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会場:Los Angeles Convention Center
カンファレンスの冒頭には、同社チェアマンのStrauss Zelnick氏が姿を現わし、昨年から同社のセールスが極めて好調に推移していることを報告。好調の要因は、2007年8月にリリースされ、NewIPながらいきなりダブルミリオン超えの大ヒットを記録した「BIOSHOCK」、そして発売月だけで350万本以上のヒットを記録した「Grand Theft Auto 4」の2タイトルの存在が絶大だ。現在はそれぞれ600万本近くのセールスを記録していると言われる。まさに空前のビッグヒットだ。
Zelnick氏は、同社の好調ぶりは、この2タイトルで終わりではなく、次のステージの幕開けに過ぎないことを宣言。ワールドワイドに、17の開発スタジオと1,400人の開発者がいることも報告され、今後の展開に期待を持たせてくれた。本稿では、プレスカンファレンスで紹介されたタイトルを中心にご紹介していきたい。なお、クローズドブースでデモを実施していた2K Gamesブランドのタイトルに関しては、別途詳しくご紹介したい。
■ Rockstar Gamesの新作は「Grand Theft Auto ChinaTown Wars」と「Midnight Club: Los Angeles」
Take Twoは、このRockstar Gamesと2K Gamesの2つのブランドを軸にゲームビジネスを行なっている。Rockstar Gamesは、「Grand Theft Auto」シリーズを筆頭に、その反社会性においては同シリーズに肩を並べる「Manhunt」シリーズ、深夜の公道レースをモチーフにしたレースゲーム「Midnight Club」シリーズ、学園アクション「BULLY(ガキ大将)」といった明らかに一癖あるラインナップを擁する。 今回のE3では、「GTA」シリーズの新作となる「Grand Theft Auto ChinaTown Wars」をニンテンドーDS向けに独占発売することが発表されたほか、「Midnight Club」シリーズ最新作「Midnight Club: Los Angeles」と新規IPとなる「L.A Noire」が映像で公開された。 「Grand Theft Auto ChinaTown Wars」は、今冬発売予定で、開発元はRockstar LeedsとRockstar North。内容については、リバティシティのチャイナタウンを舞台にニンテンドーDSに特化した新しい「GTA」体験が楽しめるゲームとしか判明していない。日本での発売は未定。 「Midnight Club: Los Angeles」は、ロサンゼルスを舞台にしたシリーズ最新作。開発元は、同シリーズの開発を担当しているRockstar San Diego。今回は発表会での映像出展のみだったため、ゲームの詳細は不明だが、ロスの乾燥した空気が良く再現された昼のステージが印象的だった。発売プラットフォームはXbox 360とPS3。発売時期は2008年としている。
「L.A Noire」は、動画で数秒姿を現わしたまったくの未知のタイトルで、公式サイトによれば、RockstarのパートナーであるオーストラリアのゲームデベロッパーTeam Bondiが開発しているクライムスリラー作品。タイトル通り1940年代後半のロサンゼルスを舞台に、戦後の頽廃と麻薬、ジャズをエッセンスにLAノワールを描く。Rockstar Gamesブランドならではの作品となりそうだ。
■ カジュアルゲームブランド「2K Play」を新設。2K Gamesの新作では「Mafia II」に期待
今年のE3では、ほとんどは映像出展のみだったが、ついつい目移りしてしまう圧倒的なラインナップだった。2K Gamesからは、「BIOSHOCK」(PS3版)、「Borderlands」、「Civilization Revolution」、「Champions Online」、「Mafia II」。続いて2K Sportsからは、「NBA 2K9」、「NHL 2K9」、「Top Spin 3」、「Don King's Prizefighter」、「MLB 2K9」。そして新設された子供向けのカジュアルゲームブランド2K Playからは「Carnival Games Mini-Golf」、「Dora Saves the Snow Princess」の2タイトル。 発表会では、2K Sportsと2K Playの2ブランドを中心に、の新作タイトルのデモンストレーションが行なわれた。2K Sportsは、Sega of Americaのスポーツゲーム部門2K Sportsを母体とし、EAと同じように年に1度新作をリリースしている。2K Sportsはあくまで北米向けのブランドであるため、日本を含む海外での知名度は、EAとは比べものにならないほど低いが、ライバルがなんといってもEA Sportsだけに非常にクオリティが高くなっている。NHL(National Hockey League)のゲームが海外でビジネスになるかどうかは別にして、日本展開される日もそう遠くはないだろう。 もうひとつ印象的だったのは、「Carnival Games Mini-Golf」、「Dora the Explorer: Dora Saves the Snow Princess」という2本のカジュアルゲーム。いずれもXbox LIVE Arcadeにありそうなパーティー/ファミリーゲームだが、Wii向けに特化したことで、Wiiリモコンの操作による体感アクションをウリとしている。 「Carnival Games Mini-Golf」は、キャラクタとコースがユニークなゲームならではのゴルフゲームなのでWiiリモコンの操作はスイングが大半となるが、「Dora the Explorer: Dora Saves the Snow Princess」は、ベルトスクロールアクションをすべてWiiリモコンの特性を使って操作する。Wiiリモコンを横に持ち、横移動はリモコンを左右に傾けることで行なう。ステージのオブジェクトやハシゴの上り下りは、リモコンの左右を交互に上げ下げしたり、振り回したりして行ない、キャラクタの可愛いらしさも相まって、童心に返る楽しさがある。
重要なのは、これまでハードコア路線に傾注してきたTake Twoが、一転してポートフォリオのバランスを意識し始めて、EAやActivision、Ubisoftのような総合ゲームパブリッシャーの道を歩み始めたことだ。ラインナップ的にはまったく申し分がなく、なぜ販路をワールドワイドに広げないのかが不思議なぐらいである。EAが高額のプレミアムを払ってまで買収したくなる気持ちもよくわかる。今後日本でもますます影響が強くなるメーカーになることは間違いない。まずは、2008年内にカプコンから発売が予定されている「グランド・セフト・オートIV」を心待ちにしたい。
□Take Two Interactive Softwareのホームページ(英語) (2008年7月18日) [Reported by 中村聖司]
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