【Watch記事検索】
最新ニュース
【11月30日】
【11月29日】
【11月28日】
【11月27日】
【11月26日】

「リネージュ II」、「セカンドスローン 希望のグレシア」体験レポート
インスタンス、スキル追加、初心者支援……よりプレイしやすいバランスへ

7月22日実装



 エヌ・シー・ジャパン株式会社は、MMORPG「リネージュ II」において、7月22日にアップデート「セカンドスローン 希望のグレシア」を実装する。

 「セカンドスローン 希望のグレシア」(以下、「セカンドスローン」)の今回の実装では、特に「キャラクタ育成のためのサポート充実」が目立つ。レベル62までのキャラクタに補助魔法がかけられるようになったり、レベル40まではテレポートが無料になったり、また、ソロプレイが難しかったクラスにスキルが追加されたり、一定時間取得経験値を増す「バイタリティシステム」が追加されたりする。

 この他にもインスタンスゾーンの追加や、狩り場のリニューアルなど様々な要素が実装される。新地域というほどの広大なエリアの実装こそないものの、よりプレイしやすくなる環境を作ろうというスタッフの想いが感じられる。本稿では実装に先がけて行なわれた体験会でのスクリーンショットと共に、新要素を紹介していきたい。


■ 初心者、中級者へのバックアップがより充実、新しいバランスをもたらすセカンドスローン

レベル40まではゲートキーパーのテレポートが無料に。キャラクタを育てやすい変更が多数実施された
新エモーション「誘惑」。種族によって様々なポーズを見せてくれる
 「ファーストスローン」では、新種族「カマエル」が追加されたが、今回の「セカンドスローン」ではキャラクタ育成のためのバランスに大きく手が加えられるようだ。「バイタリティシステム」は狩りの時にボーナス経験値が得られる新システム。経験値を増やすバイタリティポイントは、“キャラクタがゲームに未接続”、“ピースゾーンに滞在している”“ボスモンスター、またはレイドボスモンスターを討伐する”といった条件で取得できる。

 バイタリティポイントに応じて“バイタリティレベル”が上昇し、得られる経験値ボーナスが増えていく。このポイントはモンスター(ボスモンスター、レイドボスモンスターをのぞく)を倒すと減少していく。週末にしかゲームをプレイしない人や、露店でキャラクタを動かしていなかった人でもより高レベルを目指すことができるシステムといえる。コアプレーヤーは、ボスモンスターを狩ることでこのポイントをゲットし、さらなる上を目指すことも可能だろう。

 「セカンドスローン」では戦闘のバランスも変わる。キャラクタや、モンスターの近接ダメージが向上し、弓などの遠距離攻撃は、接近戦ではダメージが減少するというような距離の修正が導入された。攻撃者の位置によりボーナスが考慮されるようになり、毒や出血のダメージが増加した一方で、抵抗値を上げておくことで、状態異常の魔法の効果も減少するようになった。「リネージュII」では接近戦キャラクタに比べ弓キャラクタが有利だったが、今回の変更により、前衛の戦士の活躍の場所が増えるだろう。弓のキャラクタは、より距離を考えた戦略が必要となりそうだ。

 ペットは死亡してから20分で回収しなくては自然消滅していたが、消滅時間が24時間になった。不注意で消してしまうようなことが減るのはうれしい。この他、召喚獣は戦闘値が変更され、さらに「クイーン オブ キャット」、「ユニコーン セラフィム」、「ナイトシェード」の3匹の召喚獣にいくつかの補助魔法が追加された。召喚獣を使いこなす職業のプレーヤーは戦術の幅が広がったといえる。

 PvPに関しては、攻城戦を行なう時などに戦場にキャラクタを登録しておけば倒されても経験値ペナルティーを受けなくなった。戦い方の研究などにも使えそうである。ただし、倒されたキャラクタは倒されてから一定時間戦闘値が低下する。これを直すには「戦場用スクロール」が必要となる。これは名声管理人NPCから入手できる。また、他キャラクタを攻撃した際の「決闘状態(キャラクタ名が紫色に変化)」の継続時間が、既存の40秒から120秒に変更された。戦場外でも戦闘を行なう場合には注意が必要だろう。

 レベル40までのゲートキーパーを利用したテレポートが無料、さらにレベル62まで冒険家NPCから補助魔法が受けられるのは冒険を大きく楽にしてくれるだろう。また、販売されているアイテムが値下げになり、Cグレードの最上級までが商店で、名品館ではBグレードの下位まで販売されるようになった。Bグレードもドロップなどで入手した場合、マモンの鍛冶屋で同じグレードのアイテムと交換してもらえる。以前に比べて、中級者までの武器入手のハードルがぐっと下がった。プレーヤー間の相場にも大きく影響を与えそうだ。

 新規アイテムとしては、エンチャント(強化)やソウルストーンによるオプション付与、精錬ができないというデメリットがあるものの非常に安い量産型アイテムがグレード追加され、商品で販売される。また、アイテム製作に関しては一定確率でアイテムが複数作成できたり、レアアイテムに変換できる「混沌のアイテム」を作ることができるようになった。ちなみに、「リネージュII」におけるレアアイテムは、攻撃力増加やクリティカル確率増加など様々な力が付与された特別なアイテムのことだ。

 全体的に、中級者までの狩りとキャラクタ育成がしやすくなる印象を受ける。これからプレイするユーザー、セカンド、サードキャラクタを育てようとしているプレーヤーにとってうれしい要素といえる。実装直後は初~中級者ゾーンが多くのプレーヤーキャラクタでにぎわうことになりそうだ。

中級者向けのアイテムまで販売されるようになった。プレーヤー達の相場にも変化が起きそうだ
ペット用の装備の販売と、召喚獣の新スキル。今回の追加要素でプレーヤーの戦力はアップする


■ 多数のスキルの追加でソロプレイもより強く。変化する戦闘バランス

ナイト系職業は、バンガード状態になることが可能に。攻撃力が増し、ソロプレイもしやすくなる
多数のスキルが追加されたウォースミス。ゴーレムを強化し、パーティーにも貢献できる
 今回のアップデートではスキルの追加も多い、追加要素には「ソロ要素の強化」という印象が強い。ナイト系のクラスはレベル43から「バンガード」と呼ばれる状態になることができ、ヒーラー系は「インクイジター」という状態になれる。ナイト系は防御力が高く、ヒーラー系は回復力に秀でているが、その分どちらも攻撃力が低い、このためソロでの狩りは難しかったのだが、今回の状態変化スキルにより、バンガードは近接攻撃力が、インクイジターは魔法攻撃力が上がり、ソロプレイしやすくなっている。

 新規スキルではウォースミスの追加が多い。生産職として活躍しているウォースミスだが、今回のスキルの追加で、ソロでも、パーティーでも活躍の場が増えそうだ。「リペアゴーレム」は、召喚したゴーレムを修理するスキル。さらに「マイティーパワー」でゴーレムの力を増し、「アーマープレート」でゴーレムの装甲を強化することができる。

 ウォースミスはパーティーの力を増すことができる強化スキルも追加された。「シャープン エッヂ」は刃のある武器を、「スパイク」は鈍器を、「ボウ ストリング」は弓を、「フェイス ハーデン」、「ハード タンニング」、「エンプロイダー」は重装備、軽装備、ローブをそれぞれ強化できる。また、「サモン マーチャント ゴーレム」で商人組合ゴーレムを召喚可能だ。

 カマエルにも追加スキルがある。「ファストリカバリー」は、MP、HP、CPの回復力が上がるパッシブスキル。バーサーカーは自分のHPをフル回復できる「リコンストラクションボディ」、パーティーメンバーのHPの最大値を増す「ブラッドコンストラクト」のスキルが追加された。ソウルブレーカーは、敵のスピードを下げる「ソウル ウェブ」、一定時間敵からのダメージを受けなくする「ペイン キラー」、アーヴァレスタは敵のマナで成長し、成長後は敵のスキルを使えなくする“破滅の種”を植え付ける「インビュー ドゥーム シード」、敵を忘却状態にし、ターゲットを外させる「オブリビオントラップ」、インスペクターには魔法詠唱速度向上と、再使用時間が減少する「エキスパート キャスティング」が追加された。

 この他にもカマエルは、魂のチャージがなくてもスキルを使うことができるようになった。魂は最大40個までチャージでき、チャージした数に応じてスキルの威力が上がるようになった。カマエルとファイター系の職業はMP回復速度が上がり、物理攻撃スキルは全体的に威力が上昇し、消費MPも減った。一方魔法攻撃は固定ダメージだったものが、最小値、最大値が設定されてランダムになった。このランダムダメージ幅は武器によって自動適用される。魔法使用時に発生していた「魔法クリティカル」は、発生確率がアップした代わりに、ダメージ量が一般ダメージの4倍から3倍に減少している。ちなみに、魔法クリティカル発生率は上昇しても、最大20%を超えないようになっている。

 この他にも多岐にわたりスキルの調整が入っている。全体的に使い勝手が良くなり、特に接近戦の職業の力が増す印象だ。これらの細かい変更は、プレイにどのような影響をもたらすのか、注目したいところである。攻城戦などでの役割や編成も考えていく必要があるかもしれない。実装直後から、コアプレーヤーの模索と、議論が始まるのは間違いない。

 キャラクタごとの「名声値」というのも新しい要素である。これまで血盟の名声は設定されていたが、キャラクタ個人には設定されてはいなかった。名声値は2次転職、レベル40以上のキャラクタが取得でき、攻城戦や要塞戦、アジト戦など登録された戦場で敵を倒すことで入手できる。この他、闇の祭典での最高ポイント記録や、地下コロシアムでの活躍、さらにオリンピアードでノーブレスゲートパスを消費することで入手できる。得られた名声ポイントは、名声値管理人を通じて、便利な消費型アイテムや、対人用のAグレードの武器、防具などに交換できる。また、血盟名声と交換できたり、PKカウントを減らすことも可能になっている。

 血盟名声値のバランス変更や、レイドランキングの集計が、1カ月から1週間への変更、などもある。また、インターフェイス周りも有益な補助魔法をALTとクリックで消すことが可能になり、他のプレーヤーとタイミングを一緒にしやすくなったり、ソング/ダンス専用のスロット、レアアイテムの表示変更など細かいところが変わっている。

ゴーレムの力と、仲間の力を増すことができるウォースミス。右は商人ゴーレム。冒険の途中で、街に戻らず戦闘アイテムを購入して補充することが可能だ
魂がなくてもスキルが使えるようになったカマエル。魂を使えばスキルはより強力になる。初心者支援要素の充実もあって、カマエルの人気は高まりそうだ
状態を変化させることで専用のスキルが使える。中央と右はヒーラー系の職業が「インクイジター」になることで使える攻撃スキル。ヒーラーでも攻撃力を増すことが可能になった


■ 新インスタンス「カマロカ」。狩り場のリニューアル、クエストの追加、変化がもたらすプレーヤー社会の今後は?

巨大な敵。カマロカでは高い報酬が期待できる巨大なモンスターとの対決が楽しめる
リニューアルされたクルマの塔。報酬も増している
 今回追加された新コンテンツとしてインスタンスゾーン「カマロカ」がある。カマロカは、「カマロカ」、「リム カマロカ」、「ニア カマロカ」の3種類があって、リム カマロカはリネージュII公認ネットカフェ専用のソロプレイ向けインスタンス、ニア カマロカはネットカフェで得られる「ネットカフェポイント」が必要なインスタンスゾーンである。カマロカはネットカフェの要素のないコンテンツである。

 各インスタンスフィールドは、レベルが設定されていて、レベル18~31のキャラクタはグルーディオ村から、レベル28~41のキャラクタはディオン城の村から、といった形で挑戦できるレベルと場所が設定されている。カマロカと、ニア カマロカは2~6人で挑戦できる。制限時間は30分。リム カマロカは戦闘20分、報酬選択時間が10分という設定だ。今回挑戦したのは、レベル38~51が挑戦できる水上都市ハイネスのカマロカと、レベル68~78のルウン城の村のカマロカだ。どちらも巨大なボスとその従者、という構成で、ダンジョンというイメージではなく、強力なモンスターに挑戦という感じだった。2人のキャラクタの挑戦では難しく感じた。とはいえ、皆で集まってボスと戦うというコンテンツは、血盟や友達同士で盛り上がりそうだ。

 各インスタンスフィールドには1日に1回挑戦できる。特にネットカフェから1人で挑戦できるというリム カマロカに興味が惹かれた。現在まだ明らかになっていないが他のカマロカとは違う報酬が用意されるようで、こちらも楽しみである。

 人気の狩り場だった「クルマの塔」がリニューアルし、得られる報酬が増加、ランダムで様々な特典が付けられるといったこともある。ただし、高レベルプレーヤーの占拠をさけるため、レベル56以上のキャラクタは入ることができなくなった。この他、バルカ シレノス、無法者の森、野獣の庭園がリニューアルしている。

 オーク村にはレベル15から挑戦できる「悪霊の痕跡」、ドワーフ村にはレベル18から挑戦できる「若き発明家の夢」という反復できるクエストが追加され、ギラン城の村にはレベル40から挑戦でき、神秘のキューブがもらえる「特別な注文」と、2次転職を簡単にしてくれる「恩返し」というクエストが追加された。高レベル冒険者向けフィールド「ヘルバウンド」では、侵入が容易になる「ヘルバウンドへの道」というクエストが追加されている。

 クエストはこの他にも1次と2次転職の報酬がよりよいものになっていたり、クエストアイテムのドロップ率が上昇したりといった形でバランスが調整されている。チュートリアルクエストも追加され、1次転職まで手軽になり、初心者によりやさしくなった。取得すると能力を増してくれるハーブの効能が2分から5分になったり、新規アイテムをドロップしたり、レイドモンスターの報酬が増加したりと、初心者から上級者まで、ゲームのバランスの変更を実感できる要素が入っていて、ゲーム世界にどんな変化をもたらすか興味深い。

 「セカンドスローン」は全体的にバランス調整の要素が多く、一見すると地味な印象を受ける。しかし、新規プレーヤーが参入しやすくなり、成長のハードルが下げられたことは、新しい活力を世界にもたらしてくれるのではないだろうか。古参プレーヤーにとってきつかった道のりを新規プレーヤーが駆け上がってくることは、「仲間が増える」という点で、やはり大きく歓迎したいところだ。

 現在、多くのプレーヤーはまだ前回のアップデートで実装された上級者向けの“目標”へ努力しているところだ。今回のバランス調整で、そこまでの距離がどう変化するかも実装されたコンテンツを体験して確かめたい。そして今後どのようなコンテンツが追加されるかも楽しみだ。個人的にはタイトルに描かれた空に浮かんでいる船が気になる。サービス開始前に開発者が言っていた空飛ぶ船がいよいよ実装されるのか……期待したい。

街の特定のNPCから挑戦できるカマロカ。リム カマロカとニア カマロカはネットカフェポイントが必要となる
水上都市ハイネスで挑戦できるカマロカ。強力なモンスターに少人数でいかに挑むか、戦い方を模索していくことになるだろう
リニューアルされたクルマの塔。この他にもいくつかの狩り場がリニューアルし、キャラクタを育成するための狩りがしやすくなった
追加されたクエスト。ドワーフ村とオーク村でもキャラクタが育成しやすくなっている
中央は、今回追加されたアクセサリの精錬、右はレベル62まで受けられるようになった補助魔法。中級者、上級者も今回の実装でパワーアップするが、上級のモンスターもスキルが強力になっており、注意が必要だ

Lineage II(R) and Lineage II(R) the Chaotic Throne are trademarks of NCsoft Corporation. 2003-2008 (C) Copyright NCsoft Corporation. NC Japan K.K. was granted by NCsoft Corporation the right to publish, distribute, and transmit Lineage II the Chaotic Throne in Japan. All Rights Reserved. ※画像、アップデート内容、名称などは開発中のものです。実装時には変更になる場合があります。

□エヌ・シー・ジャパンのホームページ
http://www.ncjapan.co.jp/
□「リネージュ II」のページ
http://lineage2.plaync.jp/setup/
□「リネージュ II セカンドスローン 希望のグレシア」の特設ページ
http://lineage2.plaync.jp/event/2ndThrone/
□関連情報
【6月17日】NCジャパン、MMORPG「リネージュ II」
大型アップデート「セカンドスローン 希望のグレシア」の情報を公開
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080617/line2.htm
【6月17日】NCジャパン、「リネージュ II」4周年記念キャンペーン開催
大規模アップデートと日本縦断ユーザーカンファンレンスも実施決定
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080617/line2.htm
【6月2日】ソースネクスト、「リネージュ II」の初心者向けパッケージ
WIN「LINEAGE II はじめてのリネージュ II」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080602/snext.htm
【3月21日】「リネージュII」、「ファーストスローン Plus~解放されし力~」体験レポート
鋼鉄の城、新スキル、新変身……コアプレーヤーに向けた新たな目標とは?
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080321/lineage2.htm
【2月29日】 NCジャパン、「リネージュII」
3月25日に「ファーストスローン Plus~解放されし力~」を実装
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080229/line2.htm
【2007年11月22日】 「リネージュ II」、アップデート
「ファーストスローン 新たな種族カマエル」体験レポート
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20071122/line.htm

(2008年7月18日)

[Reported by 勝田哲也]



Q&A、ゲームの攻略などに関する質問はお受けしておりません
また、弊誌に掲載された写真、文章の転載、使用に関しましては一切お断わりいたします

ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp

Copyright (c) 2008 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.