【Watch記事検索】
最新ニュース
【11月30日】
【11月29日】
【11月28日】
【11月27日】
【11月26日】

Microsoft、「FABLE 2」体験会を開催
ピーター・モリニュー氏との協力プレイを体験してわかったゲームの魅力

7月15日(現地時間) 実施

 マイクロソフトは現地時間7月15日、10月に北米・欧州で発売予定のアクションRPG「FABLE 2」のプレス向け合同インタビューセッションを行なった。同社ブースでは「FABLE 2」がプレイアブル状態で展示され、クリエイターのピーター・モリニュー氏自らが作品の紹介を行なった。このインタビューセッションを通じ、多くのファンから登場が待ち望まれてきた「FABLE 2」の完成形が明らかになった。


■ ゲームはほぼ完成状態。ピーター・モリニュー氏と協力プレイを体験

作品の特徴について語るピーター・モリニュー氏
 「FABLE 2」は、英国に拠点を置く開発スタジオLionhead Studiosにて開発が進められている3人称視点の3DアクションRPGだ。本作はXbox用タイトルとして2004年に発売され、世界で300万本以上のセールスを記録した「FABLE」の続編であり、Xbox 360における重要なRPG作品として世界的に注目されている。

 前作「FABLE」は、プレーヤーのふるまいによって主人公が善や悪のキャラクタに成長したり、好きなNPCを口説き落して結婚できるなど、主人公の生き方を飾るユニークな仕組みが数多く仕込まれた野心的な作品だった。しかしその一方で、制作者のピーター・モリニュー氏が「中途半端な作品だった」と認める通り、初代作ではハードやソフトの限界のために実現しなかった要素も多く、現行世代機向けに作られる続編「FABLE 2」に期待がかけられていたわけだ。

今作では社会的なゲーム要素が大幅に拡充されているようだ
 これまでのアナウンスでは、「FABLE 2」では前作で実現できなかった多くの要素を入れ込み、さらに自由度を増した冒険が楽しめるようになったとされている。今回のインタビューセッションの目的のひとつは、完全主義者として知られるピーター・モリニュー氏自身が「FABLE 2」の完成度にどれほどの自信を持っているかを見ることであった。

 その「FABLE 2」デモンストレーションは、マイクロソフトブースの一角で行なわれており、ピーター・モリニュー氏がデモ機の隣に座り、自らコントローラーを握って作品のポイントを紹介した。今回のインタビューは30分間という短い時間ではあったが、「FABLE 2」の重要なフィーチャー「協力プレイ」を体験することができるなど、作品の完成した姿を体感することができた。

・実際のプレイでわかった「FABLE 2」における戦闘のゲーム性

モリニュー氏操作のキャラクタとともにダンジョンへ赴く。今作では協力プレイが大きなフィーチャーとなっている
 前日に行なわれたマイクロソフトのメディアブリーフィングにて、ピーター・モリニュー氏が「完成した」と報告したとおり、今回展示されていた「FABLE 2」は最終出荷版に近いバージョンだ。実際にプレイしたことでわかった作品の特徴をまずお伝えしておきたい。

 プレイの基本となる戦闘は、前作「FABLE」と同様に小気味よいテンポのアクションゲームとなっている。大きく異なる点としては、本作は前作から500年後の世界であり、剣と魔法に加えて銃が使えることだ。

 それぞれの攻撃方法はX、B、Yボタンに割り振られており操作は簡単だ。例えば剣を振るXボタンを連打しているだけでも、縦横の多彩なモーションで攻撃が繰り出される。剣で連続的にダメージを与え、すかさず銃を抜いてフィニッシュする、というようなコンボ攻撃もプレイ開始からすぐにマスターすることができた。

 また、ボタンを長押しすることで攻撃の「溜め」が行なわれ、強力な攻撃を繰り出せる。テンポよく「溜め」攻撃を繰り出すと強烈なフィニッシュブローが発動し、敵が粉砕される様子がスローモーションでズームアップされる。攻撃操作に対する映像・サウンドのフィードバックは相当しっかりしており、アクションゲームとして非常に気持ちよく遊べる。

 ちなみに魔法では「溜め」の時間が長くなるほどに発動魔法のグレードが高まっていく仕組みで、同じ炎系の魔法でも、単発のファイアーボールから、周囲をすべて焼き尽くす強力なものまで、ワンボタンの操作で打ち出すことができる。これは敵の数や特性に応じて使い分ける必要があり戦略的だ。

ダンジョンにも犬がついてきて、人では入れない場所をウロウロしては宝のありかを教えてくれる
 また、冒険の場にはいつも主人公の飼い犬がお供になっている。道を歩いていると「ここ掘れワンワン」とばかりに地面を差し、近くを探索するとアイテムが見つかったり、隠れていた敵が飛び出してきたりと、いろいろな隠し要素を見つけることができた。

 「協力プレイ」についても触れておきたい。本作ではいつでもフレンドを自分の世界に招いて一緒に冒険することができる。プレーヤー同士は常に同じ視野内で行動する仕組みで、遠く離れることはできず迷子などならないようになっている。その中で互いに協力して問題を解決していくわけだが、例えば戦闘では、あるキャラクタが魔法の「溜め」を作っている間、近接攻撃に対して無防備になるため、他のプレーヤーが周囲の敵を排除して詠唱者を守るといった形でチームワークが発揮される。

 今回ピーター・モリニュー氏とプレイしたセッションでは、モリニュー氏が魔法詠唱を開始して援護を要求したので、筆者が剣で近くの敵と交戦。10秒ほどでモリニュー氏の「溜め」が終わり、画面全体を覆い尽くすほどの強力な魔法が発動して周辺の敵を一気に片付けることができた。これは一例にすぎないが、本作では剣、魔法、銃のそれぞれにキャラクタを特化して成長させることができるため、異なるタイプのプレーヤー同士が協力しあえば面白いゲーム展開が期待できそうだ。

【スクリーンショット】
画面を間近で見てわかったことだが、本作では油彩画風のシェーディングが取り入れられており、一種独特の質感を感じることができた。グラフィックス全般のセンスやクオリティがよく、見ごたえがある

【イメージイラスト】
イラストでは、善や悪に変化した後の家族のイメージが表現されている。実際のゲーム画面ではどのように再現されるだろうか


■ プレーヤー間で結婚できない? という質問に「すぐに変えたい」。
 完璧主義者のモリニュー氏がさらなるゲームの改良を匂わせる

質問に対して身振り手振りを交えて答えるモリニュー氏。語り口はゆっくりでわかりやすい
 インタビューセッションの前半は実際のプレイを中心に進行し、ゲームの特徴が解説された。その中でモリニュー氏が「革命的な要素」として強調していたのは、本作が自由に冒険できるRPGでありながらフレンドとの協力プレイセッションをいつでも開始できること、そしてゲーム内でNPCキャラクタと結婚して子供を作り、家を買って住むこともできるなど「ゲーム内の生活」が充実したという点だ。

 この点は前作からのコンセプトが大きく拡張されており、住む家だけでなく町のありとあらゆる施設を購入してプレゼントすることもできてしまう。もちろん、前作と同様に街中のありとあらゆるNPCに対して恋愛のアプローチを試みることができる。成功すればデートに連れ出すこともできるとのことだ。女性のプレーヤーキャラクタであれば妊娠してしまうこともあるとか。

 質疑応答では、女性キャラクタも主人公として使用できるようにした理由について、モリニュー氏は「誰もがプレイするゲームとして、そのほうが公平ですから」とシンプルな回答。そしてキャラクタの成長では「男性キャラと違った方法で体型が変化していきます」とジェスチャーを交えて強調した。

モリニュー氏のお気に入りだという「TIME CONTROL」の魔法を購入しているところ。本作では経験値を使っていつでも魔法を追加できる
 NPCと結婚できるのであれば必ず気になるであろう、「プレーヤー同士で結婚できますか?」という質問に対しては、「残念ながらできません。これは大変恥ずかしいことです。はやく変えたいと思います(We might change that soon.)」と、完全主義者として知られるモリニュー氏らしい発言が飛び出した。現在の仕様ではできないとのことだが、最終出荷版か、もしくは出荷後のアップデートでプレーヤー同士の結婚や子育てが期待できるかもしれない。

 「ストーリーのプロシージャル体験に情熱を傾けているようですが、意識してのことでしょうか」という、ゲームデザイン論に触れる質問も飛び出した。これについてモリニュー氏は、「プロシージャルなゲーム体験も大切なことですし、本作ではさらにその体験を皆で共有することに力を入れています」と回答した。「FABLE 2」のゲームの面白さは「協力プレイ」にフォーカスしたものになっているのかもしれない。

 ちなみに、モリニュー氏が協力プレイの最中に「いちばんのお気に入りだ」と紹介してくれたのが「TIME CONTROL(時間制御)」の魔法だ。この魔法はプレーヤーが瞬間移動する方法と、周囲の時間を遅らせる方法の2種類の使い方ができる。これを発動してプレーヤー同士で協力すればたくさんの敵にも対抗できる。

「私の関心はこれにあります」とコントローラーを掲げるモリニュー氏。ユーザーインターフェイスへのあくなき探求心が感じられた
 最後の質問は、「モリニューさんはPCゲームで多くのキャリアを積んできましたが、『FABLE』シリーズでゲーム機向けの開発を行なったことはどのような位置づけなのでしょうか?」というもの。ゲーム観を問うこの質問に対してモリニュー氏は「大変面白い質問です」と続けた。

 私が興味を持っているのはコレですと言ってXbox 360のコントローラーを手に持ち、「PCかゲーム機かというプラットフォームの違いは全く気にしていません。『FABLE』シリーズではこのユーザーインターフェイス(コントローラー)に対してたくさんの試みができ興味深い体験でした。しかし、やや複雑になってきましたので、マウスに戻りたくなることもありますね」と語った。次の作品では「ブラック & ホワイト」以来の、PC用ゴッドゲームに戻るのだろうか? そういった予感を抱かせる、モリニュー氏の発言であった。


□Microsoftのホームページ(日本語)
http://www.microsoft.com/ja/jp/
□Xbox 360のホームページ(日本語)
http://www.xbox.com/JA-JP/
□E3 Media and Business Summit(英語)のホームページ
http://www.e3summit08.com/
□関連情報
【7月15日】E3 2008、Microsoftメディアブリーフィング最新タイトル一挙紹介!!
ハードコアからカジュアル、ファミリーまで網羅する圧倒的布陣
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080715/ms.htm
【2007年7月】「E3 Media and Business Summit」記事リンク集
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070712/e3link.htm
【2006年5月】「Electronic Entertainment Expo 2006」記事リンク集
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060510/e3link.htm

(2008年7月16日)

[Reported by 佐藤カフジ]



Q&A、ゲームの攻略などに関する質問はお受けしておりません
また、弊誌に掲載された写真、文章の転載、使用に関しましては一切お断わりいたします

ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp

Copyright (c)2008 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.