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EA Asia、シンガポールにてプライベートイベントを開催
シンガポール動物園でWill Wright自ら「SPORE」を披露

7月13~15日開催(現地時間)

会場:Singapore Zoo

 米大手ゲームメーカーElectronic Artsのアジア部門Electronic Arts Asia(EA Asia)は、現地時間の8月13日から15日までの3日間にかけて、欧米からスペシャルゲストを招き、シンガポール各地でプライベートイベントを開催している。

 イベント初日の13日は、Singapore Zooにて「Will Wright & Friends」が開催された。会場には、EAが誇る世界を代表するゲームクリエイターWill Wright氏が登場し、アジアのメディアに向けて、9月7日に全世界で発売が予定されているWright氏の最新作「SPORE」の最新バージョンのデモンストレーションが行なわれた。

 14日は、同日よりシンガポールにて開催されるGlobal Brand Forumにて、Will Wright氏の特別講演が行なわれる予定となっている。また、15日は、EA DICEの新IPとなる期待作「Mirror's Edge」のプロデューサーTom Farrer氏をゲストに迎え、Farrer氏自ら同作のデモを行なう。

 本稿では、取り急ぎ、13日に実施された「Will Wright & Friends」の全体の模様をお伝えしたい。Will Wright氏のデモの内容については別稿にてお届けする。

【Singapore Zoo】
Singapore Zooはたっぷりすぎるほどの熱帯樹林に覆われた赤道直下らしい動物園。それでいて一定以上の清潔感は保たれており、シンガポールらしいと言えるだろうか。ほとんどの動物が放し飼いに近い環境で飼育されており、間近で眺めることができる。頭上にいるサルやオランウータンは必見というか、降りてくることを考えるとやや怖い

【Forest Lodge】
イベント会場となったのは、動物園の真ん中あたりにある多目的スペースForest Lodge。至る所に「SPORE」ポスターが配置されている。裏に回ると、イベントを目前に控えてリラックスするWill Wright氏を発見!! 隣に移っているのは今回のツアーに同行しているという友人のキム・エドワーズさん


■ 動物に囲まれながらWii Wright氏が「SPORE」を語る

招待者を歓迎したEA AsiaプレジデントのJon Niermann氏
Niermann氏は「SPORE」のキャラクタメイキングが非常に簡単に行なえることを実証するために自らキャラクタを作成して見せた。左にいるのはMCを務めたMTVのVJ Denise Kellerさん
そして真打ちとなる「SPORE」Chief DesignerのWill Wright氏。継ぎ目のないパワフルかつスピーディーな喋りは健在だった
 「Will Wright & Friends」は、こぢんまりとしたスペースに、メディアと招待者を集めて、Will Wright氏自らが語るという形式で行なわれるプライベートイベント。ゲームのデモより、Wright氏が自身の想いを語る時間の方が長く、ファンの集い的性格の強いイベントと言える。北米では、今年2月のGDC2008の開催期間中に行なわれており、今回はそのアジア向け版といった印象だ。残念ながら日本で開催される予定はないようだ。

 イベントの会場となったのは、シンガポール最大規模の動物園であるSingapore Zoo。わざわざ動物園が選ばれたのは、「SPORE」がユーザーの創造性の赴くままに、動物園を凌駕するバリエーションのクリーチャーを生み出せるゲームだからだろう。動物園の歩道には、動物のようなクリーチャーが描かれた「SPORE」ポスターが立てかけられ、かと思えば頭上には本物のマンドリルやサル、そしてキリンなどがいたりして、楽しみながら会場に向かうことができた。

 招待者は、アジア各地のプレスに加え、EA Asiaとパートナー関係にあるDiscovery Channelから招待された中学生、専門学校生など、EA Asiaのスタッフも含めて200名前後というところだろうか。

 イベントは、EA AsiaプレジデントのJon Niermann氏の挨拶に始まり、Will Wright氏にバトンタッチ後は、「SPORE」の開発経緯の紹介から、「SPORE」最新バージョンのデモンストレーション、そしてQ&Aとノンストップで行なわれた。

 デモの内容は、GDC2005の講演、GDC2006のキーノートの内容をベースに、「SPORE」の最新バージョンに合わせたアップデートが行なわれていた。驚くべきは2005年当時から発言内容にまったくブレがないことで、「2001年:宇宙の旅」やSETIプログラムを発想の原点に、プロトタイプによるテストを何度も繰り返し、試行錯誤を重ねた上で、少しずつ現在の形に落とし込んでいったことが伝えられた。

 Wright氏のスピーディな喋りと独特のイントネーションによるデモンストレーションが、アジアのメディアや現地の学生たちにどこまで通じたのかは不明だが、「SPORE」は万人がクリエイティビティを縦横無尽に発揮できるゲームという明快なメッセージは伝わったものと思われる。

 ちなみに、EA Asiaは今回、「SPORE」のプロモーションにかなり力を注いでいる。HPやMTVと提携して、「SPOREクリーチャークリエイター」無料体験版を使ったクリーチャーデザインコンテストを実施している。もちろん、アジアリージョンに含まれる日本からも参加可能。リージョンごとの優勝者にはHP製のノートPCとEAのゲーム5本。アジアリージョンの優勝者には賞金5,000ドルが贈られる。

 イベントはWill Wright氏のデモンストレーションを中心に正味2時間ほどの短いものだったが、アジアで「SPORE」を成功させようという熱意が感じられ、好印象だった。惜しむらくは肝心の「SPORE」本編の出展が無かったことで、先月米国ロサンゼルスで開催されたE3からゲーム情報のアップデートは残念ながらない。「SPORE」本編の情報については、また機会を改めてお伝えするつもりだ。

Will Wright氏の才能は、こうしたスライド1枚1枚にも感じられる。非常にわかりやすくメッセージが伝わりやすい。中でも最後のスライドは、SPOREペディアへのクリーチャーの登録数が、9月までに10万体を見込んでいたところ、1週間で100万を突破したことを示している

会場広報では、「SPOREクリーチャークリエイター」(英語版)が出展され、自由にクリーチャーを作ることができた。「SPORE」本編が出展されなかったのは残念だが、みんなでわいわい作るとまた違った楽しさがある

(C) 2008 Electronic Arts Inc.

□Electronic Arts(英語)のホームページ
http://www.ea.com/
□Electronic Arts Japan(日本語)のホームページ
http://www.eajapan.co.jp/
□関連情報
【2006年3月26日】Will Wright氏キーノート「What's Next in Design」
「SPORE」への熱い想いとゲームリサーチの重要性とは?
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060326/gdc_will.htm
【2005年3月13日】ウィル・ライト氏が未来構想を語る「The Future of Content」
ライト氏のライフワーク「SPORE」で実演したプロシージャルな世界
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050313/gdc_will.htm

(2008年8月14日)

[Reported by 中村聖司]



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