← 前回分 【バックナンバー】
【連載第25回】大人による大人のための洋ゲー連載
■Game Dudeの「大人のための海外ゲームレポート」■
元SCEWWSプレジデント フィル・ハリソンの遺作!?
英国生まれのクールなカラオケゲームがPS3に登場
「SingStar」 |
|
|
豊富なファーストパーティータイトルを誇るSCEの中でもとびきりの人気フランチャイズが、ついにプレイステーション 3に投入された。家族で一緒にゲームを楽しむ」という概念を追求した英国生まれのカラオケゲーム「SingStar」だ。
2004年にプレイステーション 2で第1作目が発売されて以降、シリーズを重ねて今回初めてプレイステーション 3に移行を果たした本作は、欧米各国のヒット曲を集め、当時制作されたPVと共に、アーティスト気分で歌える本格的な内容に仕上がっている。
また、PS3の持つオンラインとハードディスクという特性を使い、新しい曲を購入できる「SingStar Store」と、オンライン上で、自分の歌っている様子などを動画や静止画で公開できる「My SingStar Online」というコミュニティ機能が追加され、PS3時代に相応しい内容にパワーアップしている。今回は既に欧州を中心に多くのゲームファンの盛り上がりをレポートしたい。
【お断り】 |
---|
当連載でご紹介したゲームは日本国内で流通しているハードウェアでは動作を保証するものではありません。編集部では海外版ハードウェア・ソフトウェアを輸入して紹介しています
この記事を読んで行なった行為によって、生じた損害はGAME Watch編集部および、メーカー、購入したショップもその責を負いません
GAME Watch編集部では、この記事についての個別のご質問・お問い合わせにお答えすることはできません
|
■ 英国生まれのカラオケゲーム「SingStar」とは?
2004年5月にSCEE London Studioから世に送り出された、プレイステーション 2用のカラオケゲーム、それが「SingStar」だ。英国をはじめとするヨーロッパ地域(いわゆるPAL圏)のみ発売された本作は、PS2が持つDVD-ROMの大容量と、「EyeToy」カメラやUSBマイクなどの周辺機器を使ったパーティーゲームとして発売前から大きな話題を呼んだ。
「SingStar」シリーズは、2作目にデュエット対応を果たした「SingStar Party」、北米圏での発売も開始した3作目の「SingStar Pop」など2008年6月現在、計12本のシリーズを発売する一大フランチャイズに成長している。シリーズ累計もPAL圏だけで1,200万本、一部シリーズのみ発売されている米国でも150万本のセールスを記録し、「たかがカラオケゲーム」という言い方の範疇を超えたタイトルになっている。
日本市場では全く無名といっても過言でない「SingStar」だが、欧米市場の音楽ゲームジャンルの中では「Guitar Hero」や「Rockband」にも負けない一大勢力になっており、プレイステーション 3のローンチ時にPS3専用の「SingStar」開発が発表された際も、プレイステーションプラットフォームを代表する1本として注目されたほどだ。
本作は先だってSCEWWSを去ったフィル・ハリソン氏の遺作とも言えるタイトルで、同氏がSCEEの制作部門を統括していた頃、PS2のゲームに新しい遊び方を積極的に作り出そうとしていた。その過程で生まれたのがカメラと体感ゲームを一体化させた「EyeToy」シリーズであり、加えてマイクを使って歌う「SingStar」だ。
上記タイトルで行なわれた試みはホームパーティーなどを通して仲間が集まりやすい欧米では大成功を収めており、PS3用「PLAYSTATION Eye」の開発に受け継がれていると言っても良いだろう。残念ながらこの手のゲームは、日本では、ほとんど話題にならないが、これは各地域のライフスタイルによるもので、家の中より外に娯楽を求める日本のお家事情が大きく影響していると思われる。
|
|
カラオケゲームの代名詞的タイトルだ |
みんなで集まれば更に楽しく遊べる |
|
|
過去現在のヒット曲を多数収録 |
オンラインコミュニティ機能を初実装 |
■ 1人より多人数、パーティープレイ志向のゲーム内容
|
選曲はとてもわかりやすい
|
|
音程を線に合わせるように歌う
|
「SingStar」はカラオケゲームであり、ゲーム内容は説明するまでもないのだが、さらっとおさえてみよう。ゲームの基本的なルールは選択した曲の調子と音程に合わせていかにうまく歌い上げることができるかを競うもので、インタラクティブ性に差はあるが、採点付カラオケマシンと大差ないシステムだ。
採点は1万点満点でつけられる。0点からスタートし、一小節ごとにBad、Good、Coolなどの採点が付けられ、加算されていく。0からの加算方式であり、ミスによる減点はない。1曲フルで歌うか、ショートバージョンの2つが選択できるが、高得点を出すには曲に慣れるしかないため、通常は1曲通して歌い続ける方が良いだろう。
基本的なプレイの流れは、曲を選択して歌うだけだが、曲目によってはフリースタイル(自由にパフォーマンスできる節)が設けられたり、ラップの部分は音程よりも尺に合わせて正確に歌詞を歌い上げられるかなど、歌う際にもバリエーションがいくつか盛り込まれている。後は純粋に曲自体の難易度に左右される。
うまく得点を稼ぐには、1にも2にも「曲を知っていること」が重要で、洋楽ファンでないと、英語で歌うという以前に音程すら合わせることができないのが辛いところ。曲の流れを覚えてないとフレーズごとの出だしでつまづくので、高評価を得ることが難しくなる。例え鼻歌でも同じことで、とにかく得意の曲を見つけるまでが大変だ。
1人でプレイする場合は、単なるバーチャルカラオケマシン+αの域を出ないが、マイクを2本使ったマルチプレイが本作の肝となる。ゲームモードは、単純な2人プレイの「デュエット」と、最大8人までプレイできるパーティーゲーム「パス・ザ・マイク」の2つが用意されている。ゲームは全てオフラインのみで、2本以上のマイク使用は物理的に対応していない。このため、2人以上でプレイする場合は適宜マイクを順番に手渡していく形になる。
「デュエット」は文字通り2人で歌うゲームモードだが、デュエット専用の曲は、デフォルトで用意されている曲のうち1曲のみで、基本的に2人一緒に音程を合わせて歌うのがプレイスタイルになる。プレイしてみた感じでは、デフォルトで用意されている曲だと自分の担当するパートをしっかり歌うのが重要で、あくまで1人プレイにマイクをもう1つ追加して盛り上がる、という感じのゲームだった。今後リリースされる新曲データにデュエット専用曲が増えれば、よりホットなゲームになりそうだ。
「SingStar」の真骨頂と言えるのが「パス・ザ・マイク」で、カラオケをパーティーゲームとして成立させるための要となるゲームモードだ。ルールは最大で4人1組のチームを2組つくり、1チーム1本のマイクを使って最大7ラウンドのゲームで競うというもの。ラウンドごとにプレーヤーが変わりマイクを順番に渡していく必要があるため、この名称が付けられたと思われる。
「パス・ザ・マイク」で競うゲームモードは以下の通り。任意に設定したラウンド中プレーヤー側のお好みで組み合わせをアレンジ可能だ。ちなみに各ゲームで選択される曲はランダムに選ばれるため、プレーヤーが得意としている曲で勝負という訳にはいかないのは注意。
▽バトル
用意された曲をうまく歌い上げてスコアを競う一番シンプルなゲームモードで、初心者向けと言える。一番経験の浅いプレーヤーに担当させると良いだろう。歌唱力のある人が勝つ、実にシンプルかつ公平なゲームモードだ。
▽メドレー
いくつかの曲のサビ部分を順番に歌い上げてスコアを競う。複数の曲に対する知識が必要になるため、ウマく見せるには相応の練習が必要だが、ハプニングを楽しむのも「SingStar」のプレイスタイルの1つなので、ウマいヘタはあまり気にする必要は無いかも?
▽ファースト・ザ・パスト
同じ曲を歌い、先にスコアが5,000点に到達したプレーヤーの勝利となる。CoolやGoodと言った高評価を連発してスコアを稼ぎ続ける必要があるため、歌うテクニックを必要とする上級者向けのゲームモードで、プレイしてみた感じではゲーム性が一番高かった。
▽デュエット
デュエット専用曲を使って、いかにうまく自分のパートで相手よりも高いスコアを出せるかを競う。男性パート、女性パートのように同じ曲でも担当するパートを替えて2巡した上でスコアが決まるため、他のモードに比べて長丁場となる。カップルかウマいプレーヤーをあてた方がスマートで盛り上がるだろう。
▽キープ・イット・アップ
サビの一小節だけを完璧に歌いこなせるかだけを競うもので、選曲もランダムなため、過去~現在までのヒット曲に造詣が深いか、収録各曲を歌いこまないとなかなかパッと歌い上げることが難しい、見た目と裏腹の一発勝負ルール。
▽マイクロメロディ
メドレーよりも更に短いスパンで曲のサビを連続して歌いスコアを競う。曲数が多くなることで息継ぎのタイミングも大変なほど忙しく歌わないといけない超上級者向けルールと言えるだろう。7つのゲームモードの集大成的なモード。とにかく矢継ぎ早に曲が変わるため、息は苦しくなるし曲の調子も違うしで混乱しやすい。
▽パス・ザ・マイク
曲をチーム全員で歌いつなげるゲームモードで、パートごとに歌う人を交代していく。もちろん交代時に曲が止まるようなことはないので、すかさず次の人にマイクを渡して減点対象となるロスタイムを短くしていかないといけない。チームワークがゲームの要だ。
ざっとゲームモードを見て、パーティーゲームとしての要素が非常に強い内容であることが理解できるだろう。「SingStar」は1人で黙々とプレイする従来のゲームとは異なり、SCEEが「EyeToy」、「SingStar」とPS2プラットフォームで積み重ねてきた「家族あるいは友達と一緒に楽しむゲーム」という概念に特化してた作りになっており、ある意味プレイする人を選ぶ内容ではあるかもしれない。
言うなれば本作は「家族で楽しめるのはWiiだけじゃないぞ」とゲームファンに向けて一言物申す的なメッセージが込められたゲームだ。現在Wiiがすっかりお株を奪ってしまった「みんなで遊べる」パーティーゲームの開拓は、Wiiが発売される大分前からSCEEというよりフィル・ハリソンが先駆けて実行しており、欧米では既に実績のあるジャンルになっている。ゲーム機は決してマニアのための遊び道具ではないと実感させてくれるゲームは、「SingStar」が久しぶりだ。
|
|
うまく歌えれば高評価が得られる |
バトルで歌唱力を競おう |
|
|
5,000点先取で勝利だ |
デュエットは担当パートを確実に |
|
|
パス・ザ・マイクで歌いまわす! |
スコアは最後に算出される |
■ プレイステーション 3版はオンライン対応で新たな次元に進化
|
オンラインはコミュニティとストアに分かれている
|
|
自分のプロファイルはしっかりと作っておこう
|
PS3版「Singstar」は、ゲーム本編そのものの内容はPS2版で進化を重ねてきたものと大差がない。ゲームに必須の専用USBマイクおよびUSBコンバータはPS2版に付属しているものと同じで、パッケージもパッケージ単体版(39.99ドル)とマイク2本とコンバータ付のフルセット版(59.99ドル)の2種類が販売されている。ちなみにマイクはかなりしっかりしたつくりで、2本+コンバータで20ドル増しはかなりお買い得感が高い。
PS3版で決定的に変わったのは、ずばりオンラインとハードディスクの存在に尽きる。オンライン上に「iTune Music Store」のような曲を購入できる「Singstar Store」を開設することで、好きな曲データをPS3のハードディスクにダウンロードして自分のライブラリを増やしていくことができるため、「Singstar」はいわゆるアペンドディスクと呼ばれるような拡張キットの類を買わず自分のお好みで楽しみを広げることができる。
後述する「My Singstar Online」というコミュニティの存在も欠かせない。PS3版「Singstar」はオンラインでのマルチプレイには対応していないが、オフラインで歌った様子をオンラインコミュニティ上で共有することができる。PS3のハードウェア特性と「PLAYSTATION Network」という専用インフラを活用した至極まっとうな進化を遂げた内容になっている。もう少し言い方を変えると、ライブラリを増やし続けることで、いつまでも廃れないゲームに生まれ変わったと考えて差し支えないだろう。
「Singstar」をパーティーゲームとしてより面白くするためのアイテムとして欠かせないのが、専用カメラ「PLAYSTATION Eye」だ。PS2版の既存シリーズでも「EyeToy」カメラに対応していたが、PS3になりネットワークとハードディスクという武器を新たに取り込み、更に一歩踏み込んだ活用ができるようになっており、実質的には必須の周辺機器と言ってもさしつかえない。
ゲーム中の使い道としては、プレーヤーの顔写真を撮影してゲーム中やオンラインコミュニティのプロフィールに使用すると言った単純なものから、プレーヤーが歌っている様子を自動的に撮影して、動画・静止画としてプレイ終了後にハードディスクに保存、オンラインにアップロードして公開できるようになっている。
カメラ付のPCが当たり前になっている現在では何ら目新しい機能ではないが、自分達のパフォーマンスを自分で配信することができ、世界中の「Sinsgtar」プレーヤーに見てもらえる・評価してもらえるというのは面白い仕掛けだ。何よりもPS2世代であればPCを絡める必要が必須だったことが、ネットワークにつながったPS3が一台あれば全て事足りるようになった点に進化を感じる。
もちろん撮影した映像や画像の公開は任意なので、プレイした思い出としてハードディスクに保存しておくのも良いだろう。残念な点としては閲覧できる場所がゲーム内だけに限られてしまっており、例えば撮影したものをPS3のXMB上で再生したり、メッセージに添付して他の人に送ったりといったことができない。
PS3はゲーム機の中ではもっともPCライクで汎用性が高いだけに、もう少し自分で作り出したファイルは自由に取り回しができるような仕様にして欲しかっった。今後のオンラインアップデートに期待したい。(既に1回実施されており、パッチ適用によりバージョンが1.02になっている)
日本国内でも「PLAYSTATION Eye」の単体販売がアナウンスされたが、このゲームの場合はマイクとカメラのセット売りパッケージがあっても良かったかもしれない。それだけ重要なアイテムなので、もし「Singstar」の購入を考える場合は、一緒に「PLAYSTATION Eye」もお忘れなく。目立ちたがりには必須のアイテムだ。
|
|
ストアの曲数はどんどん増えている |
世界中のプレーヤーが集うコミュニティに注目 |
|
|
プレーヤーの顔を撮影できる |
ゲーム内でも一目瞭然 |
|
|
画像がないとゲーム画面もちょっと寂しい |
オンラインに映像をアップすることも |
■ 古今の名曲多数収録!「Singstar Store」で新たな曲追加も
|
アルファベット順にカテゴライズされている
|
|
同じアルバムからの収録曲はひとまとめにされる
|
「Singstar」ソフト本体に収録されている曲はジャンルごとの欧米ヒットアーティストの曲が集められている。曲は全てフルバージョンで当時に制作されたプロモーションビデオ(PV)も再生される。ただし、ほとんどの曲はHD品質ではなく、SD対応のままになっている。ビデオの品質に関しては曲の発表時期が十年以上前のものもあるため、致し方ないのかもしれない。
▽本体に収録されている曲一覧は以下の通り
The Automatic 「Monster」
Blink 182 「All the Small Things」
Blur 「Coffee & TV」
Britney Spears 「Toxic」
The Cardigans 「Lovefool」
Coldplay 「Fix You」
The Fratellis 「Chelsea Dagger」
Gorillaz 「Feel Good Inc.」
Gwen Stefani 「Cool」
Junior Senior 「Move Your Feet」
The Killers 「Mr. Brightside」
Macy Gray「I Try」
Musical Youth 「Pass the Dutchie」
Ne-Yo 「So Sick」
Orson 「No Tomorrow」
OutKast 「Hey Ya!」
Primal Scream 「Movin' On Up」
Pussycat Dolls 「Beep」
Radiohead 「No Surprises」
Razorlight 「America」
R.E.M. 「Losing My Religion」
Robbie Williams and Nicole Kidman 「Somethin' Stupid"」
Scissor Sisters 「I Don't Feel Like Dancin'」
The Stone Roses 「She Bangs The Drums」
Supergrass 「Alright」
Twisted Sister 「We're Not Gonna Take It」
U2 「Beautiful Day」
Weezer 「Buddy Holly」
Wolfmother 「Love Train」
The Zutons 「Valerie」
若干マニアックな路線に偏っているようにも思えるラインナップではあるが、あとは後述のオンラインストアでお好みの曲を購入して欲しい、という思惑なのだろう。歌いやすさのオススメとしてはWeezerの「Buddy Holly」あたりがオススメ。Windows 95のCD-ROM内に収録されてたサンプル曲中の1つがこの曲で、懐かしさに浸るのも良し、The Cardigansの「Love fool」も女性VOの曲ながら、男性にも歌いやすいのが嬉しい。
あくまで個人差によるが、歌いにくいことこの上ないのがブリトニー・スピアーズの「Toxic」だった。この曲の難易度の高さは曲自体が速い以外に調子がコロコロと変わって息が続かなくなるし、多少の体力も必要。当たり前の事だが「プロ歌手ってスゲー」と実感すること間違いない。
最上位の難易度はラップじゃないかと予想をつける人もいるだろうが、正しく歌い上げるという点では当たっているが、ゲームとしてハイスコアを追求するという点だとそうでもない。音程と声を出す尺さえ合っていれば最悪、鼻歌だけでもしのげる。歌詞を100%無視してしまうと、ラップのような同じ節の繰り返しになる曲は逆に簡単で、難しいのは長くて転調が繰り返される曲だ。これは鼻歌でもキチンとしたスコアを出すのは難しい。
ゲーム本体に収録された曲に飽きてしまったら、オンラインに接続して「Singstar Store」サービスを利用することで、新しい曲(もちろんPV付)を1曲1.49ドル(欧州の場合は0.99ユーロ)で購入することができる。6月9日時点で、米国と欧州の各ジャンルアーティストから274曲(SCEE)、203曲(SCEA)が登録されており、随時新しい曲が追加されていくということだ。
各曲はジャンルおよびアルファベット順にカテゴライズがされており、現時点では利用に不都合はないが、今後曲のラインナップが膨らんでくると、お目当ての曲を探すのが面倒くさくなってくることが予想される。オンラインのトップに掲載されている最新の追加曲に関する更新情報からの直リンクもないため、新曲が探しにくい。インターフェイスは洗練されていてカッコイイものの、もうひとつ練り込みが足りないように感じる。
「Singstar Store」は一言で言うとアップルが手がける「iTunes Music Store」のカラオケ版だと考えれば良いだろう。利用期間の制限等は無く、一度購入すれば、ずっと使い続けることができる。1曲あたりの容量は80MB程度で、ある程度まとまった数の曲数を揃えることを考えると、大容量のハードディスクへ交換を検討しても良いかもしれない。
ストアは現時点では米国および欧州のユーザーのみ利用が可能で、それ以外の地域に住んでいるPLAYSTATION Networkのユーザーアカウントからはアクセスができないようになっている。欧米地域のアカウントがあればストアの閲覧は可能だが、PLAYSTATION Networkではクレジットカードの国情報を見ているので、欧米で作成したものでない限り決済をすることができないため、残念ながら現時点では新しい曲データを追加購入してみることができなかった。
|
|
曲のラインナップは新旧問わずかなり幅広い |
なつかしの曲もPV付で購入できるのが嬉しい |
|
|
Weezerは何故か主要な音ゲー全てで網羅されている |
簡単そうに見えて割と難しいOutkastの「Hey Ya」 |
|
|
息が続かなくて死にそうになる「Toxic」 |
The Cardigansの「Love Fool」も収録。歌いやすい |
■ 「My Singstar Online」で世界中のユーザーとコミュニケーションを楽しもう
|
コミュニティは大きく3つに分けられる
|
|
オンラインには既に愉快な映像が多数アップされている
|
「Singstar」には他のゲームには決して真似できないユニークなオンラインコミュニケーションサービスが用意されている。それが「My Singstar Online」だ。
まず最初に自分のイメージ・自分の国籍・一言コメント・好きなアーティスト・好きな曲を入力して、プロフィールを作成する。ユーザー名についてはPLAYSTATION Networkで設定したものがそのまま適用されるので、ゲーム上から変更することはできない。イメージについては、予め用意された画像もしくは「PLAYSTATION Eye」からの取り込みどちらかを選択できるが、ほとんどのプレーヤーは自分の顔を取り込んで参加している。
作成したプロフィールにはゲームで叩き出したベストスコアが表示され、どの程度の腕前なのかを他のプレーヤーが確認することができるようになっている。どの曲で、どの難易度で出したスコアかも表示されるので、ここは一番気合を入れてベストスコアを常に表示させておきたいところだ。
閲覧側のコンテンツとしては「コミュニティーギャラリー」、「ミート・シングスター・プレーヤーズ」、「クイックプール(投票)」の3種類で構成されている。
▽コミュニティギャラリー
「My Singstar Online」の肝と言える機能が、このコミュニティギャラリーだ。オンライン上のプレーヤーがアップロードしたゲームをプレイしている様子を動画・静止画および音声の3カテゴリーで閲覧することができる。もちろん自分でアップロードすることも可能だが、映像関連は「PLAYSTATION Eye」が必須となる。
動画はプレイ中に録画された30秒間の映像および音声を観ることができる。閲覧方法は「YouTube」ライクで、映像をアップロードしたプレーヤーのプロフィールや、他にアップロードした映像や音声が紐付けられているため、「このプレーヤーは面白い!」と思った場合は余計な検索の手間無しに他のファイルを観ることができるのはありがたい。
静止画の場合は、プレイ中にオートで撮影されたいくつかの画像をゲームプレイ後にピックアップしてアップロードされたものが公開されている。音声はプレーヤーの歌声だけが公開されているもので、映像面は通常プレイ時に映し出されるPVのままだ。
公開されてる各投稿作品はレビュースコアを付けることが可能で、任意に最高5つまでの☆をつけることができる。評価と閲覧数の高いものは1週間ごとに集計されている「Hot Picks of thw Week」というカテゴリに登録され、より他のオンラインユーザーの目につきやすい仕組みになっている。更に高い評価を得たものについては「Hall of Fame」というカテゴリにも登録され注目が集まるようにつくられているため、今コミュニティでどんなプレーヤーが猛威をふるっているのか、わかりやすい。
投稿作品を見てみると、気合の入ったものが多数アップされており、中途半端にゲーム本編をプレイしているよりも面白かったりするので困ってしまう。ちょうど「Youtube」や「ニコニコ動画」を観はじめると止まらなくなる感覚に似ている。
映像系はスター・ウォーズのキャラクタに扮したりするパフォーマンス系で楽しむのも良いが、やはり家族や友達同士で歌っている様子を観察するのが一番面白い。微妙にセクシー系な服でデュエットする女の子や、小さい子が歌っている様子をうしろでアイスを食べながら黙々と見ている両親など、日本では体感できない外国の家庭を、ゲームを通して生で見れるのが最大の醍醐味と言える。
▽ミート・シングスター・プレーヤーズ
オンライン上に登録されている世界中のプレーヤーのプロフィールを検索・閲覧することが可能で、各プレーヤーのプレイスコアや、オンラインにアップロードされた映像や写真など、各種紐付けされた公開情報をチェックできる。検索方法がユーザー名のアルファベット順検索にしか対応していないため、例えば国籍などでフィルタリングをかけることができず、使い勝手はやや悪い。
▽クイックプール
Wiiの「みんなの投票チャンネル」とまではいかないが、簡単な投票機能が用意されている。投票内容は、どちらのアルバムもしくはアーティストが好きか? という二者択一のもので、好みの方に投票すると現時点での投票結果がグラフで表示されるようになっている。国別・性別といった一歩踏み込んだデータまでは集計されていない。
|
|
ちょっとセクシーな服装な2人が歌う様子も |
一発ネタ系の映像も多数公開中 |
|
|
子供と奥の両親の差がかなりシュール |
カップルで楽しむ様子もある |
強いて言えば、ゲーム本編にオンラインマルチプレイモードがないのが残念なところだが、その代わりとして実装された「My Singstar Online」の存在は非常に大きい。この機能のおかげでゲームとしての面白さが増したばかりか、「歌って競う」というゲームとしての新しい楽しみ方を開拓した点に注目したい。競合するタイトルは多数あるが、現時点で規模・内容面共に「Singstar」と並ぶタイトルは見当たらない。特に「Singstar Store」のオープンにより、他の競合タイトルとは頭1つどころか2つか3つは飛び出した存在だと言ってもいいだろう。
人が集まらないと楽しめない、洋楽オンリーとなかなか敷居の高いゲームではあるが、歌うという行為はゲームよりもスッキリ・簡単にストレスを解消できるため、激ムズのゲームを遊んでいるとか、対戦に負けて悶々としている人には気分転換用のアイテムとしてもおススメしたい。たまにコントローラをマイクに持ち替えてみるのもオツなものだ。
|
|
アップされているものはそれぞれスコア付けが可能 |
他人からチェックされるプロフィールはしっかり作ろう |
|
|
投票は簡易なものが用意されている |
各プレーヤーのプロフィールを眺めるのも楽しい |
SingStar is a trademark of Sony Computer Entertainment Europe. (C) 2007 Sony Computer Entertainment Europe. Published by Sony Computer Entertainment America Inc. Developed by SCEE London Studio. All rights reserved.
□「SingStar」公式ホームページ(英語)
http://www.us.playstation.com/singstar/
(2008年6月9日)
[Reported by Game Dude]
当連載でご紹介したゲームは日本国内で流通しているハードウェアでは動作を保証するものではありません。編集部では海外版ハードウェア・ソフトウェアを輸入して紹介しています
この記事を読んで行なった行為によって、生じた損害はGAME Watch編集部および、メーカー、購入したショップもその責を負いません
GAME Watch編集部では、この記事についての個別のご質問・お問い合わせにお答えすることはできません
また、弊誌に掲載された写真、文章の転載、使用に関しましては一切お断わりいたします
ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp
Copyright (c) 2008 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.
|