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会場:Porte de Versailles Exhibition Center
「WoW」は、同社の人気RTS「Warcraft」シリーズの世界観をモチーフにしたMMORPGだ。2004年に発売され、2007年には初の拡張版「World of Warcraft:The Burning Crusade」が発売された。残念ながら日本では、手を挙げる運営会社が現われず、サービスされていないが、全世界で有料利用者数1,000万人を超え、年間約1,000億円超の売り上げを誇る名実共に孤高の地位に存在するMMORPGである。
「WWI2008」では、本拡張版の試遊台が初めて設置され、新エリアや新クラスの「Death Knight」がプレイアブルで体験することができた。本稿では「WoW」の2つ目の拡張版「WoW:WotLK」の模様と「WWI2008」にて体験することができた新クラス「Death Knight」について紹介したい。 ■ 「WoW:WotLK」は「Warcraft III:Frozen Thron」以降のストーリー。「Lich King Arthas」に立ち向かえ!!
「WoW:WotLK」のストーリーはかつてHuman族の王子だった「Arthas」が堕落し、「Lich King」と同化して終わる「Warcraft III:Frozen Throne」以降の物語だ。「Warcraft III:Frozen Throne」のエンディングムービーでは「Arthas」が氷に封印された「Lich King」の封印を解き、自らが「Lich King」になる内容になっている。 「WoW:WotLK」では「Lich King Arthas」が統治する「Northrend」が新エリアとして追加される。「Northrend」は、「WoW」のメイン舞台「Azeroth」に元々存在したものの、これまでは行けなかった北方に位置する大陸だ。Blizzardによると「Northrend」の大きさは「Alience」勢力の大陸「Easten Kingdom」の丁度半分ぐらいの大きさだという。 レベル68以上の高レベルユーザー向けのエリアとなっており、「Howling Fjord」、「Sholazar Basin」、「Wintergrasp」、「Icecrown」、「Dragonblight」、「Storm Peaks」、「Zul’dark」、「Grizzly Hills」、「Borean Tundra」の9つの区域が存在する。プレーヤーは「Howling Fjord」、「Borean Tundra」のいずれかから物語をスタートすることで、それぞれ異なるストーリーを楽しめるという。 体験プレイでは「Howling Fjord」の様子を見ることができた。スタート地点では針葉樹林の森が広がっている。長い角を持つ動物「Shovel Tusk」や人間型の「North Fleet Marksman」、巨大なハンマーを持つ「Winsterskorn Defender」などの新モンスターたちが生息しており、レベル70のキャラクタなら、1人で十分に相手できる強さだった。 「Northrend」のインスタンスダンジョンは「Utgarde Keep」、「Grizzlemaw」、「Icecrown Citadel」、「Dragonblight」、「Nexus」などが登場する。なかでも「Icecrown Citadel」は「WoW:WotLK」の最終ボス「Lich King Arthas」が登場する。なお、「Icecrown Citadel」は「WoW:WotLK」が発売されてもすぐ実装されるわけではなく、今後のアップデートを通じて実装される。
エリア拡張以外のコンテンツとしては、新クラス「Death Knight」の追加、レベル上限が70から80に上昇、大規模攻城戦、新プレーヤー制作スキル「呪文刻印」など追加される。どれも「WoW」を一通りプレイしてきたコアユーザー向けのコンテンツになっている。
■ 「Warcraft III」にも登場する英雄クラス「Death Knight」は3つのスタンスで1人3役をこなす上級クラス
今回、筆者はWWI2008の試遊台を通じて「Death Knight」に触れることができた。WWI2008バージョンの「Death Knight」は、Dwarf族のレベル55。背の小さいDwarfが2つの角があるヘルメットを被り、大きな剣を振るう少しアンバランスな姿が可愛らしい。 「Death Knight」の特徴は、スキル使用時に触媒としてマナを使わず「Blood」、「Frost」、「Unholy」というRuneを使用することだ。攻撃スキル「Plague Strike」の場合、「Blood Rune」、「Unholy Rune」を1つずつ使用する。基本的にRuneは全部で6つが配置されている。Runeは、HPやマナのような扱いで、時間が経つと徐々に回復される。 「Death Knight」は、Runeの配置によって、キャラクタの性能は大きく変わる。「Blood Rune」が必要とされる攻撃スキルをメインに使用するなら、「Blood」のRuneを3か4と多めに配置することで、攻撃スキルをより多く駆使することができる。敵の動きを封じる「Chain of Ice」は2つの「Frost Rune」が必要だが、「Frost Rune」を4つ配置することで、2回連続で使用することができる。こういう風に自分のプレイスタイルに応じてRuneを配置することで、キャラクタの性能は変わっていた。 特徴的なスキルは「Death Coil」だ。「Warcraft III」では「Death Knight」の主力スキルで、「Undead」族のユニットにはヒールを、そのほかにはダメージを与えるスキルだったが、「WoW」では敵には種族に関わらずダメージ、味方にはUndead種族のみヒールという敵の仕様に少し変わった能力になっていた。「Death Coil」を使用すると「Warcraft III」と同様のエフェクトで目標に向かって緑色の球体を投げる。 ちなみに、「Death Coil」などのスキルの発動にはRune Powerというものが必要だ。Rune Powerは戦闘中に徐々に上昇していき、戦闘終了後には徐々になくなっていく。言わば、必殺技のようなものだ。 さらに「Death Knight」は「Blood」、「Frost」、「Unholy」という3つのスタンスを持っている。これは「Warrior」クラスの「Battle」、「Defense」、「Fury」という3つのスタンスが用意されていたのと同じ考え方で、「Blood」になるとダメージアップ、「Frost」になると防御型で防御力が上昇し、「Unholy」になると移動速度や攻撃速度がアップされた。状況に応じて変えていくスタイルになる。 インスタンス攻略のパーティープレイにおいては、必要とされる役割によってRuneを配置し、スタンスを変更することで、全天候に対応する戦いが期待される。モンスターからパーティーメンバーを守るタンク役、モンスターに大ダメージを与えるディーラー役、多く溜まったモンスターたちから狙いの1匹のみパーティのところに連れてくる釣り役。どれも可能なクラスだ。今後の活躍が期待される。
なお、「Death Knight」は、レベル1の新キャラクタとして作成できるのではなく、サーバー内でレベル55以上になっているキャラクタを「Death Knight」にそっくりそのまま転職させることができるという。「Death Knight」は、1アカウントにつき、1キャラクタだけ作成できる。上記の条件を満たせば勢力、種族に関係なく「Death Knight」に転職できるとのことだ。
■ WoWはオンラインゲーム史上最大の人気を誇るMMORPG。現在、映画化も進行中! 「WoW」は2008年1月のリリースによると有料利用者1,000万人以上を確保しており、Blizzardは「WoW」の好調のおかげで2007年には8億1,400万ユーロ(約1,140億円)の売上げを達成している。なかでも「WoW」はBlizzardの売上げの90%を占めていることから、1タイトル単体だけで年間約1,000億円の売上げが計上されていることになる。この数字はオンラインゲームとしては史上最大規模だ。 今では親会社であるVivendi Gamesの売上げの約80%をBlizzardが占めるまでになっている。韓国でも本作の人気は非常に高く同時接続者が10万以上を超え、海外開発タイトルとしては数少ない“勝ち組”のタイトルとなっている。2007年1月に発売された初の拡張版「World of Warcraft:The Burning Crusade」は発売初日には全世界240万本、1カ月で350万本が販売され、PCゲームにおいて最短期間最大販売記録を達成した。「World of Warcraft:Wrath of the Lich King」も前回同様の高いセールスが見込まれている。 こうした人気は1994年から発売されてきたPCゲーム「Warcraft」シリーズから築かれたBlizzard独自のファンタジーの世界観と高いゲーム性に裏打ちされている。Humanが属するAlienceとOrcが属するHordeの両勢力間の重厚なバックストーリーの中で「Warcraft」シリーズで登場する数々のおなじみの英雄たちが「WoW」でクエストを通じて物語の一部としてプレーヤーと触れ合うことができる。 ゲーム性は馴染み安いインターフェイスと明確に分けられたクラス能力、最大40人によるインスタンスダンジョンの攻略が「WoW」の魅力になっている。インスタンスダンジョンの攻略は特に人気で、ボスモンスター戦では制限時間を見越した正確かつ大胆な動きが必要で、並のチームワークではクリアできないものが多い。 インスタンスダンジョンの攻略が上手いチームは自分たちの攻略映像を作り、「Youtube」で公開され人気を博している。PvPコンテンツでも1対1やPvP専用のアリーナを通じた大会が頻繁に行なわれており、PvP、PvEのいずれのコンテンツもバランスよく楽しめるのが成功の秘訣になっている。 こうした人気に後押しされる形で2006年にBlizzardは米ハリウッドのLegendry Picturesと「WoW」の映画制作を発表し、現在は台本作りが進められている。ほかにもTCGやボードゲームなど「WoW」のIPを使った様々なコンテンツが誕生している。 「WoW」を一通り紹介してきたが、日本こそ正式サービスされてないが、国内から英語版を購入して北米サーバーでプレイすることは可能だ。「Warcraft」の世界観に魅せられた人は「WoW」の世界にもチャレンジされてみてはどうだろうか。
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□Blizzard Entertainmentのホームページ (2008年7月4日) [Reported by Dong Soo “Luie” Han / 三浦尋一]
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