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エヌ・シー・ジャパン株式会社は、MMORPG「リネージュ」において、6月24日に大型アップデート「Episode Re:(エピソード アールイー)」を実装する。これにより、ゲームタイトルも「リネージュ エピソードRe:」に変更、新たな展開を見せる。 タイトルの「Re:」には、「Reunison(再会)」、「Reborn(新生)」、「Return(帰還)」、「Redevelopment(再開発)」など、「リネージュ」が今後掲げる目標を含み、メールの返信にタイトルに付記される「Re:」を用いてこれからの「リネージュ」を表現しているという。 「リネージュ エピソードRe:」では戦乱により廃墟となっていたグルーディン村が再建され、様々なコンテンツが追加される。さらにいくつものダンジョンがリニューアルされる。また、回復ポーションの重さ低減など、これまでとは違うゲームバランスが導入されることで、ゲームの世界全体が大きく動きそうである。
今回、アップデートに先がけて開催された体験会にて各要素に触れることができた。スクリーンショットと共に、新要素を紹介していきたい。
■ お化け屋敷、釣り、占い……再建されたグルーディン村には楽しいアトラクションが盛りだくさん
「リネージュ」のこれまでのエピソードでは、ラスタバドというダークエルフ軍との長きにわたる戦いが描かれた。前回のアップデートでその戦争に終止符が打たれ、世界の人々は、再建の道を歩み始めることになったのである。グルーディン村はその平和の象徴となる村になったのだ。 グルーディン村はラスタバドとの戦いが繰り広げられた時は廃墟になっていて、これまではあまりプレーヤーも訪れなかった。今回、多数のコンテンツが追加されたことで、多くの観光客が集まる場所となりそうだ。実装直後は血盟(クラン:いわゆるギルドシステム)などの仲間が集まり、ごった返すことになるのではないだろうか。 再建されたグルーディン村は珍しい食材や花を売っている商店、大きな宿屋などもあって、大きくはないが平和な雰囲気を感じさせる場所になっている。家具や食材、花束など珍しい商品を売っているところなども面白い。花束はクエストで使うもので、装備はできないが、「リネージュ」はアイテムをそのまま地面に置くことができる。絵や字を描くパフォーマンスや、プレゼントに使っても楽しい。 グルーディン村には様々なアトラクションがある。1つ目が占星術師の「ケプリシャ」による占いだ。プレーヤーは“魂の契約”を結ぶことで“占星術師の壺”を得て1 日(現実時間)に1 度クリックする事で、ケプリシャに占ってもらうことができる“占星術師の玉”を入手できる。占星術師の家で“占星術師の玉”と、援助金を渡しケプリシャに見せると占いの結果と、“占星術師のお守り”がもらえる。 このお守りをケプリシャに渡すことで、様々なモンスターの姿に変身できる祝福がもらえる。変身時間は1時間、“当たり”で強力なモンスターになることができれば狩りも楽になる。変身はいつでも変身スクロールを使うことで解除可能だ。 “釣りっ子”というNPCに話しかけることで釣りが可能になる。釣りっ子に話しかけると、釣りの専用フィールドに行くことができ、この釣り場でエサを購入することで釣りができる。釣りは浮きを落とす地点をクリック、浮きが沈んだときに浮きをクリックすることで釣ることができる。魚はアイテムとして使うことができ、体力や空腹度のゲージを回復させてくれる。「シャイニングフィッシュ」という魚と、この池で釣れる“壊れたアイテム”を「釣りおばさん」に持って行けば、特別な装備アイテムと交換してもらえる。 料理システムも追加になった。村にいる「ラフォンス」から料理本を購入し、道具屋に売っている焚き火を使うことで料理ができるようになる。食材はグルーディン村だけでなく、ギラン城下町や首都アデンにいるNPCからも購入できる。「蟻足のチーズ焼き」といった料理には、モンスターのドロップ品も必要となる。 料理を始めると頭の上にふたをした料理皿のアイコンが現われ、ふたが開くと湯気が出る。料理にはHPが増えたり、属性抵抗が上昇したりする。獲得経験値が若干上昇する「キノコスープ」は人気を集めそうだ。材料が黒こげになり失敗することもあるが、“幻想の”という名前が付加された“大成功”になることもある。大成功した料理はさらに追加効果が付く。また幻想の料理は、アデン国王に捧げることで特典を得ることもできる。 お化け屋敷は、今回のアップデートの中で、個人的に一押しのコンテンツである。「お化け屋敷管理人」に話しかけることで屋敷にはいることができる。このお化け屋敷は“障害物競走”になっており、最大8人で挑戦することができる。スタート地点に立つと、プレーヤーの姿はジャックオーランタンのような、カボチャ頭の幽霊に変わる。合図と共に、閉ざされていた扉が開かれ、スタートとなる。 コースの制限時間は5分、時間以内にゴールにたどり着き、一番最初にゴールにある「魂の炎」を破壊したプレーヤーが勝者になる。この1番のプレーヤーのみが褒賞を得ることができる。お化け屋敷内部は、迷路になっている地下墓地といったところで、様々な幽霊が登場しプレーヤーの行く手を阻む。足止めされたり、動きを遅くさせられたり、周りが暗闇に包まれるなど、なかなかうまく進めない。地面に埋められた人の顔がスイッチとなる扉もあり、しかもそのスイッチにもトラップが仕掛けられている。テレポーターもあり、かなり運が重要となる競技である。 競争要素は、もう1つペットマッチが追加されている。「リネージュ」でもペットを育てているプレーヤーは多いが、このコンテンツでは他のペットと力を試すことができる。ペットを持つプレーヤーはレベル帯が近いプレーヤーとマッチングさせられる。試合前には、サイコロゲームが行なわれ、その勝者にランダムでエンチャントが付与される。レベル差があっても運が良ければ逆転できるかもしれない。 参加者には「ゴールドメダル」が付与される。このメダルを集めるとペットをゴールドドラゴンに進化させられる「勝利の実」などを入手できる(ハイラクーン、紀州犬、バトルタイガーは進化できない)。ただし、特典を得るためにはかなりの数のメダルを集めなくてはならない。ペットを育てるプレーヤーの大きな目標となるだろう。
釣り、料理、お化け屋敷、アルティメットバトルを通じてアイテムを入手することで「マジックドール」というマスコットを召喚できる。このマスコットを手に入れるためには各コンテンツをかなりやりこまなくてはならない。マジックドールは、MPを回復させるサキュバス、持ち物の重量を軽減してくれるバグベアー、追加ダメージを与えるウェアウルフの3種類がある。ぬいぐるみのような外見でかわいらしい。人気を集めそうである。
■ ダンジョンのリニューアルで近付く上級者への道。ゲームバランスの見直し、アジトの追加で大きな変化も?
高レベルコンテンツだったラスタバドへの地下侵攻路はラスタバドの力がかなり減少し、敗残兵だけになったことでかなり弱体化した。侵攻路は3層で構成されているが、地下1階ならばレベル20台中盤の冒険者でも戦うことができる。アクティブな敵も少なく、レベルアップを目指す冒険者に良い狩り場となった。下の階層はレベル30~40を目指すプレーヤー達の狩り場となる。 ハイネのダンジョンとエヴァ王国(海底)もリニューアルされた。こちらはハイネのダンジョンが3層、そしてその下に海底のエヴァ王国がある。ハイネダンジョンではいくつかのクエストも追加されている。地下侵攻路に比べると少し強くなっている。蟻のダンジョンも手が加えられ、多くの蟻のモンスターが追加された。こちらも30~50の冒険者を対象とした場所となっている。「アントの卵」というオブジェクトが追加され、これを割ると運が良ければアイテムを入手できる。はずれはアントが出現するので注意が必要だ。 今回の狩り場の追加により、固まりがちだった中級者の狩り場が分散されることになる。レベル30以上のプレーヤーにとって狩り場の選択肢が増えるのはうれしいところだ。これまで、日本の「リネージュ」は独自に狩り場の強さ調節などをこれまでも行なって、上級者への道を支援していたという。今回のアップデートでは、その考えをさらに推し進めた形になったようだ。 「リネージュ エピソードRe:」ではゲームバランスそのものにも手が加えられる。特に現役ユーザーにうれしいのが、回復ポーション類のアイテムの重さが大幅に軽くなったことだろう。回復する体力が増加し、全体的に効率が上昇したという。「リネージュ」ではウィザードなど非力なクラスは大量のポーションが持てなかった。これが狩りや戦争での大きな足かせとなっていたが、今回の重さと効果の変更でバランスがどのように変わるか興味深いところだ。 また、レベル55以上の「変身」のバランス調整も上級者に喜ばれそうだ。これまで「デスナイト」や「バルログ」など変身モンスターは、変身はレベル52までの力しかなかった。レベル55以上の変身が可能になったことで今まで以上の力を発揮できる。「リネージュ」の変身はゲームの大きな楽しさである。変身の強化は多くのプレーヤーに歓迎されるだろう。今回追加された料理やマジックドールでもバランスが変わってくる。この他にも多数のポイントが変更されているとのことで、どのような世界になるか楽しみだ。 上級プレーヤーには「水上アジト」の追加、「地下アジト」の拡張、そしてアジトデコレーションは楽しみな要素だ。「リネージュ」には血盟が所持できる拠点“アジト”がある。現在で100以上のアジトが存在するが、古参の血盟が手放さないため比較的新しい血盟はアジトを持つことができなかった。今回、6軒の水上アジトが追加される。アジトは競売形式で競り落とされる。激しい競売合戦になるだろう。 既存のアジトは資金を投入することで地下アジトを拡張できる。地下の空間は広い。今回追加されるアジトデコレーションでより個性を発揮できるようになるだろう。家具は価格が高いが、テーブルや騎士の像など様々な種類がある、さらに「剥製依頼書」というアイテムをグルーディン村のフィリスから購入し、対象モンスターの証を集めれば、“剥製”を作ることも可能だ。どんな個性的なアジトが生まれるだろうか。 「リネージュ エピソードRe:」はこれまで以上にゲームの遊びの幅を広げる方向性のアップデートに感じた。「リネージュ」に限らず、これまでの韓国産MMORPGの多くはアップデートいえば上級者向けコンテンツ追加、という印象が強かった。既存プレーヤーにはうれしいが、新規プレーヤーはそのコンテンツに触れることができないという面があった。
運営期間の長いMMORPGでは初心者と上級者の距離が離れがちである。上級者のみの要素は、ともすればゲームの空気そのものを停滞させかねない。韓国のMMORPGの代表作である「リネージュ」が、今回のアップデートで遊びの幅を広げ、中級者から上級者になるための要素を強化したのは興味深い。本作のみならず、韓国のMMORPGがどのように進化していくか、注目したいところだ。
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□エヌ・シー・ジャパンのホームページ (2008年6月20日) [Reported by 勝田哲也]
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