込む。穴の近くには扇風機のようなメカが仕掛けられていて、乗り物を風で押し戻そうとする。クワガタメカはパワフルに柱を押し込むが数本こぼれてしまった。Harrison氏は再びガレージ画面にもどると、改造を開始する。バンジョーのコクピットブロックを取り出し、コクピットの後ろにエンジンをつけ、上にプロペラをつける。そしてさらに後ろに、鉄球のような部品をつけた。こうすることで“分離”ボタンを押すと、クワガタメカから小さなヘリ型メカが分離できるようになるのだという。さらにクワガタの部分にミサイルランチャーを追加、邪魔をする扇風機メカを破壊してしまう計画だ。 再び挑戦である。まずミサイルを発射して扇風機メカを破壊、そして柱を穴に押し出した。こぼれた柱を拾うには、クワガタメカは大きすぎて小回りがきかない。そこでHarrison氏はコクピットを分離、ヘリ型メカを発進させる。ヘリの後ろにつけていたのは、実はつり下げ型の磁石。これに柱をくっつけて運ぶ。しかしヘリの操作はなかなか難しく、時間がたつと扇風機も復活して……ちょっと苦戦しつつも、Harrison氏は制限時間内に全ての柱を運び終え、チャレンジをクリアした。 カスタマイズする楽しさだけでなく、合体までできるのは非常に面白かった。日本のユーザーならさらに楽しいメカを作れそうだ。Harrison氏はこの他のメカとして、コクピットの後ろにブースター、そして小さな羽根をつけた簡単な飛行機を見せてくれた。移動に最適のメカのようだ。
スタッフもこのシステムは大のお気に入りで、競うように色々なメカを作ったという。空母から発進する飛行機や、ロケットを束ねてスペースシャトルのブースターを作ったり、「ゴジラ」まで作ったという。最大で19ブロック四方の大きさ、250のパーツで作ることができるという。話を聞いているだけで思わず作ってみたくなる。
■ オンラインではアイデア勝負! 自由度がもたらす問題に対しての千差万別のアプローチ
しかし、細長い構造のため倒れやすい。倒れた場合は、「元に戻る」ボタンが用意されているので直立することができるが、倒れて地面にぶつかった部品は壊れてしまい、点滅する。直すには一度バンジョーが背負うカズーイの力で部品を取り外しはめ直さなくてはならないという。 自由にメカを作る、というアプローチはマルチプレイでこそ発揮されるという。例えば5ゴールした方が勝ちというサッカーのチャレンジがあり、足をつけたメカを作るのも、かごをつけたブルドーザーのメカを作るのも、スピードにこだわるのも、相手の邪魔に終始することも可能なのだ。 Betteridge氏は1つの例として、「ジャンプ台」の話を挙げた。スキーのジャンプ台のようなステージを作り、どこまで長い距離を飛べるかを競うチャレンジを作ってみた。最初はとにかく大きなロケットをつけ、その爆発的な推力でどこまで先に進めるか、という方向で皆が競っていたが、1人がバンジョーのコクピットを車輪のようなフレームで包んでみた。そうすると着地した後もひたすら転がり、一番の距離をたたき出した。「正解は1つではない」とBetteridge氏は語る。 Harrison氏は「マルチプレーヤーでは様々な乗り物を見ることができるだろう。初心者は小さくてシンプルな乗り物で参加してくるだろうし、コアプレーヤーはメカニカルな凝りに凝ったものを繰り出してくる。さらにメカニックの設計図をプレーヤー間でシェアすることも可能だ。マルチプレイは28のモードがあるが、プレーヤーによってアプローチが違うため、同じようなプレイ体験はないかもしれない。とにかくユニークな攻略法を考えて欲しい」と語った。 最後にユーザーへのメッセージとしてHarrison氏は「日本人はクリエイティブなところがある。だからこのゲームをとても気に入ってもらえるだろう」。続けてBetteridge氏は「バンジョーが背負うカズーイが入っているバックパックは、実は日本の文化から発想を得たものなんです。今回の作品は、まさに新世代のゲームといえるものです。楽しんでください」と語った。
それぞれのアプローチ、という言葉で浮かぶのが「ロボコン」と呼ばれる、世界中の学生達が競うロボットコンテストだ。ロボコンでは毎回独創的な方法で、その年のルールに学生達がチャレンジしているが、「ガレージ大作戦」のマルチプレイで、プレーヤーがどんなアプローチをしてくるか本当に楽しみだ。それと共にシングルプレイの、目的ごとに合わせたメカの模索も面白そうである。こちらも攻略サイトなどで議論が活発になるのではないだろうか。“驚き”に期待したい。
■ ゲームプレイで充実するアバター、より簡易なコミュニティ。「New Xbox Experience」で広がる可能性
今回、Xbox 360プロダクトマネージメントのディレクターを務めるAaron Greenberg氏に、「New Xbox Experience」についてのインタビューを行なった。今回は画面を見ながらこの新しいシステムを解説してもらう、という形で進行した。見えてきたシステムの特徴を紹介したい。 最初にGreenberg氏は、「New Xbox Experience」のメニュー画面を説明した。画面はカード状のメニューが並ぶシンプルなもので、中央にGreenberg氏にそっくりなアバターが見えた。「『New Xbox Experience』を導入することで、Xbox 360の起動画面はメニューをカード状に表示したシンプルなものになる。これまではゲームディスクを入れると、ゲームが直接起動したが、『New Xbox Experience』ではメニューに追加される形となる」。 「メニューはゲームだけでなく、ソーシャルコンテンツ、エンタテイメントコンテンツなどにも簡単にアクセスできるようになっている。ユーザーインターフェイスは一新され、コントローラのスティックを上下、左右に動かすことでメニューを切り換えられる。コントローラを動かし、メニューのカードを選ぶことで詳細がわかるようになっている。既存のユーザー、新しいユーザーにより親しんでもらえるように選択したインターフェイスである」とGreenberg氏は語る。
デザインをシンプルにしたのは特に初心者を意識したもので、あえてシンプルにした。画面には余裕を持たせ、情報を絞り、上下左右で動かすだけでメニューを選択できる。カードの項目もはっきりとわかりやすいものにしたという。
友人の状態を視覚的に確認することもできるという。「『Halo』のアイコンに友人3人がいるが、彼らはLiveを通じて集まってゲームを遊んでいる。また、私が「New Xbox Experience」のテーマを変えることで友人達の表示も変わる。ソーシャルネットワーク機能としては、友人をすぐに呼び出したり、ビジュアルチャットを申し込んだり、アップロードしたデータの共有などもできる。友人がオンラインでいれば、これまでより容易に友人にアクセスすることが可能だ」とGreenberg氏は語る。 オンラインを通じて、Xbox 360の情報をより得やすくなる。Xbox 360のすべてのタイトルの詳細を見ることができ、ゲームのスクリーンショットやムービーなども閲覧できる。これはエンターテイメントのコンテンツも同様だという。 ゲームはハードディスクに保存され、アクセスが容易に、早くなる。ただし、ゲームの起動にはディスクが必須となる。複数のディスクのあるゲームでは、必ず全てのディスクが必要となる。 アバターを使ったゲームの可能性も考えているという。このアバターも英Rareが担当していて、ゲームでの利用を最初から視野に入れた設計がなされている。至近のラインナップでは、Xbox Live Arcadeの「UNO RUSH」、そしてクイズゲームの「Scene It: Box Office Smash」が対応しているという。この他にも、多くのサードパーティーがアバターに興味を持っているとのことだ。 E3ではマーケットプレースを通じて購入した動画を友人と共有できる、といったサービスも語られたが、このサービスは11月19日にすぐ使うのは難しいとのことだ。年内の実現を目指して作業を行なっているという。
最後にGreenberg氏は、「現在、Xbox Liveには1,400万人以上の人が参加している。私達は今まで以上に定期的にアップデートや、新しいコンテンツの提供を行なっていきたいと考えている。これまでは年に2回というペースだったが、今後はもっと頻繁に行なっていく。私達は『New Xbox Experience』でもっと多くのユーザーにアピールできると考えている。今年のホリデーシーズンは、今まで以上に幅広いゲームもラインナップされている。本体の価格も安くなり、多くの人にXbox 360に触れてもらいたい」と語った。
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□コンピュータエンタテインメント協会(CESA)のホームページ (2008年10月14日) [Reported by 勝田哲也]
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