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【連載第166回】ゲームライフに役立つグッズをレポート

本格派スティック「リアルアーケードPro.EX」登場!
発売レポート&分解ほか、他のXbox 360用スティックとも比較

当連載は、ゲームライフに役立つグッズを発掘し、実際に使用してみようという試みをレポートするものである。ネタに困ったときはお休みしてしまうかもしれないので不定期連載である。ちょっとした投資や工夫で、よりよいゲームライフを送っていただけるよう、鋭意努力していく所存である。


 PS2、PS3用ではもはや定番と言える本格派向けスティックコントローラ「リアルアーケードPro(以下、RAP)」シリーズに、ついにXbox 360用の「リアルアーケード Pro.EX」がラインナップされた。「リアルアーケード Pro.EX」は、HORI製品のオンライン販売サイト「HORISTORE.COM」のオリジナル商品として7月10日に発売された。

 なお、「HORISTORE.COM」では先行予約販売分は完売しているが、発売日以降に順次発売を予定している(7月10日に予約が始まっている)。本稿が購入を検討している方の参考になれば幸いだ。

【今週のおしながき】
Xbox 360 HORI「リアルアーケード Pro.EX」



● ワイド&ヘビーの本格派スティックがついにXbox 360に上陸!

「リアルアーケード Pro.EX」

    メーカー:HORI
    価格:12,000円
    発売日:7月10日
    全長:約412mm 奥行き:約243mm 高さ(スティック部分含む):135mm
    重量:約2.6kg ケーブル長:約2.8m
    Xbox 360ライセンス商品
    HORISTORE.COM オリジナル商品


ボタンは8ボタンレイアウト。左右にL/Rを配置し、中央にX、A、Y、Bが並ぶ。「RAP」シリーズとしては珍しく、ボタンの色が個別に違う
筐体の左上にある「Xbox ガイドボタン」や「拡張端子」
ケーブルには「クイックリリースコネクター」を搭載。不意に引っ張られてもここでケーブルが抜ける
 「リアルアーケード Pro.EX」の外形や重量、デザインなどはこれまでのRAPシリーズとほとんど共通になっている。筐体サイズ412mmのワイドボディ、重量2.6kgというヘビー級だ。デザインは基本的に黒で統一されている。天板も黒だがツヤがあって指紋などは目立つ。天板は金属パーツだが、表面加工がされていて、アーケード筐体の感触に近い樹脂のような手触りになっている。

 レバーユニットには業務用パーツメーカー「三和電子」の「JLF-TM-8T-SK-K」が使われている。「三和電子」のパーツを使っているのはRAP3と同じだが、RAP3では「JLF-TP-8Y-SK」が使われていた。仕様上の問題のようだが、パーツの変化は気になるところ。ただ、業務用のジョイスティックレバーも時期によって変化していっているため、定番的なものはいくつか存在しているので、大きな問題ではないだろう。

 ボタンはHORI製のオリジナルボタンが使われている。1レバーに8ボタンのレイアウトで、ボタンは左端にLT、RT。右端にLB、RBを配置。中央の4ボタンにX、A、Y、Bがある。山なりになった「への字」型のレイアウトだ。

 従来、RAPシリーズのボタンカラーはそれぞれ統一され、RAP3は赤、RAPなら緑といったように1色になっていたが、「リアルアーケード Pro.EX」ではLT、RT、LB、RBがダークグレー、X、A、Y、Bはそれぞれ純正コントローラと同じ青、緑、黄色、赤色が使われている。シリーズの通例を曲げ、カラー別ボタンを使っているあたりは、Xbox 360ライセンス商品であることに理由がありそうだ。右上にはスタートボタン、バックボタンが配置されている。

 他のRAPシリーズにおいては連射機能のスイッチなどが配置されていた左上の箇所には、「Xbox ガイドボタン」や「拡張端子」が備えられた。「Xbox ガイドボタン」はXbox 360本体の電源オンからガイドメニューの呼び出し、ゲーム終了から電源オフといったように、純正コントローラ同様に使えた。「拡張端子」があるのでボイスコミュニケータなどの周辺機器を併用できる。また周辺機器のケーブルをとりまわすための「ケーブル取り付けアタッチメント」が2個付属している。

 ケーブル長は約2.8mあり、その先端側にはXbox 360のコントローラに採用されている「クイックリリースコネクター」が設けられている。ケーブルが途中で外れるようになっていて、不意にコントローラが引っ張られたときにXbox 360本体が引っ張られて落下しないよう、途中で外れる仕組みだ。

サイズ、外観、重量はこれまでの「RAP」シリーズとほぼ同じ。手を置くスペースの広いワイドボディ、安定感を高めるヘビー級の重量という特徴もそのまま

 その他の箇所、分解の手順などはRAP3と同様だ。底面には重量を増すための金属板が8つのネジで固定されているので、まずこれを外す。すると天板を固定しているナットに底面側から触れるので、ナットを回して外せば天板ごとレバーユニットやボタンを筐体から取り出せる。スティックの配線は半田付けされているが、各ボタンの配線の先端はファストン端子になっており、取り外しが容易。RAPシリーズのコンセプトは、スティックこそ交換に手間がかかるようになったものの、基本的に受け継がれている。

メンテナンス性やカスタマイズ性の高さも「RAP」シリーズの大きな特徴。写真のように分解していくと、ボタンなども簡単に取り外せる



● 実際にゲームプレイを試す! 「RAP3」とはまた少しレバー、ボタンともに感触が異なる

レバーやボタンの感触をPS3「RAP3」と比較してみた。その結果、「リアルアーケード Pro.EX」はレバー、ボタンともに感触に違いを感じた
 実際に使っていった感触はRAPシリーズそのもの。ワイドボディ、重量は安定感がありベストな設置場所を用意できれば万全になる。ただし、そのサイズ、重さ、そして筐体全体の高さもあるため、少し設置場所を選ぶ。手軽さとは引き替えに本格派を重視した一品ゆえのポイントだ。

 レバーやボタンの感触をRAP3と交互に触りつつ比較してみた。レバーについては基本的に入力したときのクリック感、レバー入力の堅さ、レバー自体の感触などいずれも業務用パーツならではの感触で、満足度が高い。

 ただ、RAP3と比べてみると同じ「三和電子」の業務用パーツとはいえ型番が異なるパーツのため、少し感触が変わっている。RAP3に比べて、ほんの少し入力時に重さがあり、スイッチの音も鈍めの音がする。音に関しては操作音を抑える工夫なのかもしれない。ストロークもほんの少し狭くなったように思う。ただ、これらの点はいずれも「ほんの少し」。かなり微妙なものなので、並べて触るなどしないと感じられない程度だ。

 続いてはボタン。ボタンは表面の丸みが強めで反発もそこそこに強い。このあたりは「RAP3」のボタンと同じ感想なのだが、「リアルアーケード Pro.EX」と交互に触って比較してみると、「RAP3」の感触よりも重さがあって少し鈍い感触がした。音で表現すると「RAP3」の感触は「パシパシ」という高めの音になるが、「リアルアーケード Pro.EX」は「ポシポシ」というところ。ともにHORIオリジナルのボタンが使われているので同様のパーツかと思えたが、少し変化しているように思えた。

 ただし、この感覚に関しては、使用頻度や経年変化、個体差も考えられるので、今回の評価が必ずしもすべての方にフィットするとは限らないことはあらかじめご承知いただきたい。

 コントローラ機能としては、連射機能がなくなったのは残念だが、それと引き替えに「Xbox ガイドボタン」や「拡張端子」が搭載されたことが大きい。ただ、「拡張端子」はこの位置だとボイスコミュニケータのケーブルがレバーに絡んでくるのではと心配していたのだが、その心配は「ケーブル取り付けアタッチメント」が解決してくれた。

付属している「ケーブル取り付けアタッチメント」
「ケーブル取り付けアタッチメント」を写真のように側面に貼り付けてケーブルを通すことで、ボイスコミュニケータのケーブルがレバーに絡まないようになる
 「ケーブル取り付けアタッチメント」は両面テープが付けられたクリップ型の小さいパーツで2個付属している。「リアルアーケード Pro.EX」の筐体側面に貼り付け、ここにボイスコミュニケータのケーブルを通すというわけだ。真横にケーブルが伸び、側面を通って手前に周ってくるようになる。簡易的ではあるがありがたい工夫だ。

 実際に、セガの「バーチャファイター5 ライブアリーナ」やSNKプレイモアのXbox LIVE アーケードタイトル「餓狼伝説SPECIAL」といった格闘ジャンルのゲームに使ってみた。まず「バーチャファイター5 ライブアリーナ」ではキーアサインの変更が必須になるが、ここは設定すれば特に問題ない。実際のプレイでもレバーやボタンの満足度は高い。前述の、両方ともに感触が重くなっているところはプレイ後に少し感じるぐらいでプレイ中はそれほど気にならない。

 ボイスコミュニケータも問題なく利用可能で、ケーブルも前述のアタッチメントの工夫のおかげでプレイ中に取り回しが気になるようなこともなかった。気になったのは天板の感触で、ツヤが強いためレバーの持ち方によっては天板と手が擦れてくる。研究所員はレバーを下から逆手に持つ「ワイン持ち」のため、手の甲や拳のあたりが操作するごとに天板と摩擦する。プレイ後は少し手が痛くなった。「かぶせ持ち」ならこのあたりはあまり気にならないだろう。ただ、できれば表面加工に関してはもう少しさらさらしているとありがたい。

 続いてはSNKプレイモアのXbox LIVE アーケードタイトル「餓狼伝説SPECIAL」。こちらはキーアサインをすることなく中央のX、A、Y、Bボタンがそれぞれ弱強のパンチとキックに正しい位置になった。キーアサインを変更すればネオジオ風の4ボタンを横並びにも設定できる。こちらも使用感は不満のないものとなった。

 なお、「リアルアーケード Pro.EX」はWindowsのPCで使用することもできる。Windows Vista Home Edition(32bit)の環境に繋げたところ、「REAL ARCADE PRO.EX」という名称で自動認識された。ドライバも自動インストールされ、すぐに使用可能な状態になった。



● 「バーチャファイター5 Live Arenaスティック」と比較。質感の差は価格差以上

「バーチャファイター5 Live Arenaスティック」と並べてみた。7月31日発売の「ソウルキャリバーIV対応スティック」との比較の参考にもなるだろう
サイズの違いは圧倒的。このコンパクトさは、「リアルアーケード Pro.EX」と比較すると手軽に扱えるというメリットだが、安定性が劣るというデメリットでもある
ボタン数や配置も「リアルアーケード Pro.EX」とは異なる。質感の差は本文の通りで、こだわるならやはり「リアルアーケード Pro.EX」になるだろう
 本格派の決定版ともいえる「リアルアーケード Pro.EX」だが、Xbox 360用のスティックコントローラの選択肢としては、7月31日に発売予定の「ソウルキャリバーIV対応スティック」や以前に数量限定発売された「バーチャファイター5 Live Arena 対応スティック」などもある。

 「ソウルキャリバーIV 対応スティック」や「バーチャファイター5 Live Arena 対応スティック」(初代は「DEAD OR ALIVE 4 スティック」)は、PS系統で言うところの「ファイティングスティック」シリーズの位置づけで、サイズ、価格ともに標準的な製品だ。

 今回は「バーチャファイター5 Live Arena 対応スティック」と「リアルアーケード Pro.EX」を比較してみた。ソフトメーカーとのタイアップで発売される「~対応スティック」は、基本的にボタンアサインと天板の違いだけということが定例化しているので、「ソウルキャリバーIV対応スティック」との比較の参考にもなるだろう。

 まず、言わずもがなで全体のサイズや重量の差は大きい。「バーチャファイター5 Live Arena 対応スティック」の筐体は、全長は「リアルアーケード Pro.EX」の3分の2ほど、高さは半分ほど。重量も約1.2kgと圧倒的にコンパクトだ。そのぶん激しい操作をしたときなどの安定感はぐっと落ちる。

 大きな違いはレバーの感触で、業務用パーツを使った「リアルアーケード Pro.EX」の感触はアーケード筐体そのものになっているが、「バーチャファイター5 Live Arena 対応スティック」の感触は独特のもの。ストロークの深さや角度、入力しているときの重さやスイッチの感触など、全体にグニャグニャとしている。剛性感の弱さもグニャグニャと感じる理由のひとつだ。

 ボタンに関しても、パサつきが強くて反発も比較すると鈍い。これらの差にメンテナンス性やカスタマイズ性の差も加わってくる。「リアルアーケード Pro.EX」はやろうとすれば自在にパーツ交換や配置替えなどができるが、「バーチャファイター5 Live Arena 対応スティック」はそうしたことはほぼできない。

 価格差もあるため、これらの質感が全て劣るのは当然だが、この「価格差」と「筐体サイズの差」は重要なポイント。手軽に購入を考えられる価格帯で、占有するスペースも小さく手軽に扱えるということことがないよりの魅力になる人も多いだろう。ただ、双方の質感の差は価格差以上のものがある。どうせ買うなら……という気持ちで「リアルアーケード Pro.EX」を選ぶほうが満足度は高くなると思えた。



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□ HORIのホームページ
http://www.hori.jp/

(2008年7月10日)

[Reported by ゲーム環境向上委員会]



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