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【東京ゲームショウ2008レポート】

NTTドコモ ブースレポート その1
次期端末の「iアプリオンライン」対応アプリを各社が出展

10月9日~12日 開催(9日、10日はビジネスデイ)

会場:幕張メッセ

入場料:当日1,200円、前売1,000円
    小学生以下無料


NTTドコモブースに出展されていた次期端末。厳重にカバーされ、ボタン位置もシールされているため、中身はほとんどうかがい知れない
 今年のNTTドコモブースは、全体の方向性が非常に明確だ。この秋にも発表されると見られている次期端末(命名規則が変わらなければ907iシリーズとなるはずだが、まだ名前は未発表)で対応する新サービス「iアプリオンライン」を前面に打ち出し、コンテンツプロバイダ各社からも数々の対応アプリを集めて出展している。

 「iアプリオンライン」とは、NTTドコモのリリースによると、「複数のユーザーとリアルタイムに通信できる機能」とされている。通信対戦ゲーム自体は従来からあるが、「iアプリオンライン」では、よりレスポンスのいい通信が可能になり、今までは難しかった対戦型アクションゲームなども現実的なものになっている。今回出展されたアプリにも、そういったものが多く見受けられる。

 さらにもう1つ面白い機能として、「iアプリコール」というものがある。これは利用者の端末の電話帳データを使って、他のユーザーをゲームに招待できるというもの。これだけ聞くと、「同じゲームを持っている友達しか呼べないのでは?」と思うが、相手がアプリを持っていない場合は、1回だけ対戦できる体験版のリンクを送るといったような仕組みも、コンテンツプロバイダ側で設定できるのだという。体験版で対戦した後に製品版への移行を促せば、ユーザー間の口コミ的な広がりも期待できるというわけだ。

 なお「iアプリオンライン」は、次期端末でのみサービスされる。対応アプリは現行機種では基本的に利用できないが、中には「通信機能は使えないが、その他のシングルプレイは可能」といった形で提供されるアプリもあるようだ。

 肝心の次期端末がいつ登場するかはNTTドコモからは明かされていないが、出展タイトルでローンチに合わせたいとしているものは、11月配信予定とされているものが多かった。この辺りが発売時期と見て間違いないだろう。

 本稿では出展タイトルの中から、「iアプリオンライン」に対応したタイトルのみに限定してレポートする。



■ 「機動戦士ガンダムONLINE」(バンダイネットワークス)

 アニメ「機動戦士ガンダム」に登場するモビルスーツで戦う3Dオンラインアクションゲームアプリ。同社が配信中のアクションゲームアプリ「機動戦士ガンダム U.C.0079」のシステムをベースに制作されたもので、横画面対応や両手での操作などは共通している。

 会場では4人並んで同時対戦プレイができた。ルールは個人戦で、自分以外の3人は全て敵という状態の中で戦う。モビルスーツは性能によってコストが設定されており、敵を倒すと得点、倒されると減点となる。ただ今回のものは製品版に向けた仕様ではなく、あくまで4人同時対戦を実現できていることを見せるため、プロトタイプとして用意したルールだという。

 3D描画については、「機動戦士ガンダム U.C.0079」で見せた圧倒的なクオリティはそのまま。通信面では若干のラグは感じたものの、狙った射撃はきちんと当たるし、敵がワープして見えるようなひどい状況もない。4人同時参加の3Dアクションを、既に十分なレベルに持ってきている辺りは、他キャリアでも積極的にオンラインアクションゲームを展開してきた同社の実績を感じさせられる。今回、最も次世代モバイルゲームを感じられるタイトルといっていいだろう。

 2009年春配信予定。利用料金は未定。

【スクリーンショット】


(C)創通・サンライズ
(C)BANDAI NETWORKS



■ 「電脳戦機バーチャロン」(セガ)

 アーケード用3D対戦アクションゲームの移植作。「iアプリオンライン」により、リアルタイム通信対戦を実現している。会場でも2台の端末が用意されており、実際に通信対戦プレイができた。

 筆者はAC版の大ファンなのだが、それから単純に比較すると、かなりフレームレートは低く見える。ただこれがモバイルゲームだという前提で考えれば、映像のクオリティやスピード感は過去にないほど良質だ。内容的にも、「SLCダイブ」などの技もちゃんと発動でき、何かを削って落とし込んだような様子は見られない。

 最大のウイークポイントは、インターフェイスだ。P90xシリーズを思わせる横開き型の端末なのだが、移動と攻撃3種、ジャンプ、ダッシュ、ガードといった操作が別々のボタンになるため、モバイルゲームとしては非常に操作が煩雑になる。携帯電話用ツインスティックはありえないにしても、何か今一歩改善できるアイデアが欲しいところ。

 配信日、利用料金ともに未定。

【スクリーンショット】


(C)SEGA CHARACTER DESIGN:KATOKI HAJIME



■ 「ロスト プラネット」(カプコン)

 Xbox 360/プレイステーション 3/Windowsとマルチプラットフォーム展開をしているアクションシューティング「ロスト プラネット」のモバイル版。サードパーソンシューティングのスタイルを継承しており、解像度こそ劣るものの(モバイルゲームとしては十分だが)、一見して「ロスト プラネット」とわかる3Dグラフィックスで描かれている。

 今回出展されたものでは、「iアプリオンライン」による2人同時対戦ができた。ただ直接プレーヤーキャラクタが撃ち合うのではなく、制限時間内にフィールドにいる敵を倒したスコアを競い合うというものになっていた。操作は方向キーで移動、センターキーで攻撃といった具合にシンプルにまとめられている。また、ある程度敵に向くと、近くの敵に自動で照準が合うようになっているので、見た目ほど難しくはない。

 その他のゲームモードには、ミッションクリア型のシングルプレイモードも用意されている。対戦ルールについては暫定的なもので、今後追加・変更する可能性もあるとしている。

 今冬配信予定で、利用料金は未定。

【スクリーンショット】


(C)CAPCOM



■ 「首都高バトルオンライン」(元気モバイル)

 首都高を舞台にしたレースゲームのモバイル版最新作。名前のとおり、オンライン対戦に対応しているのが特徴で、会場では2人同時対戦でプレイできた。

 レースゲームとしては、夜の首都高を美しく描いているというのが1つの特徴だが、フレームレートもまずまずで快適に遊べる。またゲームバランスにおいては、方向キーで左右に操作した後で車体がふらつくようなことがなく、微調整も不要で走りやすい。この辺りは、モバイル向けであることを意識しているようだ。

 対戦相手の車の動きを見る限り、追い抜かれた時などに変な挙動を見せることもなく、ごく普通に対戦できたのが好印象。相手と接触した場合、今回はすり抜けていったが、製品版ではちゃんと衝突するよう判定をつけるという。

 配信時期は、端末のローンチに合わせたいとしている。利用料金は未定だが、「おそらく既存サイトの『首都高バトル3D』で配信する」としており、その場合は月額525円となる。

【スクリーンショット】




■ 「対戦☆千切り」(元気モバイル)

 音声認識による直感ゲーム「直感☆千切り」の「iアプリオンライン」対応版。マイクの周りを叩くなどして音を入れると、それに合わせて画面のキャベツが千切りにされていく。これを2人通信対戦で行ない、1つのキャベツの左右から千切りを始める。より多くのキャベツを千切りにしたほうが勝利となる。会場にはおもちゃの包丁とまな板が用意され、実際に包丁をトントン叩く音でゲームをプレイできた。

 ゲームは実にシンプルなものだが、直感ゲームと「iアプリオンライン」の合わせ技を持ってきたところがユニーク。担当者によると、「通信対戦ができると、最初はヘビーなゲームがほとんどになると思っていたので、『首都高バトルオンライン』とは別に、あえて極めてライトなタイトルも用意した」という。パーティーゲームであることには変わりないが、対戦もできればより盛り上がる絵は想像できる。

 こちらも端末のローンチに合わせての配信が予定されている。利用料金は未定。

【スクリーンショット】




■ 「通信対戦もじぴったん(仮)」(バンダイナムコゲームス)

 文字が書かれたパネルを置いて単語を作っていくパズルゲーム「もじぴったん」の通信対戦版。「iアプリオンライン」で全国のユーザーと対戦できるもので、NTTドコモで配信されている「もじぴったん」シリーズでは初の通信対戦バージョンになるという。

 対戦では、プレーヤーが交互にパネルを置いていく。単語を作ると、その単語のパネルの色が変わり、自分のポイントとなる。ただし、相手がそのパネルを使って別の単語を作れば、再び色が変わって相手のパネルとなってしまう。単語を考えるだけでなく、相手のパネルを奪っていくという、オセロに近い戦略性がある。

 また「iアプリコール」にも対応しており、電話帳に登録している友達を呼んで対戦できる。配信は端末のローンチと同時の予定。利用料金は同社のモバイルゲームサイト「ナムコ・ゲームス」のサイト利用料として月額315円。

【スクリーンショット】


(C)2001-2008 NBGI



■ 「TETRIS LEAGUE」(ジー・モード)

 元祖落ちものパズル「テトリス」の通信対戦版。1対1で対戦でき、相手の様子がリアルタイムに画面左上に表示される。

 ゲームのルールでは、任意のブロック(テトリミノ)を1つ貯めておけるホールド機能と、消すとスキルが発生する特殊ブロックの要素がある。特殊ブロックは時折勝手に色を変え、消したときの色によって異なる効果が発動する。相手のブロック降下速度を一定時間速めたり、ネクストブロックを見えなくするといった妨害が可能だ。担当者は「まだ開発中で若干ラグがある」と話していたが、プレイしてみても何ら違和感なく、快適に通信対戦ができた。

 ちなみに同名のタイトルはKDDIブースにも出展されており、Bluetoothでの通信対戦をプッシュしていたが、実はiモード版もBluetoothに対応している。ただし、キャリアを越えたBloetooth通信対戦はできないそうだ。また、「iアプリオンライン」に非対応の現行端末でも利用は可能で、その場合は「iアプリオンライン」による通信対戦ができない状態で提供される。

 2009年1月配信予定で、利用料金は月額315円。

【スクリーンショット】


Tetris (R) & (C) 1985 - 2008 Tetris Holding, LLC. Licensed to The Tetris Company. Game Design by Alexey Pajitnov. Logo Design by Roger Dean. All Rights Reserved. Sub-licensed to Electronic Arts Inc. and G-mode, Inc



■ 「みんなのGOLF モバイル3」(ソニー・コンピュータエンタテインメント)

 3Dゴルフゲーム「みんなのGOLF モバイル」シリーズの最新作。「iアプリオンライン」による4人同時対戦に対応するとしているが、会場では開発の都合で通信プレイは体験できなかった。

 しかし、通信対戦以外にも見所は多い。最大の魅力は、ワイドVGA版のみ提供されるという点。本作はPSP用「みんなのGOLF ポータブル2」をベースに制作されているそうだが、解像度はPSP版を超えており、実際に見ても非常に繊細なグラフィックスを実現している。元々アクションゲームのように高いフレームレートを要求されるゲームではないので、高解像度化もしやすいという側面はあっただろうが、画質のインパクトはかなり大きい。

 ゲーム内容としては、シングルプレイモードも収録しており、キャラクタを成長させたり、新たなキャラクタを獲得したりといった要素がある。装飾品も用意されているが、「みんなのGOLF ポータブル2」とは異なり、能力の向上ではなく、純粋なアバター要素として楽しむものになるという。もちろん、育てたり着飾ったりしたキャラクタで、通信対戦にも参加できる。

 対戦中には、定型文によるチャットも可能。電話帳に登録されている相手であれば、フリーワードでのチャットもできる。

 今冬配信予定で、利用料金は未定。

【スクリーンショット】


(C)Sony Computer Entertainment Inc.



■ 「クイズマジックアカデミーmobile3」(KONAMI)

 アーケードで人気を博し、先日ニンテンドーDSでも発売された対戦型クイズゲーム「クイズマジックアカデミー」のモバイル版で、最大8人でリアルタイムオンライン対戦ができる。「クイズマジックアカデミーmobile3」は既に配信中だが、新たに「iアプリオンライン」対応版が投入される。

 基本的なゲーム内容は変更せず、「iアプリコール」の機能のみ追加する。対戦時の通信周りはそのままなので、現行版と「iアプリオンライン」対応版での通信対戦は可能。ただし「iアプリコール」で招待できるのは、次期端末のユーザー間のみとなる。「通信周り全てで対応すれば快適になるはずでは」と思われるだろうが、個人的には現状でも十分快適で、何ら問題ないと感じている。

 配信時期は未定で、利用料金はモバイルゲームサイト「コナミネットDX」の利用料として月額315円(300ポイント支給)で、1プレイごとに20ポイント消費する。

【スクリーンショット】


(C)2008 Konami Digital Entertainment



■ 「風来のシレンPlatina2」(ドワンゴ/チュンソフト)

 ダンジョン探索RPG「風来のシレン」シリーズのモバイル版最新作。従来から、他のプレーヤーのゲームをリアルタイムに観戦する機能などが用意されており、本作では「iアプリオンライン」に対応することで、さらに通信環境を快適に利用できるという。

 ゲーム内容では、新たに「壷」が登場。複数の武器や盾を合成する「合成の壷」や、「ぬすっトド」が入っていて離れた位置のアイテムを拾える「トドの壷」など、さまざまな種類の壷が用意されている。

 「iアプリオンライン」は非対応となるが、903i/703iシリーズ以降でも利用は可能。配信時期は未定で、利用料金は月額315円。

【スクリーンショット】


(C)CHUNSOFT/すぎやまこういち



■ その他のタイトル

【いただきストリートMOBILE どんどん開店! 増築中 通信対戦版】
スクウェア・エニックスのボードゲーム「いただきストリート MOBILE どんどん開店! 増築中!」にオンライン対戦機能を追加実装したもの。通信対応版は今冬配信予定で、利用料金は月額525円
(C)2007,2008 ARMOR PROJECT/SQUARE ENIX All Rights Reserved.

【対戦ぷよぷよフィーバーDX】
セガの「対戦ぷよぷよフィーバー」の通信速度の高速化などを行なった強化版。今冬配信予定で、利用料金は未定
(C)SEGA

【悠久の騎士団】
ドワンゴが展開中のオンラインRPG。ゲーム内容は変わらず、「iアプリコール」に対応するという。配信時期は未定、利用料金にはアイテム課金制を採用している
(C)2008 DWANGO Co., Ltd.

【対戦☆ボンバーマン+】
ハドソンの看板アクションゲーム「ボンバーマン」のオンライン対戦対応版。ベーシックなルールながら、最大8人同時対戦が可能。配信時期は端末のローンチと同時の予定で、利用料金は未定
(C)HUDSON SOFT

【リッジレーサーズ モバイル2(仮)】
バンダイナムコゲームスのレースゲーム。前作「リッジレーサーズ モバイル」をベースに、リアルタイム通信対戦に対応している。2009年春配信予定で、利用料金は未定

□NTTドコモのホームページ
http://www.nttdocomo.co.jp/
□「東京ゲームショウ2008」のページ
http://tgs.cesa.or.jp/
□関連情報
【7月31日】NTTドコモ iアプリ仕様チームインタビュー(後編)
携帯電話はゲーム機には近づかず、連携・共存を目指す
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080731/doco2.htm
【7月30日】NTTドコモ iアプリ仕様チームインタビュー(前編)
iアプリの歴史を総まとめ。ネットで先を行くモバイルゲーム
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080730/doco1.htm
東京ゲームショウ2008 記事リンク集
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20081010/tgslink.htm

(2008年10月12日)

[Reported by 石田賀津男]



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