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【新連載】あなたとわたしのPCゲーミングライフ!!

佐藤カフジの「PCゲーミングデバイス道場」

【第1回】ゲーミングヘッドセット3製品を使い比べてみた

DHARMA TACTICAL HEADSET
SteelSeries SIBERIA NECKBAND
Razer Piranha



色々な意味で業界の「最先端」を走る、PCゲーミングの世界。当連載では、「PCゲームをもっと楽しく!」をコンセプトに、古今東西のPC用ゲーミングデバイスに注目して、単なる新製品の紹介にとどまらず、競合製品との性能比較や、新たな活用法の提案、果ては改造まで、様々なアプローチで有益な情報をご提供していきたい。


■ PCゲーミングデバイスことはじめ

参考までに筆者のPCゲーミング風景。メインモニタはアクオスの37インチ。必要に応じて24インチの液晶モニタにも出力している。PCはデスクの下、足下に置いている
 昨今、PC用のオンラインゲームが隆盛だ。RPG、アクション、FPS、スポーツ、パズル、テーブルゲームなどなど、ほとんど全てのゲームジャンルで、今や百万人オーダーの健全なる市民諸君が「PCで」オンラインゲームを遊んでいる。

 かつて、素敵なゲーム機王国・日本では、「PCゲーマー」というのはごくマニアックでニッチな存在だった。PCゲーム=エロゲー、あるいはコピーゲーというレッテルを貼られ、「まじめにゲームをやっているのに……」と肩身の狭い思いをした古強者達も多からん。しかし、オンラインゲーム市場の成熟に伴い、いまや「PCでゲームをすること」はごく普通の事になった。PCはゲームプラットフォームとなり、普及台数において圧倒的ナンバーワンということになっている。

 しかし、PCゲーミングの世界というものは、一般のゲーム機と違って「スタンダード」無き市場でもある。実にカオスなのだ。大前提としてPC自体が拡張性の高いハードウェアである以上、必然的にPCゲーミングも非常にスケーラビリティの高い遊びにならざるを得ない。ゲームのプレイの仕方は様々だ。莫大な投資をして業務用シミュレータ並みのコックピット環境を構築する者、FPSに打ち込んで最速環境を追い求め続ける人、たまたま自宅にあったPCでなんとなくゲームをしている人。そのどこにも、PCゲーミングの「取り扱い説明書」は無い。

 そう、PCの世界は果てしなく自由だ。人間とゲームとの関わり方を定義するデバイスにも、時代を先取りするアイディア商品から、高品位なもの、スポーティなもの、安価なもの、誰にも見向きされないキワモノまで、何でもある。そのうえ、デバイスは重要だ。FPSプレーヤーなら、マウスひとつで世界が変わることだってある。レースゲームをヘッドトラッキングセンサー付きでプレイすれば別次元の優雅さだ。本連載ではそういったデバイスの重要性に着目し、通常は取り上げられにくいPCゲーミングハードウェアを巡って、PCならではの面白さを前のめりでご紹介していく。

 ライトなユーザーなら、今まで知らなかった面白さに気付くこともあろう。ハードコアユーザーなら、「飽きた」と思っていたゲームが、新たなデバイスを使うことで一挙によみがえることもあろう。楽しみなゲームに立ち向かうときの、あの「ワクワク感」。PCゲーミングデバイスを通じて、その感触を皆さんにお伝えしていきたい。


■ ボイスチャット使ってゲームしてますか?

 というわけで栄えある1発目の今回、ご紹介するのはゲーミングヘッドセットである。「ゲームするのにわざわざ音声通話はいらないだろう」とお思いの方もいるだろう。その通り。ヘッドセットはゲームをプレイするために必須のものではない。しかし、オンラインゲームをある程度熱心にプレイし始めると、チャットで忙殺される経験をした方も多いのではないかと思う。例えばRPGの戦闘中、「タゲ変えて!」、「回復して!」、「やばいしぬ!」などなど、まあ全部のゲームがそうとは限らないが、ゲームが難しくなるとプレーヤーも忙しくなるものである。度が過ぎると、キーボードでは正直つらい。

 そこでヘッドセットが便利になるというわけだ。よどみない音声で意志を伝え、スムーズな連係プレイが決まればゲームはいっそう楽しくなる。特に対戦型のゲーム、リアルタイム性の高いFPSなどでは、スムーズな連携がそのまま強さに繋がるので、ボイスチャット機能を標準で搭載しているゲームが非常に多い。ゲームが対応してなくても、PCでは「TeamSpeak」、「Ventrio」といった汎用のボイスチャットソフトを導入すれば、ゲームの内外を問わずに音声通話ができる。そんな環境で仲間同士ガヤガヤ雑談するのもいい。正直つまらないゲームでも、賑やかにプレイすれば断然楽しい。面白いゲームなら尚更だ。

 そこでどういった製品を使うかだが、一般のインターネット通話やWebCamを通じたコミュニケーションのために造られた普及型ヘッドセットでも、基本的には問題ない。しかし、ゲームを楽しむ時には臨場感が大事だ。音質にこだわりたい。話した声はしっかり相手に届けたいし、仲間からの重要な情報は聞き漏らしたくない。

 この点、いわゆるゲーミングデバイスメーカー各社から発売されているヘッドセットは、その意味で「PCゲーマーのための性能」にこだわった逸品ぞろいである。聴く方も話す方も、およそ別次元の性能、これがポイントである。

 そこで今回は、ゲーミンググレードのヘッドセット3種をご紹介したい。それぞれに利点、弱点があって「これだ!」という選択は難しいが、「とにかくいい音質が欲しい」、「周りがうるさい環境でも声を伝えたい」、「長時間つけてても疲れないのがいい」など、ニーズに合致するものが見つかれば、是非とも日々プレイするゲームで応用を考えてみよう。

【今回のラインナップ】
DHARMA TACTICAL HEADSET
発売元:シグマA・P・O
価格:8,800円
発売日:2008年5月23日(発売中)
SteelSeries SIBERIA NECKBAND
国内発売元:MSY
価格:13,800円
発売日:2007年12月22日(発売中)
Razer Piranha
国内発売元:MSY
価格:オープン(実売12,390円程度)
発売日:2008年1月31日(発売中)


■ 「音」にこだわるユーザーを直撃! 「DHARMA TACTICAL HEADSET」

【DHARMA TACTICAL HEADSET】
発売元:シグマA・P・O
価格:8,800円
発売日:2008年5月23日(発売中)
周波数帯域:10Hz~20KHz
音圧感度:97dB. ± 3dB
インピーダンス:24Ω ± 15%
マイク感度:-64dB±3dB

大型エンクロージャーが耳をすっぽり包み込み、没入感は抜群
マイク位置は柔軟な調整が可能。感度は高いので、ブレスノイズを拾わないように調整しておけば小声でも伝わる
 まず最初にご紹介する「DHARMA TACTICAL HEADSET」は、株式会社シグマA・P・Oシステム販売が手がける日本発のゲーミングブランド「DHARMAPOINT」から登場した製品だ。大型の密閉型エンクロージャーを装備して、着脱可能なマイクユニットを備える外観は、音質にこだわる本格的なヘッドフォンのようである。

 実際に装着してみるとかなり圧迫感がある。日本人の小柄な頭のサイズに合わせたのかもしれないが、けっこう強く押しつけられる感触だ。耳がすっぽり収まるサイズなので耳たぶが痛くなるようなことはないが、ジメジメと暑い日が続く季節では、少々汗が心配になる。

 特筆すべきはその音質である。ゲーミングヘッドセットはゲームの臨場感を追求するあまり、低音を強調したものが多いが、本製品の音質はかなり「素直」。特定の音域が特に強調されているといったことはまったくなく、FPSをプレイしてみれば、ゲーム中の足音、爆発音、リロード音などが激しく交錯するような場面でも、しっかりと全ての音が平等に聞こえてくる。音楽鑑賞にも堪えうる品質だ。また、完全密閉型であるため外界の音がほぼ完全に遮断されてしまうので、ゲームへの没入感は際だって高い。

 マイクに関しては、かなり小さい音まで拾ってくれる。今回使用した他の2製品に比べると、同じ声量で発言したときに、際だって大音量で記録されていた。やや大きい声を出すと割れ気味になってしまうほどで、ゲーム側での微調整が必要になる。この特性は、夜中にあまり大きな声を出せないというプレーヤーには、うってつけのものだろう。ただマイクヘッドの位置をきちんと調整しないと鼻息まで拾って、常時「ボフー」状態になるので、プレイ前にしっかり確認が必要だ。

 弱点といえばやはり圧迫の強い装着感である。装着しはじめの段階ではかなり心地のいい感触なのだが、1時間、2時間と連続で装着していると次第に汗ばみ、耳が蒸れる感じがしてきて不快である。時々休憩を挟めば問題ないものの、連続で長時間プレイする際にはやや厳しい印象も受けた。

 FPSゲームの国内トッププレーヤーから話を聞いたところ、この圧迫感は、エンクロージャーの内部にあるスポンジを取り出して、変わりにティッシュペーパーなど柔らかめの詰め物をする、要は使い方次第でかなり改善をはかることができるとのことだ。その某トッププレーヤー氏は本製品について「外部の音が聞こえにくくなるので、集まって練習したり、大会でクラン戦をするときには生声が通らなくなるので向かない。でも、ひとりでゲームするときには、集中できていい」というふうに評していた。また音質は確かにいいのだが、密閉型ゆえに低音が耳を突くような強さがあって、少々鼓膜が疲れやすいとも。このあたりは筆者も同感だ。

 8,800円という価格は、今回比較したゲーミングヘッドセットの中では最も安い。その上で、本製品の持つ音質と、マイク感度が高く小さい声でもボイスチャットができ、外界の音を遮断してゲームに没入できるという特性を鑑みると、日本国内の一般的ゲームプレーヤーに非常に向いた製品ではないかと思う。多くのゲーマーにまんべんなくお勧めできる内容だ。

マイクユニットは着脱が可能で、純粋なヘッドフォンとしても使える 手元で音量調整、マイクON/OFFをするためのコントローラが付属 折りたたむとコンパクトにまとまる

素直な音質特性はゲームだけでなく音楽でも活躍できそうで、汎用性が高い。マイク感度の高さ、マイクヘッド位置調整のしやすさから小声でも使用しやすく、日本の住宅事情にマッチした製品仕様といえる


■ 独特のスタイルで個性を主張する! 「steelseries SIBERIA NECKBAND」

【steelseries SIBERIA NECKBAND】
国内発売元:MSY
価格:13,800円
発売日:2007年12月22日(発売中)
周波数帯域:18Hz~ 28KHz
音圧感度:104dB
インピーダンス:40Ω
マイク感度: -38dB

ネックバンドタイプという特徴的な形状を採用。ビジュアル重視のゲーマーにオススメだ
マイクは収納可能。最大長はそれほど長くなく、口元からやや離れた位置にマイクヘッドがくる
 2番目にご紹介するのは北欧のゲーミングデバイスメーカーSteelSeriesのハイエンド製品である「steel series SIBERIA NECKBAND」だ。こちらの製品は形状が非常に特徴的で、通常のヘッドフォンのように頭頂部から耳に装着するヘッドバンドではなく、後頭部から耳に装着するというネックバンド形式をとっている。この形状は髪型を壊したくないユーザーに好ましい。LANパーティなどで、かっこよくセットした髪がゲーム後ぺちゃんこになっていたら、恥ずかしい。後頭部から装着する本製品ならその心配がないというわけである。

 肝心の音質については、本製品は極端な低音重視の調整がされているようで、FPSのプレイ中はドシドシ、グワングワン、と発射音や爆発音の重低音が響く。かわりに高音の再現度が低く、ハードロック系の音楽を聴くとハイハットや摩擦音など高音成分がよく聞こえなかったりという状況だった。どちらかというと素直な音響が好みの筆者には合わないと感じたが、迫力重視のユーザーにとっては一発で好きになる音質かもしれない。

 ちなみにエンクロージャーの密閉度はそれほど高くなく、素材もやわらかで装着時の感触はやさしい。中央部がメッシュ状に解放されているので、外界の音はさほど遮断されず、音量を絞ってプレイしていればリアルで会話しながらという使い方も可能だ。FPSのオフライン大会や、ネットカフェで気心の知れたもの同士の対戦では、マイクではなく生声でコミュニケーションすることが多いので、自身の利用形態も加味した上で検討するといいだろう。

 マイクは本体内部に収納可能な形状で、引っ張るとちょうど口元の左斜め前数センチというところにマイクヘッドが配置される。入力レベルは抑えめになっており、やや高音が強くなる傾向がある。これは英語をしゃべるユーザーのためのセッティングが施されていると解釈できるだろう(英語の聞き取りは高音成分が重要)。「DHARMA TACTICAL HEADSET」に比べると、やや大声を出さないと音声を拾ってくれない程度の感度に絞られているので、周囲に雑音が多い環境(大会会場など)では良さそうだが、一般家庭の静かな環境では、ゲーム側の入力レベルを大きく引き上げておいたほうがよさそうだ。

 最後に注意点として、ずり下がりやすいということを指摘しておきたい。後頭部から耳に装着するという形状のため、「頭が充分に大きくない場合」に限られると思うが、使っているうちにだんだん下にずり下がって行くのである。筆者はどちらかというとやせ形で小さい頭をしているため、5分もつけているとエンクロージャーが耳たぶの上側にぶら下がるような格好になり、耳たぶが折り曲げられて不快なことこの上ない状態となる。これでは長時間の使用は厳しい。この形状は使う人を非常に選びそうだ。実勢価格13,800円程度と値段も張る製品なので、気軽に買ってダメなら使わないということもできなさそうだ。こればかりは実際に試してから購入を検討して欲しい。

音量調整用のコントローラは着脱可能なユニット式 Xbox 360コントローラに接続するためのアダプタが付属 高級感のある肌質が本製品のスタイルにマッチしている

ネックバンドタイプの形状のため、長時間使用していると重力に負けてずり落ち、耳たぶにぶらさがるような状況になる。この特性のため使う人を限定しそうだ


■ 公式戦は任せろと言わんばかりの高機能性、戦うためのヘッドセット 「Razer Piranha」

【Razer Piranha】
国内発売元:MSY
価格:オープン(実売:12,390円程度)
発売日:2008年1月31日(発売中)
周波数帯域:18Hz~ 22KHz
音圧感度:114dB
インピーダンス:30Ω
マイク感度: -38dB

Razerらしい黒を基調としたデザインは、まさに「ゲーミング」の雰囲気を醸し出している
マイクのシャフトは柔軟性が少なく調整の幅が少ない。指向性が強いため、外界のノイズは拾いにくい
 ゲーミングデバイスメーカーの定番Razerからは、プロゲーマーのためにチューンされたヘッドセット「Razer Piranha」をご紹介。こちらの製品は今回扱ったなかでは唯一の解放型ヘッドフォンで、長時間装着による負荷が低いのがポイントだ。それからパッド部を「光らせる」ためだけにUSBコネクタが付属している。必須ではないため、音声端子だけ接続しておけば使用はできる。

 音質は迫力重視のセッティングになっており、一般のオーディオ用ヘッドフォンと比べても低音の強さが印象的だ。とはいえSIBERIA NECKBANDほど極端に低音に傾倒しているわけではなく、高音もそれなりに再現され、バランスは良い。FPS系のゲームをプレイする上では適切な調整と言えそうだ。低音・高音の再現度から言うと、総合的な音質は、今回のラインナップの中で最も高いと言えるかもしれない。

 また本製品の特性として、スピーカー部が開放型ということもあり、装着時でも外部の音がよく聞こえる。この点が今回の3製品の中で最も顕著だ。生声でのコミュニケーションは非常に取りやすく、LANパーティなど実際に集まってプレイする場で重宝しそうである。そのぶん再生音が外に漏れやすいため、静寂性を要求する環境では注意が必要である。

 マイクユニットに関して言うと、周波数特性についてはSIBERIA NECKBANDに近い。発声は高音が強めに拾われる感じがあり、こちらも英語話者向けのセッティングであるようだ。感度そのものは低めで、また指向性が強く、ある程度雑音がある環境でも、むやみに反応しない感じに調整されているようだ。これも大会会場などでの使用を念頭に置いたものだろう。

 難点としては、イヤーパッドから伸びるマイクのシャフト部が硬めの素材で造られており、他のヘッドセットのように曲げたり伸ばしたりといった方法で細かな位置調整をすることができない。根本の部分で旋回させ、使わないときはマイクを立てておけるが、使用時のマイクヘッドの位置は、口の左斜め前方5センチ程度の距離があって、ブレスを拾うことは全くないが、ある程度大声を出さなければうまく声を拾ってくれない。SIBERIA NECKBANDと同じく、ゲーム側の感度を高めに設定して使用する必要があった。

 このあたりの特性は、本製品がプレーヤーとしてはトップレベルに位置するプロゲーマーのために調整されたためだと思われる。ゲーム大会などの会場では、静かな家庭と違って外部の雑音が多いものである。それをいちいち拾っていては、ボイスチャットが聞き取りにくくなる。そこで、あえてマイクと口の距離を遠目にし、指向性マイクで音声を拾う特性にすることで実用的バランスとしたのだろう。逆にいうと、「ささやき声」を拾ってくれるマイクではないため、静かな環境でプレイする一般家庭のゲーマーにとっては、使いづらい面もありそうだ。

USB端子は発光用の電源供給のために使う イヤーパッドはごく柔らかい素材で、圧迫感がない コントローラユニットでは音量調整とマイクON/OFFができる

今回紹介した3種の中で、最も長時間使用に優れたヘッドセットだ。ストイックにゲームの練習を続けたり、大会に出場してチームメンバーと声を掛け合いながらプレイするようなシーンにぴったりの製品と言えるだろう


■ 家庭用なら「DHARMA TACTICAL HEADSET」がイチオシ

 以上、3種のゲーミンググレードヘッドセットをご紹介してきた。実は、今回の比較検討にあたり、「ゲーミンググレードではない」一般のヘッドセット(量販店の『スカイプ』コーナーで売られているコストパフォーマンスに優れたもの)をリファレンスヘッドセットとして、本稿の中で比較の基準としてご紹介しようと思っていたが、あまりにも音質に差がありすぎ、また、マイクの性能にも大きな違いがあったため、直接比較を断念した。それほど、ゲーミンググレードのヘッドセットは基本の性能が高い。価格相応ということであろう。

 3種比較した結果として結論を言うと、一般家庭でプレイする普通のゲーマーの皆さんには、国産で日本人向けの調整がなされている「DHARMA TACTICAL HEADSET」が安心してお勧めできる一品だ。この製品は、重低音を強調するといったわかりやすい音質調整はなされていないものの、実に素直な音が聞こえ、音楽鑑賞にも使えるという点で、非常に汎用性が高い。小声でもきちんと拾ってくれるマイクは、鼻息でノイズにならないように慎重さを要するが、静かな環境で使いやすいというメリットは大きなものだ。

 いっぽう、海外製の「steelseries SIBERIA NECKBAND」および「Razer Piranha」については、低音が強調された音響が印象的だった。また共通してマイクの音声特性が、英語話者向きと考えられる高音寄りになっている点はひとつの発見だった。ただ「ノイジーな環境でも、しっかり話せばきれいに聞こえる」というマイクの位置、感度の特性は、大会会場での使用には適切であるものの、一般性は低いと感じた。明らかにクラン戦などを頻繁に行なうコアプレーヤー向けの製品だ。

 いずれの製品も、それぞれに特徴を備えいることをご理解していただけたことだろう。毎日のゲームにボイスチャットを導入するとき、はたまた、今現在の環境をさらにアップグレードしようというとき、これらゲーミンググレードのヘッドセットが素晴らしい選択肢を用意してくれている。いまや、しゃべりながらオンラインゲームをプレイする事はまったく普通のことなのだ。その一歩先の環境を手に入れれば、ゲームはもっと楽しくなるに違いない。


□DHARMA POINTのホームページ
http://www.dharmapoint.com/
□SteelSeriesのホームページ
http://steelseries.jp/
□Razerのホームページ
http://www.razerzone.com/
□MSY株式会社のホームページ
http://msyshopping.shop-pro.jp/

(2008年7月11日)

[Reported by 佐藤カフジ]



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