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今回の内覧会は、アップライト型の筐体とメダルゲームの新作がメイン。レーシングゲーム「R改:アルティメット ストリート レーシング」から、ガンシューティング「愛されるより愛シタイ」、シングルメダルゲーム「クラブ マジェスティ」追加タイトルなど、バラエティ豊かなラインナップは“アーケードの雄”たるセガの自力を感じさせる。
終了時間まで会場内の様子を観察していた限りでは、いずれの新作タイトルも等しく注目を集めているといった雰囲気。まずは、セガが得意とするジャンル「レースゲーム」の最新作から順次ご紹介していく。
■ R改:アルティメット ストリート レーシング
ゲームモードは「シングル」と「対戦」の2種類。シングルでは、CPUが操作するライバルカーと順位を競う「バトル」と、各コースのタイムを競う「タイムアタック」がプレイ可能。対戦モードでは、最大4台までの筐体を接続した店舗内対戦が楽しめる。 登場車種は、スープラ、セリカ、スカイライン、フェアレディZ、NSX、S2000、RX-7、RX-8、ランサーエボリューション、エクリプス、インプレッサ、レガシィ、マスタング、フォードGT、コルベット、バイパー、ポンティアックなど日本や北米の名車200台が勢ぞろい。車体のバイナルグラフィックは、車体装飾の専門店「アートファクトリー」が全面協力。セガのマスコットキャラクタ「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」をあしらった車も登場するという。ガレージカード(ICカード)を使用すれば、レースで獲得した賞金で新たなチューンドカーが購入可能。パーツ単位のエディットは不可能だが、カラーリングはゲーム開始時に好きなものを選ぶことができる。 操作系は、ハンドル、ギア(ローとハイの2段)、アクセル、ブレーキ、視点変更(後方とコクピット)、ブーストボタン。プレイ感覚は“カジュアル”の一言で、ネオンきらめく夜の都会をチューンドカーでブッ飛ばす爽快感がたまらない。カーブを曲がるときも、ハンドルを目一杯切れば即ドリフトに移行。アクセルワークに気をつければ、よほどテクニカルなコースでもない限り「ブレーキはほぼ不要」というくらいで、このあたり「とにかく気持ちよく走って欲しい」といった方向性が明確に打ち出されている。 ここで終わると「なんだ、単に大味なだけのレースゲームか」と思われそうだが、さにあらず。本作は、押したとたんに凄まじい加速が得られる「ブーストボタン」が“ゲーム中いつでも使用可能”になっている。押しっぱなしにすれば強烈な加速が維持されるスグレモノだが、押している最中はハンドルに相当な衝撃が加わり続ける。このあたり、暴れ馬(車)を強引にねじ伏せて乗りこなしているような錯覚すら感じる。
いつでも使える反面、発動中はハンドルに力が加わるため緊急回避が困難になり、一般車両やガードレールに接触すると一気に減速してタイムロス。一見大味なようでいて、きめ細かい走りができる人には正しい結果がついてくる。その一方で、乱暴な走りが身上という人も十二分に楽しめる二面性は「素晴らしい!」の一言。ブースト状態で暴れるハンドルをガッチリ抑えて見事走りきったときの充実感は、何物にもかえがたい。稼働時期は未定。
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■ クラブ マジェスティ ~「ウォーリーをさがせ! THE MEDAL」、「ガトリングポーカー」~
「ウォーリーをさがせ! THE MEDAL」は、日本でも大ヒットした絵本シリーズをモチーフにしたフリーラインビデオスロット。1回のBETで画面左の4ラインすべてが有効になり、指型のスロット絵柄が指し示す方向が3つ以上つながればメダル獲得。たくさんつながるほど払い出し倍率が上昇。絵柄のない背景マスにはキャラクタが隠れていることがあり、こうした絵柄による再抽選はボーナスへの発展が期待できる。 ボーナスは、主人公「ウォーリー」、魔法使いの「しろひげ」、ガールフレンドの「ウェンダ」、お邪魔キャラ「オズロー」、犬の「ウーフ」など、キャラクタによって内容が異なる。このうち、もっともエキサイティングなのは「ウォーリー」で、絵柄が出るとボーナスゲームに突入。絵本同様、タッチパネルを使って画面内のウォーリーを探し出す。発見すればBET×10枚のメダルが払い出され、発見タイムが早ければランキングに登録される。 絵本と違い、ボーナスゲームのウォーリーはプレイごと出現位置が変化するため「こんなの1回覚えちゃえば楽勝!」などといった小ざかしい考え方は通用しない。絵柄が出現すると「よっしゃー!」と気合が入るが、そのぶん制限時間までに発見できないと物凄く落ち込む。このあたりのアップダウンが個人的には非常に楽しめた。ひとりはもちろん、カップルや友だちと一緒にプレイするのも楽しそうだ。
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「ガトリングポーカー」は、テーブル形式で並んだトランプをスライドさせてドローしていく特殊なポーカーゲーム。5枚ある手札を、クレジットを使って1枚ずつ左にスライド。一番左のカードが捨てられ、右から新しいカードが追加されていく。スライドするたびに倍率がアップしていくため、手札の並びを意識しながら局面に応じた役作りが楽しめる。 スライドは最大4回まで実施可能で、行なうごとに倍率もアップしていく。一般的なポーカーともっとも異なるのは、役の成立が1回で終わらないこと。前回成立した役と同じでも、スライドごとに役が成立していればそのぶんWINが確定する。たとえば、最初の手札で右端2枚でワンペアが成立していたら、左にスライドするたびにワンペアを維持したまま2ペア、3カードなどと発展していく可能性があるわけだ。 絵札の組み合わせにより発生するボーナスゲームは、リボルバー拳銃の弾倉を模した「ロシアンルーレット抽選。絵札が多いほど装填される弾丸が増えていき、弾丸を当てるとボーナスフィーチャーに突入。ワイルドカードが出るまで延々スライドさせて役を作る「ガトリングボーナス」から、デッキにワイルドカードを1枚入れたフリースピンゲーム「フリースピンボーナス」は、それぞれ最大6連荘まで可能。単発でもかなりのメダル獲得が期待できる。
ボーナスゲームのダイナミックさもさることながら、通常ゲームのジンワリとした楽しさが個人的にツボ。右端にペアや3カードがあったときは思わずニンマリといった具合で、スライドして役が発展するたびに脳内麻薬が滲み出る。役を成立させているカードの配置で「ここで確定させるか、あるいは冒険スライドも……」など、淡々とプレイする一般的なポーカーゲームにはない能動的な楽しさが魅力。10月稼働予定。
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■ ブラックジャック ネイルドエース
ディーラーは4人の男女が交互に登場。面白いのは、各ディーラーの髪型、顔、メガネや衣装などのアイテムを店舗側がカスタマイズできる機能が搭載されていること。運営者の趣味はもちろん、季節ごと、あるいは店を訪れる客層を意識して設定してもいいかもしれない。このあたり、今までのゲームにはない独特の機能といえる。 ゲームは、オーソドックスなブラックジャック。ジョグダイヤルでメダルのBETを決めてボタンを押しプレイ開始。5つある各サテライトに2枚ずつカードが配られ、それぞれヒットもしくはスタンドを決めていく。このとき、最初に配られたカードが21なら「ボーナスダイス」が発生し、ディーラーが振ったサイコロの合計で倍率が決まる。 「ボーナスダイス」で“ダーツ”が出現すると「ミリオンダーツ」に発展。スクリーン内のディーラーが実際にダーツを投げるグラフィックスが登場し、ダーツを投擲。最大21倍の配当が期待できる。「ミリオンダーツ」で的の中心に矢が刺さると、通常ゲームで3回負けるまで1枚目のカードが「A(エース)」で固定される「ネイルドエース」に発展する。 ディーラー外観の店舗側エディット機能もさることながら、筆者が最も驚いたのは「チップボタン」の存在。ボタンを押すとクレジットを1枚消費してディーラーにチップを1枚渡すのだが、最初はまったく意味がわからず悩むことしきり。直後、近くにいた担当氏に詳細を明かされ、その内容にさらに驚愕する。 その内容とは……本作のディーラーは、チップの枚数に応じて“プレーヤーを贔屓する”という。これは他プレーヤーに対する差別ではなく、チップをくれたプレーヤーに対する純然とした(?)便宜供与で、いわゆる「アナタ(君)だけはちょっと特別♪」といった雰囲気のもの。チップを投入すると、その枚数に応じてテーブル画面に「☆マーク」が出現。チップは最大100枚まで投入可能で、そのとき☆マークは5つ表示される。 チップを払うと、ディーラーがこちらに顔を向けたり、ときにはウインクを送ってくれる。これだけだと「そんなことのために誰が貴重なクレジットを消費するかぁ!!」となるが、もちろんそれだけではない。ディーラーは、星の数に応じて“手心”を加えてくれる。最初に配られるカードがなんとなく良かったり、ダブルダウンを選択したときに「本当にそれでいいの?」と再確認してくれたり(本来そんな真似はしない)、ボーナスゲームが有利になるなど、そのメリットは多種多様だ。
そうした配慮が実施されると、画面の☆マークが減ることがある。そんなときは、またチップを支払えば☆マークを増やすことができる。スタイリッシュな筐体のデザインを含め、色々な意味で“大人のゲーム”といえそう。稼働時期は未定。
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■ 愛されるより愛シタイ ~THE HOUSE OF THE DEAD EX~
番外編と銘打たれているが、ゲーム自体はガンシューティング風のシステムで、シンプルなミニゲームをクリアしていくという幅広い年齢層向けの作品。ゾンビのカップルという設定からもわかるとおり、筐体デザインも「カップルで是非楽しんでください!」といったノリが感じられる。アニメ調で描かれたゾビ夫とゾビ子も、オリジナルシリーズのホラーっぽさを微塵も感じさせない姿かたちをしている。 操作系はガンコントローラーと足元のフットパネルを使用。ゾンビをモチーフにしたバラエティゲームをクリアしていくが、その内容がストーリーと関連があったりなかったりとバラエティに富む。ゾンビを落とさないようにタイミングよくフットペダルを踏んで跳ね飛ばす「ゾンビリフティング」、丸いゾンビボールを撃ってストライクを狙う「ゾンビボウリング」、ステージで演奏するゾンビにコントローラーで狙いをつけスポットを当て続ける「ZOMB'z」、ゾビ夫とゾビ子が背負った籠にリンゴを打ち落とす「ゾンビリンゴ狩り」、モンゴルからきた横綱ゾンビを撃ちまくって押し出す「大相撲ゾンビ場所」など、いずれもシンプルなミニゲーム風になっている。
出展バージョンは開発度が低かったため詳しいインプレッションは避けるが、キャラクタについては十分なキャッチーさが感じられた。あとは、ゾンビのカップルという設定と想定されるユーザー像、さらには各ゲームの内容をどう練り上げるかが成否の鍵になりそうだ。稼働時期は未定。
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■ ダービーオーナーズクラブ 2008 フィールザラッシュ Ver2.0(映像出展)
「ワールドレース」は、コンピュータ上の仮想レースとして毎日開催される。参加方法は、各店舗で行なわれるレースに上位入賞すれば招待状が届く仕組み。受け取ったプレーヤーは参加の是非を選択し、DOCターミナルで作戦指示を入力する。あとは自動的に店舗とエリアの各予選と全国決勝が行なわれる。決勝の模様は、各店舗のメインモニターで一斉放送される。 DOCターミナルでは、招待状が届かなかったユーザーも「優勝馬の予想」に参加できる。オーナーカードを持っていれば誰でも参加可能で、的中させたユーザーにはクラブポイントやレアアイテム「ご当地エサ」がプレゼントされる。また、優勝場が所属するエリアには何らかの恩恵があるという。 このほかにも、多数の実名現役馬、札幌、函館、新潟、福島、小倉といった5カ所の夏競馬場を新たに追加。初めて本作を遊ぶプレーヤーに、ナビゲーターの「ウマコ」が操作方法などを教えてくれるレクチャーモードの実装、週単位で抽選100馬の引退馬をオープンレースに登場するCPU馬として翌週から配信する「引退馬全国配信サービス」、新オーナーランク「プラチナランク」、店舗スタッフによる独自エンブレムの作成など、さまざまな新要素が追加される。 DOCターミナルについても、ガチャガチャアイテム、厩舎の風景が変わる「厩舎引越しガチャガチャ」、返し馬などさまざまな場面で表示される「オーナープロフ」の作成など、多数の新機能を追加。なかでも注目すべきは「ネット配信」と「血統保証」の2点。ネット配信は、DOCターミナルを通じて他プレーヤーと親馬のやりとりが可能になるというもの。登録にはパスワードが表示され、QRコードにも対応。相手にパスワードを伝えれば、受け取る側はどの店舗からでもオーナーカードに送られてきた親馬のデータを保存できる。
血統保証は、プレーヤーが愛馬を引退させたとき“1配合分の種”をネットワーク上で自動保存してくれるというもの。後日、プレーヤーがDOCターミナルでデータを引き出し、それを親馬として使うことができる。これにより、万が一馬カードを紛失したとしても手塩にかけた血統が失われるといったことは避けられるわけだ。今夏稼働予定。
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■ その他の出展タイトル
・ガリレオファクトリー (C) SEGA
・モノポリー ザ メダル セカンド エディション (C)SEGA,2008 □セガのホームページ http://sega.jp/ □セガ アミューズメント情報のページ http://am.sega.jp/ □「R改:アルティメット ストリート レーシング」公式サイト http://r-tuned.sega.jp/ □「クラブ マジェスティ」公式サイト http://clubmajesty.sega.jp/ □「ブラックジャック ネイルドエース」公式サイト http://blackjackna.sega.jp/ □「愛されるより愛シタイ ~THE HOUSE OF THE DEAD EX~」公式サイト http://ai-shitai.sega.jp/ □「ダービーオーナーズクラブ 2008 フィールザラッシュ」公式サイト http://doc.sega.jp/ □「ガリレオ ファクトリー」公式サイト http://galileofactory.sega.jp/ □「モノポリー ザ メダル」公式サイト http://monopoly.sega.jp/ □関連情報 【5月16日】「セガ プライベートショー 2008“SPRING”」開催 「ランボー」、「アスコットガーデン」など話題作を出展 http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080516/segaam.htm (2008年7月4日) [Reported by 豊臣和孝]
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