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会場:幕張メッセ、東京ゲームショウ会場
昨年に引き続き受賞部門は特別賞、グローバル賞、ベストセールス賞、そして優秀賞が選出され、優秀賞の中から選考委員の手により大賞が選ばれる。そして今年は初めての試みとして、ゲーム産業の発展に寄与した人物を表彰する「経済産業大臣賞」が創設された。授賞式ではまず最初にこの「経済産業大臣賞」の発表が行なわれた。受賞したのは任天堂の宮本茂氏。理由としてはもう言わずもがなという気もするが、ゲームの定義を広げ、非ゲームユーザー層、女性、ファミリーなどゲーム市場の活性化、多様化を実現させた点が評価された。 宮本氏は受賞の挨拶として「岩田社長も含め、ゲームユーザーを広げようと頑張ってきた。『マリオ、もう終わりなんじゃない?』と言われたりして、何クソって思って頑張って作ってきた。ありがとうございました」と語った。会場では宮本氏が手がけた作品が矢継ぎ早にムービーで上映されたが、100タイトル以上手がけているという。司会を務める伊集院氏の「これはゲームになると思うのはどういうときか」との問いに、「みんなが興味を持ってくれる事、経験上からなにかをしたときに心が動く時」とコメント。無理だと思ってもいつかは“技術”と出会う瞬間があり、「いけるかな」と思うときが来るのだという。「あたらしいものを作るのは楽しい」という宮本氏は、まだまだ我々ユーザーを楽しませてくれそうだ。 今年の受賞作は以下に示したとおりだが、とにかく印象としては「任天堂強し!」という点だ。冒頭に経済産業大臣賞で宮本茂氏が登場した後、グローバル賞 日本作品部門で「はじめてのWii」が、ベストセールス賞で「Wii Fit」が、そして優秀賞の表彰冒頭で「Wii Fit」、「スーパーマリオギャラクシー」が連続して呼び出され宮本茂氏がほぼ出ずっぱりといった状況だったためだ。このほかにも「大乱闘スマッシュブラザーズX」で桜井政博氏が、さらに「マリオパーティDS」も優秀賞を受賞している。 結果として大賞は任天堂の「Wii Fit」とカプコンの「モンスターハンターポータブル 2ndG」となった。ここ3年連続でのダブル受賞となり、このところの流れといえそうだ。ゲームの幅とユーザー層を同時に広げた「Wii Fit」、大ヒットを記録した「モンスターハンターポータブル 2ndG」が受賞するのは異論のないところだろうが、昨年の受賞作が「Wii Sports」と「モンスターハンターポータブル 2nd」であるため、既視感のある結果だと言うと言いすぎだろうか。 そういった中で注目なのはアクティビジョンが2タイトルで受賞している点だ。数年前から海外のゲームタイトルもヒットを記録するようになりつつあり、認知度が向上。日本でも受け入れられる土壌ができつつある。その勢いを示すものと言えるだろう。 少し面白いコメントを拾っていくと、「Wii Fit」の受賞コメントで宮本茂氏が「この間、1千万個目のバランスWiiボードを作りました。体重計の最高記録を作ってしまいました。これは全部の家庭にあった方が良い機械。健康日本のためにうれしい結果」とコメントしている。この勢いは一家に1台というのもあながち夢ではないかもしれない。また、「スーパーマリオギャラクシー」の受賞時には「マリオを作るのが基本の仕事。あたらしいハードを作る毎に作るので期待してください」と今後もシリーズを続けていく事を明言した。 「モンスターハンターポータブル 2ndG」の大賞受賞時にはユーザー代表が「『モンスターハンターポータブル 3』もでてほしいな」と言う問いかけに辻本プロデューサーはこれには答えなければなりませんねと言いながら「頑張ります!」と力強く返答していた。
最終日には今回のゲームショウで出展された作品から選出される「Future部門」の発表が行なわれる。来年を占う賞なだけにこちらも注目していただきたい。
□CESAのホームページ http://www.cesa.or.jp/ □「日本ゲーム大賞」のページ http://awards.cesa.or.jp/ □ニュースリリース http://www.cesa.or.jp/uploads/2008/cedec2008_080910.pdf □関連情報 【2007年9月20日】CESA、「日本ゲーム大賞 2007」受賞式を開催 今年は「Wii Sports」と「モンスターハンターポータブル 2nd」のダブル受賞 http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070920/awards.htm (2008年10月10日) [Reported by 船津稔]
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