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会場:Los Angels Convention Center
THQブースでひときわ人気を集めていたのが「de blob」。Wii専用のタイトルで、日本での発売も決定し、音声の吹き替えも完了しているとのこと。ゲームはカジュアルなルールを持ちながら、アクション性の高いチャレンジングなゲームプレイが楽しめる設計。舞台は架空の世界Chroma City。 かつては色華やかだったこの町をモノクロ系巨大企業I.N.K.Tが制圧してしまったものだから大変。Chroma Cityの住人は、それこそどんなことにも「白黒」付けなければならない生活を強いられ、街はかつての活気を失うことに。権力が力で制圧すれば当然生まれるのは抵抗勢力。プレーヤー扮する主人公de blobは、この白黒化した街に色を取り戻すために立ち上がるのであった。 ゲームは、Wiiヌンチャクでde blobを移動、Wiiリモコンでジャンプアクションを制御するという操作系で進行する。Wiiリモコンを振るとde blobはジャンプし、de blobを移動させるだけで触れたオブジェクトはそのときのde blobのボディカラーに染まる。de blob自身は町中に点在する様々な色の絵の具カプセルを獲得することで、ボディがその色に染まる。 de blobを操作して適当な色のカラーカプセルを獲得、その色でゲーム世界を塗っていくという内容になる。カラーカプセルは色を混ぜることが可能で、たとえば「赤」を取った後に「黄」を取れば、de blobはオレンジ色になり、以降、オレンジで世界を塗れるようになる。この色を混ぜ合わせフィーチャーを応用したパズル的要素もゲーム性に盛り込まれるようだ。 敵は数にものを言わせた執拗な攻撃を仕掛けてくるが、これをジャンプアクションなどを駆使して避けて、これまたジャンプアクションで上から踏みつぶして倒すことができる。ゲームを進めていけば、de blob自身にも様々な必殺技が与えられ、ド派手な攻撃アクションを繰り出して戦国無双的な大局攻撃も可能に。ゲームはミッション遂行型で、与えられたクエストをクリアすれば先に進めるというシステムになっている。その条件……とは色塗りだったり、味方の救出だったり、敵の撃破だったり、パズルイベントだったり……といろいろだ。 マルチプレイモードは8種類搭載。ストーリーラインに沿ったシングルプレイのアドベンチャーモードの他、ただただ世界に色を塗っていくだけの1人遊びモードも搭載される。まさに幼児から大人まで楽しめる内容だ。
北米での発売は2008年11月。日本での発売もほぼ同時期になると見られている。
■ 「Warhammer40,000:Dawn of War II」~TRPG「ウォーハンマー40,000」の世界感でRTSしちゃう 人気のテーブルトークRPG「ウォーハンマー40,000」の世界感である41世紀の未来を舞台にしたSF系リアルタイムストラテジー(RTS)ゲーム。銀河のオーレリア星系の辺境惑星での原住民種族との壮絶な戦闘を描いていく。 シングルプレーヤーでは、細かくカスタマイズ可能なメインキャラクタ達を中核とした部隊を戦場に送り込み、キャンペーンベースの戦闘に挑んでいくことになる。ストーリーはノンリニア進行でプレイするごとに異なる展開を楽しめる。マルチプレイは協力プレイにも対応しており、シングルプレーヤー用のキャンペーンモードを二人でもプレイすることが可能。 本作は一言で言うならば、「マウスとキーボードでプレイする戦闘に特化したオーソドックスなPC用RTS」という感じなのだが、グラフィックスの表現とド派手なユニット描写がすさまじい。 大群の雑魚兵士はまるで画面に虫が大量発生したかのような、細かくウニョウニョした動きを見せ、グロテスクでありながら、しかも美しい。ユニット群が死滅していく描写も、体の部位がバラバラになったり、血しぶきを上げながら倒れたり……と過激な残酷描写が目白押しで大迫力だ。中ボス戦、ボス戦も画面内を狭しと飛び交うレーザーや爆炎の舞い踊りが美しく、思わず見とれてしまうほど。 シーンに存在するものは背景から建物、全てが破壊可能で、敵ユニットを撃退するのに、近隣の建物を崩落させてダメージを与えたり……といった間接的な攻撃を用いた戦略が取れるのも本作の特徴。単にユニット対ユニットのパラメータの引き算合戦ではない、戦場のダイナミズムをRTSで体験できるのはかなり新鮮だといえる。こうした衝突、破壊処理には最新の物理シミュレーションエンジン「HAVOK4.5」を採用。取得済みのアニメーションデータを再生するのではなく、破壊アニメーションはリアルタイムな物理シミュレーションによって算出されているため、ビジュアル的な見応えも大きい。 開発は「カンパニー オブ ヒーローズ」シリーズを手がけたRelic Entertainment。ゲームエンジンはこの時のエンジンを大幅に進化させたESSENCE ENGINE2.0を開発して利用しているという。なお、グラフィックスエンジン的にはDirectX 9/プログラマブルシェーダ3.0(SM3.0)世代のものになるとのこと。
発売は2009年春を予定。現時点の開発進捗度は50%前後だとのことだ。
■ 「Saint Row2」~GTA3対抗の大本命!?「Saint Row」の続編が早くも登場 「グランドセフトオート3」(GTA3)タイプのオープンフィールド型クライムアクションゲームとして大ヒットした「Saint Row」の正当なる続編が早くも登場。日本でも前作「Saint Row」は発売されており、「GTA3」タイプのゲームファンからは高い支持を得られている。 今作「Saint Row2」は、前作のラストの爆発オチからの続きが描かれる。主人公は爆発に巻き込まれて5年間昏睡状態だったという設定で、変わり果てた前作の舞台スティルウォーター市に絶望の中、舞い戻ることになる。 今作では性別、年齢、声、アジト、ギャング団のロゴマークまでを自在にカスタマイズ可能で、しかもストーリーを紡ぐムービーシーンでもその姿で登場することができる。ブースでのデモンストレーションでは白塗りの化粧に落書きを施したピエロ顔にして、しかもホットドッグの着ぐるみを着せた、とても犯罪者には見えない姿でのプレイを行なって見せた。シリアスで暴力的ななムービーシーンでも変態的なホットドック男が登場するところをみせ、ブースは笑いに包まれる瞬間も。 さて、5年の月日でスティルウォーター市はさらに荒廃していて見た目に異なってしまっているが、前作をプレイしていれば、その土地勘は生かせるはず。乗り物による移動は今作もサポートされ、オートバイ、ジェットスキー、ヘリコプターや飛行機にまで乗れるようになった。ゲームモードも拡張され、ネットワークを通じてシングルプレーヤー用キャンペーンを協力プレイすることも可能となっている。 ゲームエンジンは前作のものをベースにしながら拡張された第2世代Sant Rowエンジンを採用。動的な天候表現、顔を含む多彩な法線マップによるディテール表現など、映像表現能力も向上させている。セルフシャドウまでをサポートしたリアルタイム影生成はシーン描写に説得力を増してくれる。 マップデータはダイナミックなストリーミング・ローディングシステムを開発することで、ムービーシーンへの移行の場合を除き、ローディング画面は現われない。プレーヤーはいつローディングが行なわれたのかに気づくことはない。このSR2エンジンの開発には3年以上が掛けられており、開発スタッフの間では「最高のエンジン」という自負があるようだ。
プラットフォームはPS3、Xbox 360が確定。PC版は現在検討中。北米での発売日は2008年10月14日を予定。現状での開発進捗度は90%だそうで、順調な様子。
■ 「Darksiders:Wrath of War」~“黙示録”版ゴッド・オブ・ウォー的アクションゲームが出た! X-Men、Battle Chasers、The Ultimatesなどの人気のアメリカンコミックの作家として知られるJoe Madureira氏が綴る、人類滅亡後の世界で繰り広げられる悪魔達の戦いを描いた3人称視点のアクションゲーム。 闇の魔王は地上を破壊し尽くすために、数々の悪魔達を地上に送り、破壊の限りを尽くす。この地上支配のための戦いに貢献した悪魔の騎士Horsemanだったが、その力があまりにも強大であったために魔王の反感を買い、力を奪い去られ封印されてしまう。プレーヤーはこのHorsemanに扮し、自ら悪魔でありながら、悪魔達への復讐に立ち上がる。荒廃した都市が広がる世紀末的な世界観と、正義の悪魔(?)という設定が日本の「デビルマン」を思い起こさせるが、アメコミを実写化したような独特な画調はオリジナリティに満ちあふれている。 ゲームは3人称視点の後方設置カメラで進行していく、「ゴッドオブウォー」や「デビル メイ クライ」タイプのアクションゲームスタイルで進行する。その地域を統括している悪魔を撃ち倒しながら、最終的な闇の魔王への到達を目指すことになる。各エリアには複雑なアクションパズル的トラップが仕掛けられており、ただ敵を倒していくだけでなく、このバズを解いて行かなければ先に進むことはできない。 主人公Horsemanには身体よりもでかい剣が与えられており、これで敵を滅多斬りにしていく爽快感がこのゲームの基本的なカタルシスになる。毟ったり、串刺しにしたり、投げ飛ばしたり……といった超人アクションの描き方は「ゴッドオブウォー」に近い。「ゴッドオブウォー」のクレイトスにもない、Horsemanだけの能力としてユニークなのは、ブーメラン型の手裏剣飛び道具攻撃とゴースト軍馬RUINの召還能力。 ブーメラン手裏剣は敵をロックした状態で投げれば、その場にとどまり続け、敵を攻撃し続けてくれる。そう、いわば敵をハメ攻撃状態にできるので動きを封じることが可能なのだ。この状態で剣攻撃をお見舞いすればコンボが成立。このようにブーメラン手裏剣と剣術の組み合わせによって独特の攻撃アクションが楽しめるのだ。ブーメラン手裏剣は一度に複数点のロックポイントが設定でき、複数の仕掛けのスイッチを作動させることにも使える。これはちょっと「ゼルダの伝説」のブーメランを連想させる。 ゴースト軍馬のRUINは、Horsemanがダッシュ中に召還すれば地面から浮き出るように現われて特定条件下では随時搭乗可能。巨大ボスとの対峙では、弱点をかばってヒットアンドウェイを繰り返すボスを追走して攻撃するきっかけを作ったり、ボスの必殺技攻撃を回避するのにも威力を発揮する。 開発はオースティンに本拠地を置く新興ゲームスタジオの米Vigil Games。今作のために開発されたゲームエンジンは、2年間の開発期間を要したとのこと。実質的に今作がこのゲームエンジンのデビュー作となるとのこと。グラフィックスエンジンも競合他社に負けないほどのハイクオリティぶり。HDRレンダリング、ブルームエフェクト、モーションブラーといった今世代グラフィックス表現は一通り搭載する。なお物理シミュレーションに関しては最新のHAVOK4.5を採用しているとのこと。
プラットフォームはPS3、Xbox 360。発売時期は2009年内という言い方をしている。
■ 「WWE Legends of WrestleMania」~プロレス黄金期を完全ゲーム再現! '80年代、'90年代の伝説的な人気を誇るWWEプロレスラー達を一挙にゲーム内に再現し、バーチャルなドリームマッチを楽しめる作品。 THQ担当者によれば、今作は「最近のプロレスはわからない」といって興味を失った昔のプロレスファンを呼び戻すことと、「プロレスゲームは難しい」といってゲーム離れをしたプロレスファンを呼び戻すために開発された作品だとのこと。そこで、レスラーは極力知名度の高い選手を出場させ、ゲームの基本操作はジョイパッドの方向レバーと、4つのボタンだけでOKという、極力シンプルなものにしたとのこと。 ゲームには人気レスラーだけでなく、マネージャー、レフリー、その他の試合本編とは無関係なキャストまでが実名の3Dモデルで登場する。レスラー専属マネージャーは自身のレスラーが有利に試合運びができるようにレフリーを欺いて試合進行を左右するようなズルをしたりもする。脇役までが実在の人物をモチーフにしているだけあって、'80~'90年代の実際の試合に起こった事件をゲーム要素に取り入れてしまっているのがおもしろい。とにかく'80~'90年代のプロレスをショーとして楽しめるよう、あの手この手を尽くして作り込まれている手応えを感じる。
開発は日本のYUKE'S横浜が担当。発売は2009年3月を予定しており、現時点での開発進捗度は40%程度だとのこと。ブースで公開されていたバージョンでは登場レスラーはアンドレ・ザ・ジャイアントとハルク・ホーガンの2人のみ。THQ担当者によれば、現在ゲーム内出演の交渉と3Dモデル化が急ピッチで進められているとのことで、日本人レスラーの登場も期待されるところだ。
■ 「UFC 2009 Undisputed」~汗と血ほとばしるリアル系異種格闘技ゲーム オクタゴンと呼ばれる八角形リングを用いたアメリカで人気の総合異種格闘技トーナメント「Ultimate Fighting Championship」(UFC)を完全ゲーム化した作品。 総計80人もの実在するファイター、解説者、アナウンサー、レフリー、リングガールを3Dモデル化して出演させているとのこと。とにかくフォトリアリスティックな、あたかもUFCイベントのテレビ放送そのものを見ているかのようなグラフィックス表現を心がけたとのことで、特にその人体表現は先進的で凝ったものになっている。 表情豊かな顔面感情表現を行ない、呼吸で胸や腹も伸縮し、汗も動的に掻くようになっているし、パンチやキックによって受けた傷はちゃんと選手に残り、流血表現も動的に行なわれる。なんと血しぶきはリングや相手の選手にも付着したりするこだわりようだ。各選手のファイティングスタイルもリアルに再現。柔道、ムエタイ、レスリング、キックボクシング、ボクシング、ブラジリアン柔術といった多様な武道のアクションモーションを正確に選手の3Dモデルへ適用して動かしている。 ゲームプレイは、遊びやすいシンプルな操作系で取っつきやすく、対戦格闘ゲームに近いスピーディな試合展開も本作の特徴。オリジナルのUFCファイターを作成して、将来のUFCチャンピオンを目指す、キャリアモードも搭載。
開発はYUKE'S大阪が担当。発売は2009年春を予定している。プラットフォームはPS3、Xbox 360。
■ 「Red Faction:Guerrilla」~火星でゲリラ活動。壊しまくって地球軍を困らせろ 21世紀の近未来の植民惑星となった火星を舞台に、火星の地下資源を牛耳る巨大企業アルター社に立ち向かっていく主人公達の姿を描いたのが前作「Red Faction」だった。今作は前作から50年後の22世紀の火星が舞台。前作のラストで救援の手をさしのべてくれたはずの地球軍(EDF)が、今度は火星に圧政を敷いているというショッキングな設定でゲームが開始する。 プレーヤーが操る主人公は、今作でも前作同様の自由に渇望する正義の炭坑夫だが、当然前作から50年後の未来であるため、前作の主役パーカーとは別人だ。今作でも広大で過酷な火星のオープンフィールドでゲームが展開する。サブタイトルに「ゲリラ」とあるように、プレーヤー扮する主人公は、圧政を敷く地球軍に対してゲリラ的な反抗活動を行なっていく。 見た目からは想像が付かないかもしれないが、やはり本作も、コンセプト的には「GTA3」に近い、オープンフィールドをノンリニアに探索していき、遭遇する様々なクエストをこなしていくことで、全体的なストーリー進行を促していくというゲームシステムが採用されている。なお、ゲームは基本、3人称視点システムで進行する。 「GTA3」的なシステム……とは言ったものの、もちろん舞台が火星なので銀行強盗や車泥棒をする必要はない。地球軍の重要施設に対して破壊活動を行なっていくのがプレーヤーの主たる行動方針となる。前作はダイナミックな地形破壊がゲームのキーコンセプトだったが、今作もそれは同じ。ゲームフィールドに存在するあらゆるものが、破壊可能で、動的に壊れていくシステムを実装しているのだ。 敵を待ち伏せして壁を破壊して敵を建物ごと押しつぶしたり、敵部隊が橋を渡っているときに橋の支柱を破壊して、敵軍勢を橋桁ごと谷底へ落としてしまう……といったことも可能。破壊目標や撃退対象物は指示されるが、その破壊方法や作戦はプレーヤーに委ねられるのだ。 剛体物理シミュレーションエンジンにはHAVOK4.5を採用するが、上層のノンリニア破壊システムはゲーム開発元の米Volitionが開発したものになる。具体的に言うと、HAVOK物理は破片となった瓦礫の挙動計算に用いているが、受けたダメージによる破片への分解や、建造物のバランスや耐久力計算はVolitionが開発したゲームエンジンBLAST TECHエンジンによって行なわれている。なお、Volitionは前作の開発も担当したゲームスタジオだ。 Volitionスタッフによれば、このBLAST TECHエンジンの開発には約4年が費やされたとのことで、今世代のPC、Xbox 360、PS3でやっと満足のいくノンリニア破壊システムが構築できたと感じているのだそうだ。 グラフィックスエンジン部も現世代他ゲームに負けない最新テクノロジーを凝縮して搭載。空の色や雲の形は動的生成しており、時間とともに刻々と変化していくシステムを開発して搭載している。HDRレンダリング、セルフシャドウ付き動的影生成、ソフトパーティクル、法線マップによるディテール表現、モーションブラーなどの各種ポストプロセスなど、数え上げれば枚挙にいとまがない。 地形システムは11平方キロメートルを管理できるシステムになっており、遙か遠くまでを見渡せるエピックスケール地形描画エンジンを実装させたとのこと。
発売は2009年前半を予定。日本での発売も期待したいところだ。
□THQのホームページ http://www.thq.com/ □E3 Media and Business Summit(英語)のホームページ http://www.e3summit08.com/ □関連情報 【2008年7月】「E3 Media and Business Summit 2008」記事リンク集 http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080716/e3link.htm (2008年7月19日) [Reported by トライゼット西川善司]
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