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今回は特別編として、7月12日にスクウェア・エニックス本社内で行なった「FF XI」開発チームインタビューをお届けしよう。インタビューに出席頂いたのは、「アルタナの神兵」ディレクター小川公一氏、プランナー齋藤 富胤氏、プランナー伊藤 泉貴氏、プランナー権代 光俊氏の4名で、2時間あまりのロングインタビューとなった。また、プロデューサー田中 弘道氏にも少しの時間だけだがご参加頂いた。
このインタビューでは主に、「アルタナの神兵」全般に関することやストーリー面を、小川氏と齋藤氏に。「カンパニエ」についてを伊藤氏に。ジョブ・バトル関連についてを権代氏に伺っている。“カンパニエの知られざる仕組み”、“ジョブ・バトルに登場する新要素”、“バルラーンの秘宝の行く末”など、必見の内容を満載。お楽しみ頂きたい。
小川 公一氏: 新しい要素をいろいろと入れたので、開始直後は混沌としていて何をどう遊べばいいのかという状態が続いたように思います。その辺はようやく落ち着きつつあるのかなと。これからしばらくはバランスを取らないといけないなと思います。そうしつつ、新たな展開も目指していく。コンテンツ系に関してもいろいろと入れていければと思います。 ――確かに、「アルタナの神兵」はプレイ当初に困惑することが多かったです。 小川氏: けっこう、最初の頃は突き放した感じでしたね(笑) ――ストーリーひとつみても、「ミッション」だけでなく「連続クエスト」とセットで見せるなど、新しい手法ですね。 小川氏: 「アルタナの神兵」の舞台は過去世界ということで。既に世界設定であったり三国それぞれのミッションなどで、水晶大戦の様子は語られていました。まずはそれを描いていくということと、それとは別に「アルタナの神兵」で新たに展開されるミッションを用意する。そういう2本立てが基本的な構想としてありました。 それらをどう組み合わせて体験してもらうかをイベント担当と検討した結果、かつての三国ミッションだと所属国の縛りがあったのでそれは無くし、三国いずれのストーリーも楽しめるようにしようと。ミッションは「アルタナの神兵」オリジナルの話なんですが、その間に過去の設定を体験できるようなクエストを挟みながら展開していくという形になりました。 ――実際のところ、ミッションと三国それぞれの連続クエストで4本分のストーリーを展開しているということですね。 小川氏: そうなんですよね(笑)。ボリュームは抑えるつもりだったんですけど、結果的に広がってしまって。ちょっと収拾をつけるのが大変になってます。 ――連続クエストは今後も続いていくと思いますが、クエストの進行度合いがキーになって、ミッションが進んでいく、という仕組みも続いていくでしょうか。 小川氏: そうですね、連続クエストは今後も進んでいく予定です。基本的にはミッションの間に各国の連続クエストを挟みながら、展開していくことになります。
齋藤 富胤氏: そうですね。そのあたりはみんな苦しみつつがんばっているという感じではあるのですが。 ――公式サイトでは以前に「ヴァナ・ディール トリビューン」で著名なNPCの過去などが記されていましたが、主にそれらを元に構成されているのでしょうか。 齋藤氏: それもありますし、ウィンダスでは現代のミッション等で水晶大戦時代の話が出ていたので、そこも絡めています。逆にサンドリアやバストゥークは水晶大戦時代の事があまり語られていなかったので。世界設定や歴史の年表から「この時期にはこういう事件があったね」というのを掘り下げて、どういう事が起きていたのかを想像しつつ、かつ矛盾も無いように。そういう手法になっています。 ――矛盾の無いように、という言葉がありましたが、過去の出来事の経緯や結末はある程度知られているがゆえですね。 齋藤氏: そうですね(笑)。そうした背景やバックボーンをよくご存じのかたが「これはこうなるんだぜ」みたいにコミュニティ上で予想されていたりとか。詳しい方から「ここはおかしくないか?」と突っ込まれてしまうような時もあるんですが、そのあたりは可能な限り矛盾を消しつつ、もし矛盾していたら、最も適した理由を。「本当はこうだったんだよ」というものを投げかけていくようにしています。 ――これまで伝わっていたものに対して「実はこうでした」という、良い意味で裏切っていく見せかたになると。 齋藤氏: それは「アルタナの神兵」全体に言えることで。歴史の年表には無かったんだけども、実際は冒険者の介入によってこういうことが起きていたんだよ、という見せかたになっていきます。
齋藤氏: 各国それぞれを担当している人間がいるので、それぞれコメントをもらってきました。まずサンドリアは「少年ならではの純粋さ」をコンセプトにしていると。大戦時代に生きる少年たちの友情と、大人への抵抗。少年から大人への成長を描いている。少年ならではの無鉄砲さもあるので、普通なら「ありえない」ような展開もしつつとなっています(笑)。 ――少年騎士団のエグセニミルやラーアルは、後にこうなっていったとか、その間にはこういう事件があったとか、実はもう明らかになっているところがありますね。 齋藤氏: そうですね、この2人は普通に現代のサンドリアに立っていますし(笑)。 ――ラーアルは後にいろいろな事件があった末、現代ではドラゴンスレイヤーとして著名になっていますね。ネタバレになってくるところもかなりあるのではないでしょうか。 齋藤氏: そのあたりは竜騎士のアーティファクト取得クエストで楽しめたりするので、「アルタナの神兵」ではそちらには突っ込まないようにしています。逆に「アルタナの神兵」でそこを見せてしまうと、竜騎士クエスト側のネタバレになってしまったりするんですね。どこまで言っていいのか、というのが難しいところですね。 ――「アルタナの神兵」はとても難しいものを作っているなと感じます。その辺りの苦労はやはり大きいですか。 齋藤氏: それぞれの担当が作ってきたプロットを見るだけでなく、歴史も入念にチェックして。「これはまずい」とか「ここはダメ」っていうのを全部知っておかないといけない。チェック方面とかの見えないところの苦労は毎回大きいですね。 ――これまでの拡張ディスクと比べても、そのあたりの苦労は大きい? 齋藤氏: 「アトルガンの秘宝」などのようにオリジナルで作っていくものと違って、既にあるものを矛盾が無いように作り、かつこれまでの物語をやっていない初めての人でも楽しめるようにと。初めての人が「アルタナの神兵」のあとに本編を遊んでいくと、「あぁ、こうなってたんだ」というようにもなるように。先を読んで作っていかないといけないです。 なので、あえて現状ある話にはあまり触れずに、これまで見られなかったところを見せていくという感じです。少年騎士団で言えば、エグセニミルとラーアルの間には一体なにが起きていたんだろうというのが今後に語られていきますので、お楽しみに。
齋藤氏: 現代のミッションでも語られているんですが、ガルカとヒュームの間には昔から現代に至るまで種族の違いによる壁が存在しています。互いがいがみ合っているという。過去世界でもその辺りが強く浮き彫りになっている状態で、現代にもいるザイドやフォルカーをはじめミスリル銃士隊が過去でどのように問題に向き合っていったかを描いています。 テーマが重いですよね。クエスト担当者本人も感じているところで。堅苦しい内容になりがちで派手さに欠けるというか、バストゥークの物語は難しいと。プラスの声として、バストゥークらしいという声も頂きますが、ただ派手さがないというのはセットで頂いています。 大戦時代の話なので、今後はバストゥークも戦争の流れに動いていくんですよ。今のところは政治系の話や内部のドロドロとした展開が続いてましたが、そこからウィンダスのストーリーにあったような戦争の展開に近づいていきますので、お楽しみください。 ――バストゥークのテーマは、政治的なゴタゴタであったり裏で暗躍する勢力などということですが、重いですね。 齋藤氏: 大戦中なのに内輪もめでゴタゴタしていて。「何をやっているんだ!」という感想を持ってもらいたいと狙って作ってきた感じですね。 ――そうした重い展開のなか、学者のアーデルハイトがいつも様子を伺っているという描写が入っていますね。今後は彼女も物語に大きく関わっていくのでしょうか。 齋藤氏: どうでしょう(笑)。彼女ってカンパニエバトルにも参加しているので、あまりシナリオのキーキャラクタにはなりきれないところがありますね。例えば、シナリオ中で命を落としてしまうわけにはいかなかったり。街中やカンパニエバトルにはいますからね。どこまでやれるかはまだ難しいところもあるんですが、少しずつ関わってくるのではないかなと。 彼女は、若干のてこ入れを期待しての登場でもあったのですが、バストゥークの堅いお国柄に彼女の登場はいきすぎたかなと感じているところもあります(笑)。
齋藤氏: そうですね、「戦争してます!」っていう。元々、聖都に一度攻め込まれているという歴史があるので他の国よりも困窮しているというか、苦しい状態にあります。担当者からのコメントだと「戦争活劇をテーマにしている」と。戦争ならではのドラマや、ダイナミックなアクション、日常を特に意識して。今まで歴史では知ることができなかった出来事を冒険者がキーパーソンになって展開していくことで、間近に感じてもらえるのではないかと。 ――バストゥークの逆になりますが、序盤からあれだけ派手な戦争模様をズバズバと展開していると息切れするのでは? とも思います。 齋藤氏: まだまだウィンダスは素材が山積みですね。「まだあれが出てない」とか、ウィンダスは現代でも過去に対する伏線がかなりあったので、それを消化しなければならない。むしろまだまだ足りてないという状態ですね。 ――最初からかなりの材料があったわけですね。
――ロベルアクベルは一見すると悪役にも見えそうな。ミステリアスですね。 齋藤氏: 彼はまた彼なりの正義で動いていて。そのあたりも今後もっと見えてくると思います。 ――ついにミスラの男「レコ・ハボッカ」が登場しました。彼はどのようなコンセプトのキャラクタなのですか。 齋藤氏: ミスラの女性は元気で活発なキャラクタが多いのですが、それと対比し、かつ男という点を強調して今の感じになりました。ひょうひょうとしたヤサ男で、ミスラの女性にモテモテになっていますが。実は最初の頃の設定画だと……もっとホストのような(笑)。かなりすごかったんですけど、それを抑えて今の姿です。彼は今後もいろんな意味で暴れてくれると思いますので。 ――彼の動向はウィンダスの物語内に限られるのでしょうか、ミッションには出てこない? 齋藤氏: どうでしょう(笑)。そこはまだはっきりとは言えないです。ロベルアクベルと一緒に出てくるのですが、彼らにもなにかありそうだというところですね。
● 「アルタナの神兵ミッション、今は2コマ目ぐらい?」
小川氏:4コマ漫画で言うと、今は2コマ目ぐらいにきたなっていう(笑)。 (小川氏以外は筆者含め全員「エーッ!」っという反応) 伊藤 泉貴氏: そんなに進んでないでしょう! (笑) 齋藤氏: 「4コマ」で言うとですよね(笑)、5コマ、6コマにしても2コマ目という(笑) 小川氏: ある意味、「3コマ目」がすごく急展開なので……(笑)。今は2コマ目でも序盤よりですね。 ――「アトルガンの秘宝」では約2年でミッションが完結しましたが、それに近いぐらいのボリュームを見越しているのでしょうか。 齋藤氏: そうですね。実際こちらで考えているのは、ミッションとクエストっていう形にメニューの枠組みで分けられてはいるんですが、本来の形式で言えばひとつのもの。ストーリーという捉え方で1本で動いていく、縦に連なっていくものなんですね。それら全部を含めばかなりボリュームがあると思います。交互にいくと多分次は連続クエストになるのではと思います。
齋藤氏: “ミッションガール”と巷で言われているような(笑)。ジラートならライオン、プロマシアならプリッシュ、アトルガンならアフマウ、というような。話に引き込んでいってくれる存在ですね。 リリゼットは、物怖じしない活動的なキャラクタです。彼女のダンスシーンは、どうしても見せたかったというのがシナリオ担当にあって、モーション班ががんばって作ってくれました。リプレイで何回も見てあげてください(笑)。 ――今のところミッションや連続クエストのバトルの難易度は、比較的控えめになっていますね。 小川氏: そのあたりはまだ序盤というところもあるので、最初から難しいというのはどうかなと。今後は徐々に難しくなっていく方向で考えています。ただ、最終的にもパーティーを超える規模にはならないと思います。 ――「アルタナの神兵」ではバトル用エリアが「レイヤーエリア」という名称になっていますが、あれはどういうものなんでしょう。 小川氏: 元々はバトル担当から、「アサルト形式よりもさらに自由に扱えるエリア」を用意して欲しいという声があって。エリアを設定面でガチガチにすると、それ以外には使いづらくなってしまうので。今後もクエスト、カンパニエとか形式にとらわれず使われていくと思います。
伊藤氏: あれを目にできる人はけっこう少ないかもしれないですね……。多分狙われているのではないでしょうか。その仕掛けを体験するためにみんなで。こう……ヒュッてなりますから(笑)。 その仕掛けは、やれるかどうかをずっと検討していて。本当はサンドウォームが登場した初回から入れたかったんですけど、ちょっと実験が必要で。この段階になってはじめて入れられたというものです。 ――NMがきっかけで何かが起こるというのは新しくて面白いですね。今後もそういった新しい仕掛けを入れていきたいというのはありますか? 伊藤氏: そうですね、けっこういろんな事をやっていくと思います。実験に少し時間がかかるかもしれないですが……。今も実験中のものもあります。
小川氏: 戦績ワープに関しては今後に調整すると思います。チョコボはずいぶんお待たせしていますが、過去世界でも解禁していく段階にきています。 ――騎乗状態での戦闘も期待できるでしょうか。 小川氏: とりあえずは移動用のチョコボを近々解禁できればというところです。新要素に関しては……今のところちょっと言えることはないです(笑)。 ――あの鎧を着込んだチョコボに乗って移動できますか。 小川氏: そうですね。その方向で検討しています。
――カンパニエについてお伺いしていきたいのですが。カンパニエは仕組みが本当に難しいです。
前回のバージョンアップでは、カンパニエの仕組みを解説するNPCをゲーム内に用意しようとしたんですけど、なにぶんカンパニエは説明したいことの量が膨大で。普通の説明だとテキストベースにズラズラっと説明文が並んでしまう。構成も翻訳も、ものすごい量になってしまうんですよね。ちょっと前回は断念せざるを得なくて。次回のバージョンアップで入れられれば、何を上げるためにはこうすればいいというのが伝わるかなと思います。 ――そのNPCが導入されると、仕組みがかなりわかるようになるでしょうか。 伊藤氏: そのNPCが入ってもまだ仕組みに謎な部分は残ると思います。できれば、プレーヤーのみなさんの中に指揮官のような人が出てきくれて、「あれをやると、こうなるみたいだよ」という話をしたり。いろんな経験なり情報を集めて、組み上げて遊んでいってもらえればと思ってます。 ――「FF XI」のユーザーのみなさんのパワーはすごいですからね。解明するスピードも速い。それでもカンパニエについては苦戦しているのではと思います。 伊藤氏: 最初はやっぱり、カンパニエのようにユーザーのみなさんが関わることで変化していくというコンテンツに対して、仕組みの説明はしたくなかったんですね。それは、全てが把握されるとそれに沿ったとおりの遊び方が推奨され限定されてしまうというか。そうなってしまうのを避けたかったです。 ――画一的になってしまう可能性はありますね。 伊藤氏: なるべく謎な部分を多くして。なんでもいいのでやれることをやってみてください、というように、最初は突き放した感じでした。そこから体験談などがあがってくればいいなぁと思っていたんです。ただ、情報量を抑えすぎてしまって。さっきの指揮官のような人もなかなか現われなくて(苦笑)。 ――そういう遊び方をしたい人も、自信を持てないのではと思います。「たぶん、こうなっているんだと思う」ぐらいの説得力になってしまうというか。周囲のプレーヤーを引っ張るにもリスクを感じる、会話の責任みたいなものを感じてしまうかもしれません。やはり仕組みについてはもう少し出してもらったほうがいいかなと感じます。 伊藤氏: そうですね。 ――カンパニエのバランス調整面ですが、やはり難しいのは「ワイワイと手軽に楽しめる」というバランスにするのか、「厳しい状況を真剣に遊んでいく」というバランスにするのか、というところでしょうか。 伊藤氏: ハードなものを求める人と、ライトにワイワイと遊びたいという人は、同比率くらい存在していると思うので、両立させなければならないという状況です。それを1回のバージョンアップでどちらも等しくカバーされるよう調整するというのが難しくて。前回ですと、ハードすぎる方向に進んだので、すぐに修正を入れました。 ――敵や味方の強さや状態が可変するというところが、その難しさのポイントなんでしょうか。
――「意見具申」はけっこう見逃してしまうというか、意識せずにいると投票しないままになったりしますね。投票数もこれまでは多くなかったかもしれません。 伊藤氏: 影響力は小さいだろうなと思われているかもしれませんが、実は大きいです。なので、「意見具申」の説明はかなり曖昧になっています。この意見を選ぶとこうなるよ、というのは直接的には書かないようにしています。 ――なるほど、それだけでもバランス調整は難しそうですね。どういう「意見具申」が選ばれるかだけでもいろいろ変わるでしょうし。 伊藤氏: ユーザーのみなさんが動かせる世界を作ったというところが苦労の大きいところですね。 ――遊んでいる側からするとその時々に遊んでいる状況や状態で、カンパニエのバランスがいいか、悪いか、というのを感じていくほかないわけですが、国ごと、ワールドごとでまるで違う。まして伊藤さんからすれば、可変する全体を考える。こうなる可能性もあるし、こうなる可能性もある、というように考えて調整しなければならないわけですよね。 伊藤氏: ですね。なので記事に書かれていたとおりで、両立は難しくて。ユーザーのみなさんの行動でかなり変わっていきます。メッセージを送る側としては、「どこに絞ってください」というのは言えないところがありますね。
● 「獣人血盟軍に攻め込まれている現状を打破するには?」 ――今は獣人血盟軍に攻められて苦戦しているワールドが全体に多いと思うのですが、うっすらとでも、こうしてみるといいかも? というヒントをもらえませんか。
街が攻められてしまうと、軍資金なり技術力なりというところに直接ダメージを受けてしまうんですね。そうすると国が衰退していき、負のスパイラルになって負け続ける。打開できないという状況になります。方向性を変えてもらってどこかのエリアを取り戻せば、国に軍資金なりのパラメータが貯まっていくので、そこから逆転していけます。 ――エリアをひとつ取れればかなり見違えるというわけですね。 伊藤氏: もうひとつ負のスパイラルの要因になっているのが、勝ち続けている部隊は強くなっていって、負け続けている部隊は弱くなっていくというものです。これは1部隊についてです。ずっと負け続けているということは、例えばサンドリアのある部隊ならその部隊はどんどん弱くなっていく。プレーヤーの人がいない時にも彼らは戦い続けていますので。なので、彼らが戦いに出てきてもすぐに倒されてしまう。これでまた、敵は勝ち、味方は負け、と続いて負のスパイラルになります。 ――NPCは敵味方ともにバトルの結果によって経験値的なシステムで強くなったり、弱くなったりすると。味方のNPCをサポートするには国力を増強するのがいいのでしょうか。 伊藤氏: そうですね。逆転のために、盛り返していくためにいいのが、カンパニエopsになっています。opsには内部に達成度というように呼んでいる要素があるんですが、例えば兵士を訓練するopsをずっとやっていくと、兵士たちの強さが底上げされていきます。同じようにお金を集めたり物資を集めるopsがあって、それらをやっていくことでひとまず維持できる。 ただし、逆転まではopsだけではできないです。逆転していくためにはやはり国の方針が変わらないといけない。そういう流れというか、順番を意識してもらえるといいのかなと……。 ――この仕組みは本当に難しいですね(笑)。それこそ敵味方のNPCの強さが国の状況などで可変しているということもまだ浸透しきっていないのでは、と思います。 伊藤氏: 挙がっている声では、前は敵がすごく弱くて戦えたけど、その後に強くなって太刀打ちできなくなったというものがあります。これは実際にベースのレベルを変えたところもあるにはあるんですけど、そのレベルの幅はそんなに大きくはないんです。それよりも、その部隊が勝って帰ったからレベルが上がった、その国が兵士の訓練をしたから強くなった、というのが大きい部分です。
● 「戦功稼ぎの問題点について」 ――続いてはカンパニエバトルの問題点についてお伺いします。“強化稼ぎ”、“歌稼ぎ”と呼ばれているものがありますが。 伊藤氏: そこはさすがに問題があるだろうということで。今はまだ実験中ですが、一度アライドタグを受けてから次にアライドタグを受けるときに、何らかのルールを入れられないかなと。主に歌に対しての対策なんですけど、今は俗に言うBOTのような状態で、アライドタグを受けて何回か歌い、すぐに審査を受けて経験値をもらい、すぐにまたアライドタグを受けて……というように繰り返しているので。 まともに遊んでいる人は受け直しをしなくてもほとんど大丈夫なはずなんです。イメージとしては、アライドタグを受け直すときにある程度時間がかかるようにしようと。 ――なるほど。そのほかの戦功評価についてはいかがでしょう。レイズなどはもう少し評価されてもいいように思います。
――方向性を変えるようなものでしょうか。救護兵のレイズを重視するのか、プレーヤーのレイズを重視するのか、というような。 伊藤氏: そうですね、回復役だと例えば白魔道士の人は、レイズをせずとも他の行動で稼げるのではないかな、というのが元からあるので。レイズ以外の行動で活躍できるほうがいいのではないかなと思ってまして。 ――レイズというのは助け合いの構図が1番わかりやすい、大きいものと思います。重視して欲しいところではありますが。 伊藤氏: レイズに必要なMPが戦功に見合うのかというところがまずありますよね。なので、レイズをせずに済むように。そこまで極端にはしないとは思いますけど、機会があったらしてもらうぐらい。他の行動にMPを使って立ち回ってもらうほうがいいんじゃないかなと思います。 ――レイズは主に救護兵がするように、という方向でしょうか。ただ、救護兵の能力も可変してますよね。今はすごく弱くなっていて、レイズを期待できないぐらいになっていると思うのですが。 伊藤氏: 救護兵も、技術力……とか。そういった国のパラメータで強くなったり弱くなったりしてます。今後はopsで救護兵を強くできるようにしていくのですが、現状だと攻め込まれていて国が衰退し、救護兵も弱くなっていることが多いと思います。
● 「カンパニエに勝つことの意味、メリット」 ――根本的な部分になりますが、カンパニエバトルに勝った、負けたということで出る、冒険者へのメリット、デメリットが薄いかなと感じています。
そうすると、「このエリアを支配すると一定のジョブの人たちにとって嬉しいよね」というものになってしまうと思うんですよね。でもそうしてしまうと、例えばサンドリアならサンドリアの中でジョブ間で意見が分かれてしまうかもしれない。意見が分かれてしまうと、報酬以前に戦況が悪くなってしまう、というようなことも考えられます。 報酬なりはジョブに関連してしまうものが多いので、全ジョブの人が嬉しいことという種類を用意できれば、各エリアに持たせていきたいです。ただ、そこまでは手が及ばないというか。細かいことはたくさんできるんですけどね。あるエリアを取っていたら特殊なopsが遊べたりとか、技術力が上がるだとか。そういうのはできるんですけど、個々に渡されるメリットというのがちょっと難しいです。長いスパンで考えていていずれはやりますが、今の段階だと難しいです。いいアイデアがあればぜひおっしゃって頂ければ(笑)。ちょっと慎重になっている部分はありますね。 ――難しいですね。ただ、メリットがあって初めて、みんなで意見を合わせ意見具申をしたり、エリアを絞って攻めよう守ろうというシャウトが出たりするようになると思うので。逆にそこがないために、経験値の報酬に終始してる現状もあると思います。ただ、報酬がジョブで区切られると参加する人が偏ってしまうかもしれないんですね。 伊藤氏: ですね。あのエリアはいらないよ、という考えになられるのは嫌なので。今は支配しているエリア数をみて考えています。 ――支配エリア数に応じてお給料が出るとか(笑)。誰にでも等しいメリットというとギルなどそのあたりになってしまいますね。それだと少し面白みが薄いですし。難しいですね。 伊藤氏: 後々は、ほとんどのエリアをアルタナ連合軍に支配してもらいたいな、と考えている部分があって。なるべく全エリアを取って、全ジョブの人に良い効果があるような。そういうものにしたいです。 ――なるほど。伊藤さんの中に「カンパニエバトル」はある程度こういう展開になって欲しいというイメージがあるのでしょうか。 伊藤氏: まず均衡した状態を作らなければいけなくて、それではじめてライトにもヘビーにも遊べるものになると思います。その上で、ユーザーのみなさんががんばっているから支配しているという状態を作りたいです。がんばらなければエリアを取られて欲しい。この状態をまず作るのが先決だと思います。 ――システムだけのバランス調整でも意見具申なりopsなりも絡んでいて膨大ですが、ユーザーのみなさんが仕組みを探り、理解していって、戦略の効率が良くなる……。そういう部分も含めて常に可変している中、バランス調整や新要素の導入を行なっているということですよね。ものすごく難しいことをされていますね(笑)。 伊藤氏: そうですね(笑)。ただ最初にカンパニエをやろうと思ったときに、その覚悟は必要だろうなと思いました。 ――実際に今の状況というのは、冒険者の立ち回りを含んだアルタナ連合軍の動きは、あまりうまく戦えてはいないものなんでしょうか。 伊藤氏: こちらの作業量の問題から、仕組みを説明するNPCが入れられなかったりとか。そういった面があるので。 ――仕組みの理解の面ですね。もし今のバランスでその理解度の面が高まると、けっこうあっさりと戦況が変わったりしそうなものでしょうか。 伊藤氏: そうですね。そう考えると今は、仕組みがわからないからこそ獣人に押されている状況とも言えるわけで。ある意味でそれは、悪くはないとも感じる部分があります。 ――なるほど、悪くはないと感じるというのはわかります。こうして仕組みを伝えていくのが正解かは悩むところです。仕組みを模索していくのも楽しみかたのひとつですし。ただ、大規模なものなので、個人ではどうにも掴みきれない要素が多いかなと思います。 伊藤氏: そうですね。あとはその……本当にフリーに立ち回りたいという人もいると思うので。 ――仕組みが把握されていったことで、自由に遊びたい人に「あなたもこうしてください!」と押しつける声が出るようになったら……それは残念に思いますね。
● 「カンパニエバトルの兵器、建造物」 ――カンパニエバトルに出現する「兵器や建造物」についてお願いします。
獣人にも方針があって、その方針によっては兵器や建造物に頼るのを止めます。兵器や建造物を使ってしまうと、お金が減ったり、物資が減ったりというデメリットがあるんです。その方針も、プレーヤー側と同じく週単位で変化するので。ある週には出るかもしれないけど、この週はでない、ということがあります。 ――なるほど、単純なランダムではないんですね。週によって可能性が変わると。 伊藤氏: 兵器を出してくる週、兵器を使うことに偏っている週というのは、本当にポンポン出てきてしまうんですけど、それらの兵器は言わば、バランスを壊すために入っている、均衡を破るために入っているようなものなので。そこまで頻繁には出したくないというのもありますね。 ――均衡状態に出てくるとっておきの存在というわけですね。登場するときはどのように出現するのでしょう。 伊藤氏: 設置する専用のNPCというのがいて。彼らはバトルは主にはしないんですけど、タタタターっと砦付近に走ってきて、設置するための準備をし始めます。彼らが倒されてしまうと出現しないんですけどね。 ――建造物のバリエーションを増やしたりなどは。もっと頻繁に出てくるものも欲しいなと思います。 伊藤氏: まだないですね……。もうちょっと今ある建造物の性能自体をいじっていきたいというか。「FF XI」の全体に言えることなんですが、ターゲットがいて、はじめてそこになんらかの技なりを放つ。いなければ放てないんですよね。これをちょっと改造して、対象がいなくても放つ、その放った先に何かがいればダメージや効果を与えるというものを作ってます。もうそういう要素が入っているものがありますね。 カンパニエは、そこに誰もいなくても何かが巻き起こっているというのが本当は理想的なんです。例えばそこに爆弾が置かれて爆発する。爆発したから、巻き込まれなかった人と巻き込まれた人が出てくる。そういう戦場をもう少し作りたい。そのために今、建造物の性能をこうしてみよう、ああしてみようと改造しているところです。 お話だけのものになっちゃいますけど、獣人側だけに出てくるでっかい戦車があります。プレーヤーがそれを奪い取れるようにしようとか。それは諸事情があってやれてないんですけども、いろいろとそういうような今後の展開を考えています。 ――戦況の均衡が取れてきたら、次は建造物でいろいろと遊びたいなぁと思います。プレーヤーがボタンを連打して建造物を建てたり。プレーヤー側が作れるというアクションが欲しいですね。ある建造物に魔法を撃ち込むと魔法力が貯まって、それが敵に向かって放たれるみたいな(笑)。 伊藤氏: いいですね(笑)。
● 「カンパニエopsは発行にも国力が必要」 ――カンパニエopsですが、需要が星印で見えるようになり、報酬も可変するように調整がされました。そのあたりについてはいかがでしょう。
――そう捉えていった気持ちはわかりますね。 伊藤氏: 実際にオープンすると「○○のops好きだったのに、やる価値がなくなってしまったよ!」という意見が多かったです。なので、報酬のマイナスは止め、基本を100%にしようと再調整しました。 今後も、カンパニエopsはカンパニエのあらゆるところを補強していくといいますか。単独でできるものをたくさん用意したいというのが元からあるので。低レベルの人にも遊んでもらい、高レベルの人にも高レベル用の特殊なopsを用意していきたいと思います。 ――カンパニエopsはその時々でリストからopsが無くなってしまいますよね。あれは需要が満たされているからというのが理由なんでしょうか。あれはけっこう辛くて。いざopsをやろうとするとリストに無かったり。 伊藤氏: 需要が満たされているか、または、国の方針がそれを必要としていないときとか。あと、opsによっては国のパラメータを消費するものがあるんです。お金が消費されたり、仕事に必要な物資が減ったり。 ――opsの発行だけでも消費が出てる? 伊藤氏: そうです。国に余裕がないと、opsを発行できないという状態になります。国の方針は攻めろ攻めろとなっているのに、それに通じるopsが表示されないというのは、国に余裕が無い時。リアルな世界でもそうなんですけど、仕事はしてもらいたいけど必要な余力がないから発行できないよ、という。 ――それはリアルですが厳しいですね。例えば今は市街戦が発生していて、国はダメージを受けて弱っている。先ほどopsが状況を維持し変えていくカギになるということでしたが、物資なども市街戦で削られているためopsは発行されなくて……。ものすごくジリ貧ですね。 伊藤氏: 追い込まれた状況です。こちらからの説明が行き届いてなくて、なにをすればいいのかという状態ですけど。前回のバージョンアップで仕組みを解説するNPCを出せなかったのが残念だなぁと感じています。 ――3人から6人用のopsがありますよね。いざそれをやろうと他の人に声をかけて、集まってみるとリストからそのopsが無くなっていたということがあって。最低ラインのopsでいいので、遊ぶだけはできるようになるといいのですが……。 伊藤氏: 一番下位のopsというのは本当はほとんど出るようになっているんです。ただ、国に余裕がないとそれも消えてしまいます。そこは取り払ってもいいんですが……。そうすると今までよりバランスが変わりやすくなるので、それに合わせてバランスを取り直さなければいけなくなるかもしれません。最初の設計が戦争の厳しい状況を作り出すというものだったので。ただ、それらはまた見直すことにはなると思っています。 ――なるほど。全てが繋がっている仕組みなので市街戦の状況は全てが厳しくなる、と。ひとまずはどこかのエリアを取ることが最善なんですね。
――ジョブやバトルに関してですが感想はいかがでしょうか。昨年のイベント等で発表していたものはあらかた出たなと思います。
――その「パーティーを組みやすくする」システムというのは、まったく新しいものでしょうか。 権代氏: 今ここであまり詳しく話すと小川に怒られるんですが(苦笑)。それなりにパーティーが組みやすくなるよう、友達とも遊びやすくなるような。たくさんの準備をしてからではなくて、もっとこう適当な感じでもパーティープレイができるような。もう少し遊びやすくなる感じです。 ――「アルタナの神兵」で登場した踊り子と学者はいかがでしょう。 権代氏: コンセプト通りの形にはなってきたかな、というところはあります。細かなところは今後も他のジョブとのバランスを見ながら調整していくとは思うのですが、まずはメリットポイントを拡張しようと思います。 ――メリットポイントアビリティは個別の上限を3から5へと拡張されましたね。 権代氏: 拡張というより、元々は5段階までという設計で作っていたので。前回に開放したというところです。 ――最初が3段階までだったのは、少し様子を見たかったというところがあったのでしょうか? 権代氏: それもありますし。ユーザーのみなさんは、まずは強くなって、その後に遊ぶことが多いと思うんです。あまり上限が大きいと他の遊びへ行く前に、メリットポイントをまずたくさん稼がなければとなってしまうかもと。そこをある程度にしておいて、他の遊びで試してもらいたかったというところもあります。 ――「赤魔道士の殴る機会が増える魔法」、「忍者の一瞬敵対心を下げるアビ」、「召喚士の新召喚獣」などが伝えられてきたのですが、このあたりはいかがでしょう。 権代氏: まず戦い方にバリエーションが出るようなものから優先して実装しているんですが、今後もまだ予定しているものがあるので。順番に実装していきます。 ――モンクの「猫足立ち」などは戦い方にバリエーションをつけるという方向性がわかりやすいですね。 権代氏: あと、詩人の「ピアニッシモ」なんかは、歌い分けが元々できていたという人もいると思うんですけど。歌が2曲しかかけられないような状況で、今までは仕方なく2曲を歌っていたというところを、3曲歌えたり歌い分けができたりというイメージです。新召喚獣は……まだ話せないですね(苦笑)。 ――イクシオンの登場は……けっこうドキッとしたんですが。
――うーん、なるほど。イクシオンはさておき、新召喚獣については気長に待って欲しいというところでしょうか? 権代氏: 時期は言えないですけど、予定と素材はありますので。 ――なるほど……。そのほかジョブに関してはいかがでしょう。 権代氏: アトルガンジョブのAF2の準備がやっとできてきましたので。まずはアトルガンジョブだけになりますが、順調にいけば近々にお見せできるのではないかなと。 ――取得方法は、また新しいコンテンツなり方法になるのでしょうか。 小川氏: そこは、お楽しみにということで(笑)。
● 「花鳥風月は、アトルガンエリアの集大成」 ――最新バトルコンテンツでは「花鳥風月」が登場しましたね。
――花鳥風月はトリガーの取得に段階がありますね。それによって難易度やバトル人数などが変わっていくのでしょうか。 伊藤氏: そうですね。ライトからミドル、ヘビーといったように徐々に上がっていって。人数もそれだけ必要になっていって。そのかわり、ドロップするアイテムも良くなっていくよというものです。イメージとしてはトゥー・リアやアルタユの遊び方と同じような位置づけで考えています。 ――「アトルガンの秘宝」ではアルザダール海底遺跡群がそれらにあたるわけですね。 伊藤氏: こつこつとポイントを貯めるというコンセプトには、「獣写器が使えるんではないか?」みたいに自然に案がまとまっていって。アトルガンの集大成的なものになっています。お楽しみ頂ければ。
● 「バルラーンの秘宝は、反響を理解して調整予定」、「五蛇将クエ ガダラル編」など ――「バルラーンの秘宝」に関してですが、かなり厳しいという声が多いです。
――まだ今後には後編が入るわけですよね。それはもしかして、前半よりも厳しい内容が予定されていたりもするのでしょうか? 小川氏: 後半は物語を締めくくっていくというものなので、前半のような厳しさはないです。今の前編が厳しいというのは理解していますので、検討しています。 齋藤氏: 反響は重々承知していますので。 ――五蛇将クエストの「ガダラル編」はいかがでしょう。 小川氏: 五蛇章やガダラルファンの方をお待たせしてしまって申し訳ないのですが、決して忘れているようなことはないので。 ――五蛇将クエストのラストになると思いますが、ラストであるというところもあって作り込まれているのでしょうか? 齋藤氏: 作り込んでいる、という意味ではそうですね。みなさんが思っているガダラルとは違ったガダラルが見られるかも……しれないです(笑)。ただ、実装にはもう少しお時間をください。 ――ナイズル島アサルトの続きを入れたり、バリエーションを増やしたりという予定はありますか? 伊藤氏: 本当は続きを作ることを考えていたんですが、一度「バルラーンの秘宝」にバトンタッチしてしまったところがあって。ナイズル島の続きを作っていいものかというところが浮上しました。まだあるのか、というのがありなのか。「バルラーンの秘宝」がまずありますし、ナイズル島で新しいものを作ると、「バルラーンの秘宝」や既存ナイズル島の報酬を超えていくかそこに追いつくかのような報酬がなければいけないと思うんですよね。 ――例えば、「バルラーンの秘宝」ほどではないけれども、武器をそれなりの性能に強化できるとか。強化先を分岐していくための道のりにしたりとか。そういう既存の方向性を拡張する展開はいかがでしょう。 伊藤氏: そういう、さらにやりこんでもらうためのものは作ってもいいのかなと思います。ただナイズル島関連で新しい別のものというのは、さっきのような理由もあって。ちょっと保留状態ですね。 ――フェローが過去で呼び出せるようになりましたが、これは過去でフェローとの物語を出していくのか、単純に遊べるようにした、というものなのか。 小川氏: 基本的には遊べる場所を広げたというほうですね。アトルガンエリアでも呼び出せるようになってほしいという声も多いんですが、レベル上げの狩り場としてアトルガンは活発なので、少し慎重になっている部分で。今回は過去に広げました。物語としては可能性はないとは言わないですが、今のところは予定はないですね。
● 「インタビュー終了のご挨拶」 ――最後にユーザーの皆さんへ一言お願いします。 小川氏: モグボナンザも終わりまして、これから暑い夏が訪れますが、これからもまた季節に合わせたイベントがありながら、年末に向かってバージョンアップが何度かありますのでそちらを楽しみにしつつプレイを続けて頂ければと思います。よろしくお願いします。 齋藤氏: ミッションとクエストはまだまだ長い戦いになりますので最後まで付き合って頂ければと思います。作るたびに毎回、前よりもいいものをという目標にして、モーション班、イベント班全員で、みんなが見たら驚くようなものを今後も作っていきたいです。ご期待ください。 権代氏: ジョブに関する調整も含めて「FF XI」がもっと遊びやすくなるよう、いろいろと手を入れていきたいと思っていますので、これからもよろしくお願いいたします。 伊藤氏: カンパニエも今後大きな展開をしていきますが、カンパニエ以外でもバトルコンテンツの大きいものがいくつもあります。それらを鋭意開発していますので。今後もより遊んでもらえるよう、よろしくお願いいたします。
――ありがとうございました。
――6周年記念イベントの「モグボナンザ」が行なわれましたが、いかがでしたか? 田中 弘道氏: ものすごい大反響を頂いて。そのあと、逆の大反響もあったりなんですが(苦笑)。抽選状況を中継できなかったんですよ。ボクらはライブカメラなどで抽選の模様を中継したかったのですが、抽選の模様をゲーム外で生中継したりすると、国よってはギャンブルに勘違いされる可能性があるという法務からの指摘がありまして。そういう理由で公開はできなかったんですけど、一桁ずつ厳正な方法で抽選していきました。ビデオも撮ってあるんで、すごく公開したいんですが。 ――抽選方法はどのようにされたのでしょう。くじを引くなどの方法ですか? 田中氏: 当選番号は19時にゲーム内で発表したんですけど、その前の18時ぐらいに社内の会議室に集まって、抽選をしました。方法はいろいろやりましたよ。10面ダイスとか、トランプを使って一枚引くとか、ビンゴで玉をひとつ出すとか、スクラッチとか(笑)。それを一桁ずつ抽選者を変えながら行ないました。 ――その映像を公開できないのは勿体ないですね。抽選がどのように行なわれたのかは、みなさん気になっていたでしょうし。 田中氏: そうですね、ボクらも泣く泣く我慢したというところで。やり方を考えないとダメかもしれないですね。次はスピードクジにするとか。ちなみに番号の統計を取ってみたんですけど、みなさんけっこうゾロ目を買われていましたね。「77777」が一番多くて、その次は「11111」みたいな。上位10個はだいたいそういう数字でした。 ――次回のモグボナンザはいかがでしょう? 今のお話ですと、いろいろと考えないといけないということでしたが 田中氏: これで終わりにしたくはないですね。ただ次あるとしたらちょっと方法は考えないといけないですが、なかなか法律の壁は厚くて。日本だけでも抽選に関してはいろいろと法律があるので。もし次があるなら、そのあたりを考えなおさないとですね。 ――アナハイムのイベントで「プライベートダンジョン」という、ユーザーがダンジョンを作れるコンテンツを発表されていましたが 田中氏: そちらは今、鋭意開発中ですね。もう少しかかるかなというところで。仕様が固まり次第お伝えできると思います。 ――携帯電話を使ったモバイルサービスなどの展開はいかがでしょう? 栽培やチョコボ育成等のチョコボ系コンテンツなどを楽しめたりするとよさそうですが。 田中氏: 以前ずっと前に、3~4年前でしょうか。チャットやオークションを携帯電話でできるようなプランを発表して。でもそれは一度開発を中止しているんですよね。いろいろと技術的な問題や料金体系の問題があって。 ――その当時では時期が少し早かったというところもあるのでしょうか。 田中氏: そうですね。その当時はまだパケホーダイみたいな気兼ねなく使えるプランもなくて。今ならいいかもしれないですけど、時代を先取ってしまったかもしれないですね(笑)。 ――最近だとコーエーさんのオンラインタイトルはその方面を拡充させています。モバイルサービスでゲーム内のことをできたり。 田中氏: 設計段階からある程度モバイルへの道を空けておけばやりやすいんですけど、後付けでやろうとするとけっこう大幅な改造が必要になるので。今はちょっと諦めてしまっているところです。 ――今後の「FF XI」全体についてですが、「FF XI」は堅調に今後も変わらずに、というお話が多かったです。大きな展開というのはあまり考えられていないですか? 田中氏: あるかも! しれないし……ないかもしれないです(笑)。ただまぁ、今の「アルタナの神兵」のバージョンアップだけでも今後1年以上は続いていくものですし、ミッションだけでもかなり長い道のりですよね。それに今の「プライベートダンジョン」などもありますので。 ――最後にユーザーの皆さんへ一言頂けますでしょうか。 田中氏: 次のバージョンアップでもまたいろいろと入りますし、まだまだ先は長いので。ぜひお付き合いください。
――ありがとうございました。
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□スクウェア・エニックスのホームページ (2008年7月17日) [Reported by 山村智美 / Pomm]
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