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会場:Intel e-stadium(韓国ソウル)
現在も韓国でも人気の高い「Winning Eleven」シリーズから最新作の「Metal Gear Solid 4」まで、KONAMIタイトルの韓国展開をUNIANAが担当している。「Metal Gear Solid 4」は韓国において、日本語版と英語版の2種類が6月12日より正式発売され、初期出荷本数が完売という、苦戦が続くプレイステーション 3プラットフォームでは、異例の好調な売れ行きを見せている。 その両社の共同開発作品となる「Chaotic Eden」は、「ローグ」や「不思議のダンジョン」シリーズなどに代表されるダンジョンRPGのスタイルを採用したオンラインゲームだ。マッチングロビーでメンバーを募り、複数人でインスタンスダンジョンに挑戦する。ターンベースのゲームシステムや、ユーザーが自作したダンジョンでのプレイが可能なことが特徴だ。サービススケジュール及びビジネスモデルは未定で、今回のオフラインテストでのユーザーの声を参考しながら、決めていきたいという。 今回開催されたイベントは入れ替え制で2回実施され、1回当たり60人がテストを行なった。4時間の間、キャラクタ作成から街への移動、ダンジョン探索を順番にプレイし、終了後にはアンケートを取っていた。
筆者もその中に混じって「Chaotic Eden」に触れることができた。当日テストされたバージョンは、ゲームの基本部分しか遊べなかったもの、ゲームの概要はつかむことができた。本稿では本邦初の「Chaotic Eden」のインプレッションをお伝えしたい。
■ ターン制システムを搭載したダンジョン型RPG「Chaotic Eden」。毎回レベルがリセットされる?!
ゲームはキャラクタメイキングからスタートする。その後、「Chaotic Eden」世界の1つの地域である「North Odyssey」でプレイすることになる。今回のテストでは「North Odyssey」には「Boldonia」、「Kolonia」、「Eternia」という3つの街と「Test21」、「Test22」、「Test23」と名付けられたダンジョンが実装されていた。 ゲームは、ワールドマップ上をダブルクリックで移動先を指定していく形になっていた。プレーヤー達の拠点となる街には倉庫、商店、ワールドマップへのポータルと、最小限の機能しか実装されておらず、今回はダンジョンでの戦闘が主なテスト内容となった。用意された3つのダンジョンはすべてインスタンスダンジョン方式で、5層構造をしており、プレーヤーがダンジョンに入るたびにマップの構造がランダムに変更されていた。 本作の戦闘システムはターン制となっており、ダンジョン内のプレーヤーと全てのモンスターが交互に操作を行なっていくことになる。たとえば、プレーヤーが1コマ動いたら、モンスターも1コマ動く。プレーヤーがそのまま待機していれば、プレーヤーのターンの状態であるため、モンスターたちもそのまま待機している。実際のプレイ風景としてはオーソドックスなオンラインRPGゲームのようにリアルタイムでキャラクタが動いているように見えるが、実際のところはプレーヤーとモンスターたちの間でコントロール権が巡回しているのだ。 プレーヤーの1回の行動において、モンスターも同等の行動を起こすため、モンスターに囲まれてしまうとプレーヤーが逃げようとしてもすぐ追いつかれてしまう。囲まれてしまうと逃げることは不可能なので、通常攻撃しか使えない初期の段階では、モンスターに囲まれないように1コマ分の通路に誘い込み、1対1の状態を作って上手く対処していく必要があった。 また、本作では「レベルリセット」というシステムがある。ダンジョンから街に出ると毎回ダンジョン内で成長したレベルが1にリセットされる。レベル成長というのは1回のダンジョンプレイに限ったものになっており、ダンジョンに潜るたびにレベル1からやり直しになるわけだ。 本作の目的はキャラクタの成長ではなく、ダンジョンのクリアにある。現在は実装されていないが、サービス時にはクリアタイムやクリア時のレベルなどを集計してランキングするという。オンラインゲームとしては珍しくレベルの概念がなく、アイテムとプレーヤーの戦術が大きく反映されることの面白さを追求していくという。 こうした試みは、日本では馴染み深いが、韓国ではほとんど前例がない。韓国のユーザーにはどのように映ったのだろうか。本イベントに参加したユーザーからは「レベルリセット」というシステムについて、アンケートでは「せっかく上げたレベルを何故いちいちリセットするのか」といった意見が多く、ゲームの達成感が薄いと取られるケースが多かったようだ。ちなみにダンジョンクリアの報酬は、クリアタイムのランキングだけではなく、レアアイテム等の獲得もあるようだが、詳細についてはわかっていない。 また、本イベントでは戦闘の最も基本的なシステムしか体験できなかったため、本作の最大のウリである自作ダンジョン機能(UCD)やパーティープレイ、ジョブシステムなどを交えた本格的なゲームシーンが見えておらず、ゲームの全体像はいまだ不透明のままだ。
「Chaotic Eden」の開発はKONAMIが企画、イラスト、サウンドなどを担当し、UNIANAがサーバー及びにゲームクライアントの開発を担当している。開発の仕事が両社に分断されている点と現在のバージョンの様子を見る限り、本格的なβテストはまだ先になるようだ。しかし、本イベントに参加したユーザーの声を聞くことで、本作の方向性についてはっきりすることもあるだろう。開発の進捗が何より楽しみだ。
(c) 2008 KONAMI DIGITAL ENTERTAINMENT CO., LTD.
□UNIANAのホームページ(韓国語) (2008年6月17日) [Reported by Dong Soo “Luie” Han / 三浦尋一]
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