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E3 2008、Microsoftメディアブリーフィング最新タイトル一挙紹介!!
ハードコアからカジュアル、ファミリーまで網羅する圧倒的布陣

7月14日(現地時間)

 E3 2008の初日となった現地時間7月14日、MicrosftのゲームプラットフォームであるXbox 360向け最新タイトルを一挙に紹介する内容のメディアブリーフィングが行なわれた。「FINAL FANTASY XIII」のXbox 360版が正式発表されたというビッグニュースに目を奪われがちだが、ほかにも魅力的な作品が多数紹介され、あらゆるジャンルに良質なコンテンツを打ち出すXbox 360の強力な布陣が印象的だった。本稿ではそれらを網羅してご紹介したい。

【FINAL FANTASY XIII】
今回最大のサプライズは、何といっても「FINAL FANTASY XIII」のXbox 360版が正式発表されたことだろう。北米・欧州での登場が確約され、会場からは割れんばかりの大歓声が巻き起こった。日本市場向けについてはPS3のみとアナウンスされている


■ Xbox 360はこれからが旬! 期待の作品が目白押し
 「Oblivion」ファンなら絶対に外せない新作RPG「FALLOUT 3」

作品説明を行ったBethesda Game StudiosのTodd Howard氏
 今回のメディアブリーフィングで、最初のお披露目を飾ったのは「FALLOUT 3」。このタイトルは、Xbox 360用アクションRPGとして大ヒットを記録した「The Elder Scrolls IV: Oblivion」を制作したゲームスタジオ、Bethesda Game Studiosによる新作アクションRPGだ。

 「FALLOUT 3」の舞台は核戦争後のワシントンD.C。地上はがれきの山と化しているだけでなく、放射能で汚染されているため人の住める場所ではなくなっている。そのため、この世界の住人は「VAULT」と呼ばれる地下シェルターに機械化された都市を作り、各地に点在して生存している。プレーヤーはそんな社会で生まれ育った青年となり、行方不明となった父の消息を求めて冒険の旅に出る。

 本作のデモンストレーションでは、Bethesda Game StudiosのゲームディレクターTodd Howard氏が壇上に上がり、地上で展開する戦闘シーンを実際にプレイして見せてくれた。一人称視点のアクションRPGとして基本のシステムは「Oblivion」に近い本作の最大の特徴は、武器が銃となり、敵を倒す際に特定部位を狙った攻撃が可能となったことだ。

戦闘の要所で時間を止めて攻撃部位を選択し、部位に応じたダメージを与える戦略的プレイ内容
 ライフル系の精度の高い武器を使い、特定のコマンドを発動すると、ゲームの時間が一時停止し、ターゲット中の敵の各部位(頭、腕、胴体、足など)がハイライト表示される。そこで例えば「腕」を狙って弾丸を発射すると、時間の流れが元に戻り敵の腕が吹き飛ばされ、戦闘能力を失うという按配だ。従来のアクションRPGのプレイに、疑似ターン性のような戦略性を取り入れたデザインである。

 プレイデモで確認された武器にはショットガン、アサルトライフルなどの定番の銃器から、プラズマガンのようなSF兵器もあった。極めつけは携帯型核弾頭ランチャーで、発射するとファットマン型の弾頭が飛んでいき、着弾地点の敵を一網打尽にしていた。核戦争後の世界をブラックジョークにまぶしたこの作品は、いろいろと物議を醸しそうだ。まずは今秋とされる発売時期を楽しみに待ちたい。

【FALLOUT 3】


■ 協力プレイをフィーチャーするメインストリーム2作品
 「バイオハザード5」、「FABLE 2」

壇上で説明を行なったカプコンの竹内潤氏
 続けて紹介された作品はカプコンの「バイオハザード5」(『Resident Evil 5』)、LIONHEAD STUDIOSの「FABLE 2」、EPIC GAMESの「Gears of War 2」と、メインストリームのゲーマー向け作品が続いた。これらの作品で共通していたのは、「協力プレイ」をフィーチャーし、それをデモンストレーションで紹介していたことだ。

 まず、「バイオハザード5」の紹介ではカプコンのゲームプロデューサーである竹内潤氏が登壇し解説を行なった。デモプレイでは、クリスがハンドガンでゾンビを倒しつつビルを登っていく様子が見て取れ、アクションの形式としては「Gears of War」ライクな肩越し視点のTPSであることを確認した。着弾部位に応じてゾンビが激しく反動し、かなりの打撃感がある。

「バイオハザード5」デモプレイでは協力プレイシーンが各所に登場した
 やがて、クリスひとりでは越えられないビルの裂け目に到達。ここでもう1人のプレーヤーである女性エージェントがプレイに参加し、クリスが踏み台になってジャンプ、向こう側へ見事着地した。次いでゾンビが次々に現われ、応戦するところを遠距離からクリスがスナイピングでサポートする。こういった協力プレイシーンがステージ中の各所に登場していた。

 今回の「バイオハザード5」のデモプレイでは、FPSライクなゲームシステム、発砲に対する打撃感、そして協力プレイというゲーム性の根幹に触れる要素を確認することができ、本作がかなり完成に近付いているという手ごたえを感じた。注目の発売日については、竹内氏から「2009年の3月13日」とはっきりと明言された。

【バイオハザード5】

LIONHEADのPeter Molyneux氏、登場するなり「完成しました」と一言
 協力プレイのデモンストレーションが行なわれたもう1作品は、初代Xbox用RPGとして象徴的な作品となった「FABLE」の続編、LIONHEAD Studiosが制作する「FABLE 2」だ。この作品の制作者であるPeter Molyneux氏が壇上に現われるや否や、「It's finished.(完成しました)」と、簡潔ながら決定的な報告を披露し、会場の拍手を誘った。

 「FABLE 2」は長い冒険を続けていくRPGで、各プレーヤーは冒険、恋愛、結婚、次世代の育成などを通じて独自のヒーローを育てていくことになるため、ゲームの主人公はプレーヤー毎にユニークなものになる。

「FABLE 2」では、いつでもフレンドと一緒に冒険ができる
 Molyneux氏は、そういったユニークなヒーロー達が、冒険の段階によらず「いつでも協力プレイを開始できる」ことを強調。LIVEを通じて一緒に冒険できるだけでなく、バーで酔っぱらうことも、互いに戦うことも、性別が違えば結婚して子供を作ることもできてしまう。

 Molyneux氏らしい自由度を秘めた期待のRPG「FABLE 2」は、北米・欧州で今年10月にいよいよ登場する。先行して8月にはLIVE Arcadeでミニゲームが配信され、ゲーム内で使える金貨が稼げるという。日本での発売時期は未定とのことだが、早めの登場を期待したいところだ。

【FABLE 2】


■ ハードコアゲーマーの心を掴んで離さない「Gears of War」は大幅パワーアップ
 多彩なアクションに磨きをかけた「Gears of War 2」

デモプレイを披露するEpic GamesのCliff Bleszinski氏
 そして3Dアクションのファンならば確実に注目したい、「Gears of War 2」のプレイシーンも開示された。Epic GamesのゲームディレクターCliff Bleszinski氏は、見事なプレイで次々とゲームの見せ場を紹介する。

 今回、新たに可能になった「敵を掴んで盾代りにする」というアクションはゲームの各所で利用できそうだ。また今回、敵側にもシールドを装備したタイプがいて、着弾箇所によってはダメージが全く通らない。プレーヤーが奪って利用することも可能だ。

 また新武器の火炎放射器は、これまでにないタイプの攻撃範囲と特性を持っている。着火した敵がジタバタしながら倒れいく様は、鉄と火薬と血のにおいが充満する「Gears of War」の世界に新たなフレーバーを追加しそうだ。

火炎放射器で敵を黒こげにしてしまう
 デモプレイの最後のシーンでは、数十体以上敵が一気になだれ込んでくる場面も見ることができた。新型「Unreal Engine 3」で可能になった群衆シーンを実際にゲーム化した場面であり、これまでにない迫力である。

 ステージ構成もさらに面白みを増しており、デモプレイでは攻略中のビルが崩壊し、炎上を始める。そこから脱出するシーンでは、前作では止めを刺せない難敵だった大型ローカスト「Brumak」が、大量の兵員を引連れて襲撃。ビルごと倒れ、斜めに移動するエレベーターを使い関門を突破していくシーンは非常に凝った作りだった。

 「Gears of War 2」ではこのほか、5人で協力プレイを楽しめるモードや、ローカストとしてプレイできるゲームモードも搭載されるとのことであり、マルチプレイモードの拡張にも期待がもてる。北米・欧州など各国で11月7日に発売予定で、日本版は未定とのことだが、実際にプレイできる日が来るのを楽しみに待ちたいタイトルである。

【Gears of War 2】


■ Xbox 360の音楽ゲームは「ミュージックプラットフォーム」へ
 「Guitar Hero World Tour」、「ROCKBAND 2」、新作「Lips」

 米国では圧倒的人気を誇る「Guitar Hero」、「ROCKBAND」といった音楽ゲームジャンルにも新作登場が報告された。

 まず最初の新作は、北米で今秋発売予定の「Guitar Hero World Tour」だ。この新作では新たにレコーディングされた85曲の楽曲が収録され、楽曲のアルバムとして圧倒的なボリュームを実現。そして何よりの大ニュースは、ヘビーメタルバンド「METALLICA」の楽曲がフィーチャーされることだ。メタル・マスターとして日本でもファンの多いグループであるだけに、国内人気にも火をつけることになるかもしれない。

【Guitar Hero World Tour】

 「Guitar Hero」と並んで人気を博す「ROCKBAND」の新作は「ROCKBAND 2」。84曲のリマスターされた楽曲を搭載するほか、発売後のDLC(ダウンロードコンテンツ)としてさらに20曲のボーナストラックを配信予定とされる。そしてこちらの注目アーティストは世界的なロックバンド「AC/DC」などで、本作でしか聞けない録音が収録されるという。さらに本作では前作「ROCKBAND」とデータの互換性がとられ、楽曲ライブラリは膨大な数に上る模様だ。「音楽ゲーム」ではなく「ミュージックプラットフォーム」と紹介された本作は、9月に北米で発売される予定である。

【ROCKBAND 2】

 完全新作「Lips」にも注目しておきたい。楽器を使う他のタイトルとは違い、こちらはボーカルオンリー。パッケージに無線式のマイクが同梱されるという、カラオケ式のゲームだ。ゲームで使用する楽曲はiPodやZuneといったプレーヤーをXbox 360につなぎ、転送して利用することが可能だ。歌詞に合わせて完璧な歌を披露すれば高得点、というゲームで、シンプルながらパーティゲームとしても楽しめそうだ。北米では今年のクリスマスシーズンに登場するということだ。

【LIPS】


■ ファミリー向け、パーティゲーム、カジュアル路線も充実

 ハードコアゲーマー向けの作品だけでなく、ファミリー向けのゲームや、パーティゲーム、「LIVE ARCADE」を通じて配信されるカジュアルよりのゲームについても多数の作品が紹介された。

おもちゃの国のような世界でアクションたっぷりの冒険をする「BANJO-KAZOOIE NUTS&BOLTS」
 パッケージ製品としては、CGアニメ調のかわいらしいキャラクタが登場する「BANJO-KAZOOIE NUTS&BOLTS」。この作品は物理制御されたオブジェクトが多数配置されたゲームワールドで、さまざまな仕掛けを楽しみながらステージクリアを目指すもののようだ。ドミノを倒すシーンや、パーツを組み合わせて自作の戦車を作り、草地を暴走するシーンなどを見ることができた。かなり賑やかな雰囲気で、子供から大人まで楽しめそうなこの作品は、11月に北米市場で登場。日本でも発売予定だ。

 日本では「集まれ! ピニャータ」として知られる作品の続編、「VIVA PiNATA TROUBLE IN PARADISE」も、ファミリー向け作品として人気を博しそうだ。今回の作品ではXbox 360 Liveカメラを使って新たな「ピニャータ」を誕生させることができる。日本では「あつまれピニャータ2: ガーデンの大ぴんち」というタイトルで、9月11日に発売予定である。

 このほか、Xbox 360 LIVEに新搭載のアバター機能およびパーティ機能に対応するゲームも準備される。定番のカードゲームUNOをパーティで楽しむ「UNO RUSH」、そしてクイズ番組の形式をそのままゲームに持ち込んだ新機軸のゲーム番組「1 vs.100」では1対100という新たな対戦形式が実現する。

 他にも、4択専用の入力デバイスを使うパーティクイズゲーム「BOX OFFICE SMASH! Scene it?」、Xbox 360 LIVE カメラを使って「ミニ映画を作ってしまう」というゲーム「YOU'RE IN THE MOVIES」は、仲間や家族みんなで楽しめるタイプのコンテンツだ。こういったファミリー向けのラインナップが一気に拡充されるというのも今回の発表の特徴だった。

 このほか、カジュアルに入手、プレイできるXbox LIVE ARCADEでは、今年から来年にかけて配信される予定のゲームとして「Geometory Wars 2」、「Galaga Legions」、「Portal STILL AVLIE」、そして「SOUTH PARK」が紹介された。「Galaga Legions」は往年のゲームファンなら必ず反応してしまうタイトルで、もちろんあのアーケードゲームの最新作だ。発表時には会場から驚きの声が上がった次第だ。

 また「Portal STILL ALIVE」は、Valve「The Orange Box」の1本として収録されていた「Portal」を単体の配信タイトルとして、さらに新たなチャレンジを追加したもの。「Portal」ファンなら必ずチェックしておきたいタイトルになるだろう。そして「SOUTH PARK」は全米でカルト的な人気を誇るアニメ作品であり、ゲーム化は大きなニュースになりそうだ。これらLIVE ARCADE作品は「SOUTH PARK」が2009年に、他の3タイトルは2008年中に登場予定だ。

【BANJO-KAZOOIE NUTS&BOLTS】

【あつまれピニャータ2:ガーデンの大ぴんち
(VIVA PiNATA TROUBLE IN PARADISE)】

【1 vs.100】

【BOX OFFICE SMASH! Scene it?】

【YOU'RE IN THE MOVIES】

【UNO SMASH】

【Xbox360 LIVE ARCADEで配信予定の作品】
「Geometory Wars 2」 「Galaga Legions」
「Portal STILL ALIVE」 「SOUTH PARK」


■ スクウェア・エニックスからは大作4タイトルが相次いで登場
 Xbox 360用「FINAL FANTASY XIII」の正式発表に大歓声が上がる

スクウェア・エニックス代表取締役社長、和田洋一氏
 最後に会場へ登壇したのは、スクエア・エニックスの代表取締役社長、和田洋一氏だ。スクエアエニックスからはXbox 360向けのRPGタイトル3作品が相次いで登場する。

 「インフィニット アンディスカバリー」 は株式会社トライエースが開発するファンタジーRPGで、リアルタイムで変化するダイナミックな環境がウリの作品である。Xbox 360専用タイトルとして、2008年9月2日に北米で、9月11日に日本で発売予定だ。

【インフィニット アンディスカバリー】

 「スターオーシャン4 THE LAST HOPE」は、同じくトライエースが開発する、SFとファンタジーが融合した世界観を持つ人気シリーズの最新作だ。シリーズを通して受け継がれるリアルタイムバトルのシステムを継承し、日本を含め各リージョンで2009年春に発売予定である。

【スターオーシャン4 THE LAST HOPE】

 スクウェア・エニックスが開発する完全新作のRPG「ラスト レムナント」は、イメージムービーが公開された。「レムナント」と呼ばれるスーパーパワーに支配された世界に巻き起こる混乱と戦いが表現され、スタイリッシュなファンタジーの作風だ。こちらはXbox 360版が2008年11月20日に発売され、また、発売日は未定ながら、Games for Windows版(PC版)の登場が和田氏からアナウンスされた。PCゲーマーにとっても楽しみなタイトルになることだろう。

【ラスト レムナント】

 そしてプレスカンファレンスの最後にお披露目された最大のサプライズは、「FINAL FANTASY XIII」のXbox 360版が正式にアナウンスされたことだ。「撮影禁止」のテロップが表示されたのち、タイトルの説明なく映像が流れはじめ、それが同作品のものであることがわかるカットが流れるや、会場は割れんばかりの歓声に包まれ、凄まじいほどの盛り上がりとなった。

 説明不要のこのタイトル、壇上の和田氏より、Xbox 360版が北米・欧州での発売が確約された。発売日は未定。世界中で注目を集める本作がXbox 360で登場することの重みは大きい。今後の情報も追いかけていきたい。


□Microsoftのホームページ(日本語)
http://www.microsoft.com/ja/jp/
□Xbox 360のホームページ(日本語)
http://www.xbox.com/JA-JP/
□E3 Media and Business Summit(英語)のホームページ
http://www.e3summit08.com/
□関連情報
【2007年7月】「E3 Media and Business Summit」記事リンク集
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070712/e3link.htm
【2006年5月】「Electronic Entertainment Expo 2006」記事リンク集
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060510/e3link.htm

(2008年7月15日)

[Reported by 佐藤カフジ]



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