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マイクロソフトは現地時間7月15日、10月に北米・欧州で発売予定のアクションRPG「FABLE 2」のプレス向け合同インタビューセッションを行なった。同社ブースでは「FABLE 2」がプレイアブル状態で展示され、クリエイターのピーター・モリニュー氏自らが作品の紹介を行なった。このインタビューセッションを通じ、多くのファンから登場が待ち望まれてきた「FABLE 2」の完成形が明らかになった。
■ ゲームはほぼ完成状態。ピーター・モリニュー氏と協力プレイを体験
前作「FABLE」は、プレーヤーのふるまいによって主人公が善や悪のキャラクタに成長したり、好きなNPCを口説き落して結婚できるなど、主人公の生き方を飾るユニークな仕組みが数多く仕込まれた野心的な作品だった。しかしその一方で、制作者のピーター・モリニュー氏が「中途半端な作品だった」と認める通り、初代作ではハードやソフトの限界のために実現しなかった要素も多く、現行世代機向けに作られる続編「FABLE 2」に期待がかけられていたわけだ。
その「FABLE 2」デモンストレーションは、マイクロソフトブースの一角で行なわれており、ピーター・モリニュー氏がデモ機の隣に座り、自らコントローラーを握って作品のポイントを紹介した。今回のインタビューは30分間という短い時間ではあったが、「FABLE 2」の重要なフィーチャー「協力プレイ」を体験することができるなど、作品の完成した姿を体感することができた。
プレイの基本となる戦闘は、前作「FABLE」と同様に小気味よいテンポのアクションゲームとなっている。大きく異なる点としては、本作は前作から500年後の世界であり、剣と魔法に加えて銃が使えることだ。 それぞれの攻撃方法はX、B、Yボタンに割り振られており操作は簡単だ。例えば剣を振るXボタンを連打しているだけでも、縦横の多彩なモーションで攻撃が繰り出される。剣で連続的にダメージを与え、すかさず銃を抜いてフィニッシュする、というようなコンボ攻撃もプレイ開始からすぐにマスターすることができた。 また、ボタンを長押しすることで攻撃の「溜め」が行なわれ、強力な攻撃を繰り出せる。テンポよく「溜め」攻撃を繰り出すと強烈なフィニッシュブローが発動し、敵が粉砕される様子がスローモーションでズームアップされる。攻撃操作に対する映像・サウンドのフィードバックは相当しっかりしており、アクションゲームとして非常に気持ちよく遊べる。
ちなみに魔法では「溜め」の時間が長くなるほどに発動魔法のグレードが高まっていく仕組みで、同じ炎系の魔法でも、単発のファイアーボールから、周囲をすべて焼き尽くす強力なものまで、ワンボタンの操作で打ち出すことができる。これは敵の数や特性に応じて使い分ける必要があり戦略的だ。
「協力プレイ」についても触れておきたい。本作ではいつでもフレンドを自分の世界に招いて一緒に冒険することができる。プレーヤー同士は常に同じ視野内で行動する仕組みで、遠く離れることはできず迷子などならないようになっている。その中で互いに協力して問題を解決していくわけだが、例えば戦闘では、あるキャラクタが魔法の「溜め」を作っている間、近接攻撃に対して無防備になるため、他のプレーヤーが周囲の敵を排除して詠唱者を守るといった形でチームワークが発揮される。
今回ピーター・モリニュー氏とプレイしたセッションでは、モリニュー氏が魔法詠唱を開始して援護を要求したので、筆者が剣で近くの敵と交戦。10秒ほどでモリニュー氏の「溜め」が終わり、画面全体を覆い尽くすほどの強力な魔法が発動して周辺の敵を一気に片付けることができた。これは一例にすぎないが、本作では剣、魔法、銃のそれぞれにキャラクタを特化して成長させることができるため、異なるタイプのプレーヤー同士が協力しあえば面白いゲーム展開が期待できそうだ。
■ プレーヤー間で結婚できない? という質問に「すぐに変えたい」。
この点は前作からのコンセプトが大きく拡張されており、住む家だけでなく町のありとあらゆる施設を購入してプレゼントすることもできてしまう。もちろん、前作と同様に街中のありとあらゆるNPCに対して恋愛のアプローチを試みることができる。成功すればデートに連れ出すこともできるとのことだ。女性のプレーヤーキャラクタであれば妊娠してしまうこともあるとか。
質疑応答では、女性キャラクタも主人公として使用できるようにした理由について、モリニュー氏は「誰もがプレイするゲームとして、そのほうが公平ですから」とシンプルな回答。そしてキャラクタの成長では「男性キャラと違った方法で体型が変化していきます」とジェスチャーを交えて強調した。
「ストーリーのプロシージャル体験に情熱を傾けているようですが、意識してのことでしょうか」という、ゲームデザイン論に触れる質問も飛び出した。これについてモリニュー氏は、「プロシージャルなゲーム体験も大切なことですし、本作ではさらにその体験を皆で共有することに力を入れています」と回答した。「FABLE 2」のゲームの面白さは「協力プレイ」にフォーカスしたものになっているのかもしれない。
ちなみに、モリニュー氏が協力プレイの最中に「いちばんのお気に入りだ」と紹介してくれたのが「TIME CONTROL(時間制御)」の魔法だ。この魔法はプレーヤーが瞬間移動する方法と、周囲の時間を遅らせる方法の2種類の使い方ができる。これを発動してプレーヤー同士で協力すればたくさんの敵にも対抗できる。
私が興味を持っているのはコレですと言ってXbox 360のコントローラーを手に持ち、「PCかゲーム機かというプラットフォームの違いは全く気にしていません。『FABLE』シリーズではこのユーザーインターフェイス(コントローラー)に対してたくさんの試みができ興味深い体験でした。しかし、やや複雑になってきましたので、マウスに戻りたくなることもありますね」と語った。次の作品では「ブラック & ホワイト」以来の、PC用ゴッドゲームに戻るのだろうか? そういった予感を抱かせる、モリニュー氏の発言であった。 (2008年7月16日) [Reported by 佐藤カフジ]
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