|
会場:幕張メッセ
入場料:当日1,200円、前売1,000円
「iアプリオンライン」とは、NTTドコモのリリースによると、「複数のユーザーとリアルタイムに通信できる機能」とされている。通信対戦ゲーム自体は従来からあるが、「iアプリオンライン」では、よりレスポンスのいい通信が可能になり、今までは難しかった対戦型アクションゲームなども現実的なものになっている。今回出展されたアプリにも、そういったものが多く見受けられる。 さらにもう1つ面白い機能として、「iアプリコール」というものがある。これは利用者の端末の電話帳データを使って、他のユーザーをゲームに招待できるというもの。これだけ聞くと、「同じゲームを持っている友達しか呼べないのでは?」と思うが、相手がアプリを持っていない場合は、1回だけ対戦できる体験版のリンクを送るといったような仕組みも、コンテンツプロバイダ側で設定できるのだという。体験版で対戦した後に製品版への移行を促せば、ユーザー間の口コミ的な広がりも期待できるというわけだ。 なお「iアプリオンライン」は、次期端末でのみサービスされる。対応アプリは現行機種では基本的に利用できないが、中には「通信機能は使えないが、その他のシングルプレイは可能」といった形で提供されるアプリもあるようだ。 肝心の次期端末がいつ登場するかはNTTドコモからは明かされていないが、出展タイトルでローンチに合わせたいとしているものは、11月配信予定とされているものが多かった。この辺りが発売時期と見て間違いないだろう。
本稿では出展タイトルの中から、「iアプリオンライン」に対応したタイトルのみに限定してレポートする。
■ 「機動戦士ガンダムONLINE」(バンダイネットワークス)
会場では4人並んで同時対戦プレイができた。ルールは個人戦で、自分以外の3人は全て敵という状態の中で戦う。モビルスーツは性能によってコストが設定されており、敵を倒すと得点、倒されると減点となる。ただ今回のものは製品版に向けた仕様ではなく、あくまで4人同時対戦を実現できていることを見せるため、プロトタイプとして用意したルールだという。 3D描画については、「機動戦士ガンダム U.C.0079」で見せた圧倒的なクオリティはそのまま。通信面では若干のラグは感じたものの、狙った射撃はきちんと当たるし、敵がワープして見えるようなひどい状況もない。4人同時参加の3Dアクションを、既に十分なレベルに持ってきている辺りは、他キャリアでも積極的にオンラインアクションゲームを展開してきた同社の実績を感じさせられる。今回、最も次世代モバイルゲームを感じられるタイトルといっていいだろう。
2009年春配信予定。利用料金は未定。
(C)創通・サンライズ (C)BANDAI NETWORKS
■ 「電脳戦機バーチャロン」(セガ)
筆者はAC版の大ファンなのだが、それから単純に比較すると、かなりフレームレートは低く見える。ただこれがモバイルゲームだという前提で考えれば、映像のクオリティやスピード感は過去にないほど良質だ。内容的にも、「SLCダイブ」などの技もちゃんと発動でき、何かを削って落とし込んだような様子は見られない。 最大のウイークポイントは、インターフェイスだ。P90xシリーズを思わせる横開き型の端末なのだが、移動と攻撃3種、ジャンプ、ダッシュ、ガードといった操作が別々のボタンになるため、モバイルゲームとしては非常に操作が煩雑になる。携帯電話用ツインスティックはありえないにしても、何か今一歩改善できるアイデアが欲しいところ。
配信日、利用料金ともに未定。
(C)SEGA CHARACTER DESIGN:KATOKI HAJIME
■ 「ロスト プラネット」(カプコン)
今回出展されたものでは、「iアプリオンライン」による2人同時対戦ができた。ただ直接プレーヤーキャラクタが撃ち合うのではなく、制限時間内にフィールドにいる敵を倒したスコアを競い合うというものになっていた。操作は方向キーで移動、センターキーで攻撃といった具合にシンプルにまとめられている。また、ある程度敵に向くと、近くの敵に自動で照準が合うようになっているので、見た目ほど難しくはない。 その他のゲームモードには、ミッションクリア型のシングルプレイモードも用意されている。対戦ルールについては暫定的なもので、今後追加・変更する可能性もあるとしている。
今冬配信予定で、利用料金は未定。
(C)CAPCOM
■ 「首都高バトルオンライン」(元気モバイル)
レースゲームとしては、夜の首都高を美しく描いているというのが1つの特徴だが、フレームレートもまずまずで快適に遊べる。またゲームバランスにおいては、方向キーで左右に操作した後で車体がふらつくようなことがなく、微調整も不要で走りやすい。この辺りは、モバイル向けであることを意識しているようだ。 対戦相手の車の動きを見る限り、追い抜かれた時などに変な挙動を見せることもなく、ごく普通に対戦できたのが好印象。相手と接触した場合、今回はすり抜けていったが、製品版ではちゃんと衝突するよう判定をつけるという。
配信時期は、端末のローンチに合わせたいとしている。利用料金は未定だが、「おそらく既存サイトの『首都高バトル3D』で配信する」としており、その場合は月額525円となる。
■ 「対戦☆千切り」(元気モバイル)
ゲームは実にシンプルなものだが、直感ゲームと「iアプリオンライン」の合わせ技を持ってきたところがユニーク。担当者によると、「通信対戦ができると、最初はヘビーなゲームがほとんどになると思っていたので、『首都高バトルオンライン』とは別に、あえて極めてライトなタイトルも用意した」という。パーティーゲームであることには変わりないが、対戦もできればより盛り上がる絵は想像できる。
こちらも端末のローンチに合わせての配信が予定されている。利用料金は未定。
■ 「通信対戦もじぴったん(仮)」(バンダイナムコゲームス)
対戦では、プレーヤーが交互にパネルを置いていく。単語を作ると、その単語のパネルの色が変わり、自分のポイントとなる。ただし、相手がそのパネルを使って別の単語を作れば、再び色が変わって相手のパネルとなってしまう。単語を考えるだけでなく、相手のパネルを奪っていくという、オセロに近い戦略性がある。
また「iアプリコール」にも対応しており、電話帳に登録している友達を呼んで対戦できる。配信は端末のローンチと同時の予定。利用料金は同社のモバイルゲームサイト「ナムコ・ゲームス」のサイト利用料として月額315円。
(C)2001-2008 NBGI
■ 「TETRIS LEAGUE」(ジー・モード)
ゲームのルールでは、任意のブロック(テトリミノ)を1つ貯めておけるホールド機能と、消すとスキルが発生する特殊ブロックの要素がある。特殊ブロックは時折勝手に色を変え、消したときの色によって異なる効果が発動する。相手のブロック降下速度を一定時間速めたり、ネクストブロックを見えなくするといった妨害が可能だ。担当者は「まだ開発中で若干ラグがある」と話していたが、プレイしてみても何ら違和感なく、快適に通信対戦ができた。 ちなみに同名のタイトルはKDDIブースにも出展されており、Bluetoothでの通信対戦をプッシュしていたが、実はiモード版もBluetoothに対応している。ただし、キャリアを越えたBloetooth通信対戦はできないそうだ。また、「iアプリオンライン」に非対応の現行端末でも利用は可能で、その場合は「iアプリオンライン」による通信対戦ができない状態で提供される。
2009年1月配信予定で、利用料金は月額315円。
Tetris (R) & (C) 1985 - 2008 Tetris Holding, LLC. Licensed to The Tetris Company. Game Design by Alexey Pajitnov. Logo Design by Roger Dean. All Rights Reserved. Sub-licensed to Electronic Arts Inc. and G-mode, Inc
■ 「みんなのGOLF モバイル3」(ソニー・コンピュータエンタテインメント)
しかし、通信対戦以外にも見所は多い。最大の魅力は、ワイドVGA版のみ提供されるという点。本作はPSP用「みんなのGOLF ポータブル2」をベースに制作されているそうだが、解像度はPSP版を超えており、実際に見ても非常に繊細なグラフィックスを実現している。元々アクションゲームのように高いフレームレートを要求されるゲームではないので、高解像度化もしやすいという側面はあっただろうが、画質のインパクトはかなり大きい。 ゲーム内容としては、シングルプレイモードも収録しており、キャラクタを成長させたり、新たなキャラクタを獲得したりといった要素がある。装飾品も用意されているが、「みんなのGOLF ポータブル2」とは異なり、能力の向上ではなく、純粋なアバター要素として楽しむものになるという。もちろん、育てたり着飾ったりしたキャラクタで、通信対戦にも参加できる。 対戦中には、定型文によるチャットも可能。電話帳に登録されている相手であれば、フリーワードでのチャットもできる。
今冬配信予定で、利用料金は未定。
(C)Sony Computer Entertainment Inc.
■ 「クイズマジックアカデミーmobile3」(KONAMI)
基本的なゲーム内容は変更せず、「iアプリコール」の機能のみ追加する。対戦時の通信周りはそのままなので、現行版と「iアプリオンライン」対応版での通信対戦は可能。ただし「iアプリコール」で招待できるのは、次期端末のユーザー間のみとなる。「通信周り全てで対応すれば快適になるはずでは」と思われるだろうが、個人的には現状でも十分快適で、何ら問題ないと感じている。
配信時期は未定で、利用料金はモバイルゲームサイト「コナミネットDX」の利用料として月額315円(300ポイント支給)で、1プレイごとに20ポイント消費する。
(C)2008 Konami Digital Entertainment
■ 「風来のシレンPlatina2」(ドワンゴ/チュンソフト)
ゲーム内容では、新たに「壷」が登場。複数の武器や盾を合成する「合成の壷」や、「ぬすっトド」が入っていて離れた位置のアイテムを拾える「トドの壷」など、さまざまな種類の壷が用意されている。
「iアプリオンライン」は非対応となるが、903i/703iシリーズ以降でも利用は可能。配信時期は未定で、利用料金は月額315円。
(C)CHUNSOFT/すぎやまこういち
■ その他のタイトル
□NTTドコモのホームページ http://www.nttdocomo.co.jp/ □「東京ゲームショウ2008」のページ http://tgs.cesa.or.jp/ □関連情報 【7月31日】NTTドコモ iアプリ仕様チームインタビュー(後編) 携帯電話はゲーム機には近づかず、連携・共存を目指す http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080731/doco2.htm 【7月30日】NTTドコモ iアプリ仕様チームインタビュー(前編) iアプリの歴史を総まとめ。ネットで先を行くモバイルゲーム http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080730/doco1.htm 東京ゲームショウ2008 記事リンク集 http://game.watch.impress.co.jp/docs/20081010/tgslink.htm (2008年10月12日) [Reported by 石田賀津男]
また、弊誌に掲載された写真、文章の転載、使用に関しましては一切お断わりいたします ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp Copyright (c) 2008 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved. |
|