【Watch記事検索】
最新ニュース
【11月30日】
【11月29日】
【11月28日】
【11月27日】
【11月26日】

E3 Media & Business Summit 2008現地レポート

Take Two Interactiveプライベートブースレポート
PS3「BIOSHOCK」独占DLC、2K初のMMO「Champions Online」等、2K Gamesの新作タイトル4本を一挙紹介!!

7月16日開催(現地時間)

会場:Los Angeles Convention Center

 米Take Two Interactive Softwareのゲームブランド2K Gamesは、プライベートブースにおいて複数の新作タイトルを披露した。昨年の台風の目となった「BIOSHOCK」のPS3版、2K Games初のMMORPG「Champions Online」、そして無限の武器バリエーションを誇るFPS「Borderlands」、最後は、最優良パートナーの1社であるFiraxis Gamesの最新作「Sid Meier's Civilization IV Colonization」の計4本である。

 先の記事でも紹介したように、Take Two Interactive Softwareは、日本法人がないため、日本での発売はすべて未定となるが、過去のケースから予測すれば、いずれのタイトルも日本展開される可能性は高い。PS3版「BIOSHOCK」から順にご紹介していきたい。

【Take Twoプライベートブース】
常に大勢のメディアで賑わっていたTake Twoプライベートブース。右の写真は「Sid Meier's Civilization IV Colonization」のデモを行なうDennis Shirk氏


■ PS3版「BIOSHOCK」は捕らわれ!?のリトル・シスターを助ける独占DLCを配信!!

デモを行なうPS3版「BIOSHOCK」プロデューサーの2K MarinのMaya Miller氏
「BIOSHOCK」は、荒廃した海底都市“ラプチャー”を舞台に繰り広げられるホラーアクションアドベンチャー。ビッグダディー(左)とリトルシスター(右)という“生態系”の存在がゲームにかつてない妙味をもたらしている
 2007年8月にリリースされ世界中で大ヒットを記録した「BIOSHOCK」。日本でもXbox 360版が2月21日に、PC版が6月27日にそれぞれ発売された。今回披露されたのは、開発が遅れていたPS3版だ。遅れた理由はPS3向けのUnreal Engine 3.0の開発の遅れ、パフォーマンスアップに手間が掛かったためなど複数が挙げられているが詳細はよくわからない。一度プロジェクトが止まって、再び走り出した形跡もある、発売時期は2008年10月を予定。既存のビジネスでは考えられないほどの発売の遅れだ。

 しかしながら、開発元はメインの2K Marinに加え、Xbox 360版とPC版を開発した2K Bostonと2K Australia、そしてDigital Extremesの4社が加わっており、それなりに力の入ったプロジェクトだ。ミリオンヒットとは言わないまでも、それに近い売り上げをPS3版においても期待しているものと見られる。

 PS3版の特徴は、Xbox 360版の完全移植に加え、ノーマル、ハードを上回る高難易度モード「サバイバー」の採用、トロフィーシステム(Xbox 360の実績に相当)、そしてPS3独占配信のDLC(ダウンロードコンテンツ)の3点である。ハードですら“簡単すぎた”というハードコアゲーマーにとっては「サバイバー」モードの追加は楽しみな要素のひとつになりそうだ。

 2K Gamesが、「BIOSHOCK」のPS3版の起爆剤として捉えているのは、言うまでもなくPS3独占配信のDLCだ。DLCはどちらかというとプラットフォーマーの要請により、マルチプラットフォーム展開するタイトルに対する重み付けのニュアンスが強い。後発のモチベーションとして利用されるケースは珍しいが、今後増えていきそうだ。

 さて、2K Gamesのプライベートブースでは実際に実機を使ったDLCのデモンストレーションが行なわれた。DLCで追加されるマップは“challenge rooms”と呼ばれ、既存のストーリーでは行くことができなかったラプチャーの別のエリアを舞台にしている。

 主な舞台となるのはGrand Carnivalという名の遊園地。左右に衛兵のオブジェクトのある豪華な入り口を抜けると、射的などが行なえる出店が並び、その奥にはなんと大きな観覧車がある。もちろん、「BIOSHOCK」本編と同様にDLCにおいても荒廃した後のラプチャーが舞台となっているため、辺り一帯は無人となっており、電力の居る装置は動きを止め、そしてまた浸水がおびただしい。出店に並ぶクマのぬいぐるみや横倒しになった自動販売機が、かつての楽園を彷彿とさせてくれる。

 さて、無人の観覧車の最上位のゴンドラに、なぜかリトルシスターが置き去りにされている。なぜそんなところにいるのかはよくわからないが、彼女を救うのが主人公ジャックに与えられた使命となる……。

 クエストの内容は、観覧車に電源を入れ、リトルシスターのいるゴンドラを動かして、彼女を救出すること。デモでは、Electro Boltのプラスミドやトラップボルト等を駆使して、スイッチに電源を流し、1/6ずつ動かすシーンを見ることができた。あたりは無人で、ビッグダディーも見あたらなかったが、スプライサーは定期的に襲いかかってきたため、油断はできない。彼女を助けるとどのようなご褒美がもらえるのか楽しみだ。

 なお、PS3版は日本でのパブリッシャーは未定となっているが、Xbox 360版、PC版が出たことを考えると、PS3がもっとも市場性が高いだけにPS3版がリリースされるのはほぼ間違いないと見て良いだろう。

【BIOSHOCK(PS3版)】
デモを見た限りでは、グラフィックスやパフォーマンスでの変化は特に見られなかった。1年後のリリースということを考えても、最低限Xbox 360と同等か、それに勝るパフォーマンスを見せてくれると考えていいだろう

【PS3版独占DLC“Challenge Room”】
海底都市に遊園地があったというのが何より驚きだが、リトルシスターがなにゆえにゴンドラの最上階にハマってしまったのかも謎である。ジャックは、どこからか電力を調達し、彼女の乗るゴンドラを下まで動かさなくてはならない


■ 「City of Heroes」のCryptic Studiosが放つスーパーヒーローMMORPG「Champions Online」

Cryptic Studiosの「Champions Online」プロデューサーのChris Lena氏
ダークパワーを使って足止めをするスキル。D&Dにおけるウェブのようなスキルだ。デモでも実際に使用するシーンを見ることができたが、ボスにも効くなどなかなか効果的だった
 「Champions Online」は、テーブルトークRPGのセッティングのひとつ「Champions」の世界観をモチーフにしたMMORPG。開発元はスーパーヒーローモノのMMORPGとしては初の成功事例である「City of Heroes」や「City of Villains」を手がけたCryptic Studios。今回もまたゴリゴリのスーパーヒーローモノのMMORPGとなっている。今回はプロデューサーのChris Lena氏に直接デモをしていただいた。

 「Champions Online」は、非常にカスタマイズ性の高いキャラクタメイキングを通じて生み出されたスーパーヒーローを操作し、世界の様々な悪を撃滅していく、シンプルでわかりやすい勧善懲悪式のMMORPG。ジョブの概念はなく、スキルの選択、組み合わせによってキャラクタの性能が決まるカスタマイズ性の高いキャラクタ育成システムを採用しており、ジェダイのようなフォースブレードを両手に持ったり、サイオニックパワーを駆使して敵を吹き飛ばしたり、足止めしたりなど、思うがままのヒーロー像を追求することができる。

 そのほかの特徴としては、最近のMMORPGのトレンドのひとつといえるアクション性の高さが挙げられる。ジャンプアクションを駆使して、高所から飛び降りたり、オブジェクトを乗り越えたりできるほか、バトル時も軽快なアクションを見せてくれた。デモに使用されたのはPC版だが、ゲームの操作は終始Xbox 360のゲームコントローラを使っていることからも、そのアクション性の高さが伺えるだろう。

 発売プラットフォームは、PCに加え、Xbox 360もラインナップに含まれており、さらにクロスプラットフォームによるゲームプレイも実現予定としている。発売時期は2009年春を少し先だが、2Kが放つ初のMMORPGの今後の展開に期待したい。

【Champions Online】
自分好みのスーパーヒーローを作成して、仮想空間で活躍させられるMMORPG。カートゥーン調のグラフィックス、吹き出しによるチャットなど、アメコミの雰囲気そのままだ。発売プラットフォームはXbox 360とPCで、発売時期は2009年春


■ 数十万種類の武器が登場するRPG要素を備えたFPS「Borderlands」

Take Twoの発表会で行なわれたデモンストレーションの様子
 「Borderlands」は、FPSの要素に、RPGのエッセンスを加えたハイブリッド型のアクションシューティング。開発元は、FPS開発の老舗であるGearbox Softwareが担当している。発売プラットフォームはPS3、Xbox 360、PCで、2009年の発売が予定されている。

 「Borderlands」はパッと見では、オーソドックスなFPSに映るが、デモを見ているウチにその特異性に気付く。まず、武器の種類が半端ではない。次から次に新しい武器が登場し、わずかな性能差も加味すると、その数、数十万にも及ぶという。武器のパラメータのジェネレート機能による、ランダム性、コレクション性の高いゲームプレイが特徴といえる。

 次に銃撃戦を経るたびにレベルアップする。レベルアップのたびにアラートがなって、まるでMMORPGのようだが、レベルが上がることで、キャラクタの性能が向上するほか、新たな能力が開放されるという。

 そして3つ目として、CO-OPが良くできている。デモでは2人CO-OPだったが、バギーの操縦手と機銃手の立ち位置を一瞬で交代したり、Electronic Artsの「Army of Two」のように、見せ方と、演出にFPS開発の老舗らしいセンスの良さが感じられた。

 ただ、こうした特徴的な要素がいくつか一方で、そのどれもが決め手に欠ける印象を持ったのも事実だ。Flagship Studiosの「Hellgate: London」が実証しているように、システムの多様さは、残念ながらゲームのおもしろさの担保にはならない。ひとつは「Halo」シリーズに対する対抗意識、もうひとつはRPG要素をFPSの上に軟着陸させるためのジレンマ、このあたりがゲームのブレに繋がっている印象を受ける。今後の作り込みに期待したいところだ。

【Borderlands】
リアリティの高いSFセッティングを舞台にしたFPS。肉体の欠損などのゴア表現も激し目で、万人向けの「Halo」シリーズに対して、アダルト向けの「Borderlands」という印象を受けた。発売プラットフォームはPS3、Xbox 360、PCで、発売時期は2009年


【Sid Meier's Civilization IV Colonization】
日本でもサイバーフロントから発売される日本語版を通じて高い人気を誇る「Sid Meier's Civilization IV」の最新拡張パック。プレーヤーは、イギリス、フランス、スペイン、オランダいずれかの入植部隊を率い、新大陸へ入植を果たしていく。入植者同士の勢力争いに打ち勝ち、最終的には革命を宣言し、母国との独立戦争に挑むという異色の拡張パック。発売プラットフォームはPCで、2008年9月発売予定

□Take Two Interactive Softwareのホームページ(英語)
http://www.taketwogames.com/
□2K Gamesのホームページ(英語)
http://www.2kgames.com/
□E3 Media and Business Summit(英語)のホームページ
http://www.e3summit08.com/
□関連情報
【2008年7月】「E3 Media and Business Summit 2008」記事リンク集
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080716/e3link.htm

(2008年7月19日)

[Reported by 中村聖司]



Q&A、ゲームの攻略などに関する質問はお受けしておりません
また、弊誌に掲載された写真、文章の転載、使用に関しましては一切お断わりいたします

ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp

Copyright (c) 2008 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.