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11月13日 発売予定 価格:6,090円
CEROレーティング:A(全年齢対象)
「ブロブ:カラフルなきぼう」(以下、「ブロブ」)では色と音楽が溢れていた街レインボーシティが、色と音を奪われモノクロの世界の「シロクロコロニー」に変えられてしまう。主人公ブロブは色を吸収し、それを塗りつけることでモノクロームの世界に色を取り戻す力がある。本作はブロブが活躍する“ぬりえアクション”なのである。
プレーヤーがブロブを操作すると、ペンキを刷毛で塗るかのように色の軌跡が残る。建物にブロブが触れると、バケツでペンキをぶちまけたかのようにブロブの色に建物が染まる。「ブロブ」はスケッチブックに思うまま絵の具を塗りつけるような楽しさが味わえる。プレーヤーはブロブを使って、街を自由に色を染めていく。グラフィックス、演出、世界観、そして色を塗る楽しさと、オリジナリティに溢れている作品だ。
■ モノクロの世界に色を取り戻せ! 自由に色を塗る感触が楽しいアクションゲーム
主人公ブロブはやんちゃすぎるためにレインボーシティを出てジャングルに棲んでいたが、街の危機を知り立ち上がる。ブロブを助けるのは難を逃れた街の住人「カラーサポーター」だ。ブロブとカラーサポーターは色と音を奪い街を支配するインキー・コーポレーションに立ち向かっていく。 ブロブは色を吸収し、7つの色に体の色を変える能力を持っている。街には色を吸い取ったインキー・コーポレーションのロボット「イロボット」がいて、これを破壊することでブロブは色を吸収することができる。色を吸収したブロブは動くと絵筆で線を描いたような軌跡を残し、建物に触れることでその建物を体の色と同じ色に塗り替えることができる。 プレーヤーはモノトーンの街にブロブを走らせ、建物に色を塗っていく。無機質な街にべたべたと色を塗っていく“感触”は爽快だ。移動中のブロブは丸い体に小さな耳が二つ飛び出ていてネズミのようだ。チョロチョロと軌跡を残しながら、ベタベタと建物に体をこすりつけ色を染めていく。ブロブを使って思うままに街に色をつけていくのは、真っ白なスケッチブックに何も考えず絵の具を落としてでたらめに絵を書いているような、“いたずら”に近い感触があって楽しい。 街ではカラーサポーターから様々なチャレンジを依頼される。「駅を昔通りの紫色にしてくれ」、「インキー・コーポレーションのパトロール隊をやっつけてくれ」、「制限時間内に指定した場所に行って欲しい」……。クリアすることでブロブの行動時間が追加されたり、新しいチャレンジがオープンするなどのボーナスがある。 ブロブの体の色はイロボットそのままの色だけではなく、例えば青と黄色を混ぜて緑にしたり、組み合わせることで色を作ることも必要となる。ブロブの体には色をため込むことができ、イロボットから色を吸収することで体が大きくなる。貯められた色は「ペイントポイント」で表示され、最大100ポイント。建物の中には「黄色30ポイントが必要」といったものもある。 キャラクタの操作は、ヌンチャクのコントロールスティックでブロブを操作、Wiiリモコンを振ることでジャンプする。Zボタンでターゲットをロックオンする。インキーやイロボットはロックオンしてからジャンプすると押しつぶして倒すことができる。ジャンプは浮遊感があり、浮いているときも操作可能だ。建物の上を塗らなくてはならないときは低いところを見つけてから上っていく、ということも必要となる。ゲームを進めていくことでブロブを自由に操ることができるようになる。
街がカラフルになると共に、音楽が増えていくのも本作の面白いところだ。ブロブが建物に色を取り戻すと、メインの音楽、ドラム、ベース、といったように演奏する楽器が増えていく。「ブロブ」は音楽にも力を入れていて全10ステージに異なるジャンルの音楽がそれぞれ設定されている。どんどん派手になる音楽にのりながら街に色を塗っていくのは楽しい。決められたノルマだけ建物に色を塗れば次のステージへの道が現われるが、クリアを気にせず街に色を塗ってしまう。色を塗る楽しさという、「コンセプト」に大きな魅力を持った作品である。
■ SF的な世界観と、かわいらしいキャラクタが魅力。ルールを覚えることで深まるゲーム性
公式ページではレインボーシティに侵攻してくるインキー・コーポレーションのムービーを見ることができる。映画「スターウォーズ」の巨大な宇宙船のような船が、街の上空をゆっくり飛行し、インキー達が降下してくるシーンは圧巻だ。インキー達は高い技術力を持っており、様々なメカを使ってブロブを捕らえようとする。ゲームの合間に流れるムービーでは、ブロブの活躍にあたふたするインキー達が描かれる。恐ろしい力を持つ彼等だが、どこか間抜けでかわいらしい。 ブロブは無機質で未来的な街を、色彩溢れるサイケデリックな世界に変えていく。ブロブは建物の色を変えるだけでない。ブロブが色を取り戻させると、植物は緑を茂らせ、レイディアンも本来の色を取り戻す。インキーの活躍を描いた宣伝の看板が、色彩豊かな看板になったり、白いのっぺらぼうのビルが、巨大なマイクをてっぺんに乗せた放送局になったりする。シンプルな街を原色のにぎやかな場所に変えていくという、世界の対比が面白い。 ステージが進むとインキーのパトロール隊はインクを放射する銃を持ったり強力になる。ブロブはインクに触れると体が真っ黒になってしまう。インクに染まってしまうとブロブは水で洗い落とさない限り色を吸収することができない。また、インクに染まった状態でペイントポイントをすべて失うと倒されてしまう。地形も複雑になり、チャレンジも込み入ったものになっていく。ステージクリアのハードルは上がってくる。 しかし、ゲームを続けることでプレーヤーは自由自在にブロブを操ることができるようになる。筆者は最初ジャンプの浮遊感などにとまどっていたが、30分くらいプレイを続けていると、かなり自由にブロブを操れるようになった。ブロブが思うように動くようになるとゲームの楽しさもグッと上がってくる。手応えも充分ありそうで、増えていくステージのギミックも楽しみだ。 「もっと自由に色が塗りたい」という人にはフリープレイモードがある。敵の妨害や制限時間無しに自由に街を塗ることができる。この他にも様々なミニゲームが用意されていて、やりこみ要素も期待できそうである。また、最大4人の対戦プレイも可能だ。街の色をみんなで塗りたくれる、というのは、とても楽しそうである。
絵の具をスケッチブックに直接塗りつけ、自由に絵を書くようなコンセプト、SFテイストのある設定、かわいらしいキャラクタ、軽快な操作性と、本作は独特の魅力に溢れている。低年齢のユーザーは、いたずらをしているかのような感触に引き込まれるだろうし、ゲームが好きな人達にも応えるゲーム性も併せ持っている。発売は少し先だが、多くの人にプレイしてもらいたい作品だと感じた。
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□THQジャパンのホームページ (2008年9月12日) [Reported by 勝田哲也]
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